Clinical snapshot

タイロゲン筋注用0.9mg

ヒトチロトロピン アルファ(遺伝子組換え)筋注用凍結乾燥製剤

添付文書改訂 2023年07月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分又は甲状腺刺激ホルモン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦、妊娠している可能性のある女性及び授乳婦

効能・効果

  • 分化型甲状腺癌で甲状腺全摘又は準全摘術を施行された患者における、放射性ヨウ素シンチグラフィと血清サイログロブリン(Tg)試験の併用又はTg試験単独による診断の補助。

  • 分化型甲状腺癌で甲状腺全摘又は準全摘術を施行された遠隔転移を認めない患者における残存甲状腺組織の放射性ヨウ素によるアブレーションの補助。

用法・用量

本品1バイアルに日局注射用水1.2mLを加えて溶解し、その1mL(ヒトチロトロピン アルファ(遺伝子組換え)として0.9mg)を臀部筋肉内に24時間間隔で2回投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤は、甲状腺癌患者の管理に精通した医師の監督下に使用すること。

  2. 8.2本剤投与後のTg濃度は、一般に、甲状腺ホルモン投与中止後のTg濃度よりも低く、両処置間でのTg濃度は必ずしも相関しない。

  3. 8.3本剤はたん白質製剤であるため、重篤な過敏症状が発現する可能性は否定できないので、観察を十分に行い、過敏症状等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  4. 8.4本剤の投与後に、残存甲状腺組織又は転移癌の増大が起きることがあり、これにより、腫瘍部位によっては、急性症状を示すことがある。例えば、中枢神経系転移癌患者で、片麻痺、不全片麻痺又は視力喪失が生じた。本剤投与後に、転移部位での喉頭浮腫痛や気管切開を要する呼吸困難も認められている。局所的な腫瘍の拡大が患者の生死に関わる場合には、副腎皮質ステロイド剤を前もって投与することを推奨する。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1転移癌のある甲状腺癌患者

腫瘍の増大による局所的な浮腫や出血の可能性がある。(局所的な腫瘍の拡大が患者の生死に関わる場合には、本剤の投与に先立ち、副腎皮質ステロイド剤を前もって投与することを推奨する。)

  1. 9.1.2心疾患を有する又は既往歴のある患者、多量の残存甲状腺組織がある患者

血清中の甲状腺ホルモン濃度が上昇することがある。また、ごく稀に甲状腺機能亢進症や心房細動を発現するとの報告がある。

  1. 9.1.3ウシ甲状腺刺激ホルモンの投与を受けたことのある患者

過敏症状発現の可能性を上昇させるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

放射性ヨウ素の服用量は、核医学医師によって注意深く使用すること。透析を必要とする末期腎不全患者では、本剤の排泄が遅くなり、高い血中濃度の延長をもたらす。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1肝機能が低下している患者

投与経験が少なく安全性が確立していない。

9.5 妊婦

投与しないこと。動物での生殖試験は実施されていない。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。ヒトの母乳中へ移行するかは不明である。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
インフルエンザ様症状注4)味覚消失 1%未満
下痢 1%未満
倦怠感 頻度不明
口喝 1%未満
味覚異常 1%未満
呼吸困難 1%未満
嘔吐 頻度不明
悪寒 頻度不明
悪心 頻度不明
情動不安定 1%未満
投与部位反応 1%未満
浮動性めまい 頻度不明
浮腫 1%未満
消化不良 1%未満
無力症 頻度不明
異常感 頻度不明
異常感覚 頻度不明
疲労 頻度不明
疼痛 1%未満
発声障害 頻度不明
発汗 1%未満
発熱 1%未満
発疹注3) 1%未満
白血球減少 1%未満
眼球炎 1%未満
紅斑性丘疹 1%未満
胸部不快感 頻度不明
脱毛症 1%未満
腹痛 1%未満
腹部不快感 頻度不明
蕁麻疹 1%未満
血管拡張 1%未満
錯感覚 1%未満
頭痛 頻度不明
頸痛 1%未満
頻尿 頻度不明
食欲不振 1%未満
骨痛 1%未満
高コレステロール血症 1%未満
高血圧 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は、甲状腺由来細胞へのヨウ素摂取促進作用や甲状腺ホルモン及びTg産生促進作用を示す、ヒト型甲状腺刺激ホルモンの遺伝子組換え製剤である。

18.2 ウシ甲状腺膜を用いたcAMP産生作用

ウシ甲状腺のミクロゾーム分画を用いたin vitro試験において、本剤による用量依存的なcAMPの産生作用が認められた。

18.3 甲状腺刺激作用

マウスに甲状腺ホルモンであるトリヨードチロニン(T3)をあらかじめ経口又は皮下投与して甲状腺機能を低下させた後、ヒトチロトロピン アルファを腹腔内に投与すると、血漿中テトラヨードチロニン(T4)が用量依存的に増加した。 また、カニクイザルにヒトチロトロピン アルファを筋肉内投与すると、用量依存的に血漿中T3及びT4の増加が認められた。

18.4 放射性ヨウ素摂取促進作用

アカゲザルにヒトチロトロピン アルファの筋肉内投与を行い、続いて放射性ヨウ素(123I)を静脈内投与したところ、頸部への123I摂取率増加が認められた。

薬物動態

16.1 血中濃度

分化型甲状腺癌により甲状腺全摘術を施行された患者(日本人9例)及び全摘又は準全摘術を施行された患者(外国人3例)に本剤を24時間間隔で2回投与した国内1) 及び海外2) 臨床試験における血中濃度パラメータ(平均値±標準偏差)を表に、国内臨床試験における血清中TSH濃度の推移(平均値±標準偏差)を図に示した。

Tmax(時間) Cmax(μIU/mL)
日本人(9例) 28.75±14.21 240.8±65.9
外国人(3例) 28.0(3例とも28.0) 220.3±45.6