Clinical snapshot

ゾレドロン酸点滴静注4mg/100mLバッグ「日医工P」

ゾレドロン酸水和物

添付文書改訂 2026年04月01日

【警告】

  • 〈効能共通〉
  1. 1.1本剤は点滴静脈内注射のみに用いること。また、投与は必ず15分間以上かけて行うこと。5分間で点滴静脈内注射した外国の臨床試験で、急性腎障害が発現した例が報告されている。
  • 〈悪性腫瘍による高カルシウム血症〉
  1. 1.2高カルシウム血症による脱水症状を是正するため、輸液過量負荷による心機能への影響を留意しつつ十分な補液治療を行った上で投与すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分又は他のビスホスホネート系薬剤に対し、過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

  • 悪性腫瘍による高カルシウム血症

  • 多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変

用法・用量

  • 〈悪性腫瘍による高カルシウム血症〉

通常、成人には1バッグ(ゾレドロン酸として4mg)を15分以上かけて点滴静脈内投与する。なお、再投与が必要な場合には、初回投与による反応を確認するために少なくとも1週間の投与間隔をおくこと。

  • 〈多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変〉

通常、成人には1バッグ(ゾレドロン酸として4mg)を15分以上かけて3~4週間間隔で点滴静脈内投与する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1がん治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ使用すること。

  2. 8.2本剤の各投与前に腎機能検査(血清クレアチニン、BUN等)を行うこと。また、本剤投与後は定期的に腎機能検査(血清クレアチニン、BUN等)を行うこと。本剤投与後に腎機能が悪化した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  3. 8.3本剤投与後は、血清補正カルシウム、リン、マグネシウム、カリウム等の変動に注意すること。本剤投与により、低カルシウム血症が投与初日~10日目頃に出現する可能性があるので、血清補正カルシウム値には特に注意すること。なお、多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変を有する患者に対しては、必要に応じてカルシウム及びビタミンDを補給させるよう指導すること。

  4. 8.4ビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。 本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に歯科処置が必要になった場合には、できる限り非侵襲的な歯科処置を受けるよう指導すること。 また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。

  5. 8.5ビスホスホネート系薬剤を使用している患者において、外耳道骨壊死が発現したとの報告がある。これらの報告では、耳の感染や外傷に関連して発現した症例も認められることから、外耳炎、耳漏、耳痛等の症状が続く場合には、耳鼻咽喉科を受診するよう指導すること。

  6. 8.6ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性又は軽微な外力による大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部、鼠径部、前腕部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の部位の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。

  • 〈多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変〉
  1. 8.7本剤を継続投与する場合、投与前に腎機能障害のある患者では、血清クレアチニンが投与前値から1.0mg/dL以上、腎機能が正常な患者では、血清クレアチニンが投与前値から0.5mg/dL以上上昇した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎障害のある患者

多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変を有する患者では、腎機能の低下に応じて、投与量を調節すること。

  1. 9.2.2重篤な腎障害のある患者

状態を観察しながら慎重に投与すること。腎機能が悪化するおそれがある。多発性骨髄腫及び固形癌骨転移患者で血清クレアチニンが3.0mg/dL以上、悪性腫瘍による高カルシウム血症患者で血清クレアチニンが4.5mg/dL以上の患者での十分な使用経験がない。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出されるので、全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠動物(ラット)へのゾレドロン酸の皮下投与によって、催奇形性、妊娠後期・分娩期の母動物の死亡が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。類薬のパミドロン酸二ナトリウムにおいて、動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

国内では小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カルシトニン製剤
• カルシトニン
エルカトニン
サケカルシトニン
血清カルシウムが急速に低下するおそれがある。 相互に作用を増強する。
アミノグリコシド系抗生物質
• ゲンタマイシン等
長期間にわたり血清カルシウムが低下するおそれがある。 相互に作用を増強する。
シナカルセト 血清カルシウムが低下するおそれがある。 相互に作用を増強する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
5%以上
5%以上
頻度不明
5%以上
頻度不明
頻度不明
頻度不明
5%以上
頻度不明
5%以上
5%以上
ALT 5%以上
β-Nアセチル-D-グルコサミニダーゼ増加 頻度不明
γ-GTP増加) 5%以上
インフルエンザ様疾患注) 頻度不明
けん怠感注) 5%以上
そう痒 頻度不明
ブドウ膜炎 頻度不明
上強膜炎 頻度不明
下痢 頻度不明
不安 頻度不明
低カリウム血症 頻度不明
低マグネシウム血症 頻度不明
低リン酸血症 5%以上
低血圧 頻度不明
体重増加 頻度不明
便秘 頻度不明
傾眠 頻度不明
全身痛注) 頻度不明
刺激感 頻度不明
口内乾燥 頻度不明
口内炎 頻度不明
口渇 頻度不明
味覚異常 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嘔気 5%以上
多尿 頻度不明
多汗 頻度不明
尿中β2-ミクログロブリン増加 5%以上
幻覚 頻度不明
強膜炎 頻度不明
徐脈 頻度不明
悪寒注) 頻度不明
感覚減退 頻度不明
振戦 頻度不明
斑状皮疹 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
歯周炎等) 頻度不明
歯周病(歯肉炎 頻度不明
水疱 頻度不明
汎血球減少 頻度不明
注射部位反応(疼痛 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
浮腫 頻度不明
消化不良 頻度不明
湿疹 頻度不明
疲労注) 頻度不明
疼痛 頻度不明
発熱注) 5%以上
発赤) 頻度不明
白血球減少 頻度不明
皮疹 頻度不明
眼窩の炎症(眼窩浮腫 頻度不明
眼窩蜂巣炎等) 頻度不明
睡眠障害 頻度不明
知覚過敏 頻度不明
硬結 頻度不明
筋硬直 頻度不明
筋肉痛注) 頻度不明
紅斑 頻度不明
紅斑性皮疹 頻度不明
結膜充血 頻度不明
結膜炎 頻度不明
肝機能異常(AST 5%以上
背部痛注) 頻度不明
胸痛 頻度不明
脱力 頻度不明
腫脹 頻度不明
腹痛 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
蛋白尿 頻度不明
血中クレアチニン増加 頻度不明
血中尿素増加 頻度不明
血小板減少 頻度不明
血尿 頻度不明
血管神経性浮腫 頻度不明
貧血 頻度不明
錯乱 頻度不明
錯感覚 頻度不明
関節炎注) 頻度不明
関節痛注) 5%以上
関節硬直 頻度不明
関節腫脹注) 頻度不明
霧視 頻度不明
頭痛 5%以上
食欲不振 頻度不明
骨痛注) 5%以上
高カリウム血症 頻度不明
高ナトリウム血症 頻度不明
高血圧 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ゾレドロン酸の骨吸収阻害作用の主な機序は、破骨細胞のアポトーシス誘導14)及び機能喪失15)であると考えられる。

18.2 高カルシウム血症改善作用

甲状腺・副甲状腺摘出ラットを用いた活性型ビタミンD3誘発高カルシウム血症モデルにゾレドロン酸を皮下投与したとき、用量依存的に血清カルシウム濃度を低下させる16)。

18.3 骨吸収阻害作用

ゾレドロン酸はマウス頭蓋冠培養系において、各種カルシウム遊離促進剤によるマウス頭蓋冠からのカルシウム遊離を用量依存的に阻害する17)。ゾレドロン酸は乳癌細胞及び骨髄腫細胞の骨転移モデルにおける溶骨性病変を抑制する18),19)。

薬物動態

16.1 血中濃度

悪性腫瘍骨転移患者にゾレドロン酸4mgを15分間静脈内投与したとき、薬物動態パラメータは以下のとおりであった(n=10)1)。

用法・用量 Cmax
(ng/mL)
AUC0-24h
(ng・h/mL)
4mg15分間投与 426±101 576±130

16.5 排泄

ゾレドロン酸は静脈内投与したとき、ほとんど代謝を受けずに腎排泄される。悪性腫瘍骨転移患者(9例)及び悪性腫瘍による高カルシウム血症患者(19例)にゾレドロン酸4mgを15分間静脈内投与したとき、初回投与後24時間までに投与量の32.6%及び16.0%が未変化体として尿中に排泄された2),3)。