Clinical snapshot

ゾニサミド散20%「アメル」

ゾニサミド

添付文書改訂 2025年01月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

部分てんかんおよび全般てんかんの下記発作型

  • 部分発作

  • 単純部分発作(焦点発作(ジャクソン型を含む)、自律神経発作、精神運動発作) 複雑部分発作(精神運動発作、焦点発作) 二次性全般化強直間代けいれん(強直間代発作(大発作))

  • 全般発作

  • 強直間代発作(強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)) 強直発作(全般けいれん発作) 非定型欠神発作(異型小発作)

  • 混合発作(混合発作)

用法・用量

ゾニサミドとして、通常、成人は最初1日100~200mgを1~3回に分割経口投与する。以後1~2週ごとに増量して通常1日量200~400mgまで漸増し、1~3回に分割経口投与する。 なお、最高1日量は600mgまでとする。 小児に対しては、通常、最初1日2~4mg/kgを1~3回に分割経口投与する。以後1~2週ごとに増量して通常1日量4~8mg/kgまで漸増し、1~3回に分割経口投与する。 なお、最高1日量は12mg/kgまでとする。

使用上の注意

  1. 8.1連用中における投与量の急激な減量ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

  2. 8.2連用中は定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。

  3. 8.3眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  4. 8.4用量調整をより適切に行うためには本剤の血中濃度測定を行うことが望ましい。

  5. 8.5発汗減少があらわれることがあり、特に夏季に体温が上昇することがあるので、本剤投与中は体温上昇に留意し、このような場合には高温環境下をできるだけ避け、減量又は中止など適切な処置を行うこと。

  6. 8.6投与中又は投与中止後に、自殺企図があらわれることがあるので、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1虚弱者

連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝機能障害又はその既往歴のある患者

血中濃度が上昇するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中に本剤を投与された患者が心室中隔欠損、心房中隔欠損等を有する児を出産したとの報告があり、動物実験(マウス、ラット、イヌ、サル)で流産、催奇形作用(口蓋裂、心室中隔欠損等)が報告されている。また、妊娠中に本剤を投与された患者の児に呼吸障害があらわれたとの報告がある。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中への移行が報告されている。

9.7 小児等

  1. 9.7.11歳未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

  2. 9.7.2発汗減少があらわれることがある。小児での報告が多い。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1少量から投与を開始するなど用量に留意すること。生理機能(肝機能、腎機能)が低下していることが多い。

  2. 9.8.2投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。

相互作用

  • 本剤は、主として薬物代謝酵素CYP3Aで代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗てんかん剤
• フェニトイン
カルバマゼピン
フェノバルビタール
バルプロ酸 等
併用中の他の抗てんかん剤を減量又は中止する場合には、本剤の血中濃度が上昇することがある。 フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタールではCYPが誘導され、本剤の血中濃度が低下することが示唆されている。
フェニトイン 眼振、構音障害、運動失調等のフェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、できるだけ血中濃度を測定し、減量するなど適切な処置を行うこと。 本剤によりフェニトインの代謝が抑制され、血中濃度が上昇することが示唆されている。
三環系抗うつ剤
• アミトリプチリン等四環系抗うつ剤
• マプロチリン等
MAO-B阻害作用を有するセレギリン(パーキンソン病治療薬)において、三環系抗うつ剤との併用により、高血圧、失神、不全収縮、発汗、てんかん、動作・精神障害の変化及び筋強剛といった副作用があらわれ、更に死亡例も報告されている。 相加・相乗作用によると考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT上昇 1〜5%未満
AST上昇 1〜5%未満
BUN上昇 頻度不明
CK上昇 頻度不明
IgG等) 頻度不明
γ-GTP上昇 1〜5%未満
クレアチニン上昇 頻度不明
しびれ感 頻度不明
しゃっくり 頻度不明
下痢 1〜5%未満
不機嫌 頻度不明
不随意運動・振戦 1〜5%未満
乳腺腫脹 頻度不明
代謝性アシドーシス・尿細管性アシドーシス 頻度不明
体重減少 1〜5%未満
便秘 1%未満
倦怠・脱力感 1〜5%未満
免疫グロブリン低下(IgA 頻度不明
動悸 頻度不明
口内炎 頻度不明
口渇 1%未満
味覚異常 頻度不明
喘鳴 頻度不明
多形紅斑 頻度不明
好酸球増多 頻度不明
平衡障害 1%未満
幻視・幻聴 1%未満
幻覚・妄想状態 1%未満
悪心・嘔吐 5%以上
意識障害 1%未満
感覚異常 1〜5%未満
抑うつ・不安・心気 1〜5%未満
抗核抗体の陽性例 頻度不明
排尿障害・失禁 1%未満
易刺激性・焦燥 1〜5%未満
構音障害 1〜5%未満
流涎 1〜5%未満
浮腫 1%未満
無気力・自発性低下 5%以上
発汗減少 1%未満
発熱 1%未満
発疹・そう痒感 1〜5%未満
白血球減少 1〜5%未満
眠気(24.3%) 5%以上
眩暈 1〜5%未満
眼振 1〜5%未満
眼痛 頻度不明
睡眠障害 頻度不明
精神活動緩慢化 5%以上
精神病様症状 1%未満
結晶尿 頻度不明
胃痛・腹痛 1〜5%未満
胸部圧迫感 1%未満
脱毛 頻度不明
蛋白尿 1%未満
血小板減少 1%未満
血尿 頻度不明
血清カルシウム低下 頻度不明
行動異常 頻度不明
被害念慮 1%未満
複視・視覚異常 1〜5%未満
記銘・判断力低下 1〜5%未満
貧血 1%未満
運動失調(12.7%) 5%以上
離人症 1%未満
頭痛・頭重 1〜5%未満
頻尿 頻度不明
顆粒球減少 頻度不明
食欲不振(11.0%) 5%以上
高アンモニア血症 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ゾニサミドの作用機序については、まだ完全に解明されてはいないが、発作活動の伝播過程の遮断、てんかん原性焦点の抑制等が示唆されている8),9)。

18.2 最大電撃けいれん及び薬物誘発けいれんに対する作用

最大電撃けいれん(マウス、ラット、ウサギ、イヌ)及びペンテトラゾール誘発けいれん(マウス)の強直性伸展相をフェニトインやカルバマゼピンと同様に選択的に抑制する8),10)。

18.3 脳波に対する作用

電気刺激誘発皮質限局けいれんや抱合エストロゲン皮質適用による棘徐波結合等のけいれん脳波に対して強い抑制作用を示す9),11)(ネコ)。また、タングステン酸ゲル皮質適用(ラット)や皮質凍結(ネコ)による棘波活性及び二次性全般けいれんに対して強い抑制作用を示す9)。

18.4 キンドリングモデルにおける作用

皮質又は海馬の反復電気刺激によるキンドリング形成後のけいれん脳波に対して抑制作用を示す12)(ラット)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与
Tmax(hr) Cmax(μg/mL) T1/2(hr)
5.3±1.3 2.9±0.3 62.9±1.4

平均値±標準誤差

  1. 16.1.2生物学的同等性試験

ゾニサミド錠100mg「アメル」及びゾニサミド散20%「アメル」と各標準製剤について、下記のとおりクロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された2)。

標準製剤 試験投与量
ゾニサミド錠100mg「アメル」 エクセグラン錠100mg それぞれ1錠(ゾニサミドとして100mg)
ゾニサミド散20%「アメル」 エクセグラン散20% それぞれ0.5g(ゾニサミドとして100mg)
判定パラメータ 参考パラメータ
AUC(0→72)
(μg・hr/mL)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ゾニサミド錠100mg「アメル」 45.73±9.57 0.92±0.12 2.83±2.14 93.58±47.97
エクセグラン錠100mg 48.09±5.66 0.92±0.13 2.67±1.03 96.40±48.92

(Mean±S.D.,n=6)

血漿中未変化体濃度(生物学的同等性)

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC(0→72)
(μg・hr/mL)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ゾニサミド散20%「アメル」 44.38±4.18 0.85±0.09 3.50±1.76 76.75±17.37
エクセグラン散20% 42.17±4.41 0.83±0.07 3.33±1.03 93.28±31.78

(Mean±S.D.,n=6)

血漿中未変化体濃度(生物学的同等性)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.3 分布

  1. 16.3.1血漿蛋白結合率

48.6%(in vitro、ヒト血清、限外ろ過法)3)。

16.4 代謝

  1. 16.4.1主な代謝産物及び代謝経路

ゾニサミドは主として肝臓で代謝され、イソキサゾール環開裂体を生成した後、グルクロン酸抱合等を受ける1)。

  1. 16.4.2代謝酵素

主としてCYP3A4)

16.5 排泄

  1. 16.5.1排泄経路

主として尿中5)

  1. 16.5.2排泄率

経口投与後2週間における尿中排泄率は、未変化体として28.9~47.8%、主代謝物(イソキサゾール環開裂体のグルクロン酸抱合体)として12.4~18.7%であった。これらは投与量の47.6~60.2%であった1)(健康成人、200mg 1 回、200mg/日又は400mg/日2日間投与)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者における薬物動態
クレアチニンクリアランス
(mL/min)
Tmax
(hr)
Cmax
(μg/mL)
T1/2
(hr)
CLr
(mL/min)
Ae
(%)
>60 3.3 3.64 58 3.42 16.8
20~60 4.3 3.73 58 2.50 11.9
<20 2.9 4.08 63 2.23 13.3

CLr:腎クリアランス Ae:尿中排泄率(投与後8日間までに尿中に排泄されたゾニサミドの用量に対する百分率)

腎クリアランス及び尿中排泄率で正常腎機能患者との間に差が認められた。

16.8 その他

  1. 16.8.1有効血中濃度

てんかんの重症度や症例によって違いはあるが、一般に20μg/mL前後が目安として示されている7)。