Clinical snapshot

ソマゾン注射用10mg

メカセルミン(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2024年06月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

悪性腫瘍のある患者[本剤が細胞増殖作用を有するため。]

効能・効果

  • 下記疾患における高血糖、高インスリン血症、黒色表皮腫、多毛の改善

  • インスリン受容体異常症A型、インスリン受容体異常症B型、脂肪萎縮性糖尿病、妖精症、ラブソン・メンデンホール症候群

  • 下記疾患における成長障害の改善

  • 成長ホルモン抵抗性の成長ホルモン単独欠損症Type1A、ラロン症候群

用法・用量

効能・効果 用法・用量
• 下記疾患における高血糖、高インスリン血症、黒色表皮腫、多毛の改善• インスリン受容体異常症A型、インスリン受容体異常症B型、脂肪萎縮性糖尿病、妖精症、ラブソン・メンデンホール症候群 通常、1回0.1~0.4mg/kgを1日1~2回食前皮下に注射する。1日1回投与のときは朝食前に、1日2回投与のときは朝食前と夕食前に投与する。
• 下記疾患における成長障害の改善• 成長ホルモン抵抗性の成長ホルモン単独欠損症Type1A、ラロン症候群 通常、1回0.05~0.2mg/kgを1日1~2回食前皮下に注射する。1日1回投与のときは朝食前に、1日2回投与のときは朝食前と夕食前に投与する。

投与量は原則として低用量より開始し、症状及び検査所見に応じて投与量、投与回数を上記の範囲内で適宜増減する。注射に際しては、本剤1バイアルに添付の日本薬局方生理食塩液1mLを加えて溶解する。

使用上の注意

  1. 8.1過敏症等の反応を予測するため、使用に際しては十分な問診を行うとともに、あらかじめ本剤によるプリック試験を行うことが望ましい。

  2. 8.2低血糖を起こすことがあるので、注意すること。また、低血糖に関する注意について、患者及びその家族に十分徹底させ、患者自らも対処できるように十分指導すること。

  3. 8.3低血糖があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等、危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

  4. 8.4連続投与した場合、本剤に対する抗体が生じることがある。抗体の産生により効果の減弱がみられる場合には、投与を中止すること。

  5. 8.5糖尿病性網膜症の発症・悪化があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1低血糖を起こすおそれのある以下の患者又は状態
  • 下垂体機能不全又は副腎機能不全

  • 下痢、嘔吐等の胃腸障害

  • 飢餓状態、不規則な食事摂取

  • 激しい筋肉運動

  • 過度のアルコール摂取者

  • 高齢者

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎機能障害患者

低血糖があらわれるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝機能障害患者

低血糖があらわれるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

低出生体重児又は新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

用量に留意し、定期的に検査を行うなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 糖質コルチコイド• ヒドロコルチゾン
• プレドニゾロン
• 等
本剤の成長促進作用が抑制されるおそれがある。ただし、本剤に関する症例報告はない。 機序はあきらかではないが、糖質コルチコイドの投与は小児の発育を抑制する。したがって、本剤の成長促進作用についても糖質コルチコイド投与により抑制される可能性が考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
トリグリセリド上昇 頻度不明
めまい 頻度不明
リンパ球数減少 頻度不明
下垂体腫大 頻度不明
不安 頻度不明
低血糖症状(脱力感 頻度不明
卵巣腫大等 頻度不明
嘔気 頻度不明
多嚢胞性卵巣 頻度不明
心悸亢進 頻度不明
意識障害 頻度不明
扁桃腫大 頻度不明
振戦 頻度不明
気分不良 頻度不明
注射部位の発赤 頻度不明
浮腫 頻度不明
熱感 頻度不明
疼痛 頻度不明
痙攣等) 頻度不明
発汗 頻度不明
眠気 頻度不明
知覚異常 頻度不明
硬結 頻度不明
神経過敏 頻度不明
精神障害 頻度不明
糖尿病性網膜症の発症・悪化注2) 頻度不明
肥大型心筋症の増悪 頻度不明
脾臓腫大 頻度不明
腎腫大 頻度不明
腫脹 頻度不明
興奮 頻度不明
蒼白 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
集中力低下 頻度不明
頭痛 頻度不明
顎下腺腫大 頻度不明
高度の空腹感 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤はインスリン様作用と成長促進作用を有する生体内蛋白であるIGF-1(ソマトメジンC)と同一蛋白であり、生体内において以下に示すような薬理作用を示す。

18.2 グルコース輸送促進作用及び血糖低下作用

  1. 18.2.1ラットの肝、脂肪及び筋肉細胞で、細胞内へのグルコース輸送を促進し15),16),17) 、正常及び糖尿病ラットの血糖を低下させる18),19) 。

  2. 18.2.2インスリンに対して抵抗性を示すインスリン受容体異常症患者の培養皮膚線維芽細胞においても、正常なグルコース輸送促進作用を示す20) 。

18.3 成長促進作用

  1. 18.3.1ヒト軟骨細胞及びウサギ肋軟骨細胞のDNA及びプロテオグリカンの合成を促進し、マウス骨芽細胞様株化細胞のコラーゲン合成及びアルカリフォスファターゼ活性を亢進させる21),22),23) 。

  2. 18.3.2下垂体摘除ラットにおいて体重及び骨長増加等の成長促進作用を示す24) 。

18.4 その他

遺伝性肥満ob/obマウスにおいて、成長ホルモンでみられるような耐糖能の低下を示さず、むしろ耐糖能を改善させる25) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与
    1. (1)健康成人(5例)に対照として生理食塩液を皮下投与した場合の血漿中IGF-I濃度はほぼ一定で、173~197ng/mLの変動を示したが、本剤0.06及び0.12mg/kgを単回皮下投与した場合、投与後3~4時間目に最高血中濃度(それぞれ約400及び480ng/mL)に達した2) 。
  • 〈インスリン受容体異常症〉

  1. (2)インスリン受容体異常症患者(13例)に本剤0.1~0.4mg/kgを単回皮下投与した場合、投与3時間後に最高血漿中濃度(Cmax)に達し、Cmaxは投与量の増加とともに上昇した3) 。
  • 〈成長ホルモン抵抗性の成長ホルモン単独欠損症Type1A〉
  1. (3)成長ホルモン単独欠損症Type1A(2例)では投与前値が5~18ng/mLと極めて低かったが、本剤0.05~0.2mg/kgを単回皮下投与したとき、投与後3時間目に83~699ng/mLのピーク値を示した。その後血漿中濃度はゆるやかに減少し投与24時間後の濃度は前値と差がなかった4) 。
  • 〈ラロン症候群〉
  1. (4)ラロン症候群の患者1例も投与前値は4ng/mL以下と低く、本剤0.05~0.15mg/kgの単回皮下投与に対し投与後3時間値は72~205ng/mLであった4) 。

  2. 16.1.2反復投与

    1. (1)健康成人(6例)に本剤0.1mg/kgを1日1回7日間反復皮下投与した場合、投与2日目に定常状態に達した5) 。
  • 〈インスリン受容体異常症〉

  1. (2)インスリン受容体異常症患者(5例)に本剤0.1~0.25mg/kgを1日2回反復皮下投与した場合、投与後7日目までに定常状態に達した3) 。
  • 〈成長ホルモン抵抗性の成長ホルモン単独欠損症Type1A、ラロン症候群〉
  1. (3)成長ホルモン単独欠損症Type1A及びラロン症候群各1例に反復皮下投与したときの血漿中濃度はそれぞれの患者でほぼ一定であり、速やかに定常状態に達していると考えられた4) 。

16.3 分布

内因性ソマトメジンCは血漿中で分子量約150KD及び40KDの蛋白と結合しており、ソマゾン無添加時には遊離型は存在せず、蛋白結合率はほぼ100%であった。ソマゾンを添加すると、40KD分画の結合量はやや増加したが、150KD分画の結合量はほとんど変化せず、結合の飽和が示唆された。一方、遊離型ソマトメジンCの割合はソマゾンの添加量の増加とともに増加し、血漿蛋白結合率はソマゾン1,000及び2,500ng/mL添加時には、それぞれ13.3%、8.2%に低下した6),7) 。