Clinical snapshot

ゼプリオン水懸筋注50mgシリンジ

パリペリドンパルミチン酸エステル

添付文書改訂 2025年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]

  2. 2.2バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強されることがある。]

  3. 2.3アドレナリン(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)、クロザピンを投与中の患者

  4. 2.4本剤の成分、パリペリドン及びリスペリドンに対し過敏症の既往歴のある患者

  5. 2.5中等度から重度の腎機能障害患者(クレアチニン・クリアランス50mL/分未満)

効能・効果

統合失調症

用法・用量

通常、成人にはパリペリドンとして初回150mg、1週後に2回目100mgを三角筋内に投与する。その後は4週に1回、パリペリドンとして75mgを三角筋又は臀部筋内に投与する。 なお、患者の症状及び忍容性に応じて、パリペリドンとして25mgから150mgの範囲で適宜増減するが、増量は1回あたりパリペリドンとして50mgを超えないこと。

使用上の注意

  1. 8.1持効性製剤は、精神症状の再発及び再燃の予防を目的とする製剤である。そのため、本剤は、急激な精神興奮等の治療や複数の抗精神病薬の併用を必要とするような不安定な患者には用いないこと。また、一度投与すると直ちに薬物を体外に排除する方法がないため、本剤を投与する場合は、予めその必要性について十分に検討し、副作用の予防、副作用発現時の処置、過量投与等について十分留意すること。

  2. 8.2増量が必要な場合には、本剤が持効性製剤であることを考慮して、患者の症状を十分観察しながら慎重に増量すること。

  3. 8.3症状の急激な悪化等により経口抗精神病薬等を併用する場合は、漫然と併用しないこと。

  4. 8.4投与初期、再投与時、増量時にα交感神経遮断作用に基づく起立性低血圧があらわれることがあるので、低血圧があらわれた場合は減量等、適切な処置を行うこと。

  5. 8.5眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  6. 8.6興奮、誇大性、敵意等の陽性症状を悪化させる可能性があるので観察を十分に行い、悪化がみられた場合には他の治療法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。

  7. 8.7本剤の投与により、高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意するとともに、特に糖尿病又はその既往歴あるいはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

  8. 8.8低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

  9. 8.9本剤の投与に際し、あらかじめ上記8.7及び8.8の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、医師の診察を受けるよう指導すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心・血管系疾患、低血圧、又はそれらの疑いのある患者

一過性の血圧降下があらわれることがある。

  1. 9.1.2不整脈の既往歴のある患者、先天性QT延長症候群

QTが延長する可能性がある。

  1. 9.1.3パーキンソン病又はレビー小体型認知症のある患者

悪性症候群が起こりやすくなる。また、錐体外路症状の悪化に加えて、錯乱、意識レベルの低下、転倒を伴う体位不安定等の症状が発現するおそれがある。

  1. 9.1.4てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者

痙攣閾値を低下させるおそれがある。

  1. 9.1.5自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者

症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.6糖尿病又はその既往歴のある患者、あるいは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者

血糖値が上昇することがある。

  1. 9.1.7脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者

悪性症候群が起こりやすい。

  1. 9.1.8不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の患者

抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1中等度から重度の腎機能障害患者

クレアチニン・クリアランス50mL/分未満の腎機能障害患者には投与しないこと。本剤の排泄が遅延し血中濃度が上昇するおそれがある。

  1. 9.2.2軽度の腎機能障害患者

本剤の排泄が遅延し血中濃度が上昇するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

肝障害を悪化させるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで乳汁移行が認められている1)。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では腎機能が低下している可能性がある。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アドレナリン
(アナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)
• ボスミン
アドレナリンの作用を逆転させ、血圧降下を起こすことがある。 アドレナリンはアドレナリン作動性α、β受容体の刺激剤であり、本剤のα受容体遮断作用によりβ受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。
クロザピン
• クロザリル
クロザピンは原則単剤で使用し、他の抗精神病薬とは併用しないこととされている。本剤は半減期が長いため、本剤が体内から消失するまでクロザピンを投与しないこと。 本剤が血中から消失するまでに時間を要する。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体等) 相互に作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤及びこれらの薬剤の中枢神経抑制作用による。
ドパミン作動薬 相互に作用を減弱することがある。 本剤はドパミン遮断作用を有していることから、ドパミン作動性神経において作用が拮抗する可能性がある。
降圧薬 降圧作用が増強することがある。 本剤及びこれらの薬剤の降圧作用による。
アルコール 相互に作用を増強することがある。 アルコールは中枢神経抑制作用を有する。
カルバマゼピン2) 本剤の血中濃度が低下することがある。 本剤の排泄、代謝を促進し、吸収を低下させる可能性がある。
QT延長を起こすことが知られている薬剤 QT延長があらわれるおそれがある。 QT延長作用が増強するおそれがある。
アドレナリン含有歯科麻酔剤
• リドカイン・アドレナリン
血圧降下を起こすことがある。 アドレナリンはアドレナリン作動性α、β受容体の刺激剤であり、本剤のα受容体遮断作用によりβ受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されるおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP増加 1%未満
ALT増加 1〜5%未満
AST増加 1%未満
CK増加 1%未満
LDH増加 1%未満
γ-GTP増加 1〜5%未満
アカシジア 5%以上
インスリンCペプチド増加 頻度不明
グリコヘモグロビン増加 1%未満
ざ瘡 1%未満
ジスキネジア 1%未満
ジストニー 1〜5%未満
セルフケア障害 頻度不明
そう痒症 1%未満
てんかん 頻度不明
トリグリセリド増加 1〜5%未満
パーキンソニズム 1%未満
パーキンソン歩行 頻度不明
ヘマトクリット減少 頻度不明
ヘモグロビン減少 1%未満
リビドー減退 頻度不明
リンパ球数増加 頻度不明
上室性期外収縮 1%未満
上腹部痛 1%未満
下痢 1〜5%未満
下腹部痛 頻度不明
不安 1〜5%未満
不快感 頻度不明
不眠症 5%以上
不規則月経 1%未満
乳房分泌 頻度不明
乳房痛 頻度不明
乳汁漏出症 1%未満
会話障害(舌の麻痺等) 頻度不明
低ナトリウム血症 頻度不明
低体温 頻度不明
低蛋白血症 頻度不明
低血圧 頻度不明
体位性めまい 1%未満
体温上昇 頻度不明
体温低下 頻度不明
体重増加 1〜5%未満
体重減少 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1%未満
健忘 頻度不明
傾眠 1%未満
全身性蕁麻疹 頻度不明
初期不眠症 1%未満
前立腺炎 頻度不明
勃起不全 1%未満
動悸 1%未満
口内乾燥 1%未満
口内炎 頻度不明
口唇炎 頻度不明
口渇 頻度不明
右脚ブロック 1%未満
咳嗽 1%未満
咽喉頭疼痛 1%未満
咽頭炎 頻度不明
嗜眠 頻度不明
嘔吐 1%未満
嚥下障害 1%未満
四肢痛 1%未満
回転性めまい 1%未満
多飲症 1%未満
大発作痙攣 頻度不明
失神 頻度不明
女性化乳房 頻度不明
好中球百分率増加 頻度不明
好塩基球数増加 頻度不明
好酸球数増加 1%未満
好酸球百分率増加 頻度不明
妄想 1%未満
季節性アレルギー 頻度不明
寝汗 頻度不明
射精障害 1%未満
尿中ウロビリン陽性 頻度不明
尿失禁 1%未満
尿潜血 1〜5%未満
尿糖陽性 1%未満
尿閉 1%未満
左脚ブロック 頻度不明
幻聴 1%未満
幻覚 1%未満
後弓反張 頻度不明
徐脈 1%未満
心拍数増加 頻度不明
心電図QT延長 1%未満
心電図QT補正間隔延長 頻度不明
心電図異常 頻度不明
性機能不全 1%未満
悪夢 頻度不明
悪心 1〜5%未満
感覚鈍麻 1%未満
房室ブロック 頻度不明
抑うつ気分 1%未満
振戦 1〜5%未満
排尿困難 1%未満
攻撃性 1%未満
斜頚 頻度不明
易刺激性 頻度不明
月経困難症 1%未満
末梢性ニューロパシー 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
椎間板突出 頻度不明
構語障害 1%未満
構音障害 1%未満
歯痛 1%未満
歯肉炎 1%未満
気道感染 頻度不明
注射部位そう痒感 1%未満
注射部位炎症 1%未満
注射部位熱感 1〜5%未満
注射部位疼痛 5%以上
注射部位硬結 5%以上
注射部位紅斑 1〜5%未満
注射部位腫脹 1〜5%未満
注射部位血腫 1%未満
注視麻痺 頻度不明
洞性不整脈 頻度不明
洞性徐脈 頻度不明
洞性頻脈 1%未満
流涎過多 1〜5%未満
浮動性めまい 1%未満
浮腫 1%未満
湿疹 1%未満
激越 1%未満
無力症 頻度不明
無月経 1%未満
疲労 1%未満
痔核 頻度不明
痙攣 1%未満
発熱 1%未満
発疹 1%未満
白癬感染 頻度不明
白血球数増加 1〜5%未満
皮膚乾燥 頻度不明
皮膚剥脱 頻度不明
皮膚炎 頻度不明
皮膚真菌感染 頻度不明
眼球回転運動 1%未満
眼精疲労 頻度不明
眼部不快感 頻度不明
睡眠時遊行症 頻度不明
睡眠障害 頻度不明
神経因性膀胱 1%未満
筋固縮 1%未満
筋拘縮 頻度不明
筋痙縮 頻度不明
筋痛 頻度不明
筋緊張亢進 頻度不明
筋骨格痛 1%未満
筋骨格硬直 1%未満
精神症状 5%以上
精神的機能障害 頻度不明
糖尿病 1%未満
紅色汗疹 1%未満
結膜炎 頻度不明
統合失調症の悪化 1〜5%未満
総蛋白減少 頻度不明
耳痛 頻度不明
耳管障害 頻度不明
耳鳴 頻度不明
肝機能検査異常 1%未満
肺炎 頻度不明
胃不快感 頻度不明
胃潰瘍 頻度不明
胃炎 1%未満
胃腸障害 頻度不明
背部痛 1%未満
胸部不快感 1%未満
脂漏性皮膚炎 頻度不明
脂肪肝 頻度不明
脂肪腫 1%未満
脾腫 頻度不明
腟感染 頻度不明
腸管虚血 頻度不明
腹痛 1%未満
腹部不快感 1%未満
自傷行動 頻度不明
自殺企図 頻度不明
自殺念慮 1%未満
自殺既遂 1%未満
舌痛 頻度不明
舌腫脹 頻度不明
落ち着きのなさ 1%未満
薬剤離脱症候群 頻度不明
虚血 頻度不明
蛋白尿 1%未満
血中インスリン増加 頻度不明
血中クレアチニン増加 頻度不明
血中コレステロール増加 1%未満
血中ビリルビン増加 1%未満
血中ブドウ糖増加 1%未満
血中尿素減少 頻度不明
血中尿酸増加 頻度不明
血中鉄減少 頻度不明
血中電解質異常 頻度不明
血圧上昇 1%未満
血圧低下 1%未満
血小板数増加 頻度不明
血管浮腫 頻度不明
被害妄想 1%未満
誤嚥 1%未満
誤嚥性肺炎 頻度不明
貧血 頻度不明
起立性低血圧 1%未満
身体妄想 1%未満
転倒 頻度不明
逆むけ 頻度不明
逆流性食道炎 頻度不明
運動緩慢 1%未満
運動過多 頻度不明
過敏症 1%未満
過食 頻度不明
錐体外路障害 1〜5%未満
鎮静 1%未満
間質性肺疾患 頻度不明
関節周囲炎 頻度不明
関節痛 頻度不明
電解質失調 頻度不明
霧視 1%未満
頚部痛 1%未満
頭痛 1〜5%未満
頭部動揺 1%未満
頻尿 1%未満
頻脈 頻度不明
顔面感覚鈍麻 頻度不明
食欲不振 頻度不明
食欲亢進 1%未満
食欲減退 1〜5%未満
高コレステロール血症 頻度不明
高プロラクチン血症(27.6%) 5%以上
高脂血症 1%未満
高血圧 1%未満
鼓腸 頻度不明
鼻出血 頻度不明
鼻咽頭炎 1%未満
鼻炎 頻度不明
鼻閉 頻度不明
齲歯 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

主としてドパミンD2受容体拮抗作用及びセロトニン5-HT2A受容体拮抗作用に基づく、中枢神経系の調節によるものと考えられる。

18.2 薬理作用

パリペリドンパルミチン酸エステルは、活性本体のパリペリドンに加水分解されて薬効を示す。

  1. 18.2.1抗ドパミン作用

ドパミンD2受容体拮抗作用を有し、ラットでアポモルヒネ又はアンフェタミンにより誘発される興奮や常同行動等の行動変化を用量依存的に抑制した20),21)。

  1. 18.2.2抗セロトニン作用

セロトニン5-HT2A受容体拮抗作用を有し、ラットでトリプタミン又はメスカリンにより誘発される振戦や首振り運動等の行動変化を抑制した20),22),23)。

  1. 18.2.3カタレプシー惹起作用

ラットでのカタレプシー惹起作用は、リスペリドンと同等であった。また、ラットの中脳辺縁系(側坐核)でのドパミンD2受容体に対する占有率は、錐体外路症状との関連が深いとされている線条体での占有率より高い。しかしハロペリドールでは側坐核と線条体で同程度であった。なお、セロトニン5-HT2A受容体拮抗作用が線条体におけるドパミン伝達の遮断を緩和している可能性がある。21),24)

薬物動態

16.1 血中濃度

筋肉内投与されたパリペリドンパルミチン酸エステルは、投与部位で溶解し、活性本体のパリペリドンに加水分解された後、パリペリドンとして全身循環に移行し、組織へ分布する。なお、統合失調症患者に本剤を単回及び反復筋肉内投与したときのパリペリドンパルミチン酸エステルの血漿中濃度はほとんどの採血時点で定量下限未満であった。

  1. 16.1.1単回投与

統合失調症患者に本剤をパリペリドンとして25、50及び150mg臀部筋内に単回投与したときの血漿中パリペリドン濃度は緩やかに上昇し、投与11~18日後にCmaxに達した後、緩やかに低下し、最終測定時の投与後126日においても定量可能であった5)。

統合失調症患者の臀部筋内に単回投与したときの血漿中パリペリドン濃度推移(平均値+S.D.)

投与量 Cmax(ng/mL) tmaxa)(day) AUC∞(ng·h/mL) t1/2(day)
25mg
(n=8)
3.68±2.26 16.0
(4.0-25.0)
5713±2829 47.2±46.8
50mg
(n=8)
7.94±6.64 11.0
(4.0-42.2)
9198±4764 44.7±21.6
150mg (n=9) 17.2±9.95 18.0
(4.0-28.0)
20861±9960 49.7±22.6

a):中央値(範囲)

統合失調症患者に本剤をパリペリドンとして25~150mg三角筋内に単回投与したときの血漿中パリペリドンのCmaxは、臀部筋内投与時と比し、平均で28%高値であった。AUC∞は用量に比例して増加したが、75mg以上でCmaxの増加は用量比より低かった。t1/2は25~49日の範囲であった(外国人データ)。6)

投与量 Cmax(ng/mL) tmaxa)(day) AUC∞(ng·h/mL) t1/2(day)
三角筋内投与
25mg
(n=22)
5.88±2.31 13.0
(4.0-35.0)
6074±1942b) 25.5±10.2b)
50mg
(n=23)
10.4±6.23 13.0
(4.0-48.0)
11800±4579c) 33.3±16.6c)
100mg
(n=22)
13.4±7.82 12.5
(4.0-56.0)
20069±7778d) 45.7±16.1d)
150mg (n=21) 29.2±11.8 14.0
(4.1-48.0)
36883±11095c) 38.0±10.6c)
臀部筋内投与
25mg
(n=21)
4.89±2.10 16.0
(4.0-55.2)
5308±1850e) 27.1±15.1e)
50mg
(n=24)
7.82±3.28 13.4
(6.0-41.0)
10556±2039e) 34.1±14.3e)
100mg
(n=25)
12.6±7.04 14.1
(6.0-62.0)
19674±8478c) 40.6±10.4c)
150mg (n=24) 17.9±9.52 17.0
(4.0-75.9)
30415±9287d) 47.5±19.8d)

a):中央値(範囲),b):n=20,c):n=18,d):n=16,e):n=19

  1. 16.1.2反復投与

統合失調症患者に本剤をパリペリドンとして初回150mg、1週後に2回目100mgを三角筋内投与し、その後、4週間隔で75mgを2回三角筋又は臀部筋内に投与したとき、2回目以降のトラフ値及び最終投与後4週で血漿中パリペリドン濃度は同程度であった7)。

統合失調症患者に初回150mg、1週後に2回目100mgを三角筋内投与し、その後、4週間隔で75mgを2回三角筋又は臀部筋内に投与したときの血漿中パリペリドン濃度(中央値±四分位範囲)

注)本剤投与間隔における血漿中パリペリドン濃度を頻回測定しなかったことから、時点表記のみとした。

16.3 分布

ヒト血漿蛋白結合率:パリペリドン73.2%(in vitro、平衡透析法、50~250ng/mL)8)

16.4 代謝

パリペリドンパルミチン酸エステル:主にセリンエステラーゼにより、パリペリドンに加水分解される9)。 パリペリドン:ヒト肝試料を用いたin vitro試験成績より、肝での代謝は低いと推定された10)。 代謝酵素(チトクロームP450)の分子種:CYP3A4及びCYP2D6でわずかに代謝される11)。

16.5 排泄

健康成人に14C-パリペリドン1mg経口液剤を単回投与したとき、投与後7日までに投与放射能の約80%が尿中に、約11%が糞便中に排泄された。また、尿中に排泄された未変化体は投与量の約59%であった(外国人データ、経口パリペリドン製剤での成績)。12)

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害による影響

1795例の外国人統合失調症患者の成績を対象として母集団薬物動態解析を実施し、構築された血漿中パリペリドン濃度推移に関するモデルにおいて、CL/Fの共変量としてクレアチニンクリアランス(CLcr)が同定された。軽度腎機能障害患者(CLcr:50mL/分以上80mL/分未満)では正常腎機能患者(CLcr:80mL/分以上)と比較してCL/Fが16%低下し、AUCτが19%増加すると推定されたことから、軽度腎機能障害患者では用量調節の必要性が示唆された。(外国人データ)

  1. 16.6.2外国人におけるパリペリドン徐放錠の成績

種々の程度の腎機能障害患者にパリペリドン徐放錠3mgを単回経口投与したとき、腎機能の低下に伴い、健康成人と比較してCL/Fに軽度障害で32%、中等度障害で64%、重度障害で71%の低下が認められた13)。

  1. 16.6.3肝機能障害による影響(外国人における経口パリペリドン製剤の成績)

中等度肝機能障害患者(Child-Pughスコア7~9)にパリペリドン1mg(液剤)を単回経口投与したとき、肝機能の低下に伴い、健康成人と比較してCmax及びAUC∞はそれぞれ35%及び27%低下したが、非結合型濃度は同程度であった。なお、重度の肝機能障害患者における検討はなされていない。14)

  1. 16.6.4高齢者における薬物動態(外国人におけるパリペリドン徐放錠の成績)

健康成人及び健康高齢者を対象に、パリペリドン徐放錠3mgを単回経口投与及び1日1回7日間反復経口投与したとき、健康成人と比較して、健康高齢者ではCmax及びAUCがそれぞれ9~20%及び24~34%増加した15)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1カルバマゼピン

統合失調症又は双極Ⅰ型障害患者64例にCYP3A4及びP糖蛋白誘導作用を有するカルバマゼピン(400mg/日反復投与)とパリペリドン徐放錠(6mg/日反復投与)を21日間併用したとき、パリペリドンのCmax,ss及びAUCτはそれぞれ37.5%及び36.6%減少した2)(外国人データ 、 パリペリドン徐放錠での成績)。

  1. 16.7.2パロキセチン

健康成人男性60例にCYP2D6阻害作用を有するパロキセチン(20mg/日反復投与)とパリペリドン徐放錠(3mg単回投与)を併用したとき、パリペリドンのAUC∞は16.48%増加した16)(外国人データ 、 パリペリドン徐放錠での成績)。

  1. 16.7.3トリメトプリム

健康成人男性30例に有機カチオントランスポーター阻害作用を有するトリメトプリム(400mg/日反復投与)とパリペリドン徐放錠(6mg単回投与)を併用したとき、それぞれの薬剤の薬物動態に併用の影響は認められなかった17)(外国人データ 、 パリペリドン徐放錠での成績)。

16.8 その他

  1. 16.8.1母集団薬物動態解析結果に基づくリスペリドン持効性懸濁注射液投与時との曝露量の比較

1795例の外国人統合失調症患者の成績を対象として母集団薬物動態解析を実施し、構築されたモデルを用いて、リスペリドン持効性懸濁注射液を使用している患者に本剤を投与したときの血漿中有効成分濃度注)推移について検討した。 リスペリドン持効性懸濁注射液25又は50mgを反復投与している統合失調症患者に、最終投与の2週間後から、本剤をパリペリドンとして50又は100mg、4週間隔で反復投与したとき、血漿中有効成分濃度注)は同程度に維持されると推定された。 なお、リスペリドン持効性懸濁注射液から本剤に切り替えた場合の有効性及び安全性は確認されていない。

リスペリドン持効性懸濁注射液50mgを反復投与している統合失調症患者に、最終投与の2週間後から、本剤をパリペリドンとして100mg、4週間隔で反復投与したときの血漿中有効成分濃度注)推移の推定値

(線:中央値、網掛け:90%予測区間) 注)血漿中有効成分濃度は、リスペリドン持効性懸濁注射液投与時はリスペリドン及びパリペリドンの血漿中濃度の合算、本剤投与時は血漿中パリペリドン濃度である。

  1. 16.8.2母集団薬物動態解析結果に基づく、投与間隔が空いた場合の投与再開に関する探索的検討

1795例の外国人統合失調症患者の成績を対象として母集団薬物動態解析を実施し、構築された血漿中パリペリドン濃度推移に関するモデルを用いて、本剤の投与間隔が空いた場合の投与再開について探索的な検討を行った。 なお、以下に記載された投与方法で本剤を投与した場合の有効性及び安全性は確認されていない。

  1. (1)初回投与後、2回目投与までの投与間隔が空いた場合の投与再開についてのシミュレーション

本剤をパリペリドンとして初回150mg投与後、その1週後に2回目100mgの投与ができず、投与間隔が空いた後に投与したときの血漿中パリペリドン濃度をシミュレーションした。

  • ①初回投与後、4週未満(本シミュレーションでは3週)に2回目パリペリドンとして100mgを投与し、5週に3回目75mgを投与したとき、2回目の投与時期に関係なく、4回目投与までに75mg反復投与時の定常状態と同程度の血漿中パリペリドン濃度が得られると推定された。本剤をパリペリドンとして150mgを初回/Day1に三角筋内投与し、初回投与後3週に2回目100mg、5週に3回目75mgを投与し、その後4週間隔で75mgを投与したときの推定血漿中パリペリドン濃度

(線:中央値、網掛け:90%予測区間、破線:75mgを反復筋肉内投与したときの定常状態におけるCmaxの90%予測区間の上限及び定常状態におけるCminの90%予測区間の下限)

  • ②初回投与後、4~7週(本シミュレーションでは5週)に2回目パリペリドンとして100mgを、その1週後に3回目100mgを投与したとき、4回目投与までに75mg反復投与時の定常状態と同程度の血漿中パリペリドン濃度が得られると推定された。本剤をパリペリドンとして150mgを初回/Day1に三角筋内投与し、初回投与後5週に2回目100mg、その1週後に100mgを投与し、その後4週間隔で75mgを投与したときの推定血漿中パリペリドン濃度

(線:中央値、網掛け:90%予測区間、破線:75mgを反復筋肉内投与したときの定常状態におけるCmaxの90%予測区間の上限及び定常状態におけるCminの90%予測区間の下限)

  • ③本剤をパリペリドンとして初回150mg投与後、7週時の推定血漿中パリペリドン濃度の中央値は7.5ng/mL未満であった。また、初回投与後、7週を超えて(本シミュレーションでは7週)2回目パリペリドンとして150mgを投与し、その1週後に3回目100mgを投与したとき、4回目投与までに75mg反復投与時の定常状態と同程度の血漿中パリペリドン濃度が得られると推定された。本剤をパリペリドンとして150mgを初回/Day1に三角筋内投与し、初回投与後7週に2回目150mg、その1週後に100mgを投与し、その後4週間隔で75mgを投与したときの推定血漿中パリペリドン濃度

(線:中央値、網掛け:90%予測区間、破線:75mgを反復筋肉内投与したときの定常状態におけるCmaxの90%予測区間の上限及び定常状態におけるCminの90%予測区間の下限)

  1. (2)定常状態到達後に投与間隔が空いた場合の投与再開についてのシミュレーション

本剤を反復投与し血漿中パリペリドン濃度が定常状態に達しているときに、投与間隔が空いた後に投与した場合の血漿中パリペリドン濃度をシミュレーションした。

  • ①定常状態到達後に投与間隔が4週を超えて6週以下空いた後(本シミュレーションでは6週)に、4週間隔で投与したとき、血漿中パリペリドン濃度は、数週の間、若干低値に推移した後、定常状態と同程度に到達すると推定された。本剤をパリペリドンとして75mg反復投与時の定常状態において、0週に投与した後、投与間隔が6週空いた場合に、同用量75mgを投与し、以降4週間隔で反復投与したときの推定血漿中パリペリドン濃度

(線:中央値、網掛け:90%予測区間)

  • ②定常状態到達後に投与間隔が6週を超えて6ヵ月以下空いた後(本シミュレーションでは7週)に同用量(ただし、150mgの場合は100mg)を1週間隔で2回投与したとき、4週後の次回投与までに定常状態と同程度の血漿中パリペリドン濃度が得られると推定された。本剤をパリペリドンとして75mg反復投与時の定常状態において、0週に投与した後、投与間隔が7週空いた場合に、同用量75mgを投与し、その1週後(8週)に同用量75mgを投与、以降4週間隔で反復投与したときの推定血漿中パリペリドン濃度

(線:中央値、網掛け:90%予測区間)

本剤をパリペリドンとして150mg反復投与時の定常状態において、0週に投与した後、投与間隔が7週空いた場合に、パリペリドンとして100mgを投与し、その1週後(8週)に100mgを投与、以降4週間隔で150mgを反復投与したときの推定血漿中パリペリドン濃度

(線:中央値、網掛け:90%予測区間)