Clinical snapshot

セロクラール錠10mg

イフェンプロジル酒石酸塩

添付文書改訂 2023年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

頭蓋内出血発作後、止血が完成していないと考えられる患者

効能・効果

脳梗塞後遺症、脳出血後遺症に伴うめまいの改善

用法・用量

  • 〈セロクラール錠10mg〉

通常成人には、1回2錠(イフェンプロジル酒石酸塩として20mg)を1日3回毎食後経口投与する。

  • 〈セロクラール錠20mg〉

通常成人には、1回1錠(イフェンプロジル酒石酸塩として20mg)を1日3回毎食後経口投与する。

使用上の注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1脳梗塞発作直後の患者

脳内盗血現象を起こすおそれがある。

  1. 9.1.2低血圧のある患者

血圧低下を増強するおそれがある。

  1. 9.1.3心悸亢進のある患者

心機能を亢進させるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
出血傾向をきたすと考えられる薬剤 出血傾向が増強されるおそれがある。 本剤の血小板粘着能・凝集能抑制作用による。
ドロキシドパ ドロキシドパの作用を減弱するおそれがある。 本剤のα1受容体遮断作用による。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
AST・ALT上昇 1〜5%未満
ねむけ 1〜5%未満
のぼせ感 1〜5%未満
めまい 1〜5%未満
上・下肢のしびれ感 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
不眠 頻度不明
便秘 1〜5%未満
動悸 1〜5%未満
口内炎 1〜5%未満
口渇 1〜5%未満
悪心・嘔吐 1〜5%未満
発疹 1〜5%未満
皮膚そう痒感 1〜5%未満
立ちくらみ 1〜5%未満
胸やけ 1〜5%未満
腹痛 1〜5%未満
貧血 1〜5%未満
頭痛 1〜5%未満
頻脈 1〜5%未満
顔面浮腫 1〜5%未満
顔面潮紅 1〜5%未満
食欲不振 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は血管平滑筋弛緩作用、交感神経α受容体遮断作用などに基づく脳血流増加作用、脳ミトコンドリア呼吸機能の促進による脳代謝改善作用並びに血小板凝集能の抑制による血液性状改善作用の3作用が認められる。

18.2 脳循環に対する作用

セロクラールは、脳動脈血流量特に椎骨動脈(イヌ)5) 及びその流域である扁桃核、視床下部、小脳皮質(ネコ)6) 、内耳(モルモット)7) の著明な血流増加を示す。 脳血管障害患者を対象にした臨床薬理学的検討では、N2O法8) 、133Xeクリアランス法9) 、超音波ドプラー法10) にて全脳及び病巣部局所の血流増加が確認されている。これら循環改善作用は、血管平滑筋直接弛緩作用5) 並びに非選択的な交感神経α受容体遮断作用によると考えられている11),12) 。

18.3 脳代謝に対する作用

セロクラールは、脳虚血時の乳酸、ATP、グルコースなどの脳組織における代謝異常を改善し(SHRラット)13) 、脳ミトコンドリア機能の低下を改善する(脳梗塞家兎)14) 。

18.4 血小板機能に対する作用

セロクラールは、ADP、コラーゲン、アドレナリンなどによる血小板凝集を抑制する。この作用は、セロクラールがセロトニン摂取並びに放出反応を抑制することから、血小板膜の安定化作用によるものと考えられている(健康成人男子:in vitro)15) 。また、アラキドン酸代謝におけるLASS(Labile Aggregation Stimulating Substance)凝集抑制作用も認められている(ヒト:in vitro)16) 。さらに、血小板のα2受容体を介して凝集を抑制することが示されている(健康成人:in vitro)17) 。 脳血管障害患者による臨床薬理学的検討では、血小板粘着能の抑制の他、ADP等各種の血小板凝集惹起物質に対する抑制作用16),18) 、血小板α2受容体遮断に基づく血小板凝集抑制作用が報告されている19) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男子24名に、セロクラール錠10mg、セロクラール錠20mg及びセロクラール細粒4%(国内販売中止)を、イフェンプロジル酒石酸塩として60mgずつ単回経口投与した場合の抱合型イフェンプロジルの血漿中濃度パラメーターを次に示す。

tmax(hr) Cmax(ng/mL) t1/2(hr) AUC(ng・hr/mL)
錠10mg 1.77 70.4 1.33 200.3
錠20mg 1.77 67.3 1.40 198.9
細粒4% 0.74 79.5 1.30 174.9

16.3 分布

ラットに14C-セロクラールを経口投与した場合、投与30分後に最高血中濃度に達し、脳、肝臓、腎臓、筋肉などに分布した1) 。

16.5 排泄

  1. 16.5.1ラットに14C-セロクラールを経口投与した場合、投与後24時間以内に投与量の約30%が尿中に、約60%が糞中に排泄された1) 。

  2. 16.5.2健康成人男子3名にセロクラール錠10mgを10、20及び40mg、また、脳血管障害患者3例に20及び40mg単回投与した場合、24時間までの尿中への累積排泄率は約20~30%であった。1群3名の健康成人男子9名に、セロクラール錠10mgを10、20又は40mg、1日3回、4又は5日間連続投与した場合、蓄積性は認められなかった2) 。