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セレネース内服液0.2%

ハロペリドール

添付文書改訂 2025年05月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1昏睡状態の患者[昏睡状態が悪化するおそれがある。]

  2. 2.2バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される。]

  3. 2.3重症の心不全患者[心筋に対する障害作用や血圧降下が報告されている。]

  4. 2.4パーキンソン病又はレビー小体型認知症の患者[錐体外路症状が悪化するおそれがある。]

  5. 2.5本剤の成分又はブチロフェノン系化合物に対し過敏症の患者

  6. 2.6アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)

  7. 2.7妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

統合失調症、そう病

用法・用量

ハロペリドールとして、通常成人1日0.75~2.25mg(0.375~1.125mL)からはじめ、徐々に増量する。 維持量として1日3~6mg(1.5~3mL)を経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  2. 8.2本剤は制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので、注意すること。

  3. 8.3本剤の急激な増量により悪性症候群が起こることがあるので、本剤を増量する場合は慎重に行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心・血管疾患、低血圧、又はこれらの疑いのある患者(重症の心不全患者を除く)

一過性の血圧降下があらわれることがある。

  1. 9.1.2QT延長を起こしやすい患者

低カリウム血症のある患者等では、QT延長が発現するおそれがある。

  1. 9.1.3てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者

痙攣閾値を低下させることがある。

  1. 9.1.4甲状腺機能亢進状態にある患者

錐体外路症状が起こりやすい。

  1. 9.1.5脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者、脳に器質的障害のある患者

悪性症候群が起こりやすい。

  1. 9.1.6高温環境下にある患者

体温調節中枢を抑制するため、高熱反応が起こるおそれがある。

  1. 9.1.7不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の患者

肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。

9.3 肝機能障害患者

血中濃度が上昇するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。催奇形性を疑う症例がある。動物実験で口蓋裂(マウス)、脳奇形(ハムスター)等の催奇形性及び着床数の減少、胎児吸収の増加(マウス)、流産率の上昇(ラット)等の胎児毒性が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中へ移行し、哺乳中の児の血中に検出されたと報告されている。

9.7 小児等

小児に抗精神病薬を投与した場合、錐体外路症状、特にジスキネジアが起こりやすいとの報告がある。

9.8 高齢者

少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。錐体外路症状等の副作用があらわれやすい。

相互作用

  • 本剤は、主として薬物代謝酵素CYP2D6及びCYP3A4で代謝される。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アドレナリン
(アナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)
• ボスミン
アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧降下を起こすことがある。 アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アドレナリン含有歯科麻酔剤
• リドカイン・アドレナリン
重篤な血圧降下を起こすことがある。 アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されるおそれがある。
中枢神経抑制剤
• バルビツール酸誘導体等
中枢神経抑制作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること。 本剤及びこれらの薬剤の中枢神経抑制作用による。
アルコール 相互に作用を増強することがある。 アルコールは中枢神経抑制作用を有する。
リチウム 心電図変化、重症の錐体外路症状、持続性のジスキネジア、突発性の悪性症候群、非可逆性の脳障害を起こすとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。 機序は不明であるが、併用による抗ドパミン作用の増強等が考えられている。
抗コリン作用を有する薬剤
• 抗コリン作動性抗パーキンソン剤
フェノチアジン系化合物
三環系抗うつ剤 等
腸管麻痺等の抗コリン系の副作用が強くあらわれることがある。また、精神症状が悪化したとの報告がある。 併用により抗コリン作用が強くあらわれる。
抗ドパミン作用を有する薬剤
• ベンザミド系薬剤• メトクロプラミド
スルピリド
チアプリド 等
• ドンペリドン 等
内分泌機能異常、錐体外路症状が発現することがある。 併用により抗ドパミン作用が強くあらわれる。
タンドスピロン 錐体外路症状を増強するおそれがある。 タンドスピロンは弱い抗ドパミン(D2)作用を有する。
ドパミン作動薬
• レボドパ製剤
ブロモクリプチン 等
これらの薬剤のドパミン作動薬としての作用が減弱することがある。 ドパミン作動性神経において、作用が拮抗することによる。
薬物代謝酵素(主にCYP3A4)を誘導する薬剤
• カルバマゼピン
リファンピシン 等
本剤の作用が減弱することがある。 薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の血中濃度が低下する。
CYP3A4を阻害する薬剤
• イトラコナゾール等
本剤の作用が増強し、副作用が発現するおそれがある。 薬物代謝酵素阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する。
CYP2D6を阻害する薬剤
• キニジン
プロメタジン
クロルプロマジン 等
本剤の作用が増強し、副作用が発現するおそれがある。 薬物代謝酵素阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する。
QT延長を起こすことが知られている薬剤
QT延長を起こすおそれがある。 併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
T波の変化等) 頻度不明
アカシジア(静坐不能) 5%以上
インポテンス 頻度不明
ジスキネジア(口周部 頻度不明
ジストニア(痙攣性斜頸 頻度不明
じん麻疹 頻度不明
そう痒感 頻度不明
パーキンソン症候群(振戦(11.9%) 5%以上
下痢 頻度不明
不安 頻度不明
不眠(16.1%) 5%以上
乳汁分泌 頻度不明
仮面様顔貌 5%以上
体温調節障害 頻度不明
体重増加 頻度不明
便秘 頻度不明
光線過敏症 頻度不明
口渇 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
喉頭攣縮 頻度不明
嚥下障害等) 5%以上
四肢等の不随意運動等) 頻度不明
大量投与による角膜・水晶体の混濁 頻度不明
女性型乳房 頻度不明
寡動 5%以上
幻覚 頻度不明
後弓反張 頻度不明
心電図異常(QT間隔の延長 頻度不明
性欲異常 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
抑うつ 頻度不明
持続勃起 頻度不明
排尿困難 頻度不明
月経異常 頻度不明
歩行障害 5%以上
流涎 5%以上
浮腫 頻度不明
潮紅 頻度不明
焦燥感 5%以上
痙攣 頻度不明
発汗 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球減少 頻度不明
眠気 頻度不明
眩暈 頻度不明
眼の調節障害 頻度不明
眼球上転発作等) 頻度不明
知覚変容発作 頻度不明
神経過敏 5%以上
筋強剛 5%以上
肝機能異常 頻度不明
脱力感・倦怠感・疲労感 頻度不明
興奮 頻度不明
血圧降下 頻度不明
角膜等の色素沈着 頻度不明
貧血 頻度不明
起立性低血圧 頻度不明
過鎮静 頻度不明
長期 頻度不明
頭痛・頭重 頻度不明
頻脈 頻度不明
顔面・喉頭・頸部の攣縮 頻度不明
食欲不振 頻度不明
高プロラクチン血症 頻度不明
鼻閉 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

中枢神経系におけるドパミン作動系、ノルアドレナリン作動系等に対する抑制作用が想定されている8),9),10)。

18.2 行動薬理

ハロペリドールはブチロフェノン系の抗精神病剤であり、次のような行動薬理作用を示すことが動物実験で認められている。その作用はフェノチアジン系のクロルプロマジンよりも強く、特に抗アポモルヒネ作用、抗アンフェタミン作用はクロルプロマジンの約30~40倍の強さである。

作用の種類 動物種 ED50(mg/kg)
ハロペリドール クロルプロマジン
抗アポモルヒネ作用 gnawing ラット11) 0.20 6.5
vomiting イ ヌ12) 0.018 0.70
抗アンフェタミン作用 ラット11) 0.038 1.1
条件回避反応抑制作用
(ジャンピング ボックス テスト)
ラット11) 0.058 0.93
自発運動抑制作用 マウス13) 0.9 7.0
ヘキソバルビタール睡眠増強作用 マウス13) 7.21注4) 8.63注4)
カタレプシー惹起作用 ラット13) 1.1 15.0

注4)ED60´(正向反射消失の平均持続時間を60分にする量)

薬物動態

16.1 血中濃度

Tmax(h) Cmax(ng/mL) t1/2(h)
5.1±1.0 3.2±1.2 24.1±8.9

平均値±標準偏差

注3)本剤の承認された用法及び用量は「ハロペリドールとして、通常成人1日0.75~2.25mg(0.375~1.125mL)からはじめ、徐々に増量する。維持量として1日3~6mg(1.5~3mL)を経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」である。

16.2 吸収

  1. 16.2.1吸収率

約60%(外国人データ)2)

16.3 分布

  1. 16.3.1血清蛋白結合率

約92%(in vitro、ヒト血清、限外ろ過法又は平衡透析法) 約92%(統合失調症患者、ハロペリドール投与約12時間後採血、平衡透析法)(外国人データ)3)

16.4 代謝

  1. 16.4.1主な代謝産物及び代謝経路

ハロペリドールは、カルボニル基の還元化のほか、酸化的脱アルキル化、グルクロン酸抱合等により代謝される。代謝産物である還元型ハロペリドールも酸化的脱アルキル化及びグルクロン酸抱合を受け、またハロペリドールへ逆酸化される4)。

  1. 16.4.2代謝酵素

CYP2D6、CYP3A45),6)

16.5 排泄

健康成人及び統合失調症患者(各4例)に3H-ハロペリドール2mgを単回経口投与したところ、投与5日後までの放射能の累積尿中排泄率は健康成人群で26.2%、患者群で20.1%であった。また、投与3日後までの放射能の累積糞中排泄率は約15%であった7)(外国人データ)。