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セレコキシブ錠200mg「日医工」

セレコキシブ

添付文書改訂 2024年10月01日

【警告】

外国において、シクロオキシゲナーゼ(COX)-2選択的阻害剤等の投与により、心筋梗塞、脳卒中等の重篤で場合によっては致命的な心血管系血栓塞栓性事象のリスクを増大させる可能性があり、これらのリスクは使用期間とともに増大する可能性があると報告されている。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分又はスルホンアミドに対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2アスピリン喘息(非ステロイド性消炎・鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[重症喘息発作を誘発するおそれがある。]

  3. 2.3消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させるおそれがある。]

  4. 2.4重篤な肝障害のある患者

  5. 2.5重篤な腎障害のある患者

  6. 2.6重篤な心機能不全のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくナトリウム・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させるおそれがある。]

  7. 2.7冠動脈バイパス再建術の周術期患者[外国において、類薬で心筋梗塞及び脳卒中の発現が増加するとの報告がある。]

  8. 2.8妊娠末期の女性

効能・効果

  • 下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛

  • 関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎

  • 手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛

用法・用量

  • 〈関節リウマチ〉

通常、成人にはセレコキシブとして1回100~200mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。

  • 〈変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎〉

通常、成人にはセレコキシブとして1回100mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。

  • 〈手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛〉

通常、成人にはセレコキシブとして初回のみ400mg、2回目以降は1回200mgとして1日2回経口投与する。なお、投与間隔は6時間以上あけること。 頓用の場合は、初回のみ400mg、必要に応じて以降は200mgを6時間以上あけて経口投与する。ただし、1日2回までとする。

使用上の注意

  1. 8.1本剤を使用する場合は、有効最小量を可能な限り短期間投与することに留め、長期にわたり漫然と投与しないこと。

  2. 8.2本剤の投与により、心筋梗塞、脳卒中等の重篤で場合によっては致命的な心血管系血栓塞栓性事象が発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、これらの徴候及び症状の発現には十分に注意すること。

  3. 8.3本剤には血小板に対する作用がないので、心血管系疾患予防の目的でアスピリンの代替薬として使用しないこと。抗血小板療法を行っている患者については、本剤投与に伴い、その治療を中止してはならない。

  4. 8.4国内で患者を対象に実施した臨床試験ではCOX-2に対して選択性の高い本剤と選択性の低い非ステロイド性消炎・鎮痛剤による消化管の副作用発現率に差は認められなかった。特に、消化管障害発生のリスクファクターの高い患者への投与に際しては副作用の発現に十分な観察を行うこと。

  5. 8.5肝不全、肝炎、AST、ALT、ビリルビン等の上昇、黄疸の発現が報告されているので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  6. 8.6急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害の発現が報告されているので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  7. 8.7本剤の投与により、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)等の重篤で場合によっては致命的な皮膚症状が発現するおそれがあり、多くの場合、これらの事象は投与開始後1カ月以内に発現しているので、治療初期には特に注意すること。

  8. 8.8慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。

  • 定期的あるいは必要に応じて臨床検査(尿検査、血液検査、腎機能検査、肝機能検査、心電図検査及び便潜血検査等)を行うこと。

  • 消炎・鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。また、薬物療法以外の療法も考慮すること。

  1. 8.9急性疾患(手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
  • 急性炎症及び疼痛の程度を考慮し、投与すること。

  • 原則として長期投与を避けること。

  • 原因療法があればこれを行い、本剤を漫然と投与しないこと。

  • 初回の投与量が2回目以降と異なることに留意し、患者に対し服用方法について十分説明すること。

  1. 8.10本剤で報告されている薬理作用により、感染症を不顕性化するおそれがあるので、感染症の発現に十分に注意し慎重に投与すること。

  2. 8.11浮動性めまい、回転性めまい、傾眠等が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心血管系疾患又はその既往歴のある患者(冠動脈バイパス再建術の周術期患者を除く)

  2. 9.1.2心機能障害のある患者(重篤な心機能不全のある患者を除く)

水、ナトリウムの貯留が起こる可能性があり、心機能障害を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.3高血圧症のある患者

水、ナトリウムの貯留が起こる可能性があり、血圧を上昇させるおそれがある。

  1. 9.1.4消化性潰瘍の既往歴のある患者

消化性潰瘍を再発させるおそれがある。

  1. 9.1.5非ステロイド性消炎・鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者

本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。ミソプロストールは非ステロイド性消炎・鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能又は効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある。

  1. 9.1.6気管支喘息のある患者(アスピリン喘息又はその既往歴のある患者を除く)

喘息発作を誘発するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎障害のある患者

投与しないこと。腎障害を悪化させるおそれがある。

  1. 9.2.2腎障害又はその既往歴のある患者(重篤な腎障害のある患者を除く)

腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こる可能性があり、腎障害を悪化又は再発させるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝障害のある患者

投与しないこと。肝障害を悪化させるおそれがある。

  1. 9.3.2肝障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)

用量を減らすなど慎重に投与すること。血中濃度が高くなるとの報告がある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊娠末期の女性

投与しないこと。妊娠末期のマウス1)及びヒツジ2)への投与において、胎児の動脈管収縮が報告されている。

  1. 9.5.2妊婦(妊娠末期を除く)又は妊娠している可能性のある女性*治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与する際には、必要最小限にとどめ、羊水量、胎児の動脈管収縮を疑う所見を妊娠週数や投与日数を考慮して適宜確認するなど慎重に投与すること。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(全身作用を期待する製剤)を妊娠中期の妊婦に使用し、胎児の動脈管収縮が起きたとの報告がある。培養細胞を用いた染色体異常試験において、細胞毒性が認められる濃度で染色体の数的異常(核内倍加細胞の増加)が、生殖発生毒性試験で着床後死亡数や死産の増加、横隔膜ヘルニア、胎児体重減少等が認められている。またラットにおいて本剤が胎児に移行することが報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行が報告されている3),4)。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

  • 本剤は、主として薬物代謝酵素CYP2C9で代謝される。また、本剤はCYP2D6の基質ではないが、CYP2D6の阻害作用を有する。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• ACE阻害剤• エナラプリルマレイン酸塩
• イミダプリル塩酸塩
• テモカプリル塩酸塩
• 等
• アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤• カンデサルタンシレキセチル
• バルサルタン
• ロサルタンカリウム
• 等
非ステロイド性消炎・鎮痛剤(NSAID)はアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤の降圧効果を減弱させる可能性があるとの報告がある。本剤とACE阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤との相互作用は明らかではないが、併用する場合は相互作用の起こる可能性を考慮すること。(なお、リシノプリルを併用した臨床試験では、顕著な血圧変化は認められなかったとの報告がある) 他のNSAIDでは、腎臓におけるプロスタグランジン合成阻害によると考えられている。
• フロセミド
• チアジド系利尿剤• トリクロルメチアジド
• ヒドロクロロチアジド
• 等
患者によっては他のNSAIDがフロセミド及びチアジド系利尿剤のナトリウム排泄作用を低下させることが示されている。本剤と、フロセミド又はチアジド系利尿剤との相互作用は明らかではないが、併用する場合は相互作用の起こる可能性を考慮すること。 他のNSAIDでは、腎臓におけるプロスタグランジン合成阻害によると考えられている。
• アスピリン 本剤と低用量アスピリン(1日325mg以下)を併用した場合、本剤のみを服用したときに比べて消化性潰瘍・消化管出血等の発生率が高くなることが報告されている。 アスピリンの併用によりNSAIDの消化性潰瘍・消化管出血等を助長させると考えられている。
• 抗血小板薬• クロピドグレル
• 等
本剤と抗血小板薬を併用した場合、本剤のみを服用したときに比べて消化管出血の発生率が高くなることが報告されている。 これらの薬剤は血小板凝集抑制作用を有するため、NSAIDの消化管出血を助長させると考えられている。
• リチウム リチウムの血漿中濃度が上昇し、リチウムの作用が増強するおそれがある。リチウムを使用中の患者に本剤の投与を開始又は中止するときには十分に患者をモニターすること。 機序は明らかではないが、腎排泄を阻害するためと考えられている。
• フルコナゾール 本剤の血漿中濃度が上昇し、本剤の作用が増強するおそれがある。フルコナゾールを使用中の患者には本剤の投与を低用量から開始すること。 CYP2C9による本剤の代謝を阻害すると考えられている。
• フルバスタチン 本剤及びフルバスタチンの血漿中濃度が上昇し、本剤及びフルバスタチンの作用が増強するおそれがある。 CYP2C9による本剤の代謝を阻害するため、また本剤と同じCYP2C9で代謝されるためと考えられている。
• クマリン系抗凝血剤• ワルファリン プロトロンビン時間が延長するおそれがある。海外で特に高齢者において、重篤で場合によっては致命的な出血が報告されている。ワルファリンを使用中の患者に本剤の投与を開始あるいは用法を変更する際には十分注意して観察すること。 CYP2C9を介する代謝の競合阻害によると考えられている。
• パロキセチン 本剤の血漿中濃度が低下し、パロキセチンの血漿中濃度が上昇した。本剤の作用が減弱し、パロキセチンの作用が増強するおそれがある。 CYP2D6の阻害作用によると考えられている。
• デキストロメトルファン デキストロメトルファンの血漿中濃度が上昇し、デキストロメトルファンの作用が増強するおそれがある。 CYP2D6の阻害作用によると考えられている。
• 制酸剤• アルミニウム製剤
• マグネシウム製剤
• 等
本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の作用が減弱するおそれがある。 機序は明らかでない。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P増加 1%未満
ALT増加 1〜5%未満
AST増加 1%未満
BUN増加 1〜5%未満
CK増加 1%未満
LDH増加 1%未満
NAG増加 1〜5%未満
PSA増加 頻度不明
β2-マイクログロブリン増加 5%以上
γ-GTP増加 1%未満
アフタ性口内炎 1%未満
アレルギー増悪 頻度不明
インフルエンザ様疾患 頻度不明
ウイルス感染 1%未満
ガングリオン 頻度不明
そう痒症 1%未満
ヘマトクリット減少 頻度不明
ヘモグロビン増加 頻度不明
ヘリコバクター感染 頻度不明
ほてり 1%未満
上気道感染 頻度不明
上腹部痛 1%未満
上顆炎 頻度不明
下痢 1〜5%未満
不安 頻度不明
不安定狭心症 頻度不明
不整脈 頻度不明
不正子宮出血 1%未満
不眠症 頻度不明
丹毒 頻度不明
乳房圧痛 頻度不明
体位性めまい 1%未満
体重増加 1%未満
便潜血陽性 1〜5%未満
便秘 1%未満
倦怠感 1%未満
傾眠 1〜5%未満
光線過敏性反応 頻度不明
全身浮腫 1%未満
冠動脈硬化症 頻度不明
前立腺炎 頻度不明
副鼻腔炎 頻度不明
創傷感染 頻度不明
動悸 1%未満
卵巣囊胞 頻度不明
口の感覚鈍麻 1%未満
口内乾燥 1%未満
口内炎 1〜5%未満
口渇 1%未満
口腔内潰瘍 頻度不明
口腔内痛 1%未満
口腔粘膜水疱形成 1%未満
口角びらん 1%未満
味覚異常 1%未満
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
咽頭炎 1%未満
嘔吐 1%未満
嚥下障害 頻度不明
四肢痛 1%未満
回転性めまい 1%未満
多尿 1%未満
多汗 1%未満
大動脈弁閉鎖不全症 頻度不明
尿ウロビリノーゲン陽性 1%未満
尿潜血陽性 1〜5%未満
尿糖陽性 1%未満
尿蛋白陽性 1%未満
尿路感染 頻度不明
尿閉 1%未満
帯状疱疹 頻度不明
幻覚 頻度不明
循環虚脱 1%未満
心室肥大 頻度不明
心窩部不快感 1%未満
悪寒 1%未満
悪心 1%未満
意識レベルの低下 1%未満
感覚鈍麻 1%未満
憩室 頻度不明
排便回数増加 頻度不明
損傷 頻度不明
斑状丘疹状皮疹 1%未満
斑状出血 頻度不明
月経障害 1%未満
末梢性浮腫 1%未満
歯の脱落 頻度不明
歯肉感染 頻度不明
気管支炎 頻度不明
水疱性皮膚炎 頻度不明
洞性徐脈 頻度不明
浮動性めまい 1%未満
消化不良 1%未満
深部静脈血栓症 頻度不明
湿疹 1%未満
潮紅 1%未満
点状出血 1%未満
無嗅覚 頻度不明
無菌性髄膜炎 頻度不明
狭心症 頻度不明
疲労 1%未満
痔出血 頻度不明
発声障害 頻度不明
発疹 1〜5%未満
皮膚乾燥 1%未満
皮膚炎 1%未満
真菌感染 頻度不明
眼そう痒症 1%未満
睡眠障害 頻度不明
硝子体浮遊物 頻度不明
筋痙縮 頻度不明
筋硬直 1%未満
筋緊張亢進 頻度不明
糖尿病 1%未満
紅斑 1%未満
紅斑性皮疹 1%未満
細菌性腸炎 1%未満
細菌感染 頻度不明
結膜出血 頻度不明
耳感染 頻度不明
耳痛 1%未満
耳鳴 1%未満
聴力低下 頻度不明
胃不快感 1%未満
胃炎 1%未満
胃腸炎 1%未満
胃腸障害 1%未満
胃食道逆流性疾患 頻度不明
背部痛 1%未満
脂肪腫 頻度不明
脱毛症 頻度不明
腎機能障害 1%未満
腎結石症 頻度不明
腱断裂 頻度不明
腹痛 1〜5%未満
腹部膨満 1%未満
膣出血 頻度不明
膵炎 頻度不明
舌炎 1%未満
舌障害 1%未満
良性前立腺肥大症 頻度不明
蕁麻疹 1%未満
薬疹 1%未満
血中カリウム増加 頻度不明
血中クレアチニン増加 頻度不明
血中テストステロン減少 頻度不明
血中ナトリウム増加 頻度不明
血中ビリルビン増加 1%未満
血腫 頻度不明
貧血 頻度不明
迷路炎 頻度不明
過敏性腸症候群 頻度不明
酩酊感 1%未満
錯乱状態 頻度不明
閉経期症状 頻度不明
関節痛 1%未満
霧視 1%未満
頚部痛 1%未満
頭痛 1%未満
頭部粃糠疹 1%未満
頻尿 1%未満
頻脈 頻度不明
顔面浮腫 1%未満
食欲不振 1%未満
食道炎 1%未満
骨折 頻度不明
高血圧 1%未満
高血圧増悪 1%未満
鼓腸 1%未満
鼻出血 1%未満
鼻咽頭炎 1%未満
鼻炎 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

セレコキシブは、シクロオキシゲナーゼ(COX)に対する阻害活性を検討するためのヒト遺伝子組換え酵素を用いた実験及びCOX-1、COX-2をそれぞれ発現したヒト由来細胞を用いた実験において、COX-2に対して選択的な阻害作用を示した52),53)(in vitro試験)。セレコキシブは、炎症局所に誘導されるCOX-2を選択的に阻害し、COX-2由来のプロスタグランジン類の合成を抑制することにより、消炎・鎮痛作用を示すと考えられる54)。

18.2 抗炎症及び鎮痛作用

セレコキシブは、慢性炎症モデルであるラットのアジュバント関節炎モデルにおいて、ロキソプロフェン及びインドメタシンと同程度の抗炎症及び鎮痛作用を示した55),56),57)。

18.3 消化管に対する作用

セレコキシブは、ラットに対して胃及び小腸粘膜障害作用を示さなかった。一方、インドメタシン、ロキソプロフェン、ジクロフェナク及びナプロキセンは用量依存的に胃及び小腸粘膜障害を惹起した53),58)。

18.4 血小板凝集に対する作用

セレコキシブは、ヒト末梢血血小板においてアラキドン酸惹起血小板凝集を抑制しなかった。一方、ロキソプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナク及びイブプロフェンは濃度依存的に血小板凝集を抑制した53),59)(in vitro試験)。

18.5 ニューキノロン系抗菌薬との併用

一部のニューキノロン系抗菌薬は、ある種の非ステロイド性消炎・鎮痛剤を併用することで、まれに痙攣を誘発することが知られている60)。セレコキシブとエノキサシン等のニューキノロン系抗菌薬をマウスに併用投与しても、痙攣は誘発されなかった61)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1健康成人における薬物動態

健康成人男女36例にセレコキシブ50~400mg注)を空腹下単回投与したときの血漿中濃度は投与約2時間後に最高血漿中濃度(Cmax)に達した後、約5~9時間の半減期(t1/2)で消失し、Cmax及び血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)は高用量で用量比より低い比率で上昇した5)。

用量
(例数)
Tmax
(h)
Cmax
(ng/mL)
t1/2
(h)
AUCinf
(ng・h/mL)
50mg
(36例)
2±1.3 287±100.4 5±2.4 1631±540.2
100mg
(34例)
2±1.4 553±212.2 7±3.2 3429±1149.8
200mg
(34例)
2±0.9 815±303.0 8±3.5 5832±1674.5
400mg
(34例)
2±0.9 1296±457.7 9±4.1 10789±3793.4

平均値±標準偏差

また、健康成人男性30例にセレコキシブ200mgを空腹下もしくは食後に単回投与したとき、食後投与時のCmaxは1.5倍に上昇したが、AUCは影響を受けなかった6)。健康成人男性35例にセレコキシブ100mgを1日2回、食後7日間反復投与したとき、定常状態(7日目)のCmaxは約607ng/mL、AUC0-12hは約2652ng・h/mLであり、蓄積性は観察されなかった7)。

  1. 16.1.2患者における薬物動態

関節リウマチ患者及び変形性膝関節症患者609例にセレコキシブ25~300mg注)を1日2回、食後反復投与したときの血漿中濃度値1,160点を用いた母集団薬物動態解析の結果、定常状態における経口クリアランス(CL/F)及びみかけの分布容積(Vd/F)の母集団平均(個体間変動)はそれぞれ21.2L/h(約42%)及び335L(約77%)と推定された。また、年齢及び体重はCL/Fの、血清アルブミン濃度はVd/Fの変動要因であると推察された8)。

  1. 16.1.3生物学的同等性試験

  2. (1)セレコキシブ錠100mg「日医工」

セレコキシブ錠100mg「日医工」及びセレコックス錠100mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(セレコキシブとして100mg)健康成人男性(肝代謝酵素であるCYP2C9の活性が低い被験者(PM:Poor Metabolizer)を除く)に絶食単回経口投与して血漿中セレコキシブ濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された9)。

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0→48
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
セレコキシブ錠
100mg「日医工」
2827.7±813.3 488.0±150.1 2.50±1.70 6.24±2.75
セレコックス錠
100mg
2845.3±842.1 498.9±140.6 2.02±1.04 6.59±4.28

(1錠投与, Mean±S.D., n=31)

血漿中薬物濃度推移

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

  1. (2)セレコキシブ錠200mg「日医工」

セレコキシブ錠200mg「日医工」及びセレコックス錠200mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(セレコキシブとして200mg)健康成人男性(肝代謝酵素であるCYP2C9の活性が低い被験者(PM:Poor Metabolizer)を除く)に絶食単回経口投与して血漿中セレコキシブ濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された9)。

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0→48
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
セレコキシブ錠
200mg「日医工」
5507.6±1476.8 780.0±262.0 2.42±1.39 7.43±3.99
セレコックス錠
200mg
5645.8±1371.5 809.9±216.9 2.38±1.18 6.70±3.04

(1錠投与, Mean±S.D., n=29)

血漿中薬物濃度推移

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.3 分布

  1. 16.3.1蛋白結合率

In vitro及びex vivoによる検討の結果、セレコキシブの血漿蛋白結合率は約97%であり、主としてアルブミンに、ついでα1-酸性糖蛋白質に結合することが示された10)。

16.4 代謝

In vitro11)及びin vivo12)試験の結果から、セレコキシブは主として薬物代謝酵素CYP2C9を介して代謝されることが明らかとなっている。 CYP2C9には遺伝多型が存在し、Ile359→Leu359のアミノ酸置換により薬剤によっては代謝速度が低下する場合がある。日本人218例を対象としたCYP2C9の研究では、Ile359→Leu359のホモ接合体(CYP2C9*3/*3)は存在しなかったが、Leu359のヘテロ接合体(CYP2C9*1/*3)は218例中9例(4.1%)存在したとの報告がある13)。 CYP2C9の遺伝多型(CYP2C9*3)の影響として、セレコキシブを単回又は反復投与したとき、CYP2C9のヘテロ接合体(Ile359→Leu359、CYP2C9*1/*3)を有する健康成人15例のAUCは野生型(CYP2C9*1/*1)の健康成人137例に比べて約1.6倍と高値を示した14)。 健康成人にセレコキシブ100mgを単回投与注)したとき、CYP2C9*1/*1(4例)と比較し、CYP2C9*3/*3(3例)のAUCは約3倍高値を示し15)(外国人データ)、健康成人にセレコキシブ200mgを1日1回注)7日間反復投与したとき、CYP2C9*1/*1(7例)と比較し、CYP2C9*3/*3(3例)のCmaxは約4倍、AUCは約7倍高値を示すことが報告されている16)(外国人データ)。

16.5 排泄

健康成人男性にセレコキシブを投与したときの未変化体の尿及び糞中排泄率は低く(~3%)、セレコキシブのクリアランスは主として代謝クリアランスによると推察された。健康成人男性に14C-セレコキシブ300mg注)を空腹下単回投与したときの血漿、尿及び糞中にCOX-1及びCOX-2阻害活性を示さない代謝物が3種類同定され、血漿中には主として未変化体が存在していた。また、放射能の尿及び糞中排泄率はそれぞれ用量の約27%及び約58%であった17),18)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎障害患者

慢性腎障害患者(糸球体濾過率35~60mL/分)22例にセレコキシブ200mgを1日2回、食後7日間反復投与したときの薬物動態は健康成人における値と大差なかった19)(外国人データ)。

  1. 16.6.2肝障害患者

肝障害患者及び健康成人にセレコキシブ100mgを1日2回、食後5日間反復投与したとき、軽度肝障害患者(Child-Pugh Class A:12例)のAUC0-12hは健康成人(12例)に比べて約1.4倍に、中等度肝障害患者(Child-Pugh Class B:11例)では健康成人(11例)に比べて約2.8倍に上昇した20),21)(外国人データ)。

  1. 16.6.3高齢者

健康高齢男女(66~83歳)24例及び非高齢男女(19~48歳)24例にセレコキシブ200mgを1日2回、8日間反復投与したとき、定常状態における空腹下投与時の高齢男女のCmax及びAUC0-12h(Cmax:1808ng/mL、AUC0-12h:11852ng・h/mL)は非高齢男女(Cmax:973ng/mL、AUC0-12h:5871ng・h/mL)と比較して高値を示した。また、高齢女性のCmax及びAUC0-12h(Cmax:2362ng/mL、AUC0-12h:15466ng・h/mL)は高齢男性(Cmax:1254ng/mL、AUC0-12h:8238ng・h/mL)より高値を示した22)(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1リチウム

健康成人24例にセレコキシブ200mgとリチウム450mgを1日2回、食後7日間併用したとき、定常状態におけるリチウムのCmax及びAUCは併用によりいずれも約1.2倍に上昇した23)(外国人データ)。

  1. 16.7.2フルコナゾール

健康成人17例にフルコナゾール200mgを1日1回、食後7日間投与した後に、セレコキシブ200mgを空腹下単回併用投与したとき、セレコキシブのCmax及びAUCは併用によりそれぞれ約1.7倍及び約2.3倍に上昇した12)(外国人データ)。

  1. 16.7.3フルバスタチン

健康成人15例にセレコキシブ200mgとフルバスタチン20mgを1日2回、食後7日間併用したとき、セレコキシブのCmax及びAUCは併用によりいずれも約1.3倍に上昇した。また、健康成人13例にセレコキシブ200mgとフルバスタチン20mgを1日2回、食後7日間併用したとき、フルバスタチンのCmaxは併用により約1.2倍に上昇したが、AUCは影響を受けなかった24)(外国人データ)。

  1. 16.7.4ワルファリン

健康成人12例にワルファリンを事前投与した後に、セレコキシブ200mgを1日2回とワルファリン1~5mgを1日1回、7日間併用したとき、セレコキシブはワルファリンの血漿中濃度及びプロトロンビン時間に影響を及ぼさなかった25)。しかしながら、海外で特に高齢者において、セレコキシブとワルファリンを併用している患者に、プロトロンビン時間の延長を伴う重篤で場合によっては致命的な出血が報告されている26)(外国人データ)。

  1. 16.7.5パロキセチン

健康成人18例にパロキセチン20mgを1日1回、食後7日間投与した後に、セレコキシブ200mgを空腹下単回併用投与したとき、セレコキシブのCmaxは併用により約0.7倍に低下したが、AUCは影響を受けなかった27)。また、健康成人18例にセレコキシブ200mgを1日2回、食後7日間投与した後に、パロキセチン20mgを空腹下単回併用投与したとき、パロキセチンのCmax及びAUCは併用によりそれぞれ約1.5倍及び約1.8倍に上昇した28)(外国人データ)。

  1. 16.7.6デキストロメトルファン

健康成人14例にセレコキシブ200mgとデキストロメトルファン30mgを1日2回、食後7日間併用したとき、デキストロメトルファンのCmax及びAUCは併用によりそれぞれ約2.4倍及び約2.6倍に上昇した29)(外国人データ)。

  1. 16.7.7制酸剤

健康成人24例にセレコキシブ200mgと制酸剤(アルミニウム・マグネシウム含有製剤)を空腹下単回併用投与したとき、セレコキシブのCmaxは併用により約0.6倍に低下したが、AUCは影響を受けなかった30)(外国人データ)。

注)本剤の承認された用法及び用量は関節リウマチ:100~200mgを1日2回、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎:100mgを1日2回、手術後、外傷後、抜歯後の消炎・鎮痛:初回のみ400mg、2回目以降は1回200mgとして1日2回経口投与する。なお、投与間隔は6時間以上あけること。頓用の場合は、初回のみ400mg、必要に応じて以降は200mgを6時間以上あけて経口投与する。ただし、1日2回までとする。