全身麻酔
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1以前にハロゲン化麻酔剤を使用して、黄疸又は原因不明の発熱がみられた患者[同様の症状があらわれるおそれがある。]
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2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
| 導入 | セボフルランと酸素もしくは酸素・亜酸化窒素混合ガスとで導入する。また、睡眠量の静脈麻酔剤を投与し、セボフルランと酸素もしくは酸素・亜酸化窒素混合ガスでも導入できる。本剤による導入は、通常、0.5~5.0%で行うことができる。 |
|---|---|
| 維持 | 患者の臨床徴候を観察しながら、通常、酸素・亜酸化窒素と併用し、最小有効濃度で外科的麻酔状態を維持する。通常、4.0%以下の濃度で維持できる。 |
使用上の注意
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8.1麻酔技術に熟練した麻酔専門医が使用すること。
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8.2麻酔を行う際には原則としてあらかじめ絶食をさせておくこと。
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8.3麻酔を行う際には原則として麻酔前投薬を行うこと。
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8.4麻酔中、麻酔後は気道に注意して呼吸・循環に対する観察を怠らないこと。
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8.5麻酔の深度は手術、検査に必要な最低の深さにとどめること。
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8.6本剤の高濃度導入時、特に過換気状態において異常脳波や異常運動がみられたとの報告があるので、患者の状態に注意して投与すること。
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8.7*麻酔の影響が完全に消失するまでは、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1胆道疾患のある患者
胆道疾患が増悪するおそれがある。
- 9.1.2スキサメトニウム塩化物水和物の静注により筋強直がみられた患者
悪性高熱があらわれることがある。
- 9.1.3血族に悪性高熱がみられた患者
悪性高熱があらわれることがある。
- 9.1.4てんかんの既往歴のある患者
痙攣があらわれるおそれがある。
- 9.1.5*心疾患及び心電図異常のある患者
心停止、完全房室ブロック、高度徐脈、心室性期外収縮、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、心室細動があらわれるおそれがある。
- 9.1.6セントラルコア病、マルチミニコア病、King Denborough症候群のある患者
悪性高熱があらわれるおそれがある。
- 9.1.7筋ジストロフィーのある患者
悪性高熱、横紋筋融解症があらわれるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
腎機能がさらに悪化するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
肝疾患が増悪するおそれがある。
9.5 妊婦
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9.5.1妊婦(3カ月以内)又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
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9.5.2産科麻酔に用いる場合には、観察を十分に行い慎重に投与すること。子宮筋を弛緩させる可能性がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
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9.8.1手術後一過性の臨床検査値異常が起こりやすい。
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9.8.2患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| アドレナリン製剤 (アドレナリン、ノルアドレナリン等) |
頻脈、不整脈、場合によっては心停止を起こすことがある。 本剤麻酔中、5μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、5μg/kg~14.9μg/kgのアドレナリンを投与した場合、1/3の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された1) 。 アドレナリン5μg/kgは、60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液60mLに相当する。 |
本剤が心筋のアドレナリンに対する感受性を亢進することが知られている。 |
| *非脱分極性筋弛緩剤 (ロクロニウム臭化物) |
非脱分極性筋弛緩剤の作用を増強するので、本剤による麻酔中、この種の筋弛緩剤を投与する場合には減量すること。 | 本剤は筋弛緩作用を持つため、これらの薬剤と相乗的に働く。 |
| β遮断剤 (エスモロール塩酸塩等) |
過剰の交感神経抑制を来すおそれがあるので、注意すること。 | 相互に作用(交感神経抑制作用)を増強する。 |
| 降圧剤 (ニトロプルシドナトリウム水和物等) |
血圧低下が増強されることがあるので、注意すること。 | 相互に作用(降圧作用)を増強する。 |
| α2受容体刺激薬 (デクスメデトミジン塩酸塩等) |
鎮静、麻酔作用が増強し、血圧低下などの症状があらわれるおそれがあるので、注意すること。 | 相互に作用(鎮静、麻酔、循環動態への作用)を増強する。 |
| Ca拮抗剤 (ジルチアゼム塩酸塩等) |
徐脈、房室ブロック、心停止等があらわれることがある。 | 相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用)を増強させると考えられる。 |
| 中枢神経系抑制剤 (モルヒネ塩酸塩、フェンタニルクエン酸塩等) |
中枢神経抑制作用が増強されるおそれがあるので、注意すること。 | 相加的に作用(中枢神経抑制作用)を増強させると考えられる。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| BUN上昇 | 頻度不明 |
| クレアチニン上昇 | 頻度不明 |
| ミオグロビン尿 | 1〜5%未満 |
| 不整脈 | 1〜5%未満 |
| 乏尿 | 1〜5%未満 |
| 呼吸抑制 | 頻度不明 |
| 咳 | 1〜5%未満 |
| 多尿 | 1〜5%未満 |
| 心拍出量の低下 | 1%未満 |
| 心電図異常 | 1〜5%未満 |
| 悪寒 | 1〜5%未満 |
| 悪心・嘔吐 | 1〜5%未満 |
| 棘徐波結合等) | 頻度不明 |
| 気管支痙攣 | 頻度不明 |
| 異常脳波(棘波 | 頻度不明 |
| 発熱 | 1〜5%未満 |
| 瞳孔散大 | 1%未満 |
| 筋硬直 | 1%未満 |
| 紅斑 | 1〜5%未満 |
| 肝機能検査値異常 | 1〜5%未満 |
| 興奮 | 1〜5%未満 |
| 血圧変動 | 1〜5%未満 |
| 頭痛 | 1〜5%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
中枢神経系を可逆的に抑制して、意識の喪失や鎮痛、筋弛緩などを起こす。吸入麻酔薬の作用機序は確定していないが、最近では、グルタミン酸受容体機能抑制やGABAA受容体機能促進が麻酔効果と関連すると考えられている6) 。
18.2 麻酔作用
セボフルランのヒトでのMAC(minimum alveolar concentration:最小肺胞内濃度)は以下の通りである。
| 平均年齢 | MAC ( )内亜酸化窒素60〜70%併用 |
|---|---|
| 4.3歳 47.5歳 71.4歳 |
2.49% 1.71(0.66)% 1.48% |
気道刺激性は少なく、麻酔の導入及び覚醒は円滑かつ速やかで、麻酔深度は容易に調節できる7),8),9),10),11) 。
18.3 神経系への影響
麻酔中の脳波変化は急速導入時、急速に徐波パターンとなり、ついで大徐波があらわれ、その後は紡錘波主体に徐波が混在する脳波像へ移行する。緩徐導入時では、麻酔が深くなるにつれて速波があらわれ、ついで紡錘波群発主体の脳波像からこれに徐波が混じり急速導入時の最終パターンと同様になる12) 。
18.4 呼吸・循環器系への影響
呼吸数は麻酔導入とともに増加し、1回換気量は減少する。分時換気量はほぼ一定している。麻酔の深度にほぼ平行して呼吸抑制傾向を示すが、適当な補助もしくは調節呼吸により換気を適正に保つことができる。麻酔後の呼吸抑制はハロタンに比し軽微である。心拍数は不変ないし減少の傾向を示す。収縮期血圧は麻酔導入によって低下するが、その後安定する。不整脈の発現も少ない。
イヌでの実験ではアドレナリンに対する心筋の感受性を高めるが、ハロタンに比し軽度であった。また、イヌでの実験で、AV伝導、特にヒスプルキンエ伝導系にはほとんど影響を与えなかった2),13),14),15),16) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
健常成人6人を対象とし、本剤2~4%で麻酔導入し、3%で1時間維持したときの動脈血中濃度は、吸入後15分で最高値359.8μmol/Lを示し、その後、吸入中の血中濃度はほぼ一定であった。吸入停止後5分の値は、90.5μmol/Lで、吸入中の約1/3以下となり、60分後には14.5μmol/Lで速やかに約1/20に減少した2) ,3) 。
血中セボフルラン濃度
16.3 分布
吸入濃度に対する肺胞内濃度の割合(FA/FI)はエンフルランやハロタンに比べて高い。
吸入濃度に対する肺胞内濃度の割合(FA/FI)
体内摂取量は手術患者を亜酸化窒素・酸素・窒素混合ガス(5:3:2)中、1.1MACで1時間麻酔を行ったとき703mLで、ハロタンの797mLやエンフルランの1345mLに比べて少なかった4) 。
16.5 排泄
吸入中止後はほとんどが呼気中に速やかに排泄され、吸入中止後の肺胞内濃度は速やかに低下した。 手術患者を亜酸化窒素・酸素・窒素混合ガス(5:3:2)中、1.1MACで1時間麻酔を行ったとき3.3%が有機及び無機フッ素化合物として尿中に排泄され、代謝率は低かった4) 。