Clinical snapshot

セフォセフ静注用1g

セフォペラゾンナトリウムスルバクタムナトリウム

添付文書改訂 2023年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

〈適応菌種〉 本剤に感性のブドウ球菌属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、プロビデンシア・レットゲリ、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属、バクテロイデス属、プレボテラ属 〈適応症〉 敗血症、感染性心内膜炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、胆管炎、肝膿瘍、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎

用法・用量

スルバクタムナトリウム・セフォペラゾンナトリウムとして、通常成人には1日1~2g(力価)を2回に分けて静脈内注射する。小児にはスルバクタムナトリウム・セフォペラゾンナトリウムとして、1日40~80mg(力価)/kgを2~4回に分けて静脈内注射する。 難治性又は重症感染症には症状に応じて、成人では1日量4g(力価)まで増量し2回に分けて投与する。小児では1日量160mg(力価)/kgまで増量し2~4回に分割投与する。

  • 〈静脈内注射〉

日局注射用水、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し、緩徐に投与する。

  • 〈点滴静脈内注射〉

補液に溶解して用いる。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、β-ラクタマーゼ産生菌、かつセフォペラゾン耐性菌を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

  2. 8.2本剤によるショック、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。

  • 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。

  • 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。

  • 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。

  1. 8.3急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  2. 8.4溶血性貧血、汎血球減少症、顆粒球減少(無顆粒球症を含む)、血小板減少等の重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  3. 8.5劇症肝炎等の重篤な肝炎、AST、ALT、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

    1. 9.1.1セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない。

  1. 9.1.2ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 9.1.3本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者

  3. 9.1.4経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者

観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

9.2 腎機能障害患者

    1. 9.2.1高度の腎機能障害のある患者

投与量・投与間隔に注意すること。血中濃度半減期が延長する。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1高度の肝機能障害のある患者

投与量・投与間隔に注意すること。血中濃度半減期が延長する。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている2)。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

  • 一般的に生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。

  • ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
利尿剤(フロセミド等) 類似化合物(他のセフェム系薬剤)との併用により腎障害増強作用が報告されているので、併用する場合には腎機能に注意すること。 機序は不明だが、利尿剤による脱水等で尿細管細胞へのセフェム薬の取り込みが亢進し、腎毒性を発揮すると考えられている。
アルコール ジスルフィラム様作用(潮紅、悪心、頻脈、多汗、頭痛等)があらわれることがあるので、投与期間中及び投与後少なくとも1週間はアルコールの摂取を避けること。 テトラゾールチオメチル基が、肝におけるエタノールの分解を阻害することで、血中アセトアルデヒドの蓄積が生じ、潮紅、悪心、頻脈、多汗、頭痛等があらわれることがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-Pの上昇 頻度不明
ALT 頻度不明
AST 頻度不明
カンジダ症 1%未満
そう痒 1%未満
ビタミンB群欠乏症状(舌炎 頻度不明
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症 頻度不明
ビリルビンの上昇 1%未満
下痢 1%未満
低血圧 頻度不明
出血傾向等) 頻度不明
口内炎 頻度不明
口内炎 1%未満
好酸球増多 1%未満
悪心・嘔吐 1%未満
注射部痛 頻度不明
注射部静脈炎 頻度不明
痙攣 頻度不明
発熱 1%未満
発疹(斑状丘疹性皮疹等) 1%未満
白血球減少 1%未満
神経炎等) 頻度不明
紅斑 1%未満
蕁麻疹 1%未満
血小板増多 1%未満
血尿 1%未満
血管炎 頻度不明
貧血 1%未満
赤血球減少 1%未満
軟便 1%未満
頭痛 1%未満
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は、スルバクタムがβ-ラクタマーゼのⅠc、Ⅱ、Ⅲ及びⅣ型を強く、Ⅰa及びⅤ型を軽度に不可逆的に不活性化するため、セフォペラゾンがこれらの酵素により加水分解されることを防ぎ、セフォペラゾン耐性菌にも抗菌力を示す16)。 セフォペラゾンは、細菌増殖期の細胞壁合成系のうちペプチドグリカン架橋形成を強く阻害し、殺菌的に作用する17)。

18.2 抗菌作用

  1. 18.2.1ブドウ球菌属等のグラム陽性菌、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、緑膿菌、インフルエンザ菌、アシネトバクター属等のグラム陰性菌及びバクテロイデス属等の嫌気性菌まで広範囲の抗菌スペクトルを有し、殺菌的に作用する18),19),20)。

  2. 18.2.2β-ラクタマーゼ産生菌を含む複数菌による混合感染の場合にも、スルバクタムのβ-ラクタマーゼ阻害作用によりセフォペラゾンの生体内での安定性を高めて本来の抗菌力を発揮させるので、セフォペラゾン単独投与時より強い感染防御効果(マウス)が認められている19)。

薬物動態

16.1 血中濃度

成人患者5例に1g(力価)また健常成人4名に2g(力価)を1時間かけて点滴静注したときのセフォペラゾン、スルバクタムの平均血中濃度の推移は図1のとおりであり、健常成人5名に2g(力価)を5分間かけて静注したときは図2のとおりであった4),5),6)。 また2g(力価)を1日2回、3日間連続投与したが、ほぼ同じ血中濃度の推移が得られ、蓄積は認められなかった7)。

16.3 分布

  1. 16.3.1胆汁内濃度:成人患者6例に1g(力価)を静注後、25分から2時間25分までの間に測定した総胆管胆汁内濃度は、スルバクタムは2.5~20.8μg/mL、セフォペラゾンは170.8~2,087.5μg/mLであった8)。

  2. 16.3.2その他:喀痰、腹腔内滲出液、虫垂、前立腺、羊水、臍帯血、子宮組織、骨盤死腔液等への移行が良好であることが認められている9),10),11),12),13)。

16.4 代謝

本剤中のスルバクタム、セフォペラゾンはいずれもほとんど代謝されることなく、大部分は未変化体として排泄される14)。

16.5 排泄

  1. 16.5.1成人患者5例に1g(力価)を点滴静注した時の平均尿中濃度は、静注後2~3時間でスルバクタム1,704.5μg/mL、セフォペラゾン559.7μg/mLとなり、以後漸減し、投与後12時間までの尿中回収率はスルバクタム72.0%、セフォペラゾン25.3%であった4)。

  2. 16.5.2セフォペラゾンの多くは糞中に、スルバクタムは尿中に排泄される15)。