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スルモンチール散10%

トリミプラミンマレイン酸塩

添付文書改訂 2024年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]

  2. 2.2三環系抗うつ剤に対し過敏症のある患者

  3. 2.3心筋梗塞の回復初期の患者[心筋に対しキニジン様作用を有する。]

  4. 2.4MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中又は投与2週間以内の患者

効能・効果

精神科領域におけるうつ病・うつ状態

用法・用量

通常、成人にはトリミプラミンとして1日50~100mgを初期用量とし、1日200mgまで漸増し、分割経口投与する。 まれに300mgまで増量することもある。 なお、年齢、症状により適宜減量する。

使用上の注意

  1. 8.1うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期並びに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。

  2. 8.2不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。

  3. 8.3自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。

  4. 8.4家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。

  5. 8.5無顆粒球症等の血液障害があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うことが望ましい。

  6. 8.6眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

  7. 8.7投与量の急激な減少ないし投与の中止により、嘔気、頭痛、倦怠感、易刺激性、情動不安、睡眠障害等の離脱症状があらわれることがある。投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1開放隅角緑内障の患者

抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。

  1. 9.1.2排尿困難又は眼圧亢進等のある患者

抗コリン作用を有するため、症状を悪化させることがある。

  1. 9.1.3心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害等)等の心疾患のある患者又は甲状腺機能亢進症の患者(ただし、心筋梗塞の回復初期の患者は除く)

循環器系に影響を及ぼすことがある。

  1. 9.1.4てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者

痙攣を起こすことがある。

  1. 9.1.5躁うつ病患者

躁転、自殺企図があらわれることがある。

  1. 9.1.6自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者

自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。

  1. 9.1.7脳の器質障害又は統合失調症の素因のある患者

精神症状を増悪させることがある。

  1. 9.1.8衝動性が高い併存障害を有する患者

精神症状を増悪させることがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。三環系抗うつ剤には動物試験(ラット)で催奇形作用が報告されているものがある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。血圧降下、ふらつき、抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘、眼圧亢進等があらわれやすい。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
MAO阻害剤
• セレギリン塩酸塩
(エフピー)
ラサギリンメシル酸塩
(アジレクト)
サフィナミドメシル酸塩
(エクフィナ)
臨床症状:発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等の症状があらわれることがある。
なお、MAO阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおき、また本剤からMAO阻害剤に切り替えるときには、2~3日間の間隔をおくことが望ましい。
詳細は不明であるが、相加・相乗作用によると考えられる。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗コリン作用を有する薬剤 本剤の作用が増強されることがある。 共に抗コリン作用を有する。
アドレナリン作用を有する薬剤 本剤の作用が増強されることがある。 共に交感神経終末の受容体でのアドレナリン作用を有する。
中枢神経抑制剤
• バルビツール酸誘導体等アルコール
本剤の作用が増強されることがある。 共に中枢神経抑制作用を有する。
降圧剤
• グアネチジン
降圧剤の作用を減弱することがある。 本剤は降圧剤の交感神経終末への取り込みを阻害する。
スルファメトキサゾール・トリメトプリム 本剤の効果が減弱することがある。 本剤の代謝が促進される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
そう痒感 頻度不明
ふらつき 頻度不明
下痢 頻度不明
不安 1〜5%未満
不眠 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 5%以上
動悸 頻度不明
口周部等の不随意運動注2) 頻度不明
口渇(20.2%) 5%以上
味覚異常 頻度不明
四肢の知覚異常 頻度不明
悪心・嘔吐 1〜5%未満
振戦等のパーキンソン症状 1〜5%未満
排尿困難 1〜5%未満
構音障害 頻度不明
焦躁感 1〜5%未満
発汗 1〜5%未満
発疹 1〜5%未満
白血球減少 頻度不明
眠気(20.0%) 5%以上
眩暈 5%以上
眼圧亢進 頻度不明
血圧降下 1〜5%未満
視調節障害 1〜5%未満
運動失調 1〜5%未満
頭痛 1〜5%未満
頻脈 1〜5%未満
食欲不振 1〜5%未満
黄疸 頻度不明
鼻閉 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

抗うつ剤の作用機序は確立されていない。 脳内モノアミンに対する作用として、モノアミンの再取込み阻害によりシナプス間におけるモノアミンの利用率を亢進させることが抗うつ効果と関連して注目されているが、矛盾点も多い5),6)。

18.2 薬理作用

抗うつ剤のラット脳シナプトゾームにおけるセロトニン及びノルアドレナリンの再取り込み阻害作用を表18-1に、ラット脳を用いた受容体結合試験の結果を表18-2に、それぞれ示す7)(in vitro試験)。

項目\薬剤 トリミプラミン アミトリプチリン イミプラミン
セロトニン 25 47 28
ノルアドレナリン 1470 148 85

(IC50:50%阻害濃度)

項目\薬剤 トリミプラミン アミトリプチリン イミプラミン
イミプラミン結合部位への親和性 303 20 9
デシプラミン結合部位への親和性 2652 48 73
ノルアドレナリン受容体(α1)への親和性 69 48 122
セロトニン受容体(5-HT2)への親和性 27 27 172
ドパミン受容体(D2)への親和性 52 108 266

(Ki:阻害定数)

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人9例に50mgを空腹時に単回経口投与したときの薬物動態パラメータを表16-1に示す3)(外国人データ)。

投与量(mg) 例数 Cmax(ng/mL) Tmax(hr) T1/2(hr)
50 9 28.2±4.4 3.1±0.6 24.0±2.3

(測定法:HPLC)(平均値±標準誤差)

16.2 吸収

健康成人にて、トリミプラミンメタンスルホン酸(トリミプラミンとして12.5mg)の点滴静注時を対照として、トリミプラミンマレイン酸塩(トリミプラミンとして50mg)経口投与時の生物学的利用率を推定したところ、41.4±4.4%(平均値±標準誤差)であった3)(外国人データ)。

16.3 分布

  1. 16.3.1蛋白結合率

血漿蛋白結合率は94.9±0.3%(平均値±標準誤差)であった3)(外国人データ)。

16.4 代謝

肝臓で代謝され胆汁中へ移行後、腸肝循環で再び代謝を受け腎から排泄される。また、血中には脱メチル体も認められた。ヒトに投与すると尿中にトリミプラミンの他に15種類の代謝物が認められた1),4)(外国人データ)。