Clinical snapshot

スルピリド細粒10%「アメル」

スルピリド

添付文書改訂 2025年05月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の患者[抗ドパミン作用によりプロラクチン分泌が促進し、病態を悪化させるおそれがある。]

  3. 2.3褐色細胞腫又はパラガングリオーマの疑いのある患者[急激な昇圧発作を起こすおそれがある。]

効能・効果

  • 胃・十二指腸潰瘍

  • 統合失調症

  • うつ病・うつ状態

用法・用量

  • 〈胃・十二指腸潰瘍〉

スルピリドとして、通常成人1日150mgを3回に分割経口投与する。 なお、症状により適宜増減する。

  • 〈統合失調症〉

スルピリドとして、通常成人1日300~600mgを分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日1200mgまで増量することができる。

  • 〈うつ病・うつ状態〉

スルピリドとして、通常成人1日150~300mgを分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日600mgまで増量することができる。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の投与により、内分泌機能異常(プロラクチン値上昇)、錐体外路症状等の副作用があらわれることがあるので、本剤の投与に際しては、有効性と安全性を十分考慮のうえ使用すること。

  2. 8.2眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

  3. 8.3制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心・血管疾患、低血圧又はそれらの疑いのある患者

症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.2QT延長のある患者

QT延長が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.3QT延長を起こしやすい患者(著明な徐脈のある患者、低カリウム血症のある患者等)

QT延長が発現するおそれがある。

  1. 9.1.4パーキンソン病又はレビー小体型認知症の患者

錐体外路症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.5脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者

悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。

  1. 9.1.6不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者

肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。

9.2 腎機能障害患者

高い血中濃度が持続するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

副作用(錐体外路症状等)の発現に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• QT延長を起こすことが知られている薬剤• イミプラミン
• 等
QT延長、心室性不整脈等の重篤な副作用を起こすおそれがある。 本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強するおそれがある。
• ジギタリス剤• ジゴキシン
• 等
ジギタリス剤飽和時の指標となる悪心・嘔吐、食欲不振症状を不顕性化するおそれがある。 本剤の制吐作用による。
• ベンザミド系薬剤• メトクロプラミド
• チアプリド
• 等
• フェノチアジン系薬剤• クロルプロマジン
• 等
• ブチロフェノン系薬剤• ハロペリドール
• 等
内分泌機能異常、錐体外路症状が発現しやすくなる。 本剤及びこれらの薬剤は抗ドパミン作用を有するため、併用により抗ドパミン作用が強くあらわれる。
• 中枢神経抑制剤• バルビツール酸誘導体
• 麻酔剤
• 等
相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。 本剤及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する。
• ボツリヌス毒素製剤• A型ボツリヌス毒素
• B型ボツリヌス毒素
**過剰な筋弛緩があらわれるおそれがあり、嚥下障害等の発現が高まるおそれがある。 **本剤及びこれらの薬剤は、ともに筋弛緩作用を有するため作用が増強されるおそれがある。
• ドパミン作動薬• レボドパ
• 等
相互に作用を減弱させることがある。 本剤は抗ドパミン作用を有するため、作用が拮抗する。
• モノアミン酸化酵素阻害剤• セレギリン
• サフィナミド
• ゾニサミド
**相互に作用を減弱させることがある。 **脳内ドパミン受容体が遮断される。
**スクラルファート水和物 **同時に服用することにより、本剤の効果が減弱するおそれがある。この作用は薬剤の服用時間をずらすことにより、弱まるとの報告がある1)。 **本剤が併用薬剤に吸着し、消化管からの吸収が遅延又は阻害される。
• アルコール• 飲酒 相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。 ともに中枢神経抑制作用を有する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
パーキンソン症候群(振戦 頻度不明
ふらつき 頻度不明
めまい 頻度不明
不眠 頻度不明
乳房腫脹 頻度不明
乳汁分泌 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
勃起不全 頻度不明
口渇 頻度不明
嘔吐 頻度不明
女性化乳房 頻度不明
性欲減退 頻度不明
悪心 頻度不明
月経異常 頻度不明
流涎等) 頻度不明
浮腫 頻度不明
焦燥感 頻度不明
熱感 頻度不明
発疹 頻度不明
眠気 頻度不明
筋強剛 頻度不明
胸やけ 頻度不明
舌のもつれ 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  • 〈胃・十二指腸潰瘍〉

胃粘膜血流改善作用による抗潰瘍作用と末梢D2受容体遮断による消化管運動促進作用を示す4)。

  • 〈統合失調症、うつ病・うつ状態〉

フェノチアジン系薬物と同様にドパミンD2受容体遮断作用を示し、抗精神病作用(統合失調症の陽性症状改善)と抗うつ作用を現す4)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1生物学的同等性試験

スルピリド細粒10%「アメル」とドグマチール細粒10%を、クロスオーバー法によりそれぞれ0.5g(スルピリドとして50mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された2)。

AUC(0→48)
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
スルピリド細粒10%「アメル」 780.07±233.41 85.80±31.80 3.60±1.50 7.61±4.38
ドグマチール細粒10% 740.87±173.73 82.90±22.10 3.40±1.10 7.51±3.12

(Mean±S.D.,n=14)

血漿中未変化体濃度(生物学的同等性)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.3 分布

  1. 16.3.1乳汁中移行

産褥期の初産婦(n=20)にスルピリド50mgを1日2回7日間反復経口投与したとき、投与2時間後の乳汁中スルピリド濃度は0.97μg/mLであった3)。