Clinical snapshot

スピラマイシン錠150万単位「サノフィ」

スピラマイシン

添付文書改訂 2023年06月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

先天性トキソプラズマ症の発症抑制

用法・用量

通常、妊婦には1回2錠(スピラマイシンとして300万国際単位)を1日3回経口投与する。

使用上の注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1QT延長を起こすおそれのある患者(電解質異常のある患者、先天性QT延長症候群の患者、心疾患のある患者)

QT延長を起こすおそれがある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中に移行することが報告されている1)。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• QT延長を起こすことが知られている薬剤• クラスIA及びクラスIII抗不整脈薬• キニジン
• ジソピラミド
• アミオダロン
• ソタロール

• スルトプリド
QT延長を起こすおそれがある。 併用によりQT延長作用が増強する。
レボドパ/カルビドパ配合剤 レボドパの血中濃度を低下させ、作用を減弱させる。本剤と併用する場合には、患者の状態を十分観察し、必要に応じてレボドパの投与量を調整すること。 本剤はカルビドパの吸収を阻害する。その結果、レボドパの血中濃度が低下する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
IgA血管炎 頻度不明
そう痒症 頻度不明
下痢 頻度不明
味覚異常 頻度不明
嘔吐 頻度不明
好中球減少症 頻度不明
急性溶血 頻度不明
悪心 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球減少症 頻度不明
肝機能検査異常 頻度不明
腹痛 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
錯感覚 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

抗原虫作用の作用機序については十分な解明がなされていないが、スピラマイシンがトキソプラズマの細胞小器官であるアピコプラストでのタンパク合成を阻害すること等が報告されている21),22),23)。

18.2 トキソプラズマに対する抗原虫作用

トキソプラズマ感染妊娠マウスにスピラマイシンを投与することにより、出生児の感染を阻害した24),25)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

日本人健康成人女性被験者10例を対象にスピラマイシン300万国際単位を単回経口投与したときのスピラマイシンI及びネオスピラマイシンIの血漿中薬物動態パラメータ及び平均血漿中濃度プロファイルを以下に示す2)。

測定対象 例数 Cmax
(ng/mL)
tmax注1)
(hr)
AUClast
(ng・hr/mL)
t1/2z
(hr)
スピラマイシンI 10 2640±946 3.0
[2.0-5.0]
17000±5170 9.23±1.80
ネオスピラマイシンI 10 289±304 4.5
[3.0-6.0]
1250±1360 -

平均値±標準偏差

注1)中央値[範囲]

  1. 16.1.2反復投与

外国人健康若年男性被験者10例を対象に、スピラマイシン150万国際単位を8時間ごとに、1時間かけて6日間静脈内投与(初日及び6日目は1日1回、2~5日目は1日3回投与)注2)したとき、血清中スピラマイシン濃度は反復投与開始約2日目に定常状態に達し、投与初日及び6日目のCmaxは、それぞれ2.14±0.32及び3.10±0.70μg/mLであり、投与初日のAUCinf及び投与6日目のAUC0-8は、それぞれ6.19±1.19及び7.33±1.51μg・h/mLであった3)。

16.2 吸収

  1. 16.2.1バイオアベイラビリティ

外国人健康男性被験者にスピラマイシン300万国際単位を経口投与したとき、絶対バイオアベイラビリティは33%であった4)。

  1. 16.2.2食事の影響

食事と同時に摂取しても、スピラマイシンの吸収には有意な影響はなかった5)。

16.3 分布

スピラマイシンの血漿タンパク結合率は約30%であった6),7)。全身に広く分布し、組織や細胞、特に食細胞に良好に移行する8),9),10),11),12),13),14)。妊娠中の外国人女性被験者にスピラマイシンを経口投与したとき、スピラマイシンとその代謝物であるネオスピラマイシンは、胎盤に移行することが確認されている8),15),16)。また、スピラマイシンは胎児に移行することが確認されている15)。

16.4 代謝

スピラマイシンを経口投与したとき、一部は胃内で加水分解を受けてネオスピラマイシンに変換されると考えられる。

16.5 排泄

スピラマイシンは主として胆汁を介して排泄される17),18)。健康男性被験者3例にスピラマイシン500mg注3)を単回経口投与注2)したとき、投与後7時間までに投与量の約4%が尿中に排泄された19)。

16.7 薬物相互作用

外国人健康男性被験者8例を対象に、レボドパ及びカルビドパの配合剤とスピラマイシン1g注3)1日2回3日間を経口投与注2)したとき、カルビドパの吸収阻害とレボドパ血漿中薬物濃度の低下が認められている20)。

注2)本剤の承認された用法及び用量は「通常、妊婦には1回2錠(スピラマイシンとして300万国際単位)を1日3回経口投与する。」である。

注3)スピラマイシンの1gは約300万国際単位に相当する(参考値)。