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ジルムロ配合OD錠LD「日医工」

アジルサルタンアムロジピンベシル酸塩

添付文書改訂 2025年09月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分あるいは他のジヒドロピリジン系化合物に対する過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  3. 2.3アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)

効能・効果

高血圧症

用法・用量

成人には1日1回1錠(アジルサルタン/アムロジピンとして20mg/2.5mg又は20mg/5mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。

使用上の注意

  1. 8.1本剤は、アジルサルタン20mgとアムロジピンとして2.5mgあるいは5mgとの配合剤であり、アジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること。

  2. 8.2降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

  3. 8.3手術前24時間は投与しないことが望ましい。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン-アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こす可能性がある。

  4. 8.4アムロジピンベシル酸塩は血中濃度半減期が長く投与中止後も緩徐な降圧効果が認められるので、本剤投与中止後に他の降圧剤を使用するときは、用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。アジルサルタンは、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.2高カリウム血症の患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。アジルサルタンは、高カリウム血症を増悪させるおそれがある。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。

  1. 9.1.3脳血管障害のある患者

過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.4厳重な減塩療法中の患者

アジルサルタンの投与により、急激な血圧の低下を起こすおそれがある。

  1. 9.1.5薬剤過敏症の既往歴のある患者

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎機能障害(eGFR 15mL/min/1.73m2未満)のある患者

腎機能を悪化させるおそれがある。アジルサルタンの血中濃度の上昇が認められた。

  1. 9.2.2血液透析中の患者

アジルサルタンの投与により、急激な血圧の低下を起こすおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

中等度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類スコア:7~9)でアジルサルタンの血中濃度の上昇が報告されている。臨床試験では、高度な肝機能障害患者(Child-Pugh分類スコア:10以上)は除外されていた。また、アムロジピンベシル酸塩は主として肝臓で代謝されるため、血中濃度半減期の延長及び血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増大することがある。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1*妊娠する可能性のある女性

*妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋・肺・腎の形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている1)2)。

*本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること。

  1. (1)*本剤投与開始前に妊娠していないことを確認すること。本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認すること。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。

  2. (2)*次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明すること。また、投与中も必要に応じ説明すること。

  • *妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること。

  • *妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談すること。

  • *妊娠を計画する場合は、担当医に相談すること。

9.5 妊婦

*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。 妊娠中期及び末期にアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤又はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形、肺の低形成等があらわれたとの報告がある。また、アムロジピンベシル酸塩は動物試験で妊娠末期に投与すると妊娠期間及び分娩時間が延長することが認められている3)。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。ラットの周産期及び授乳期にアジルサルタンを強制経口投与すると、0.3mg/kg/日以上の群で出生児に腎盂拡張が認められ、10mg/kg/日以上で体重増加の抑制が認められている。また、アムロジピンベシル酸塩はヒト母乳中へ移行することが報告されている4)。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

次の点に注意し、低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。

  • 一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。

  • アムロジピンベシル酸塩は体内動態試験で血中濃度が高く、血中濃度半減期が長くなる傾向が認められている5)。

相互作用

  • アムロジピンベシル酸塩の代謝には主として薬物代謝酵素CYP3A4が関与していると考えられている。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アリスキレンフマル酸塩
• ラジレス(糖尿病患者に使用する場合。ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く。)
非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。 レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
降圧作用を有する薬剤 降圧作用が増強されるおそれがある。 相互に作用を増強するおそれがある。
カリウム保持性利尿剤
• スピロノラクトン、
トリアムテレン、
エプレレノン等カリウム補給剤
• 塩化カリウム等
血清カリウム値が上昇することがある。 アジルサルタンのアルドステロン分泌抑制作用によりカリウム貯留作用が増強することによる。
危険因子:特に腎機能障害のある患者
利尿降圧剤
• フロセミド、
トリクロルメチアジド等
アジルサルタンを初めて投与する場合、降圧作用が増強するおそれがある。 利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、アジルサルタンが奏効しやすい。
アリスキレンフマル酸塩 腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。 レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤 腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。 レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
リチウム アジルサルタンとの併用において、リチウム中毒が起こるおそれがある。 アジルサルタンにより腎尿細管におけるリチウムの再吸収が促進される。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
• インドメタシン等
降圧作用が減弱することがある。 非ステロイド性消炎鎮痛剤は血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害することから、降圧作用を減弱させる可能性がある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
• インドメタシン等
腎機能障害のある患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。 非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられている。
CYP3A4阻害剤
• エリスロマイシン、
ジルチアゼム、
リトナビル、
イトラコナゾール等
エリスロマイシン及びジルチアゼムとの併用により、アムロジピンベシル酸塩の血中濃度が上昇したとの報告がある。 アムロジピンベシル酸塩の代謝が競合的に阻害される可能性が考えられる。
CYP3A4誘導剤
• リファンピシン等
アムロジピンベシル酸塩の血中濃度が低下するおそれがある。 アムロジピンベシル酸塩の代謝が促進される可能性が考えられる。
グレープフルーツジュース アムロジピンベシル酸塩の降圧作用が増強されるおそれがある。 グレープフルーツに含まれる成分がアムロジピンベシル酸塩の代謝を阻害し、アムロジピンベシル酸塩の血中濃度が上昇する可能性が考えられる。
シンバスタチン アムロジピンベシル酸塩とシンバスタチン80mg(国内未承認の高用量)との併用により、シンバスタチンのAUCが77%上昇したとの報告がある。 機序は不明である。
タクロリムス アムロジピンベシル酸塩との併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇し、腎障害等のタクロリムスの副作用が発現するおそれがある。併用時にはタクロリムスの血中濃度をモニターし、必要に応じてタクロリムスの用量を調整すること。 アムロジピンベシル酸塩とタクロリムスは、主としてCYP3A4により代謝されるため、併用によりタクロリムスの代謝が阻害される可能性が考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
(連用により)歯肉肥厚 1〜5%未満
AL-P 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
AST 1〜5%未満
BUN上昇 頻度不明
LDH上昇 頻度不明
γ-GTPの上昇 1〜5%未満
クレアチニン上昇 1〜5%未満
しびれ 頻度不明
じん麻疹 頻度不明
そう痒 頻度不明
ふらつき 1〜5%未満
ヘモグロビン減少 1〜5%未満
ほてり(熱感 1〜5%未満
めまい 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
不眠 頻度不明
体重増加 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 1〜5%未満
光線過敏症 頻度不明
全身倦怠感 頻度不明
勃起障害 頻度不明
動悸 1〜5%未満
口内炎 1〜5%未満
口渇 頻度不明
味覚異常 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
頻度不明
嘔吐 頻度不明
嘔気 頻度不明
多形紅斑 頻度不明
多汗 頻度不明
夜間頻尿 頻度不明
女性化乳房 頻度不明
尿中ブドウ糖陽性 頻度不明
尿中蛋白陽性 頻度不明
尿潜血陽性 頻度不明
尿管結石 頻度不明
徐脈 1〜5%未満
心房細動 1〜5%未満
心窩部痛 1〜5%未満
房室ブロック 頻度不明
振戦 頻度不明
排便回数増加 頻度不明
排尿障害 頻度不明
期外収縮 1〜5%未満
末梢神経障害 頻度不明
気分動揺 頻度不明
洞停止 頻度不明
洞房 頻度不明
浮腫 1〜5%未満
消化不良 頻度不明
湿疹 1〜5%未満
異常感覚 頻度不明
疲労 頻度不明
疼痛 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球増加 頻度不明
皮膚変色 頻度不明
眠気 頻度不明
筋痙攣 頻度不明
筋緊張亢進 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
糖尿病 1〜5%未満
紫斑 頻度不明
耳鳴 頻度不明
胃腸炎 頻度不明
背痛 頻度不明
胸痛 頻度不明
脱力感 頻度不明
脱毛 頻度不明
腹水 頻度不明
腹部膨満 頻度不明
膵炎 頻度不明
血中CK上昇 1〜5%未満
血中カリウム上昇 頻度不明
血中カリウム減少 頻度不明
血中尿酸上昇 1〜5%未満
血圧低下 1〜5%未満
血清コレステロール上昇 頻度不明
血管炎 頻度不明
視力異常 頻度不明
赤血球減少 頻度不明
軟便 頻度不明
錐体外路症状 頻度不明
関節痛 頻度不明
頭痛 1〜5%未満
頭重 頻度不明
頻尿 頻度不明
頻脈 頻度不明
顔面潮紅等) 1〜5%未満
高血糖 頻度不明
鼻出血 頻度不明
鼻炎 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  • 〈アジルサルタン〉

アジルサルタンはアンジオテンシンⅡタイプ1(AT1)受容体に結合してアンジオテンシンⅡと拮抗し、主にその強力な血管収縮作用を抑制することによって生ずる末梢血管抵抗の低下により降圧作用を示す23)。

  • 〈アムロジピンベシル酸塩〉

細胞膜の電位依存性カルシウムチャネルに選択的に結合し、細胞内へのCa2+の流入を減少させて冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩させる。そのカルシウム拮抗作用は緩徐に発現するとともに持続性を示し、また心抑制作用が弱く血管選択性を示すことが認められている24),25)。

18.2 レニン-アンジオテンシン系に及ぼす影響

健康成人(12例)にアジルサルタン20mgを1日1回7日間投与した時、血漿レニン活性、血漿アンジオテンシンⅠ濃度及びアンジオテンシンⅡ濃度の増加が認められた26)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人(26例)にアジルサルタン/アムロジピンとして20mg/5mg配合錠又はアジルサルタン20mg及びアムロジピンとして5mg(単剤併用)を絶食下で単回経口投与した時、アジルサルタンとアムロジピンのそれぞれの薬物動態学的パラメータは以下のとおりであり、生物学的同等性が認められた7)。

測定物質 投与方法 Cmax(ng/mL) Tmax(h) AUC0-inf(ng・h/mL) T1/2(h)
アジルサルタン 配合錠投与 1,963.1±270.3 2.00 (1.5-5.0) 15,987.4±4,216.7 10.4±1.2
単剤併用投与 1,939.9±226.8 2.00 (1.5-3.0) 15,374.4±4,042.3 10.5±1.6
アムロジピン 配合錠投与 3.5±0.5 5.0 (4-6) 130.2±33.6 38.8±6.3
単剤併用投与 3.7±0.7 5.0 (5-5) 138.9±38.1 41.6±7.5

(平均値±標準偏差) Tmaxは中央値(最小値-最大値)

  1. 16.1.2生物学的同等性試験

ジルムロ配合OD錠HD「日医工」及びザクラス配合錠HDを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(アジルサルタンとして20mg及びアムロジピンとして5mg)健康成人男性に絶食単回経口投与(水なしで服用※及び水で服用)して血漿中アジルサルタン濃度及びアムロジピン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、アジルサルタン及びアムロジピンともにlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された8)。

(※水なし服用はジルムロ配合OD錠HD「日医工」のみで、ザクラス配合錠HDは水で服用)

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0→48
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
ジルムロ配合OD錠HD「日医工」 17590±4159 2123±339 2.67±0.88 9.08±2.14
ザクラス配合錠HD 17924±4619 2205±391 2.70±1.06 9.17±2.00

(1錠投与, Mean±S.D., n=30)

血漿中薬物濃度推移(アジルサルタン・水なし)

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0→120
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
ジルムロ配合OD錠HD「日医工」 109.74±25.49 3.01±0.65 5.50±0.73 37.4±6.6
ザクラス配合錠HD 109.00±20.60 3.27±0.45 5.17±0.70 37.2±6.2

(1錠投与, Mean±S.D., n=30)

血漿中薬物濃度推移(アムロジピン・水なし)

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0→48
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
ジルムロ配合OD錠HD「日医工」 16669±3326 2065±401 2.72±0.98 8.89±1.81
ザクラス配合錠HD 17701±4262 2304±559 2.72±1.23 8.81±1.75

(1錠投与, Mean±S.D., n=29)

血漿中薬物濃度推移(アジルサルタン・水あり)

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0→120
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
ジルムロ配合OD錠HD「日医工」 120.24±34.65 2.79±0.59 6.07±0.88 41.4±10.3
ザクラス配合錠HD 118.55±34.72 2.80±0.72 6.69±1.07 41.7±9.3

(1錠投与, Mean±S.D., n=29)

血漿中薬物濃度推移(アムロジピン・水あり)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

健康成人(12例)にアジルサルタン/アムロジピンとして20mg/5mg配合錠を絶食下又は朝食後に単回経口投与した時、アジルサルタン、アムロジピンのCmax、AUCに食事による影響はみられなかった9)。

16.4 代謝

アジルサルタンは脱炭酸により代謝物M-Ⅰに、また、CYP2C9により代謝物M-Ⅱに代謝される。なお、M-Ⅰ及びM-ⅡのAT1受容体の阻害作用は未変化体の約1/1,000であった(in vitro)10),11)。アジルサルタンはCYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4を阻害せず、CYP3Aを誘導しなかった(in vitro)10)。 カルシウム拮抗薬のアムロジピンは主にCYP3A4により代謝される12)。

16.5 排泄

健康成人(12例)にアジルサルタン/アムロジピンとして20mg/5mg配合錠を絶食下で単回経口投与した時、投与120時間までの累積尿中排泄率はアジルサルタンは16.6%、アムロジピンは6.6%であった9)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

腎機能の程度が異なる高血圧症患者(eGFR注1)が15~30未満の重度腎機能障害者4例、30~60未満の中等度腎機能障害者10例、60以上の正常~軽度腎機能障害者8例)にアジルサルタン20mgを1日1回7日間反復経口投与した時注2)、正常~軽度腎機能障害者と比較して中等度腎機能障害者のCmax、AUCはそれぞれ17.3%、16.7%増加し、重度腎機能障害者のCmax、AUCはそれぞれ8.9%、39.3%増加した13)。また、腎機能障害を伴う高血圧症患者にアジルサルタン10~40mg(10mgより開始)を1日1回10週間投与した時注2)、中等度腎機能障害者(22例)と比較して重度腎機能障害者(19例)のトラフ時血漿中薬物濃度は35.1~61.3%増加し、重篤な腎機能障害者(eGFR注1)が15未満)(4例)のトラフ時血漿中薬物濃度は51.0~91.9%増加した14)。

注1)男性のeGFR(mL/min/1.73m2)=194×Cr-1.094×Age-0.287 女性のeGFR(mL/min/1.73m2)=194×Cr-1.094×Age-0.287×0.739

注2)国内承認用量は、アジルサルタン/アムロジピンとして20mg/2.5mg又は20mg/5mgである。

  1. 16.6.2肝機能障害患者

軽度~中等度肝機能障害者(Child-Pugh注3)スコアが5~6の軽度肝機能障害者8例、7~9の中等度肝機能障害者8例、計16例)及び健康成人(16例)にアジルサルタンメドキソミル注4)として40mgを5日間反復経口投与した時注2)、健康成人と比較して軽度肝機能障害者のCmaxは7.7%減少、AUCは27.9%増加、中等度肝機能障害者のCmax、AUCはそれぞれ17.9%、64.4%増加した15)(外国人データ)。 肝硬変患者(Child分類A、B、計5例)にアムロジピンとして2.5mgを単回投与した時注2)、健康成人と比較して投与72時間後の血中濃度が有意に上昇し、T1/2、AUCはやや高値を示したが有意差は認められなかった16)。

注2)国内承認用量は、アジルサルタン/アムロジピンとして20mg/2.5mg又は20mg/5mgである。

注3)ビリルビン、アルブミン、PT又はINR、肝性脳症、腹水症の状態からスコア化する分類

注4)アジルサルタンのプロドラッグ体(国内未承認)

  1. 16.6.3高齢者

健康な高齢者(65歳以上85歳以下、24例)及び非高齢者(18歳以上45歳以下、24例)にアジルサルタン40mgを1日1回5日間反復経口投与した時注2)、高齢者のCmax、AUC(初回投与から8日目)は、非高齢者と比較してそれぞれ15.6%、9.0%減少した17)(外国人データ)。 高齢高血圧症患者(平均年齢79.7歳、6例)にアムロジピンとして5mgを単回投与、及び1日1回8日間反復経口投与した時注2)、若年健康者(平均年齢22.3歳、6例)と比較して単回投与時のCmax、AUC、反復投与最終時のCmaxはいずれも有意に高値を示したが、T1/2に有意差は認められなかった。反復投与時の高齢高血圧症患者の血清中アムロジピン濃度は、若年健康者よりも高く推移したが、そのパターンは若年健康者に類似しており、高齢高血圧症患者でその蓄積が増大する傾向は認められなかった5)。

注2)国内承認用量は、アジルサルタン/アムロジピンとして20mg/2.5mg又は20mg/5mgである。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1アジルサルタンとアムロジピン

健康成人(18例)にアジルサルタン40mg及びアムロジピンとして5mgを単回単独投与及び単回併用投与した時注2)、アジルサルタン、アムロジピンのCmax、AUCに併用投与による影響はみられなかった18)。

  1. 16.7.2アジルサルタンとフルコナゾール

健康成人(18例)にフルコナゾール(CYP2C9阻害剤)200mgを1日1回7日間反復投与及びアジルサルタン40mgを単回経口併用投与(フルコナゾール投与7日目)した時注2)、アジルサルタンのCmax、AUCは、単独投与時と比較してそれぞれ14.1%、42.1%増加した19)(外国人データ)。

注2)国内承認用量は、アジルサルタン/アムロジピンとして20mg/2.5mg又は20mg/5mgである。

16.8 その他

ジルムロ配合OD錠LD「日医工」は、ジルムロ配合OD錠HD「日医工」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判定され、生物学的に同等とみなされた20)。