Clinical snapshot

ジアイナ配合静注液

ビタミンB1・B6・B12配合剤

添付文書改訂 2023年08月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤及びチアミンジスルフィドに対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦など)

  • 下記疾患のうち、本剤に含まれるビタミン類の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合

  • 神経痛

  • 筋肉痛・関節痛

  • 末梢神経炎・末梢神経麻痺

効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。

用法・用量

  • 通常成人1日1回10mLを緩徐に静脈内注射する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
レボドパ レボドパの有効性を減じることがある。 ピリドキシン塩酸塩がレボドパの脱炭酸化を促進し、脳内作用部位への到達量を減少させる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒感 1%未満
局所疼痛 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
発疹 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  1. 18.1.1チアミンジスルフィド

生体内でビタミンB1として作用する1)。チアミンはATP存在下にthiamine diphosphateに変換し、生理作用をあらわす。糖質、タンパク質、脂質代謝で、またTCAサイクルの関門として重要な位置を占めるピルビン酸の脱炭酸反応やTCAサイクル内のα-ケトグルタル酸の脱炭酸反応に関与している。また、トランスケトラーゼの補酵素として五炭糖リン酸回路での糖代謝や核酸代謝にも関与している2)。

  1. 18.1.2ピリドキシン塩酸塩

ビタミンB6である。生体内で主としてリン酸ピリドキサール(ビタミンB6の補酵素型)となって作用する。アミノ酸・タンパク代謝酵素群の補酵素として各種アミノ酸・タンパクの分解・生合成に重要な役割を果たす。また、脂肪代謝にも関与し、特に不飽和脂肪酸の生体内利用の際に必要とされる3)。

  1. 18.1.3ヒドロキソコバラミン酢酸塩

ビタミンB12である。多くの代謝系に関与し、正常な発育、造血、神経組織のミエリン鞘形成などに重要な役割を果たしている。DNA合成過程で必要な葉酸を活性化することにより、間接的にDNA合成に関与するほか、メチルマロニルCoAからサクシニルCoAへの転換反応に関与することによって造血機能を促進する。また、還元型SH基の保護、メチオニン合成時の役割を介してタンパク合成にも影響を及ぼし、髄鞘の形成促進作用、グリア細胞での核酸・タンパク代謝を改善する。眼に対しては、酸素消費量を増し、ATP産生を増大させる。調節性眼精疲労を改善する4)。

18.2 神経再生における効果

ラットを用い、坐骨神経圧挫による神経障害の治癒過程に対するネオラミン・スリービー液の影響を電気生理学的方法で検討した結果、ネオラミン・スリービー液は圧挫神経の変性進行には影響を与えないが、神経支配の回復を促進すると考えられる5)。

18.3 アクリルアミド中毒神経炎に対する効果

  1. 18.3.1チアミンジスルフィド、ピリドキシン塩酸塩、ヒドロキソコバラミン及びネオラミン・スリービー液はアクリルアミド中毒ラットの死亡を抑制するが、その作用はネオラミン・スリービー液が最も強いと考えられる。アクリルアミド中毒の異常症状の発現に対しては各ビタミン及びネオラミン・スリービー液は明らかな抑制作用を示さなかったが、アクリルアミド中止後の症状回復に対しては、4群ともに回復促進が認められ、特にネオラミン・スリービー液群において著明であった5)。

  2. 18.3.2ラットの成長に伴う神経伝達速度の上昇に対するアクリルアミドの阻害作用に対し、ネオラミン・スリービー液は有意に抑制し(第4週)、また、アクリルアミド投与中止後の回復を促進した5)。

18.4 神経病理学的検索

ラットのアクリルアミド神経炎に対するビタミンB群の抑制効果を組織像の定量的研究により検討した結果、有髄線維の変形度及び髄鞘面積と有髄線維面積の比率においてネオラミン・スリービー液はアクリルアミドによる変化を有意に抑制し、有髄線維横断面積の分布、間質面積、単位面積中の変性有髄線維数及びシュワン細胞核数、電顕・光顕的観察、腰髄前角細胞内のRNA量においては抑制の傾向が認められた6)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康男子6名にチアミンジスルフィド(TDS)及びビタミンB1塩酸塩(B1-HCl)を静脈注射し、血中ビタミンB1濃度を測定した。血中ビタミンB1値の持続時間はTDS投与群でB1-HCl投与群に比して長かった1)。

投与量:B1-HClとして120mg≒TDSとして100㎎

16.5 排泄

健康男子6名にチアミンジスルフィド(TDS)及びビタミンB1塩酸塩(B1-HCl)を静脈注射し、尿中ビタミンB1排泄量を測定した。尿中ビタミンB1排泄量はTDS投与群でB1-HCl投与群に比して低かった1)。

(注)ヒト6人の平均値と標準偏差を示す。 投与量:B1-HCl 120mg≒TDS100㎎