Clinical snapshot

シクレスト舌下錠5mg

アセナピンマレイン酸塩

添付文書改訂 2025年06月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]

  3. 2.3バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。]

  4. 2.4アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)

  5. 2.5重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者

効能・効果

統合失調症

用法・用量

通常、成人にはアセナピンとして1回5mgを1日2回舌下投与から投与を開始する。維持用量は1回5mgを1日2回とし、年齢、症状に応じ適宜増減するが、最高用量は1回10mgを1日2回までとする。

使用上の注意

  1. 8.1投与初期、再投与時、増量時にα交感神経遮断作用に基づく起立性低血圧があらわれることがあるので、患者の状態を慎重に観察し、低血圧症状があらわれた場合は減量する等、適切な処置を行うこと。

  2. 8.2本剤の投与により、高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意するとともに、特に糖尿病又はその既往歴あるいはその危険因子を有する患者では、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

  3. 8.3低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

  4. 8.4本剤の投与に際し、あらかじめ上記8.2及び8.3の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう指導すること。

  5. 8.5眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  6. 8.6本剤の投与により、体重の変動(増加、減少)を来すことがあるので、本剤投与中は体重の推移を注意深く観察し、体重の変動が認められた場合には、必要に応じて適切な処置を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心・血管疾患、脳血管障害、低血圧又はこれらの既往歴のある患者

血圧降下があらわれることがある。

  1. 9.1.2てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者

痙攣閾値を低下させるおそれがある。

  1. 9.1.3不整脈の既往歴のある患者又は先天性QT延長症候群の患者

QT延長があらわれるおそれがある。

  1. 9.1.4自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者

自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。

  1. 9.1.5糖尿病又はその既往歴のある患者、あるいは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者

  2. 9.1.6パーキンソン病又はレビー小体型認知症のある患者

悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすくなる。また、錐体外路症状の悪化に加えて、錯乱、意識レベルの低下、転倒を伴う体位不安定等の症状が発現するおそれがある。

  1. 9.1.7不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者

投与しないこと。血中濃度が上昇することがある。

  1. 9.3.2中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B)のある患者

血中濃度が上昇するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。動物実験(ウサギ、ラット)では、生殖発生毒性試験において催奇形性は認められなかったが、着床後胚損失率・出生児死亡数の増加(ラット)、胎児・出生児の体重増加抑制(ウサギ、ラット)、出生児の身体・機能発達への影響(ラット)が認められた1)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている2)。

9.7 小児等

小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者の薬物動態試験で曝露量の増加が認められている。

相互作用

  • 本剤は肝薬物代謝酵素CYP1A2の基質である。また、本剤はCYP2D6を軽度に阻害する。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アドレナリン
(アナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)
• (ボスミン)
アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧降下を起こすことがある。 アドレナリンはアドレナリン作動性α、β受容体の刺激剤であり、本剤のα受容体遮断作用によりβ受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
中枢神経抑制剤
• バルビツール酸誘導体等アルコール
中枢神経抑制作用があるので、減量するなど注意すること。 本剤及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する。
ドパミン作動薬 相互に作用を減弱することがある。 本剤はドパミン遮断作用を有していることから、ドパミン作動性神経において作用が拮抗する可能性がある。
降圧剤 降圧作用が増強するおそれがある。 本剤のα受容体遮断作用により降圧剤の作用を増強する可能性がある。
抗コリン作用を有する薬剤 抗コリン作用を増強させるおそれがある。 併用により抗コリン作用が強くあらわれる可能性がある。
CYP1A2を阻害する薬剤
• フルボキサミン等
本剤の血中濃度が増加し、作用を増強するおそれがある。 これらの薬剤はCYP1A2を阻害することから本剤の代謝が阻害される可能性がある。
パロキセチン 本剤投与中に、パロキセチンを単回投与した際に、パロキセチンのCmax及びAUCがそれぞれ82%及び92%増加したとの報告がある。本剤投与中に、パロキセチンの投与を開始する場合には、パロキセチンの投与開始量を適宜減量するなど慎重に投与し、観察を十分に行うこと。 パロキセチンはCYP2D6で代謝され、CYP2D6阻害作用を有する。本剤はパロキセチンのCYP2D6阻害作用を増強する可能性がある。
QT延長を起こすことが知られている薬剤 QT延長があらわれるおそれがある。 併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。
アドレナリン含有歯科麻酔剤
• リドカイン・アドレナリン
重篤な血圧降下を起こすことがある。 アドレナリンはアドレナリン作動性α、β受容体の刺激剤であり、本剤のα受容体遮断作用によりβ受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されるおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT増加 頻度不明
AST増加 頻度不明
γ-GTP増加 頻度不明
アカシジア 頻度不明
うつ病 頻度不明
グリコヘモグロビン増加 頻度不明
ジスキネジア 頻度不明
ジストニア 頻度不明
そう痒症 頻度不明
パーキンソニズム 頻度不明
パニック発作 頻度不明
下肢静止不能症候群 頻度不明
不安 頻度不明
不眠症 頻度不明
不規則月経 頻度不明
乳汁漏出症 頻度不明
低比重リポ蛋白増加 頻度不明
低血圧 頻度不明
体液貯留 頻度不明
体重増加 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
傾眠(12.9%) 頻度不明
全身性皮疹 頻度不明
動悸 頻度不明
口の感覚鈍麻(10.1%) 頻度不明
口の錯感覚 頻度不明
口下顎ジストニア 頻度不明
口内炎 頻度不明
口渇 頻度不明
口腔内不快感 頻度不明
口腔内潰瘍形成 頻度不明
口腔粘膜水疱形成 頻度不明
味覚異常 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咽喉絞扼感 頻度不明
咽頭感覚鈍麻 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嚥下障害 頻度不明
四肢痛 頻度不明
変色歯 頻度不明
多汗症 頻度不明
失神 頻度不明
好中球減少症 頻度不明
好酸球数増加 頻度不明
小水疱性湿疹 頻度不明
尿中蛋白陽性 頻度不明
尿失禁 頻度不明
局所腫脹 頻度不明
心拍数増加 頻度不明
心電図QT延長 頻度不明
悪夢 頻度不明
悪心 頻度不明
感覚鈍麻 頻度不明
振戦 頻度不明
攻撃性 頻度不明
易刺激性 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
構語障害 頻度不明
歩行障害 頻度不明
気分動揺 頻度不明
洞性徐脈 頻度不明
洞性頻脈 頻度不明
流涎過多 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
浮腫 頻度不明
激越 頻度不明
無力症 頻度不明
無月経 頻度不明
異常感 頻度不明
異汗性湿疹 頻度不明
疲労 頻度不明
発疹 頻度不明
眼球回転発作 頻度不明
眼痛 頻度不明
睡眠障害 頻度不明
筋力低下 頻度不明
筋固縮 頻度不明
筋攣縮 頻度不明
筋痙縮 頻度不明
筋緊張 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
筋骨格硬直 頻度不明
精神病性障害 頻度不明
肝機能異常 頻度不明
胸部不快感 頻度不明
脂質異常症 頻度不明
脚ブロック 頻度不明
脱毛症 頻度不明
腹部不快感 頻度不明
自殺念慮 頻度不明
舌の麻痺 頻度不明
舌痛 頻度不明
落ち着きのなさ 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血中ALP増加 頻度不明
血中CK増加 頻度不明
血中インスリン増加 頻度不明
血中コレステロール増加 頻度不明
血中トリグリセリド増加 頻度不明
血中ブドウ糖増加 頻度不明
血中プロラクチン増加 頻度不明
血圧上昇 頻度不明
血管性浮腫 頻度不明
調節障害 頻度不明
起立性低血圧 頻度不明
躁病 頻度不明
転倒 頻度不明
運動緩慢 頻度不明
過敏症 頻度不明
遺尿 頻度不明
錐体外路障害 頻度不明
錯乱状態 頻度不明
鎮静 頻度不明
関節痛 頻度不明
関節腫脹 頻度不明
霧視 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻脈 頻度不明
顔面腫脹 頻度不明
食欲亢進 頻度不明
食欲減退 頻度不明
高プロラクチン血症 頻度不明
高脂血症 頻度不明
高血圧 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

アセナピンは、in vitro受容体結合試験においてセロトニン受容体の幅広いサブタイプ(5-HT1A、5-HT1B、5-HT2A、5-HT2B、5-HT2C、5-HT6、5-HT7)に加え、ドパミン受容体(D1、D2、D3)、アドレナリン受容体(α1A、α2A、α2B、α2C)及びヒスタミン受容体(H1、H2)に対して高い親和性を示す。一方で、ムスカリン受容体及びβ受容体への親和性は低い。アセナピンはこれらの受容体に対してin vitroで拮抗作用を示したが、in vivoでは5-HT1A受容体に対して刺激作用を有することが示唆された。これらの受容体に対する作用が、アセナピンの主要な作用機序と考えられる24)。

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1行動薬理

アセナピンは、ラットにおいて条件回避反応とd-アンフェタミンが誘発する運動亢進を抑制し、アポモルヒネが誘発するプレパルス抑制障害を改善した。アセナピンのラットにおけるカタレプシー誘発作用は弱かった。また、アセナピンはラットとサルの各種認知障害を改善し、ストレス負荷によるラットのアンヘドニアを改善した24),25)。

  1. 18.2.2神経伝達物質遊離

アセナピンは、ラットの内側前頭前皮質と海馬においてドパミン、ノルアドレナリン並びにアセチルコリンの遊離を促進した24)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

日本人健康成人にアセナピン5mgを単回舌下投与したときの薬物動態学的パラメータは以下のとおりであった3)。

用量
(mg)
評価
例数
Tmaxa)
(hr)
Cmax
(ng/mL)
T1/2
(hr)
AUC0-∞
(ng・hr/mL)
5 6 1.25
(0.50~4.03)
3.31±1.71 17.1±6.1 26.4±8.0

a)中央値(最小値~最大値)               Mean±S.D.

  1. 16.1.2反復投与

日本人健康成人にアセナピン5mg及び10mgを1日2回6日間反復舌下投与したとき、最終投与後の血漿中アセナピン濃度推移及びその際の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。10mgを1日2回反復舌下投与したとき、3日以内に定常状態に到達した3)。

図 日本人健康成人における反復舌下投与時の定常状態における血漿中アセナピン濃度推移(最終投与後)

用量
(mg)
評価
例数
Tmaxa)
(hr)
Cmax
(ng/mL)
T1/2
(hr)
AUC0-12hr
(ng・hr/mL)
5 6 0.50
(0.50~1.50)
5.05±2.58 35.5±20.2 29.4±10.3
10 5 1.00
(0.33~1.50)
5.39±2.49 27.8± 7.9 37.5±16.6

a)中央値(最小値~最大値)               Mean±S.D.

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事及び飲水の影響

健康成人にアセナピン5mgを絶食時及び高脂肪朝食摂取直後に単回舌下投与したとき、絶食時に比べ高脂肪食摂取直後のアセナピンのAUC0-∞は21%減少した。また、投与4時間後に食事を摂取したところ、アセナピンのAUC0-∞は13%減少した4)(外国人データ)。 健康成人にアセナピン10mgを1日1回舌下投与したとき、10分経過後に水を摂取しても薬物動態に影響を及ぼさなかった。一方、投与後5分又は2分時点で水を摂取したとき、アセナピンのAUC0-24hrがそれぞれ10%及び19%低下した5)(外国人データ)。

16.3 分布

in vitro試験において、本剤はヒト血漿蛋白への結合率が高く、1~500ng/mLの濃度範囲で平均97.3%であった6)(外国人データ)。

16.4 代謝

アセナピンは広範に代謝され、血漿中の主要代謝物はN+-グルクロン酸抱合体であり、他にN-脱メチル体、N-脱メチル-N-カルバモイル体のグルクロン酸抱合体、未変化体が少量確認されている7)(外国人データ)。 ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験では、本剤はUGT1A4を介したグルクロン酸抱合及びCYP1A2を介した酸化代謝を受け、一部はCYP2D6及びCYP3A4によっても代謝されることが示唆された8)。

16.5 排泄

健康成人に[14C]で標識したアセナピン10mgを舌下投与したとき、投与後11日以内に投与した放射能の88%が尿及び糞中に排泄された(尿中に49%、糞中に39%)。尿中では、N+-グルクロン酸抱合体が主要代謝物であり(投与量の10~21%)、糞中には未変化体が最も多く排泄された(投与量の5~16%)7)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害時の血漿中濃度

種々の程度の腎機能障害者(非透析者)にアセナピン5mgを単回舌下投与したとき、腎機能障害者では腎機能正常者に比べてアセナピンのAUC0-∞は1.03~1.31倍であった9)(外国人データ)。

  1. 16.6.2肝機能障害時の血漿中濃度

肝機能障害者(Child-Pugh分類A~C)にアセナピン5mgを単回舌下投与したとき、重度の肝機能障害者群(Child-Pugh分類C)では肝機能正常者群に比べてアセナピンのAUC0-∞が5.5倍大きかったが、軽度もしくは中等度の肝機能障害者群(Child-Pugh分類A、B)では、肝機能正常者群と同様であった。血漿蛋白非結合形のAUC0-∞は重度の肝機能障害者群では肝機能正常者群に比べて7.7倍大きかったが、軽度もしくは中等度の肝機能障害者群では、肝機能正常者群と同様であった10)(外国人データ)。 肝機能障害者(Child-Pugh分類A~C)にアセナピン0.3mgを単回舌下投与したとき、中等度もしくは重度の肝機能障害者群(Child-Pugh分類B、C)では肝機能正常者群に比べてアセナピンのAUC0-∞がそれぞれ2.2倍及び2.1倍大きかった。一方、軽度の肝機能障害者群(Child-Pugh分類A)では、肝機能正常者群と同様であった。血漿蛋白非結合形のAUC0-∞は中等度もしくは重度の肝機能障害者群では肝機能正常者群に比べてそれぞれ2.89倍及び2.72倍大きかったが、軽度の肝機能障害者群では、肝機能正常者群と同様であった10)(外国人データ)。 ※本剤の承認された1回用量はアセナピンとして5mg又は10mgである。

  1. 16.6.3高齢者の血漿中濃度

精神疾患を有する高齢の患者にアセナピン10mgを1日2回舌下投与したとき、アセナピンのCmax及びAUC0-12hrの平均値はそれぞれ10.3ng/mL及び70.3ng・hr/mLであった11)(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1フルボキサミン

健康成人にアセナピン(5mg、単回舌下)とCYP1A2阻害作用を有するフルボキサミン(25mg、1日2回反復経口)を併用投与したとき、アセナピンのCmax及びAUC0-∞はアセナピン単独投与時と比べそれぞれ13%及び29%増加した12)(外国人データ)。

  1. 16.7.2パロキセチン

健康成人にCYP2D6阻害作用を有するパロキセチン(20mg、1日1回経口)を反復投与下、アセナピン(5mg、舌下)を単回併用投与したとき、アセナピンのCmaxはアセナピン単独投与時と比べ13%減少した。また、アセナピン(5mg、1日2回舌下)反復投与下、パロキセチン(20mg、経口)を単回併用投与したとき、パロキセチンのCmax及びAUC0-∞はパロキセチン単独投与時と比べそれぞれ82%及び92%増加した13)(外国人データ)。

  1. 16.7.3イミプラミン

健康成人にアセナピン(5mg、単回舌下)とCYP1A2、CYP2D6、CYP2C19及びCYP3A4の基質であるイミプラミン(75mg、単回経口)を併用投与したとき、アセナピンのCmaxはアセナピン単独投与時と比べ17%増加した。一方、イミプラミンの薬物動態パラメータはアセナピン併用により影響を受けなかった14)(外国人データ)。

  1. 16.7.4シメチジン

健康成人にアセナピン(5mg、単回舌下)とCYP1A2、CYP2D6及びCYP3A4阻害作用を有するシメチジン(800mg、1日2回)を併用投与したとき、アセナピンのCmaxはアセナピン単独投与時と比べ13%減少した15)(外国人データ)。

  1. 16.7.5カルバマゼピン

健康成人にアセナピン(5mg、単回舌下)とCYP3A4誘導作用を有するカルバマゼピン(400mg、1日2回経口)を併用投与したとき、アセナピンのCmax及びAUC0-∞はアセナピン単独投与時と比べともに16%低下した16)(外国人データ)。

  1. 16.7.6バルプロ酸

健康成人にアセナピン(5mg、単回舌下)とUGT阻害作用を有するバルプロ酸(500mg、1日2回経口)を併用投与したとき、アセナピンの薬物動態に影響は認められなかった17)(外国人データ)。