Clinical snapshot

ザノサー点滴静注用1g

ストレプトゾシン

添付文書改訂 2023年07月01日

【警告】

本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

膵・消化管神経内分泌腫瘍

用法・用量

下記用法・用量のいずれかを選択する。

  • (1) 5日間連日投与法:

通常、成人にはストレプトゾシンとして1回500mg/m2(体表面積)を1日1回5日間連日点滴静脈内投与し、37日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。

  • (2) 1週間間隔投与法:

通常、成人にはストレプトゾシンとして1回1,000mg/m2(体表面積)を1週間ごとに1日1回点滴静脈内投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1回の投与量は1,500mg/m2(体表面積)を超えないこと。

使用上の注意

  1. 8.1重篤な腎障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に血清クレアチニン、血中尿素窒素等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと。

  2. 8.2重篤な骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行うこと。

  3. 8.3錯乱及び嗜眠が発現したとの報告があるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

  4. 8.4耐糖能異常があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に血糖値の測定を行うこと。また、本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと。

  5. 8.5γ-GTP、AST、ALT等の上昇を伴う肝障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1糖尿病の患者

糖尿病が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1妊娠可能な女性に対しては、適切な避妊法を用いるよう指導すること。本剤を雌ラットに投与した場合、生殖機能への影響が報告されている。

  2. 9.4.2パートナーが妊娠する可能性のある男性に対しては、適切な避妊法を用いるよう指導すること。本剤を雄ラットに投与した場合、生殖機能への影響が報告されている。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ウサギ、ラット)で、流産促進作用や催奇形性が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アミノグリコシド系抗生物質等 腎毒性を増悪させるおそれがある。 機序不明
本剤とこれらの薬剤ともに腎毒性を有する。
他の抗悪性腫瘍剤
放射線照射
骨髄抑制等の副作用が増強することがある。患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。 抗悪性腫瘍剤及び放射線照射の一般的な副作用として骨髄抑制作用を有する。
ドキソルビシン ドキソルビシンの半減期を延長し、重篤な骨髄抑制に至るおそれがある。
ドキソルビシンの投与量の減量を考慮すること。
本剤の投与に起因する肝障害によりドキソルビシンの胆汁中排泄が低下する可能性がある。
ステロイド剤(外用剤を除く) 高血糖が発現するおそれがある。 機序不明
フェニトイン 併用投与により、本剤の細胞毒性が低下するとの報告がある。 機序不明

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P増加 頻度不明
CK増加 頻度不明
LDH増加 頻度不明
うつ病 頻度不明
クレアチニンクリアランスの減少 頻度不明
そう痒症 頻度不明
めまい 頻度不明
上室性期外収縮 頻度不明
上腹部痛 頻度不明
下痢 頻度不明
不安 頻度不明
不整脈 頻度不明
不眠症 頻度不明
便秘(45.5%) 頻度不明
倦怠感 頻度不明
側腹部痛 頻度不明
動悸 頻度不明
十二指腸潰瘍 頻度不明
口の感覚鈍麻 頻度不明
口内乾燥 頻度不明
口内炎 頻度不明
口唇炎 頻度不明
味覚異常 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
嗜眠 頻度不明
嘔吐 頻度不明
圧痛 頻度不明
壊死 頻度不明
好酸球数増加 頻度不明
尿蛋白 頻度不明
尿路痛 頻度不明
心窩部不快感 頻度不明
悪心(45.5%) 頻度不明
感覚鈍麻 頻度不明
敗血症 頻度不明
末梢性ニューロパチー 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
末梢血管障害 頻度不明
注射部位紅斑 頻度不明
浮腫 頻度不明
灼熱感 頻度不明
爪の障害 頻度不明
疲労 頻度不明
痔核 頻度不明
癌疼痛 頻度不明
発声障害 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球数増加 頻度不明
皮膚炎 頻度不明
眼瞼炎 頻度不明
眼精疲労 頻度不明
筋骨格硬直 頻度不明
背部痛 頻度不明
腸管穿孔 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部不快感 頻度不明
蛋白尿 頻度不明
血中アルブミン減少 頻度不明
血中クレアチニン増加 頻度不明
血中コレステロール増加 頻度不明
血中ビリルビン増加 頻度不明
血圧上昇 頻度不明
血尿 頻度不明
血管障害(血管痛)(59.1%) 頻度不明
錯乱 頻度不明
関節滲出液 頻度不明
静脈炎 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻尿 頻度不明
食欲減退 頻度不明
高血圧 頻度不明
鼻咽頭炎 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  1. 18.1.1ストレプトゾシンはニトロソウレア系薬剤であり、DNAをアルキル化し鎖間架橋を形成し、DNA合成を阻害することにより殺細胞作用を示すと考えられている3),4) 。

18.2 抗腫瘍作用

  1. 18.2.1ストレプトゾシンはラットインスリノーマ由来細胞に対して殺細胞作用を示した5),6),7) (in vitro)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.15日間連日投与法

日本人の切除不能又は遠隔転移を有する膵・消化管神経内分泌腫瘍患者15例に本剤500mg/m2を5日間連日点滴静脈内投与したとき、反復投与による薬物動態パラメータに影響はなかった1) 。

Cmax
(μg/mL)
AUC0-∞
(μg・h/mL)
t1/2
(h)
投与1日目 36.610±6.824 31.226±4.955 0.615±0.056
投与5日目 39.357±8.226 33.271±6.863 0.665±0.086

(n=15、平均値±標準偏差)

  1. 16.1.21週間間隔投与法

日本人の切除不能又は遠隔転移を有する膵・消化管神経内分泌腫瘍患者7例に本剤1,000、1,250又は1,500mg/m2を単回点滴静脈内投与したとき、Cmax及びAUC0-∞は投与量に比例して増加した1) 。

投与量
(mg/m2)
Cmax
(μg/mL)
AUC0-∞
(μg・h/mL)
t1/2
(h)
1,000
(n=7)
68.394±9.498 63.383±10.174 0.637±0.046
1,250
(n=3)
102.250±19.968 81.512±11.800 0.604±0.033
1,500
(n=3)
119.030±4.076 97.321±5.393 0.546±0.055

(平均値±標準偏差)

16.3 分布

  1. 16.3.1血液-脳関門通過性

進行癌患者3例(外国人)に[14C]標識ストレプトゾシンをストレプトゾシン総量1,500mg/m2(体表面積)で急速静脈内投与注1) した時、全例で脳脊髄液中に[14C]が測定され、ストレプトゾシンの代謝物は、血液・脳関門を通過して髄液中に移行するものと考えられる2) 。

  1. 16.3.2髄液への移行性

進行癌患者(外国人)でのストレプトゾシン及びその[3H]、[14C]標識代謝物の分布に関する検討において、ストレプトゾシン総量1,500mg/m2(体表面積)を急速静脈内投与注1) した時、脳脊髄液中[14C]濃度は3例全例で測定され、投与後1時間で血漿中濃度のほぼ1/3、投与後2時間では血漿中濃度と同程度であった。一方、脳脊髄液中[3H]は投与後2時間まで検出されなかった2) 。

注1)本剤の用法は「点滴静脈内投与」である。

16.4 代謝

本剤の代謝過程については不明であるが、外国人において、数種類の代謝物が検出されている。これらの代謝物の化学構造は解明されていない2) 。

16.5 排泄

本剤は主に腎臓から排泄される。外国人において、静脈内投与量の約80%が投与後24時間までに、主に代謝物として尿中に排泄された。未変化体としての排泄は投与量の11%であった。本剤もしくは代謝物は、静脈内投与後24時間までに投与量の5%程度が呼気中に排泄された。糞中には投与量の1%未満が排泄された2) 。