既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス
【警告】
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1.1本剤は、肺炎、敗血症、結核等の感染症を含む緊急時に十分に措置できる医療施設において、本剤についての十分な知識と全身性エリテマトーデス治療の十分な知識・経験をもつ医師のもとで、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される症例のみに使用すること。本剤は呼吸器感染や帯状疱疹(播種性帯状疱疹を含む)等の感染症のリスクを増大させる可能性があり、また結核の既往歴を有する患者では結核を活動化させる可能性がある(潜在性結核を含む)。また、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。治療開始に先立ち、本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、本剤の有効性及び危険性を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療を開始すること。
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1.2致死的な肺炎を含む感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発現に注意し、本剤投与後に感染症の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること。
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**1.3全身性エリテマトーデス患者では、本剤の治療を行う前に、ステロイド、ヒドロキシクロロキン、免疫抑制薬等の全身性エリテマトーデス治療薬の使用を十分勘案すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
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2.3活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはアニフロルマブ(遺伝子組換え)として、300mgを4週間ごとに30分以上かけて点滴静注する。
使用上の注意
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8.1本剤に関連したアナフィラキシーを含む過敏症の発現が報告されており、重篤な経過をたどることがある。徴候や症状の発現が認められた場合には、患者に受診するよう説明すること。
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8.2本剤は、感染のリスクを増大させる可能性がある。そのため本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症や帯状疱疹(播種性帯状疱疹を含む)の発症や増悪に注意すること。感染症の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること。
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8.3本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、本剤投与中も胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに主治医に連絡するよう説明すること。
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8.4生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、本剤投与中の生ワクチン接種は行わないこと。
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8.5本剤を投与された患者において悪性腫瘍が報告されている。本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍等の発現に注意すること。
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8.6B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれるおそれがあるため、本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者
感染症が悪化するおそれがある。
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9.1.2結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者
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(1)結核の既往歴を有する患者では、結核を活動化させるおそれがある(潜在性結核を含む)。
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(2)結核の既往歴を有する場合又は結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として本剤投与前に適切な抗結核薬を投与すること。
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胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者
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結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者
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インターフェロン-γ遊離試験等の検査により、既感染が強く疑われる患者
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結核患者との濃厚接触歴を有する患者
- 9.1.3B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。サルでアニフロルマブは胎盤を通過することが示唆されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒトにおける乳汁への移行は不明であるが、動物実験(サル)でアニフロルマブは乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| I型インターフェロン製剤 • インターフェロン-α • インターフェロン-β |
併用により両剤の効果が減弱するおそれがある。 | 本剤はI型インターフェロン受容体1に対するモノクローナル抗体である。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ウイルス性気管支炎 | 頻度不明 |
| ウイルス性気道感染 | 1%未満 |
| 上咽頭炎 | 頻度不明 |
| 上気道感染(上気道感染 | 頻度不明 |
| 咽頭炎) | 頻度不明 |
| 帯状疱疹 | 頻度不明 |
| 気管支炎(気管支炎 | 頻度不明 |
| 気管気管支炎) | 頻度不明 |
| 気道感染(気道感染 | 1%未満 |
| 注入に伴う反応 | 頻度不明 |
| 細菌性気道感染) | 1%未満 |
| 過敏症 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
本剤は、I型インターフェロンα受容体のサブユニット1(IFNAR1)に結合するヒト免疫グロブリンG1κモノクローナル抗体である。I型IFNはSLEの発症機序に重要な役割を果たす。I型IFN誘導性遺伝子発現の上昇は、成人SLE患者の大部分(約60~80%)に認められ、SLEの疾患活動性及び重症度と相関している4)。
18.2 効能又は効果を裏付ける薬理作用
- 18.2.1IFNAR1への結合
In vitroにおいて、ヒト及びカニクイザルの末梢血単核細胞に発現するIFNAR1へのアニフロルマブの結合を検討したところ、IFNAR1に対するアニフロルマブのKDはヒト及びカニクイザルでそれぞれ0.29±0.29nM及び0.65±0.74nMであった5)。
- 18.2.2IFNAR発現細胞に対するIFN-α2aの結合の阻害
In vitroにおいて、アニフロルマブはIFNARを発現しているDaudi細胞への125I標識IFN-α2aの結合を競合的に阻害し、EC50値は0.14nMであった6)。
- 18.2.3リガンド誘導性のIFNAR1/2によるシグナル伝達の阻害
In vitroの単球において、アニフロルマブは形質細胞様樹状細胞由来I型IFN刺激によるSTAT1リン酸化を完全に阻害した7)。
- 18.2.4I型IFN誘導性のISRE活性の阻害
In vitroにおいて、アニフロルマブは、試験した全14種の組換えヒトI型IFNに誘導されるIFN-stimulated response element(ISRE)の活性化を強力に阻害し、IC50値は0.004~0.3nMの範囲であった。アニフロルマブは、SLE患者の血清中に存在するI型IFNによるISRE活性化を阻害した7)。
- 18.2.5In vivo試験
ループス腎炎の加速発症モデルであるNZB/W F1マウスにおいて、サロゲート抗体である抗マウスIFNAR抗体5A3の投与によりI型IFN誘導性遺伝子発現の誘導が抑制され、腎障害の発症が低減され、重症度が低下した8)。移植片対宿主誘発強皮症(GVH-SSc)モデルにおいて、抗マウスIFNAR抗体の投与によりIFNシグナル伝達が阻害され、それにより皮膚の炎症、血管損傷及び皮膚の線維化が抑制された9)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
日本人全身性エリテマトーデス(SLE)患者に本剤100、300及び1000mgを静脈内単回投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりである。投与量100~1000mgの範囲で、本剤の薬物動態は非線形性を示した1)。
| 投与量(例数) | 100mg(6) | 300mg(5) | 1000mg(6) |
|---|---|---|---|
| Cmax(µg/mL) | 42.4±11.3 | 75.5±9.5 | 259.2±50.6 |
| AUC0-t(µg·day/mL) | 224.6±39.1 | 702.2±262.5 | 3179.1±444.0 |
| AUC0-inf(µg·day/mL) | 231.7±40.5 | 786.2±280.2 | 4350.9±588.1 |
| T1/2(day) | 3.77±1.42 | 5.97±2.63 | 15.86±2.64 |
| CL (L/day) | 0.445±0.091 | 0.417±0.129 | 0.234±0.033 |
平均値±標準偏差
- 16.1.2反復投与
日本人SLE患者に本剤100、300及び1000mgを4週間に1回静脈内反復投与したときの最終投与後の血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりである。投与量100~1000mgの範囲で、本剤の薬物動態は非線形性を示した1)。
| 投与量(例数) | 100mg(2) | 300mg(5) | 1000mg(3) |
|---|---|---|---|
| Css, max (µg/mL) | 25.0±2.2 | 95.7±24.6 | 414.3±82.1 |
| AUCτ (µg·day/mL) | 152.3±39.2 | 1035.5±488.0 | 5814.6±2164.1 |
| T1/2 (day) | 3.64±1.57 | 5.33±1.28 | 15.52±8.83 |
| CLss (L/day) | 0.679±0.175 | 0.356±0.181 | 0.194±0.089 |
平均値±標準偏差
16.4 代謝
本剤は標的部位であるI型インターフェロンα受容体(IFNAR)及び細網内皮系による消失を受け、広く生体に存在するタンパク質分解酵素により小ペプチドあるいはアミノ酸に分解されると推定される。
16.5 排泄
本剤はIFNARを介した消失があるため、用量比以上の曝露量の減少を示す。