Clinical snapshot

サイトテック錠100

ミソプロストール

添付文書改訂 2021年06月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  2. 2.2プロスタグランジン製剤に対する過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与時にみられる胃潰瘍及び十二指腸潰瘍

用法・用量

通常、成人にはミソプロストールとして1回200μgを1日4回(毎食後及び就寝前)経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤投与時にみられる下痢は、通常、軽度で一過性であるが、症状が持続する場合には、減量等の適切な処置を行うこと。また、マグネシウム含有制酸剤との併用に注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1脳血管障害や冠動脈疾患等血圧低下により重篤な合併症を起こすおそれのある患者

類薬(PGE1)で血圧低下作用が報告されている。

9.3 肝機能障害患者

肝機能障害を増悪させるおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

  • 妊娠する可能性のある女性には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。 妊娠する可能性のある女性に投与する場合には、妊娠中でないことを十分確認すること。また、患者に次の注意事項について十分説明し、同意を得た後、使用すること。

  • 本剤には子宮収縮作用があり、流産を起こしたとの報告があること。

  • 本剤投与中は避妊すること。また、本剤投与中に妊娠が確認された場合又は疑われた場合には、直ちに投与を中止し、主治医に連絡すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。 本剤には子宮収縮作用があり、妊婦で完全又は不完全流産及び子宮出血がみられたとの報告がある。ラットに本剤を経口投与したところ、妊娠前及び妊娠初期投与試験では着床数の減少及び生存胎児数の減少がみられ1)、器官形成期投与試験では胎児の生存及び発育に影響はみられず、催奇形性も認められなかった2)。また、周産期及び授乳期投与試験では出生児の体重増加抑制がみられた3)。ウサギに本剤を経口投与した器官形成期投与試験では着床後の死亡率及び第13肋骨の出現頻度(肋骨数の変異)が増加した4)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

下痢等の消化器症状がみられた場合には、減量又は休薬等適切な処置を行うなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
マグネシウム含有制酸剤 下痢が発現しやすくなる。 本剤は、小腸の蠕動運動を亢進させ、小腸からの水・Naの吸収を阻害し、下痢を生じさせる。
マグネシウム含有制酸剤には緩下作用があるので、両者の併用で下痢が発現しやすくなる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 頻度不明
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
BUN上昇 頻度不明
LDH上昇 頻度不明
γ-GTP上昇等 頻度不明
おくび 頻度不明
クレアチニン上昇 頻度不明
しびれ感 頻度不明
そう痒 頻度不明
ビリルビン上昇等 頻度不明
ヘマトクリット値減少) 頻度不明
ヘモグロビン減少 頻度不明
ほてり 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢 頻度不明
便秘等 頻度不明
全身倦怠感 頻度不明
口渇 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嘔気 頻度不明
多尿 頻度不明
子宮痙攣 頻度不明
尿糖 頻度不明
心悸亢進 頻度不明
月経中間期出血 頻度不明
月経困難 頻度不明
月経異常 頻度不明
浮腫 頻度不明
消化不良 頻度不明
異常空腹感 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球増多 頻度不明
白血球減少 頻度不明
総コレステロール上昇 頻度不明
胸痛 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部膨満感 頻度不明
舌麻痺 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
蛋白尿 頻度不明
血小板減少 頻度不明
貧血(赤血球減少 頻度不明
赤血球減少等 頻度不明
軟便 頻度不明
閉経後出血 頻度不明
静脈炎 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻尿 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

胃粘膜壁細胞において特異的プロスタグランジンE型受容体との結合を介して、アデニレートシクラーゼの活性を抑制し、cAMPの増加を抑えることにより、酸分泌抑制作用を示す9)。 また、胃粘膜の粘液及び十二指腸粘膜の重炭酸イオン分泌を促進し、粘膜血管に作用して血流量を維持し、粘膜層のもつ酸中和能を高めることより、粘膜防御機構の増強作用を示す。 さらに、強酸及び無水エタノールなど壊死惹起物質による胃粘膜傷害の発生を、胃酸分泌を抑制しない用量においても抑制する。

18.2 胃酸分泌抑制作用

  1. 18.2.1基礎分泌

健常成人(男子)に本剤200μgを1回経口投与した場合、投与後30~150分の2時間酸分泌量を85.4%抑制した10)。

  1. 18.2.2テトラガストリン及び塩酸ベタゾール刺激分泌

健常成人(男女)に本剤200μgを1回経口投与した場合、テトラガストリン4μg/kg及び塩酸ベタゾール1mg/kg筋注投与による刺激後の2時間酸分泌量をそれぞれ28.4%、47.9%抑制した11)。

  1. 18.2.3夜間分泌

健常成人(男女)に本剤200μgを1回(午後10時)経口投与した場合、夜間の7時間酸分泌量を47.9%抑制した12)。

  1. 18.2.4幽門結紮ラットでの基礎分泌及びイヌでのヒスタミン刺激分泌に対して抑制作用を示した13)。

18.3 粘膜防御作用

  1. 18.3.1胃粘膜血行動態に対する作用

健常成人(男子)に本剤200μgを1回経口投与した場合、粘膜血液量を8.5~27.3%増加させ、その増加は胃内全体で一様であった14)。

  1. 18.3.2胃粘液分泌に対する作用

ラットにおいて胃粘膜被覆粘液層の厚さと内腔粘液の糖蛋白量を増加させた15)。

  1. 18.3.3十二指腸重炭酸イオン分泌に対する作用

  2. (1)健常成人(男女)に本剤50、100、200、400μgを低用量から順に経口投与した場合、100μg以上において十二指腸近位部及び遠位部の重炭酸イオン分泌を増加させた16)。

  3. (2)ラットにおいて十二指腸の重炭酸イオン分泌を増加させた17)。

  4. 18.3.4胃粘膜電位差に対する作用

イヌにおいてアスピリンによる胃粘膜電位差の低下を抑制した18)。

  1. 18.3.5実験的胃粘膜傷害に対する作用

  2. (1)健常成人(男子)に本剤200μgを投与した場合、80%エタノールの胃粘膜散布による粘膜傷害に対して抑制効果を示した19)。

  3. (2)ラットにおいて無水エタノール、塩酸、塩酸-エタノール、塩酸-アスピリン、アスピリン、胆汁酸、プレドニゾロン及びストレスによる胃粘膜傷害に対して、酸分泌を抑制しない用量においても抑制効果を示した17),20),21)。

18.4 非ステロイド性消炎鎮痛剤による胃及び十二指腸粘膜傷害に対する作用

  1. 18.4.1健常成人(男女)においてアスピリン、イブプロフェン及びトルメチンによる胃及び十二指腸粘膜傷害、また、ナプロキセンによる胃粘膜傷害に対して抑制効果を示した22),23),24),25)。

  2. 18.4.2関節炎患者(男女)において、非ステロイド性消炎鎮痛剤の継続投与下本剤800μg/日を12週間経口投与した場合、潰瘍の発生はみられず、胃及び十二指腸粘膜傷害に対して抑制効果を示した26)。また、変形性関節症患者(男女)において、非ステロイド性消炎鎮痛剤の継続投与下本剤400μg/日又は800μg/日を12週間経口投与した場合にも、胃潰瘍の発生に対して抑制効果を示した27)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健常成人(男子)にミソプロストール(200μg)を単回経口投与した場合、主代謝物であるミソプロストール遊離酸の血漿中濃度の推移は以下のとおりであった5)。

tmax Cmax 消失半減期
約16分 552pg/mL 21分

健常成人(男子)にミソプロストール(400μg)を1日2回注)4日間反復経口投与しても主代謝物であるミソプロストール遊離酸の血漿中への蓄積性は認められなかった6)(外国人データ)。

16.5 排泄

健常成人(男子)に3H-ミソプロストールを経口投与した場合、投与後24時間以内に総放射活性の約71%が尿中に、約4%が糞中に排泄された。血漿中及び尿中代謝物としてミソプロストール遊離酸、更にこれがβ-酸化されたジノル体、テトラノル体を含め7つの代謝物が同定された7)(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1非ステロイド性消炎鎮痛剤との相互作用

健常成人(性別不明)にミソプロストールと非ステロイド性消炎鎮痛剤を経口投与した場合、ミソプロストールはアスピリン、ジクロフェナクナトリウム及びイブプロフェンの薬物動態に臨床的に意義のある影響を及ぼさなかった。また、アスピリン、ジクロフェナクナトリウム及びイブプロフェンはミソプロストールの薬物動態に影響を及ぼさなかった8)(外国人データ)。

注)本剤の承認用量はミソプロストールとして1回200μgを1日4回である。