Clinical snapshot

グルベス配合OD錠

ミチグリニドカルシウム水和物/ボグリボース配合口腔内崩壊錠

添付文書改訂 2020年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]

  2. 2.2重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリンによる血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]

  3. 2.3本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  4. 2.4妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

2型糖尿病

ただし、ミチグリニドカルシウム水和物及びボグリボースの併用による治療が適切と判断される場合に限る。

用法・用量

通常、成人には1回1錠(ミチグリニドカルシウム水和物/ボグリボースとして10㎎/0.2㎎)を1日3回毎食直前に経口投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。

  2. 8.2本剤は、ときに低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。

  3. 8.3本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、本剤を2~3ヵ月投与しても効果が不十分な場合には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。

  4. 8.4ミチグリニドカルシウム水和物の治療により効果不十分な場合の本剤使用に関する臨床試験を実施しておらず、有効性及び安全性に関する成績は限られている。

  5. 8.5本剤の配合成分であるミチグリニドカルシウム水和物は、速やかなインスリン分泌促進作用を有する。その作用点はスルホニル尿素系製剤と同じであり、スルホニル尿素系製剤との相加・相乗の臨床効果及び安全性は確認されていないので、スルホニル尿素系製剤とは併用しないこと。

  6. 8.6本剤と他の糖尿病用薬との併用における有効性及び安全性は検討されていない。

  7. 8.7本剤投与中において、本剤の投与がミチグリニドカルシウム水和物及びボグリボースの各単剤の併用よりも適切であるか慎重に判断すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1虚血性心疾患のある患者

ミチグリニドカルシウム水和物の投与中に心筋梗塞を発症した患者が報告されている。

  1. 9.1.2開腹手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者

ボグリボースは腸内ガス等の増加により腸閉塞が発現しやすい。

  1. 9.1.3消化・吸収障害を伴った慢性腸疾患の患者

ボグリボースの作用により病態が悪化することがある。

  1. 9.1.4ロエムヘルド症候群、重度のヘルニア、大腸の狭窄・潰瘍等の患者

ボグリボースは腸内ガス等の増加により症状が悪化することがある。

  1. 9.1.5低血糖を起こすおそれがある以下の患者又は状態
  • 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全

  • 下痢、嘔吐等の胃腸障害

  • 栄養不良状態、飢餓状態、食事摂取量の不足又は衰弱状態

  • 激しい筋肉運動

  • 過度のアルコール摂取者

9.2 腎機能障害患者

低血糖を起こすおそれがある。ミチグリニドカルシウム水和物は、慢性腎不全患者において、血漿中薬物未変化体濃度の消失半減期の延長が報告されている。

9.3 肝機能障害患者

低血糖を起こすおそれがある。また、肝機能障害を悪化させるおそれがある。肝機能障害のある患者は代謝状態が変化することがあるため血糖管理状況が大きく変化するおそれがある。重篤な肝硬変例で、高アンモニア血症が増悪し意識障害を伴うことがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ミチグリニドカルシウム水和物は動物実験(ラット)で胎盤通過が認められている。また、動物実験(ラット)で周産期に薬理作用に基づく低血糖によると推定される母動物の死亡が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

ミチグリニドカルシウム水和物は動物実験(ラット)で母乳への移行が認められている。また、ボグリボースは動物実験(ラット)で、母動物の糖質吸収の抑制に起因する乳汁産生の抑制によると考えられる出生児の体重の増加抑制が認められている1),2)。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

血糖値及び消化器症状の発現に留意するなど、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。なお、本剤の有効成分であるミチグリニドカルシウム水和物及びボグリボースを低用量で使用する必要がある場合には、各単剤の併用を選択すること。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 糖尿病用薬• インスリン製剤
• ビグアナイド系薬剤
• 速効型インスリン分泌促進剤
• α-グルコシダーゼ阻害剤
• チアゾリジン系薬剤
• DPP-4阻害剤
• GLP-1受容体作動薬
• SGLT2阻害剤
低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニター、その他患者の状態を十分に観察し、必要に応じて中止を考慮すること。
特に、インスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。併用時の低血糖のリスクを軽減するため、インスリン製剤の減量を検討すること。
チアゾリジン系薬剤との併用時には、特に浮腫の発現に注意すること。
・血糖降下作用が増強されるおそれがある。
• サリチル酸製剤• アスピリン等
• クロフィブラート等
• サルファ剤• スルファメトキサゾール等
低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニター、その他患者の状態を十分に観察し、必要に応じて中止を考慮すること。
特に、インスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。併用時の低血糖のリスクを軽減するため、インスリン製剤の減量を検討すること。
チアゾリジン系薬剤との併用時には、特に浮腫の発現に注意すること。
・血糖降下作用が増強されるおそれがある。
・ミチグリニドカルシウム水和物の血中蛋白との結合抑制及び代謝阻害により血糖降下作用が増強されるおそれがある。
・アスピリンとして1回量1500㎎の併用時に影響する可能性があるが、低用量(アスピリンとして1回量300㎎)では影響しない。
• β-遮断剤• プロプラノロール塩酸塩等
• モノアミン酸化酵素阻害剤
• タンパク同化ホルモン剤
• テトラサイクリン系抗生物質• テトラサイクリン塩酸塩
• ミノサイクリン塩酸塩等
• ワルファリン
低血糖症状(空腹感、あくび、悪心、無気力、だるさ等の初期症状から血圧上昇、発汗、ふるえ、顔面蒼白等の症状を経て意識消失、けいれん、昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニター、その他患者の状態を十分に観察し、必要に応じて中止を考慮すること。
特に、インスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。併用時の低血糖のリスクを軽減するため、インスリン製剤の減量を検討すること。
チアゾリジン系薬剤との併用時には、特に浮腫の発現に注意すること。
血糖降下作用が増強されるおそれがある。
• アドレナリン
• 副腎皮質ホルモン• メチルプレドニゾロン等
• 卵胞ホルモン• エチニルエストラジオール等
• ニコチン酸
• イソニアジド
• ピラジナミド
• フェノチアジン系薬剤• クロルプロマジン等
• 利尿剤• チアジド系等
• フェニトイン
経口血糖降下剤の効果を減弱させ、血糖が上昇してコントロール不良になることがある。
食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意すること。
血糖コントロールに注意し頻回に血糖値を測定し、必要に応じて中止を考慮すること。
血糖降下作用が減弱されるおそれがある。
• 甲状腺ホルモン• 乾燥甲状腺等 血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する。 血糖コントロールがむずかしくなるおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 1〜5%未満
ALT上昇 1〜5%未満
AST上昇 1〜5%未満
BNP上昇 頻度不明
BUN上昇 1〜5%未満
CK上昇 頻度不明
HDL-コレステロール低下 頻度不明
LDH上昇 1〜5%未満
LDL-コレステロール上昇 頻度不明
γ-GTP上昇 1〜5%未満
あくび等) 5%以上
かぜ症候群 頻度不明
カリウム上昇 1〜5%未満
しびれ感 5%以上
しびれ感 1〜5%未満
そう痒 頻度不明
トリグリセリド上昇 1〜5%未満
ピルビン酸上昇 頻度不明
ふらつき 頻度不明
ほてり 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
下肢痙直 頻度不明
不眠 頻度不明
乳酸上昇 頻度不明
低血糖症状(眩暈 5%以上
体重増加 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 5%以上
倦怠感 1〜5%未満
光線過敏症 頻度不明
冷汗 5%以上
冷汗 1〜5%未満
動悸 頻度不明
動悸 5%以上
口内炎 頻度不明
口渇 1〜5%未満
右季肋部痛 頻度不明
味覚異常 1〜5%未満
頻度不明
咽頭異和感 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嘔気 5%以上
嘔気 1〜5%未満
四肢痛 1〜5%未満
好中球数増加 1〜5%未満
好酸球数増加 1〜5%未満
尿潜血 1〜5%未満
尿蛋白 1〜5%未満
尿酸上昇 1〜5%未満
心室性期外収縮 1〜5%未満
心拡大 1〜5%未満
悪寒 5%以上
意識低下 5%以上
振戦 5%以上
放屁増加 1〜5%未満
歩行困難 5%以上
気分不良 5%以上
浮腫 頻度不明
湿疹 1〜5%未満
発汗 頻度不明
発汗 5%以上
発疹 頻度不明
皮膚乾燥 頻度不明
眠気 頻度不明
眠気 5%以上
眩暈 1〜5%未満
眼のかすみ 頻度不明
眼のしょぼしょぼ感 頻度不明
眼のしょぼしょぼ感 5%以上
空腹感 5%以上
空腹感 1〜5%未満
筋肉痛 頻度不明
筋骨格硬直 頻度不明
総コレステロール上昇 頻度不明
総ビリルビン上昇 1〜5%未満
耳痛 頻度不明
胃不快感 1〜5%未満
胃潰瘍 1〜5%未満
胃炎 1〜5%未満
胃痛 頻度不明
胃腸炎 頻度不明
胆嚢ポリープ 1〜5%未満
背部痛 頻度不明
胸やけ 1〜5%未満
胸痛 頻度不明
胸部不快感 1〜5%未満
脱力感 5%以上
脱力感 頻度不明
脱毛 頻度不明
腎嚢胞 頻度不明
腸管嚢胞様気腫症 頻度不明
腹痛 1〜5%未満
腹部膨満 1〜5%未満
腹鳴 1〜5%未満
舌のしびれ 頻度不明
血圧上昇 1〜5%未満
血小板減少 頻度不明
血清アミラーゼ上昇 頻度不明
貧血 頻度不明
軟便 1〜5%未満
遊離脂肪酸上昇 1〜5%未満
関節痛 頻度不明
頭痛 1〜5%未満
頭重感 5%以上
頻尿 頻度不明
顆粒球減少 頻度不明
食欲不振 1〜5%未満
食欲亢進 頻度不明
高カリウム血症 頻度不明
高血圧悪化 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  1. 18.1.1ミチグリニドカルシウム水和物

膵β細胞のスルホニル尿素受容体への結合を介して、ATP感受性K+チャネル(KATPチャネル)電流を阻害することにより、インスリンの分泌を促進する18),19),20)(in vitro)。

  1. 18.1.2ボグリボース

  2. (1)ブタ小腸由来マルターゼとスクラーゼに対してアカルボースよりそれぞれ約20倍及び30倍強い阻害作用を示し、ラット小腸由来マルターゼ及びスクラーゼ阻害活性はそれぞれアカルボースの約270倍及び190倍である(in vitro)。一方、ブタ及びラット膵α-アミラーゼに対する阻害作用はアカルボースの約1/3000であり、β-グルコシダーゼに対しては阻害活性を示さない21)(in vitro)。

  3. (2)ラット小腸由来のスクラーゼ‐イソマルターゼの複合体の二糖類水解酵素に対する阻害様式は競合拮抗的である21)(in vitro)。

18.2 血糖上昇抑制作用

  1. 18.2.1健康成人男性を対象として、グルベス配合錠と標準製剤(ミチグリニドカルシウム水和物10㎎及びボグリボース0.2㎎の併用投与)をクロスオーバー法によりショ糖負荷直前に経口投与したときの血漿中グルコース濃度を測定した結果、グルベス配合錠投与時と標準製剤投与時の血糖上昇抑制効果は同等であった3)。図 健康成人男性におけるショ糖負荷後の血漿中グルコース濃度(平均値+標準偏差)

  2. 18.2.2健康成人男性を対象として、グルベス配合OD錠(水なし又は水で服用)又はグルベス配合錠(標準製剤、水で服用)それぞれ1錠をクロスオーバー法によりショ糖負荷直前に経口投与した。血漿中グルコース濃度の同等性評価パラメータ(ΔAUC0-3hr及びΔMax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、生物学的同等性の判定基準(-0.20~0.20)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された5)。なお、グルベス配合OD錠の評価にあたっては、予備的な臨床試験により、他の評価時点における生物学的同等性についても検討されている。

  • ΔAUC0-3hr:投与前後のショ糖負荷後3時間までの血漿中グルコース濃度―時間曲線下面積の差

  • ΔMax:投与前後の血漿中グルコース濃度の最大変化量

  • ΔCmax:投与前後の血漿中グルコース濃度の最大値の変化量

薬剤名(用法) ΔAUC0-3hr
(mg・hr/dL)
ΔMax
(mg/dL)
ΔCmax
(mg/dL)
グルベス配合OD錠
(水なしで服用)(n=38)
75.8±30.8 77.8±16.7 53.4±16.8
グルベス配合錠
(水で服用)(n=38)
75.3±29.3 74.1±17.2 52.0±17.5

平均値±標準偏差

図 健康成人男性におけるショ糖負荷後の血漿中グルコース濃度(OD錠を水なしで投与した場合)(平均値+標準偏差)

薬剤名(用法) ΔAUC0-3hr
(mg・hr/dL)
ΔMax
(mg/dL)
ΔCmax
(mg/dL)
グルベス配合OD錠
(水で服用)(n=40)
78.9±36.2 85.8±16.1 56.0±18.7
グルベス配合錠
(水で服用)(n=40)
78.6±30.4 80.3±18.5 53.6±15.7

平均値±標準偏差

図 健康成人男性におけるショ糖負荷後の血漿中グルコース濃度(OD錠を水で投与した場合)

  1. 18.2.3ニコチンアミド前処置ストレプトゾトシン誘発2型糖尿病ラットにミチグリニドカルシウム水和物とボグリボースを経口併用投与すると、液体飼料経口負荷後の血糖上昇が抑制され、負荷後の血漿中グルコース濃度―時間曲線下面積値は相加的に低下した22)(in vivo)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人男性を対象として、グルベス配合錠と標準製剤(ミチグリニドカルシウム水和物10㎎及びボグリボース0.2㎎の併用投与)をクロスオーバー法により空腹下で単回経口投与したときの血漿中ミチグリニド濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC0-5hr、Cmax)から、グルベス配合錠と標準製剤の生物学的同等性が確認された。また、グルベス配合錠を投与したときの血漿中ミチグリニド濃度は、投与後0.46時間で最高血漿中濃度(Cmax)(896.9ng/mL)に達し、半減期(t1/2)は1.25時間であった3)。

投与時期
(空腹下投与)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
グルベス配合錠(n=40) 896.9 0.46 1.25
標準製剤(n=40) 900.0 0.44 1.23

図 健康成人男性におけるグルベス配合錠及び標準製剤投与時の血漿中ミチグリニド濃度(空腹下)(平均値+標準偏差)

  1. 16.1.2反復投与

健康成人男性(6名)にボグリボース1回0.2㎎、1日3回、7日間反復投与した場合、血漿中及び尿中にボグリボースは検出されない4)。

  1. 16.1.3生物学的同等性試験

健康成人男性を対象として、グルベス配合OD錠(水なし又は水で服用)又はグルベス配合錠(標準製剤、水で服用)それぞれ1錠をクロスオーバー法により空腹下に単回経口投与した。血漿中ミチグリニド濃度の同等性評価パラメータ(AUC0-5hr及びCmax)について、90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、生物学的同等性の判定基準(log(0.80)~log(1.25))の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された5)。

薬剤名(用法) Cmax
(ng/mL)
AUC0-5hr
(ng・hr/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
グルベス配合OD錠
(水なしで服用)(n=40)
983.1±339.1 1519±219 0.44±0.21 1.30±0.15
グルベス配合錠
(水で服用)(n=40)
1046.9±341.7 1481±224 0.55±0.32 1.33±0.21

平均値±標準偏差

図 健康成人男性におけるグルベス配合OD錠及び標準製剤投与時の血漿中ミチグリニド濃度(空腹下・OD錠を水なしで投与した場合)(平均値+標準偏差)

薬剤名(用法) Cmax
(ng/mL)
AUC0-5hr
(ng・hr/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
グルベス配合OD錠
(水で服用)(n=39)
1103.5±288.6 1517±267 0.39±0.15 1.34±0.14
グルベス配合錠
(水で服用)(n=39)
1035.8±294.9 1466±238 0.58±0.36 1.34±0.13

平均値±標準偏差

図 健康成人男性におけるグルベス配合OD錠及び標準製剤投与時の血漿中ミチグリニド濃度(空腹下・OD錠を水で投与した場合)(平均値+標準偏差)

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人男性にミチグリニドカルシウム水和物5㎎を食後に経口投与したとき、食直前に比し最高血漿中濃度(Cmax)の低下及び最高血漿中濃度到達時間(Tmax)の遅延が認められた6)。

投与時期 Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
AUC0‐24hr
(ng・hr/mL)
食直前(n=6) 384.9 0.29 1.42 472
食後(n=6) 143.5 2.08 1.26 444

16.3 分布

  1. 16.3.1蛋白結合率

ヒト血漿に[14C]標識ミチグリニドカルシウム水和物を添加した時の蛋白結合率は約97%であった7)(in vitro)。

  1. 16.3.2組織移行

ラットに[14C]ボグリボース1㎎/㎏単回投与した試験で胎児及び乳汁中への移行が認められている8)。

16.4 代謝

  1. 16.4.1健康成人男性にミチグリニドカルシウム水和物5、10及び20㎎を食直前に単回経口投与したとき、24時間までに投与量の約54~74%が尿中に排泄され、そのほとんどがグルクロン酸抱合体代謝物であり、ミチグリニドは1%未満であった9)。

  2. 16.4.2健康成人男性に[14C]標識ミチグリニドカルシウム水和物11㎎溶液を食直前に単回経口投与したとき、投与0.5及び4時間後の血漿中放射能は主にミチグリニド由来であり、ミチグリニドのグルクロン酸抱合体はミチグリニドの約1/3から1/6量が存在し、ヒドロキシ体代謝物はさらに少なかった10)(外国人データ)。

  3. 16.4.3ミチグリニドカルシウム水和物は、ヒトにおいて肝臓及び腎臓で代謝され、グルクロン酸抱合体は主に薬物代謝酵素のUGT1A9及び1A3により、ヒドロキシ体は主にCYP2C9により生成されることがin vitro試験により確認されている11),12)。

16.5 排泄

  1. 16.5.1健康成人男性に[14C]標識ミチグリニドカルシウム水和物11mg溶液を食直前に単回経口投与したとき、放射能の約93%は尿中に、約6%は糞中に排泄された13)(外国人データ)。

  2. 16.5.2ラットに[14C]ボグリボース1㎎/㎏単回投与した試験における尿、糞への排泄率はそれぞれ約5%、98%である8)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害者

成人腎機能正常者、腎機能低下者及び慢性腎不全患者(ミチグリニドカルシウム水和物投与前日の平均クレアチニンクリアランス値はそれぞれ113.75、37.01及び3.431mL/min)にミチグリニドカルシウム水和物10㎎を食直前に単回経口投与したとき、クレアチニンクリアランスの低下に伴いt1/2は延長したが、その他の主要パラメータ(Cmax、AUC0-inf及びCLtot/F)とクレアチニンクリアランスとの間に、有意な相関は認められなかった14)。

Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
AUC0-inf
(ng・hr/mL)
CLtot/F
(mL/min/㎏)
Vdss/F
(L/㎏)
腎機能正常者
(n=8)
Ccrが91mL/min以上
1275.3 0.69 1.48 1517 1.64 0.16
腎機能低下者
(n=7)
Ccrが31~50mL/min
1643.9 0.29 3.22 2132 1.37 0.20
慢性腎不全患者
(n=8)
Ccrが30mL/min以下で透析を実施中
764.7 0.41 11.7 1741 1.70 0.86

図 腎機能正常者、腎機能低下者及び慢性腎不全患者におけるミチグリニドカルシウム水和物10mg投与時の血漿中ミチグリニド濃度(平均値+標準偏差)

16.7 薬物相互作用

ボグリボースの併用投与によるミチグリニドカルシウム水和物の薬物動態に変化はなかった15)。