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クレセンバ点滴静注用200mg

イサブコナゾニウム硫酸塩

添付文書改訂 2026年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1リトナビル、コビシスタット含有製剤、イトラコナゾール、ボリコナゾール、クラリスロマイシン、リファンピシン、リファブチン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、フェニトイン、ホスフェニトインナトリウム水和物、ロミタピドメシル酸塩を投与中の患者

  2. 2.2本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 下記の真菌症の治療

  • アスペルギルス症(侵襲性アスペルギルス症、慢性進行性肺アスペルギルス症、単純性肺アスペルギローマ)

  • ムーコル症

  • クリプトコックス症(肺クリプトコックス症、播種性クリプトコックス症(クリプトコックス脳髄膜炎を含む))

用法・用量

通常、成人にはイサブコナゾールとして1回200mgを約8時間おきに6回、1時間以上かけて点滴静注する。6回目投与の12~24時間経過後、イサブコナゾールとして1回200mgを1日1回、1時間以上かけて点滴静注する。

使用上の注意

  1. 8.1肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

  2. 8.2急性腎障害、腎不全があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

  3. 8.3本剤の投与に際しては、アレルギー歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。

  4. 8.4ラット及びマウスにおいて発がん性が認められているので、本剤を長期投与する場合は治療上の有益性と危険性を考慮して投与の継続を慎重に判断すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1他のアゾール系抗真菌剤に対し薬物過敏症の既往歴のある患者

類似の化学構造を有しており、交差過敏反応を起こすおそれがある。

  1. 9.1.2先天性QT短縮症候群の患者

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与し、本剤投与前及び投与中は定期的に心電図検査を実施するなど、患者の状態を慎重に観察すること。QT間隔が短縮するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)

治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。やむを得ず投与する場合には、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

  1. 9.3.2軽度及び中等度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類A及びB)

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、副作用の発現に十分注意すること。

9.4 生殖能を有する者

妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラット及びウサギにおいて、それぞれ臨床曝露量(AUC)未満の曝露量で、胎児に骨格異常(催奇形性)が認められた1),2)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで乳汁中への移行が報告されている3)。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

  • イサブコナゾールは、CYP3Aで代謝される。また、CYP3Aを中程度に阻害、CYP2B6を誘導、P糖蛋白(P-gp)、有機カチオントランスポーター(OCT)2、多剤・毒性化合物排出蛋白(MATE)1、UDP-グルクロン酸転移酵素(UDP−glucuronosyltransferase, UGT)を阻害する。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
*リトナビル
(ノービア)
コビシスタット含有製剤
(ゲンボイヤ、シムツーザ、プレジコビックス)
イトラコナゾール
(イトリゾール)
ボリコナゾール
(ブイフェンド)
クラリスロマイシン
(クラリス、クラリシッド)
本剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある。 これらの薬剤はCYP3Aを強く阻害する。
リファンピシン
(リファジン)
リファブチン
(ミコブティン)
カルバマゼピン
(テグレトール)
フェノバルビタール
(フェノバール)
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
フェニトイン
(アレビアチン、ヒダントール)
ホスフェニトインナトリウム水和物
(ホストイン)
本剤の血中濃度が低下し作用が減弱するおそれがある。 これらの薬剤等はCYP3Aを強く誘導する。
ロミタピドメシル酸塩
(ジャクスタピッド)
ロミタピドの血中濃度が上昇する可能性がある。 本剤はロミタピドの代謝酵素(CYP3A)を阻害する。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ロピナビル・リトナビル 本剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は本剤の副作用発現に十分に注意すること。
ロピナビル・リトナビルの血中濃度が低下するおそれがあるため、併用する場合はロピナビル・リトナビルの有効性の減弱について十分に注意すること。
リトナビルはCYP3Aを阻害する。
ロピナビル・リトナビルの血中濃度が低下する機序は不明。
CYP3Aを阻害する薬剤等
• ニルマトレルビル・リトナビル等
本剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は本剤の副作用発現に十分に注意すること。 これらの薬剤等はCYP3Aを阻害する。
CYP3Aにより代謝される薬剤
• 免疫抑制剤• タクロリムス、シロリムス、シクロスポリン
• ミダゾラム
フェンタニル
ベネトクラクス
メチルプレドニゾロン
デキサメタゾン
シンバスタチン
アムロジピン等
これらの薬剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合はこれらの薬剤の副作用発現に十分に注意すること。 本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A)を阻害する。
エファビレンツ 相互に血中濃度が低下し作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は必要に応じてエファビレンツの用量を調節すること。 本剤はエファビレンツの代謝酵素(CYP2B6)を誘導し、エファビレンツは本剤の代謝酵素(CYP3A)を誘導する。
*シクロホスファミド シクロホスファミドの活性代謝物の血中濃度が変動し毒性が増強するあるいは作用が減弱するおそれがある。 本剤は、シクロホスファミドの代謝酵素であるCYP2B6を誘導し、CYP3Aを阻害する。
ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤
• ビンクリスチン、ビンブラスチン等コルヒチン
エベロリムス
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、併用する場合はこれらの薬剤の副作用発現に十分に注意すること。 これらの薬剤はCYP3A及びP-gpの基質であり、本剤はCYP3A及びP-gpを阻害する。
P-gpの基質となる薬剤
• フェキソフェナジン
トルバプタン
抗悪性腫瘍剤• ニロチニブ
ラパチニブ
• ジゴキシン
ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等
これらの薬剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合はこれらの薬剤の副作用発現に十分に注意すること。 これらの薬剤はP-gpの基質であり、本剤はP-gpを阻害する。
ミコフェノール酸モフェチル 活性代謝物であるミコフェノール酸の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合はミコフェノール酸の副作用発現に十分に注意すること。 本剤はミコフェノール酸の代謝酵素(UGT)を阻害する。
メトホルミン メトホルミンの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は必要に応じてメトホルミンの用量を調節すること。 メトホルミンはOCT2及びMATE1の基質であり、本剤はOCT2及びMATE1を阻害する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
うつ病 頻度不明
そう痒性皮疹 頻度不明
そう痒症 頻度不明
ほてり 5%以上
上室性期外収縮 頻度不明
上室性頻脈 頻度不明
下痢 頻度不明
不眠症 頻度不明
低アルブミン血症 頻度不明
低カリウム血症 頻度不明
低ナトリウム血症 頻度不明
低マグネシウム血症 頻度不明
低血圧 頻度不明
低血糖 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
傾眠 頻度不明
光線過敏性反応 頻度不明
冷汗 頻度不明
動悸 頻度不明
口腔咽頭不快感 頻度不明
味覚不全 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
嘔吐 頻度不明
回転性めまい 頻度不明
失神 頻度不明
好中球数減少 頻度不明
好中球減少症 頻度不明
徐脈 頻度不明
心室性期外収縮 頻度不明
心房粗動 頻度不明
心房細動 頻度不明
心電図異常 頻度不明
急性呼吸不全 頻度不明
悪心 5%以上
感覚鈍麻 頻度不明
感覚障害 頻度不明
抗利尿ホルモン不適合分泌 頻度不明
末梢性ニューロパチー 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
気管支痙攣 頻度不明
汎血球減少症 頻度不明
注入部位静脈炎 5%以上
注射部位反応 5%以上
注射部位蕁麻疹 5%以上
消化不良 頻度不明
湿疹 頻度不明
点状出血 頻度不明
無力症 頻度不明
異常感覚 頻度不明
疲労 頻度不明
痙攣 頻度不明
痙攣発作 頻度不明
発声障害 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球減少症 頻度不明
皮膚乾燥 頻度不明
皮膚炎 頻度不明
筋力低下 頻度不明
肝腫大 頻度不明
胆嚢炎 頻度不明
背部痛 頻度不明
胸痛 頻度不明
脱毛症 頻度不明
脳症 頻度不明
腎機能障害 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部膨満 頻度不明
薬疹 頻度不明
血中クレアチニン増加 頻度不明
血圧低下 頻度不明
血小板数減少 頻度不明
血尿 頻度不明
血栓性静脈炎 頻度不明
譫妄 頻度不明
過敏症 頻度不明
錯感覚 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻呼吸 頻度不明
食欲減退 頻度不明
高カリウム血症 頻度不明
高血圧 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

イサブコナゾニウム硫酸塩の活性代謝物であるイサブコナゾールは、チトクロームP450依存性ラノステロール-14α-脱メチル化酵素の阻害を介し、真菌細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの生合成を阻害することで抗真菌作用を示す6)。

18.2 抗真菌作用

イサブコナゾールは、深在性真菌症の原因となる真菌(Aspergillus属、ムーコル目、Cryptococcus属、Candida属等)に対し、抗真菌作用を示した(in vitro)20)。また、播種性及び侵襲性肺アスペルギルス症、並びにムーコル症の動物モデルにおいて、イサブコナゾニウム硫酸塩は臓器内生菌数を減少させ、生存率を改善した(in vivo)21)。

18.3 薬剤耐性

標的分子であるCYP51にアミノ酸変異を有する一部のAspergillus fumigatus株で、野生株と比較して、イサブコナゾールに対する感受性の低下が認められた(in vitro)20)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

日本人健康成人男性に本剤(イサブコナゾールとして100注)、200、400mg注))を単回点滴静脈内投与した際、血漿中イサブコナゾール濃度は静脈内投与終了時にピークに達した後、緩やかに減少した。 イサブコナゾールの血漿中薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移は、表1及び図1のとおりであった9),10)。

用量(mg) 100 200 400
投与経路 静脈内 静脈内 静脈内
例数 8 6 8
Cmax(ng/mL) 2466(5.6) 5382(14.3) 6690(8.9)
AUCinf(ng・hr/mL) 43956(16.9) 135004(29.6) 236235(23.8)
Tmaxa)(hr) 1.00(1.00-1.00) 0.875(0.75-1.00) 2.00(1.50-2.50)
CL(mL/hr) 2329(16.0) 1597(29.7) 1808(32.0)
T1/2(hr) 67.391(35.4) 76.020(20.9) 65.983(30.1)
Vd(mL) 222415(33.5) 168554(23.9) 161242(14.1)

平均値(変動係数%) a)中央値(範囲)

図1 日本人健康成人男性に本剤(イサブコナゾールとして100注)、200、400mg注))を単回点滴静脈内投与した際の血漿中イサブコナゾール濃度推移(投与後24時間)

  1. 16.1.2反復投与

日本人健康成人男性に本剤(イサブコナゾールとして200mg)を16日間反復点滴静脈内投与(初日及び2日目は1日3回、3日目以降は1日1回投与)した際、平均血漿中イサブコナゾールのトラフ濃度は1日目から2日目までは徐々に上昇し、3日目から16日目までは一定のトラフ濃度を維持した。 イサブコナゾールの血漿中薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移は、表2及び図2のとおりであった9),10)。

用量(mg) 200
投与経路 静脈内
例数 8
Ctrough(ng/mL) 5817(35.0)
Cmax(ng/mL) 10970(20.6)
AUCtau(ng・hr/mL) 160014(30.5)
Tmaxa)(hr) 1.02(0.75-2.00)

平均値(変動係数%) a)中央値(範囲)

1日目から15日目の血漿中イサブコナゾール濃度は、本剤(イサブコナゾールとして200mg)投与開始前のみ示す

図2 日本人健康成人男性に1回200mgを16日間反復点滴静脈内投与(初日及び2日目は1日3回、3日目以降は1日1回投与)した際の定常状態における血漿中イサブコナゾール濃度推移

16.3 分布

イサブコナゾールは広く分布し、日本人健康被験者の平均分布容積(Vss)は180Lであった11)。 イサブコナゾールは血漿タンパクとの結合率が高かった(>99%)12)(外国人データ)。

16.4 代謝

イサブコナゾニウム硫酸塩は、血液中でエステラーゼ(主としてブチリルコリンエステラーゼ)により、活性体であるイサブコナゾールに速やかに加水分解され、イサブコナゾールは、主にCYP3A4及びCYP3A5により代謝される(in vitroデータ)。 健康成人に(シアノ-14C)-イサブコナゾニウム硫酸塩を単回経口投与した際、イサブコナゾールと共にいくつかの微量代謝物が認められた。健康成人に(ピリジニルメチル-14C)-イサブコナゾニウム硫酸塩を単回点滴静脈内投与した際、不活性分解生成物の代謝物と共にいくつかの微量代謝物が認められた。イサブコナゾール及び不活性分解生成物の代謝物を除き、投与薬物に関連する物質のAUCの10%を超える代謝物は認められなかった11)(外国人データ)。

16.5 排泄

健康成人に(シアノ-14C)-イサブコナゾニウム硫酸塩を経口投与した際、投与放射能の46.1%が糞中に、45.5%が尿中に排泄された。尿中に排泄されたイサブコナゾールは、投与放射能の1%未満であった。 不活性分解生成物は主に代謝により消失し、その後、代謝物が腎排泄を受ける。尿中に排泄された不活性分解生成物は投与放射能の1%未満であった。(ピリジニルメチル-14C)-イサブコナゾニウム硫酸塩を点滴静脈内投与した際、投与放射能の95%が尿中に排泄された11)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

軽度(50≦クレアチニン・クリアランス≦80mL/min/1.73m2)、中等度(30≦クレアチニン・クリアランス<50mL/min/1.73m2)及び重度(クレアチニン・クリアランス<30mL/min/1.73m2)の腎機能障害被験者、並びに腎機能正常被験者に本剤(イサブコナゾールとして200mg)を単回点滴静脈内投与した際、イサブコナゾールの血漿中薬物動態パラメータは表3のとおりであった。非結合型イサブコナゾールのAUCinfの最小二乗幾何平均値は、腎機能正常被験者と比較して、軽度、中等度及び重度腎機能障害患者でそれぞれ1.21倍、1.55倍及び1.96倍であった。 末期腎不全(ESRD)被験者及び腎機能正常被験者に本剤(イサブコナゾールとして200mg)を単回点滴静脈内投与した際、イサブコナゾールの血漿中薬物動態パラメータは表3のとおりであった。非結合型イサブコナゾールのAUC72の最小二乗幾何平均値は、腎機能正常被験者と比較して、末期腎不全(ESRD)被験者で1.23倍であった。イサブコナゾールは血液透析で除去されない11)(外国人データ)。

イサブコナゾール
腎機能障害の程度が異なる被験者を対象とした
試験
ESRD被験者を対象とした
試験
正常
(8例)
軽度
(8例)
中等度
(8例)
重度
(5例)
正常
(8例)
ESRDb)
(8例)
AUCa)(ng・hr/mL) 98776
(51.1)
96240
(48.7)
97161
(27.1)
98776
(54.6)
36912
(25.8)
25053
(40.1)
Cmax(ng/mL) 4443
(16.3)
3945
(28.4)
4059
(33.9)
3427
(25.4)
4583
(24.0)
3741
(34.3)

平均値(変動係数%) a)AUCinf:腎機能障害の程度が異なる被験者を対象とした試験におけるAUC AUC72:ESRD被験者を対象とした試験におけるAUC b)血液透析終了約1時間後に投与

  1. 16.6.2肝機能障害患者

軽度(Child−Pugh分類A)及び中等度(Child−Pugh分類B)肝機能障害被験者、並びに肝機能正常被験者に本剤(イサブコナゾールとして100mg注))を単回点滴静脈内投与あるいは単回経口投与した際、イサブコナゾールの血漿中薬物動態パラメータは表4のとおりであった。非結合型イサブコナゾールのAUCinfの最小二乗幾何平均値は、肝機能正常被験者と比較して、軽度及び中等度肝機能障害患者でそれぞれ1.40~2.38倍、2.18~3.01倍であった。重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)を対象とした試験は実施していない12)(外国人データ)。

肝機能障害の
程度
アルコール性肝機能障害
被験者を対象とした試験
ウイルス性肝機能障害
被験者を対象とした試験
静脈内 経口 静脈内 経口
AUCinf(ng・hr/mL) 正常
(8例)
38993
(30.8)
43386
(23.5)
39155
(35.3)
43891
(28.5)
軽度
(8例)
72810
(77.6)
103225
(53.7)
58896
(36.3)
63545
(36.2)
中等度
(8例)
96233a)
(52.6)
64261
(46.2)
81168
(36.7)
91953
(74.6)
Cmax(ng/mL) 正常
(8例)
1093.60
(17.6)
842.83
(20.3)
1121.08
(31.1)
702.84
(15.4)
軽度
(8例)
977.38
(37.9)
792.26
(22.6)
1011.56
(27.6)
1001.53
(35.0)
中等度
(8例)
837.76
(16.3)
472.43
(25.9)
803.63
(22.4)
572.73
(29.1)

平均値(変動係数%) a)被験者数:7例

  1. 16.6.3高齢者

高齢者(65歳以上)に本剤(イサブコナゾールとして200mg)を単回経口投与した際のイサブコナゾールのAUCは、若年者(18~45歳)と同程度であった11)(外国人データ)。

若年者(24例) 高齢者(24例)
AUCinf(ng・hr/mL) 96256(28.8) 127364(43.8)
Cmax(ng/mL) 2318(22.6) 2375(25.3)
Tmaxa)(hr) 3.000(2.0-4.0) 2.000(1.5-4.0)
T1/2(hr) 111.2(35.3) 158.6(34.8)

平均値(変動係数%) a)中央値(範囲)

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1In vitro試験

イサブコナゾールはCYP3A(CYP3A4及びCYP3A5)の基質である。イサブコナゾールは、CYP3A、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びUGT1A1の阻害剤である。また、イサブコナゾールは、P-gp、BCRP、OCT2及びMATE1の阻害剤である。イサブコナゾールは、CYP1A2、CYP3A4、CYP2B6、CYP2C8及びCYP2C9の誘導剤である13)。

  1. 16.7.2薬物相互作用試験

表6に薬物相互作用試験で認められた薬物動態への影響をまとめた11),12)(外国人データ)。

併用薬 例数a) 平均比(90%信頼区間)
[併用時/非併用時]
イサブコナゾール
への影響
併用薬
への影響
ケトコナゾール
200mg BIDb)
12/12
12/12
AUC:5.22
(4.09, 6.66)
Cmax:1.09
(0.93, 1.27)
ロピナビル/リトナビル
400mg/100mg BIDb)
16/17
16/17
AUC:1.96
(1.64, 2.35)
Cmax:1.74
(1.46, 2.08)
リファンピシン
600mg QDb)
24/25
24/25
AUC:0.10
(0.09, 0.11)
Cmax:0.25
(0.23, 0.27)
エソメプラゾール
40mg QDb)
12/12
12/12
AUC:1.08
(0.89, 1.30)
Cmax:1.05
(0.89, 1.24)
リトナビル
100mg BIDb)
16/18
16/18
AUC:0.69
(0.48, 0.98)
Cmax:0.67
(0.46, 0.98)
ロピナビル
400mg BIDb
16/18
16/18
AUC:0.73
(0.56, 0.96)
Cmax:0.77
(0.62, 0.95)
プレドニゾン
20mg
20/21
20/21
〈プレドニゾロン〉 
AUC:1.08
(1.02, 1.14)
Cmax:0.96
(0.90, 1.02)
エチニルエストラジオール
35µg
23/23
23/23
AUC:1.08
(1.03, 1.13)
Cmax:1.14
(1.03, 1.26)
ノルエチンドロン
1mg
23/23
23/24
AUC:1.16
(1.09, 1.23)
Cmax:1.06
(0.93, 1.20)
シクロスポリン
300mg
19/24
19/24
AUC:1.29
(1.15, 1.44)
Cmax:1.06
(0.95, 1.19)
アトルバスタチン
20mg
24/23
24/24
AUC:1.37
(1.29, 1.45)
Cmax:1.03
(0.88, 1.21)
シロリムス
2mg
20/15
21/22
AUC:1.84
(1.59, 2.13)
Cmax:1.65
(1.41, 1.92)
ミダゾラム
3mg
22/23
22/23
AUC:2.03
(1.73, 2.38)
Cmax:1.72
(1.44, 2.05)
タクロリムス
5mg
21/24
21/24
AUC:2.25
(1.91, 2.66)
Cmax:1.42
(1.22, 1.64)
カフェイン
200mg
22/24
22/24
AUC:1.04
(0.97, 1.12)
Cmax:0.99
(0.93, 1.07)
ブプロピオン
100mg
24/24
24/24
AUC:0.58
(0.52, 0.64)
Cmax:0.69
(0.62, 0.77)
メサドン
5mg
22/22
22/23
22/22
22/23
〈S-メサドン〉
AUC:0.65
(0.59, 0.72)
Cmax:1.01
(0.95, 1.08)
〈R-メサドン〉
AUC:0.90
(0.84, 0.96)
Cmax:1.04
(0.97, 1.11)
レパグリニド
0.5mg
22/24
22/24
AUC:0.92
(0.86, 1.00)
Cmax:0.86
(0.79, 0.93)
ワルファリン
20mg
20/20
20/20
20/20
20/20
〈S-ワルファリン〉
AUC:1.11
(1.06, 1.16)
Cmax:0.88
(0.83, 0.94)
〈R-ワルファリン〉
AUC:1.20
(1.16, 1.24)
Cmax:0.93
(0.87, 0.99)
オメプラゾール
40mg
26/27
26/27
AUC:0.89
(0.59, 1.33)
Cmax:0.77
(0.56, 1.04)
デキストロメトルファン
30mg
21/22
23/24
AUC:1.18
(1.02, 1.35)
Cmax:1.17
(1.02, 1.35)
ミコフェノール酸モフェチル
1g
21/24
22/24
21/24
22/24
〈MPAc〉〉
AUC:1.35
(1.27, 1.45)
Cmax:0.89
(0.76, 1.03)
〈MPAGd〉〉
AUC:0.76
(0.72, 0.80)
Cmax:0.68
(0.61, 0.77)
メトトレキサート
7.5mg
23/24
23/24
AUC:0.97
(0.90, 1.05)
Cmax:0.89
(0.83, 0.97)
メトホルミン
850mg
20/23
20/23
AUC:1.52
(1.38, 1.68)
Cmax:1.23
(1.09, 1.40)
ジゴキシン
0.5mg
21/23
21/24
AUC:1.25
(1.17, 1.34)
Cmax:1.33
(1.19, 1.49)

a)例数(併用時/非併用時) b)QD:1日1回投与、BID:1日2回投与 c)MPA:ミコフェノール酸 d)MPAG:ミコフェノール酸のグルクロン酸抱合体

注)成人における本剤の承認された用量は「通常、イサブコナゾールとして1回200mgを約8時間おきに6回、1時間以上かけて点滴静注する。6回目投与の12~24時間経過後、イサブコナゾールとして1回200mgを1日1回、1時間以上かけて点滴静注する。」である。