Clinical snapshot

クリアミン配合錠S0.5

エルゴタミン酒石酸塩無水カフェインイソプロピルアンチピリン

添付文書改訂 2026年03月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1末梢血管障害、閉塞性血管障害のある患者[エルゴタミンの血管収縮作用により症状を悪化させるおそれがある。]

  2. 2.2狭心症の患者[心電図の変化や、狭心症の発作を引き起こすおそれがある。]

  3. 2.3冠動脈硬化症の患者[血管痙攣により狭心症や心筋梗塞を起こすおそれがある。]

  4. 2.4コントロール不十分な高血圧症、ショック、側頭動脈炎のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]

  5. 2.5肝又は腎機能障害のある患者

  6. 2.6敗血症患者[血管に対する作用への感受性が増大し、感染を伴う壊疽が発症するおそれがある。]

  7. 2.7妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  8. 2.8授乳婦

  9. 2.9本剤、麦角アルカロイド(エルゴタミン等)又はピラゾロン系薬剤(スルピリン、アミノピリン等)に対し過敏症の既往歴のある患者

  10. 2.10心エコー検査により、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が確認された患者及びその既往のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]

  11. *2.11HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル含有製剤、ダルナビル含有製剤)、コビシスタット含有製剤、マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、ジョサマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン)、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール、ミコナゾール(経口剤、注射剤、口腔用剤)、フルコナゾール、ホスフルコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール)、レテルモビル、エンシトレルビル、レナカパビル、ロナファルニブ、セリチニブ、5-HT1B/1D受容体作動薬(スマトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン、ナラトリプタン)、麦角アルカロイド(エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン)を投与中の患者

  12. 2.12*12時間以内にアデノシン(アデノスキャン)を使用する患者

効能・効果

血管性頭痛、片頭痛、緊張性頭痛

用法・用量

  • 〈クリアミン配合錠A1.0〉

通常成人、1回1錠を1日2~3回経口投与する。頭痛発作の前兆がある場合は1~2錠を頓用する。 なお、年齢・症状により適宜増減する。ただし、1週間に最高10錠までとする。

  • 〈クリアミン配合錠S0.5〉

通常成人、1回2錠を1日2~3回経口投与する。頭痛発作の前兆がある場合は2~4錠を頓用する。 なお、年齢・症状により適宜増減する。ただし、1週間に最高20錠までとする。

使用上の注意

  1. 8.1過敏症状等を予測するため十分な問診を行うこと。

  2. 8.2原則として、長期投与を避けること。

  3. 8.3めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の作業に注意させること。

  4. 8.4エルゴタミンの血管収縮作用を増強するおそれがあるので過度の喫煙を避けさせること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心臓障害のある患者

血管痙攣により狭心症様の胸内痛及び窮迫、一過性洞頻脈が起こるおそれがある。

  1. 9.1.2血液障害(貧血、白血球減少等)のある患者

症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.3緑内障の患者

カフェインの眼圧上昇作用により、症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.4本人又は両親、兄弟にほかの薬物に対するアレルギー、蕁麻疹、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー等のみられる患者

9.2 腎機能障害患者

代謝障害により麦角中毒を起こすおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

代謝障害により麦角中毒を起こすおそれがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。エルゴタミン酒石酸塩には子宮収縮作用及び胎盤、臍帯における血管収縮作用がある。

  2. 9.5.2イソプロピルアンチピリンを妊娠末期のラットに投与した実験で、弱い胎仔の動脈管収縮が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。ヒト母乳中へ移行することがある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

本剤は血管収縮作用を有しており、過度の血管収縮は好ましくないと考えられる。

相互作用

  • 本剤に含まれるエルゴタミンは主に代謝酵素CYP3A4で代謝されるので、本酵素の阻害作用を有する薬剤との併用に注意すること。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
HIVプロテアーゼ阻害剤
• リトナビル含有製剤(ノービア、カレトラ、パキロビッド)、ダルナビル含有製剤(プリジスタ、プレジコビックス、シムツーザ)コビシスタット含有製剤(ゲンボイヤ、シムツーザ、プレジコビックス)
マクロライド系抗生物質
• エリスロマイシン(エリスロシン)、ジョサマイシン、クラリスロマイシン(クラリシッド、クラリス)、ロキシスロマイシン(ルリッド)アゾール系抗真菌薬
• イトラコナゾール(イトリゾール)、ミコナゾール(経口剤、注射剤、口腔用剤)(フロリード、オラビ)、フルコナゾール(ジフルカン)、ホスフルコナゾール(プロジフ)、ボリコナゾール(ブイフェンド)、ポサコナゾール(ノクサフィル)レテルモビル(プレバイミス)
エンシトレルビル(ゾコーバ)
レナカパビル(シュンレンカ)
*ロナファルニブ(ゾキンヴィ)
セリチニブ(ジカディア)
エルゴタミンの血中濃度が上昇し、血管攣縮等の重篤な副作用を起こすおそれがある。 *これらの薬剤がCYP3A4を阻害することにより、エルゴタミンの代謝が阻害される。
5-HT1B/1D受容体作動薬
• スマトリプタン(イミグラン)、ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)、エレトリプタン(レルパックス)、リザトリプタン(マクサルト)、ナラトリプタン(アマージ)麦角アルカロイド
• エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン(パルタンM)
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。
なお、5-HT1B/1D受容体作動薬と本剤を前後して投与する場合は24時間以上の間隔をあけて投与すること。
これらの薬剤との薬理的な相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。
アデノシン(アデノスキャン)
*本剤によりアデノシンによる冠血流速度の増加及び冠血管抵抗の減少を抑制し、虚血診断に影響を及ぼすことがある。アデノシン(アデノスキャン)を投与する場合は12時間以上の間隔をあけること。 *本剤はアデノシン受容体に拮抗するため、アデノシンの作用を減弱させる。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ダサチニブ
アミオダロン
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 これら薬剤の CYP3A4 阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。
スチリペントール 本剤の血中濃度が上昇し、 麦角中毒を引き起こすおそれがある。 スチリペントールはCYP3A4を阻害する。
β-遮断剤
• プロプラノロール等
エルゴタミンの末梢血管収縮作用が強くあらわれることがある。 β-遮断剤との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)が増強される。
アドレナリン
ノルアドレナリン
フェニレフリン
これら薬剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 本剤の血管平滑筋収縮作用により、血圧上昇作用を増強すると考えられている。
エチレフリン 血圧の異常上昇をきたすことがあるので、そのような場合はクロルプロマジンの静注を行う。 エチレフリンの昇圧作用と本剤の末梢血管収縮作用により血圧が上昇する。
ドロキシドパ ドロキシドパの作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 相加的に作用(末梢血管収縮作用)を増強させる。
ブロモクリプチン 血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれるおそれがある。 機序は明確ではないが、ブロモクリプチンはエルゴタミンの血管収縮作用、血圧上昇作用等に影響を及ぼすと考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒感 頻度不明
ピリピリ感) 1〜5%未満
めまい 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
不安 頻度不明
不眠 1〜5%未満
倦怠感 1〜5%未満
呼吸困難 頻度不明
嘔吐 1〜5%未満
四肢筋痛 頻度不明
四肢脱力感 頻度不明
局所性浮腫 頻度不明
徐脈 頻度不明
心悸亢進 頻度不明
悪心 1〜5%未満
拡大 頻度不明
振戦 頻度不明
発疹 1〜5%未満
眠気 1〜5%未満
眩暈 頻度不明
瞳孔縮小 頻度不明
知覚異常(四肢のしびれ感 1〜5%未満
胸部不快感 頻度不明
腎障害 頻度不明
腹痛 1〜5%未満
蕁麻疹 頻度不明
血圧上昇 頻度不明
血小板減少 頻度不明
貧血 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻脈 頻度不明
顆粒球減少 頻度不明
食欲不振 5%以上

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  1. 18.1.1エルゴタミン酒石酸塩の血管に対する作用

エルゴタミン酒石酸塩0.37~0.5mgの静脈内注射により、健康人及び片頭痛の患者のいずれにおいても側頭動脈及び後頭動脈の拍動、振幅の約50%減少が認められた。片頭痛患者においては動脈拍動の振幅減少とほぼ並行して頭痛の消失が認められた18)。

  1. 18.1.2エルゴタミン酒石酸塩、無水カフェイン、イソプロピルアンチピリン配合剤の鎮痛作用

マウスを用いた酢酸Writhing法、Haffner変法、圧刺激法による鎮痛効果の検討結果において、3成分の配合剤はいずれの方法においても、イソプロピルアンチピリン単独と比較し高い鎮痛効果を示し、配合による相乗効果が認められた19)。

  1. 18.1.3エルゴタミン酒石酸塩とカフェインの協力作用

健康成人でのエルゴタミン酒石酸塩とカフェインの配合剤とエルゴタミン酒石酸塩単味剤の経口投与の比較において、より高い血中エルゴタミン濃度が配合剤で得られ、カフェインによるエルゴタミン酒石酸塩の消化管よりの吸収促進が認められた20)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人男性24名にクリアミン配合錠A1.0(CLA)2錠あるいはクリアミン配合錠S0.5(CL)4錠を単回経口投与した時の各成分の血漿中濃度を示す1)。

  • 〈エルゴタミン酒石酸塩〉血漿中薬物濃度推移
Tmax Cmax(平均値±SD) 半減期
CLA 2.5時間 297.7±103.4(pg/mL) 6.5時間
CL 2.0時間 303.5±124.9(pg/mL)
  • 〈無水カフェイン〉血漿中薬物濃度推移
Tmax Cmax(平均値±SD) 半減期
CLA 1.2時間 3.0±0.38(μg/mL) 5.0時間
CL 1.3時間 3.2±0.49(μg/mL)
  • 〈イソプロピルアンチピリン〉血漿中薬物濃度推移
Tmax Cmax(平均値±SD) 半減期
CLA 0.8時間 9.53±2.91(μg/mL) 1.9時間
CL 0.9時間 9.57±2.08(μg/mL)