SOD1遺伝子変異を有する筋萎縮性側索硬化症における機能障害の進行抑制
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往症のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人には、トフェルセンとして1回100mgを1~3分かけて髄腔内投与する。初回、2週後、4週後に投与し、以降4週間間隔で投与する。
使用上の注意
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8.1本剤は、本剤についての十分な知識と、筋萎縮性側索硬化症の診断及び治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで使用すること。
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8.2脊髄炎、神経根炎、頭蓋内圧上昇、視神経乳頭浮腫、無菌性髄膜炎があらわれることがある。本剤投与時には脳脊髄液圧を測定するとともに、定期的に髄液検査を行うこと。患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
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8.3海外で他のアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤の皮下又は静脈内投与後に腎障害が報告されている。本剤においても発現するおそれがあるため、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に腎機能検査を行うこと。
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8.4海外で他のアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤の皮下又は静脈内投与後に重度の急性血小板減少症を含む凝固系異常及び血小板数減少が報告されている。本剤においても発現するおそれがあるため、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血算(血小板数)及び凝固能検査を行うこと。
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては本剤の投与中及び投与終了後7日間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行は不明だが、マウスで乳汁中への移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT増加 | 1%未満 |
| AST増加 | 1%未満 |
| CSFブドウ糖増加 | 1%未満 |
| CSFリンパ球数増加 | 頻度不明 |
| CSF圧上昇 | 1%未満 |
| CSF検査異常 | 頻度不明 |
| CSF白血球数増加(14.3%) | 5%以上 |
| CSF白血球陽性 | 頻度不明 |
| CSF細胞数増加 | 頻度不明 |
| CSF細胞数異常 | 頻度不明 |
| CSF蛋白増加(22.4%) | 5%以上 |
| そう痒性皮疹 | 1%未満 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| パニック発作 | 1%未満 |
| 上腹部痛 | 1%未満 |
| 下痢 | 1%未満 |
| 不随意性筋収縮 | 頻度不明 |
| 丘疹性皮疹 | 1%未満 |
| 仙骨痛 | 1%未満 |
| 側腹部痛 | 1%未満 |
| 冷感 | 1%未満 |
| 処置による悪心 | 1%未満 |
| 処置による疼痛(6.8%) | 5%以上 |
| 処置後そう痒感 | 1%未満 |
| 処置後腫脹 | 1%未満 |
| 口腔咽頭痛 | 1%未満 |
| 嚥下障害 | 1%未満 |
| 四肢不快感 | 頻度不明 |
| 四肢痛(17.7%) | 5%以上 |
| 回転性めまい | 1%未満 |
| 固有感覚の欠如 | 1%未満 |
| 坐骨神経痛 | 1%未満 |
| 尿意切迫 | 頻度不明 |
| 悪寒 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 感覚消失 | 1%未満 |
| 感覚鈍麻 | 頻度不明 |
| 感覚障害 | 頻度不明 |
| 成長痛 | 頻度不明 |
| 振動覚亢進 | 1%未満 |
| 振動覚低下 | 1%未満 |
| 敏感肌 | 1%未満 |
| 末梢性ニューロパチー | 1%未満 |
| 末梢性浮腫 | 1%未満 |
| 末梢腫脹 | 1%未満 |
| 構語障害 | 1%未満 |
| 歩行失行 | 1%未満 |
| 歩行障害 | 1%未満 |
| 注入に伴う反応 | 1%未満 |
| 注入部位内出血 | 1%未満 |
| 浮動性めまい | 頻度不明 |
| 湿疹 | 1%未満 |
| 灼熱感 | 1%未満 |
| 熱感 | 1%未満 |
| 片頭痛 | 頻度不明 |
| 異常感覚 | 頻度不明 |
| 異痛症 | 頻度不明 |
| 疲労(5.4%) | 5%以上 |
| 疼痛 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 皮膚炎 | 1%未満 |
| 知覚過敏 | 1%未満 |
| 神経学的処置合併症 | 頻度不明 |
| 神経痛 | 1%未満 |
| 筋力低下 | 頻度不明 |
| 筋攣縮 | 1%未満 |
| 筋痙直 | 頻度不明 |
| 筋痙縮 | 頻度不明 |
| 筋緊張 | 頻度不明 |
| 筋肉疲労 | 1%未満 |
| 筋肉痛(10.2%) | 5%以上 |
| 筋骨格不快感 | 頻度不明 |
| 筋骨格痛 | 頻度不明 |
| 筋骨格硬直 | 頻度不明 |
| 筋骨格系処置合併症 | 1%未満 |
| 網脈絡膜皺襞 | 1%未満 |
| 緊張性頭痛 | 1%未満 |
| 総蛋白増加 | 1%未満 |
| 耳鳴 | 1%未満 |
| 胃炎 | 1%未満 |
| 背部痛 | 頻度不明 |
| 脱毛症 | 1%未満 |
| 腰椎穿刺後症候群 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 1%未満 |
| 腹部膨満 | 1%未満 |
| 膀胱炎 | 1%未満 |
| 膵炎 | 1%未満 |
| 蕁麻疹 | 1%未満 |
| 血中アルカリホスファターゼ増加 | 1%未満 |
| 複視 | 頻度不明 |
| 起立障害 | 1%未満 |
| 転倒 | 頻度不明 |
| 近視 | 1%未満 |
| 錯感覚(6.1%) | 5%以上 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 電気ショック様感覚 | 頻度不明 |
| 霧視 | 1%未満 |
| 頚部痛 | 1%未満 |
| 頭痛(13.6%) | 5%以上 |
| 頭部不快感 | 1%未満 |
| 顔面麻痺 | 1%未満 |
| 食道痙攣 | 1%未満 |
| 食道痛 | 1%未満 |
| 骨盤不快感 | 1%未満 |
| 髄液細胞増加症(8.2%) | 5%以上 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
トフェルセンは、SOD1-ALS患者の原因遺伝子であるヒトSOD1 mRNAの3'非翻訳領域を標的とするアンチセンス核酸であり、ワトソン・クリック塩基対対合(ハイブリダイゼーション)によりSOD1 mRNAに結合し、生体内のRNase-Hにより分解されることで、SOD1タンパク質合成量を減少させる。
18.2 薬理作用
In vitroにおいて、ヒト細胞株のSOD1 mRNA量を濃度依存的に減少させた9) 。ヒトSOD1(SOD1-G93A変異)遺伝子を発現させたトランスジェニックマウス(ALS病態モデル)に脳室内投与することにより、大脳皮質及び腰髄のSOD1タンパク質濃度を減少させ10),11) 、疾患発症までの時間及び生存期間を延長させた12) 。さらに、神経損傷及び支配筋の筋萎縮を抑制することが示された13),14) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
SOD1遺伝子変異を有する日本人及び外国人成人ALS患者に、本剤100mgを初回、2週後、4週後に髄腔内投与し、以降4週間間隔で髄腔内投与したときの血漿中及び脳脊髄液中本薬トラフ濃度の推移、並びに血漿中薬物動態パラメータは表16-1、表16-2のとおりであった。
| 評価時点 | 血漿中濃度 | CSF中濃度 | ||
|---|---|---|---|---|
| 評価例数 | トラフ濃度 (ng/mL) |
評価例数 | トラフ濃度 (ng/mL) |
|
| 15日目 | 72 | 0.79±0.64 | 71 | 19.12±24.59 |
| 29日目 | 71 | 18.47±146.05 | 71 | 25.67±35.04 |
| 57日目 | 67 | 0.76±0.40 | 66 | 17.95±20.18 |
| 85日目 | 64 | 0.74±0.51 | 62 | 17.58±18.88 |
平均値±標準偏差
| 評価時点 | 評価例数 | Cmax (ng/mL) |
tmax (時間)a) |
AUC0-24 (hr・ng/mL) |
|---|---|---|---|---|
| 1日目 | 22 | 1134.9±1032.78 | 4.0 [1, 24] |
17095.4±14136.12 |
| 85日目 | 19 | 704.3±406.35 | 4.0 [1, 6] |
13565.8±8082.33 |
平均値±標準偏差 a)中央値[範囲]
16.3 分布
ヒト血漿蛋白結合率は約98%であった5) 。
16.4 代謝
トフェルセンは主にエキソヌクレアーゼ(3'及び5')による加水分解によって代謝される。
16.5 排泄
未変化体及びその代謝物の主な排泄経路は尿中排泄であると考えられる。カニクイザルの中枢神経系組織における終末相消失半減期の平均値は31~40日であった6) 。