下記患者における高リン血症の改善
- 保存期及び透析中の慢性腎不全患者
2.1甲状腺機能低下症の患者[カルシウムの利用が亢進し、症状を増悪するおそれがある。]
2.2炭酸カルシウムに対し過敏症の既往歴のある患者
下記患者における高リン血症の改善
通常、成人には、沈降炭酸カルシウムとして1日3.0gを3回に分割して、食直後、経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
8.1血中カルシウム濃度の上昇を来すことがあるので、本剤の投与にあたっては、定期的に血中リン及びカルシウム濃度を測定しながら慎重に投与すること。
8.2血中マグネシウム濃度が上昇するおそれがあるので、本剤の投与が長期にわたる場合には、患者の状態を観察しながら必要に応じ、血中マグネシウム濃度を測定すること。
9.1.1薬物過敏症の既往歴のある患者
9.1.2心機能障害、肺機能障害のある患者
血中カルシウム濃度の上昇により、心・肺機能をさらに抑制し、症状を増悪させることがある。
カルシウム及びリンの排泄が阻害され血中リン、カルシウム濃度が上昇するおそれがある。
血中カルシウム濃度がさらに上昇し、副作用があらわれやすくなる。
本剤中の沈降炭酸カルシウムの溶解性が低下し、リンとの結合能が低下するため、効果が期待できない場合がある。
減量するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| テトラサイクリン系抗生物質 • テトラサイクリン塩酸塩 ミノサイクリン塩酸塩等ニューキノロン系抗菌剤 • ノルフロキサシン オフロキサシン レボフロキサシン等 |
本剤のキレート作用により、相互に吸収が低下し、効果が減弱することがある。併用する場合には本剤服用後2時間以上間隔をあけるなど注意すること。 | これらの薬剤は、カルシウムと難溶性の塩を生成し、抗生物質の腸管吸収を妨げる。 |
| ポリスチレンスルホン酸ナトリウム ポリスチレンスルホン酸カルシウム |
これらの薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、慎重に投与すること。 | 本剤は、無機質の微細な粉末を錠剤としたもので、種々の物質と結合する性質があり、また、二価の金属イオンとしてのキレート作用もある。同時に服用した他の併用薬剤の吸収を阻害することがある。さらに、本剤は、アルカリ性であるため、消化管内のpHを上昇させ、あるいは体内に吸収後に体液のpHを上昇させることが考えられる。 |
| キニジン硫酸塩水和物 | これらの薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、慎重に投与すること。 | 本剤は、アルカリ性であるため、消化管内のpHを上昇させ、あるいは体内に吸収後に体液のpHを上昇させることが考えられる。 |
| 大量の牛乳 | milk-alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれることがある。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。 | 機序は不明である。 |
| 活性型ビタミンD剤 • アルファカルシドール カルシトリオール等 |
高カルシウム血症があらわれやすくなるので、異常が認められた場合には、これらの薬剤又は本剤を減量あるいは投与を中止すること。 | 活性型ビタミンD製剤はカルシウムの吸収を促進する。 |
| ロキサデュスタット | ロキサデュスタットと併用した場合、ロキサデュスタットの作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、前後1時間以上あけて本剤を服用すること。 | ロキサデュスタットを酢酸カルシウムと同時投与したところ、ロキサデュスタットのAUCinfが低下した。 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P | 1〜5%未満 |
| ASTの上昇 | 1〜5%未満 |
| LDH | 1〜5%未満 |
| γ-GTP | 1〜5%未満 |
| アルカローシス等の電解質失調 | 頻度不明 |
| そう痒感 | 頻度不明 |
| トリグリセライド | 1〜5%未満 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 便秘 | 1〜5%未満 |
| 尿路結石 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 胃酸の反動性分泌等 | 頻度不明 |
| 腎結石 | 頻度不明 |
| 高カルシウム血症(血中カルシウム濃度として11mg/dL以上)注) | 頻度不明 |
炭酸カルシウムは、消化管内で食物由来のリン酸イオンと結合して難溶性のリン酸カルシウムを形成し、腸管からのリンの吸収を抑制することにより、血中リン濃度を低減させる。in vitro試験において、カルタン錠500 1錠(沈降炭酸カルシウムとして500mg)は、317.8mgのリン酸イオンを結合する4)。リン吸収阻害作用はアルミニウムで強く、次いでカルシウム、マグネシウムの順に弱くなるが、アルミニウムは血中に蓄積され重大な副作用をあらわすことから腎不全患者の長期投与には禁忌とされている。 なお、本剤の薬理効果は、胃液の酸度、食事内容(特にマグネシウム等の無機イオン)等により影響を受けることが知られている。
カルタンOD錠500mgとカルタン錠500を、それぞれ6錠(沈降炭酸カルシウムとして3.0g)健康成人男子(水なし19名、水あり20名)にリン負荷(高リン食摂取)後に経口単回投与し、無投与群を含む3群に対し、累積尿中リン排泄量を測定した。得られたパラメータ(Ae)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された5)。
水なし
| Ae0-10h(mg) | |
|---|---|
| カルタンOD錠500mg | 793.9±238.3 |
| カルタン錠500 | 769.5±181.6 |
| 無投与 | 1012.6±215.1 |
Ae:累積尿中リン排泄量 (mean±SD、n=19)
水あり
| Ae0-10h(mg) | |
|---|---|
| カルタンOD錠500mg | 796.1±114.7 |
| カルタン錠500 | 835.9±138.4 |
| 無投与 | 992.2±171.7 |
Ae:累積尿中リン排泄量 (mean±SD、n=20)
尿中リン排泄量並びにAe等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。