歯科領域における浸潤麻酔又は伝達麻酔
オーラ注歯科用カートリッジ1.8mL
リドカイン塩酸塩・アドレナリン酒石酸水素塩注射剤
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
- 2.1本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
浸潤麻酔又は伝達麻酔には、通常成人0.3~1.8mLを使用する。口腔外科領域の麻酔には3~5mLを使用する。 なお、年齢、麻酔領域、部位、組織、症状、体質により適宜増減するが、増量する場合には注意すること。
使用上の注意
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8.1まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合に直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておくこと。
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8.2本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、以下の点に留意すること。
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8.2.1患者の全身状態の観察を十分に行うこと。
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8.2.2できるだけ必要最少量にとどめること。
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8.2.3血管の多い部位(顔面等)に注射する場合には、吸収が速いので、できるだけ少量を投与すること。
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8.2.4注射針が、血管に入っていないことを確かめること。
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8.2.5注射の速度はできるだけ遅くすること。
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8.2.6前投薬や術中に投与した鎮静薬、鎮痛薬等による呼吸抑制が発現することがあるので、これらの薬剤を使用する際は少量より投与し、必要に応じて追加投与することが望ましい。なお、高齢者、小児、全身状態が不良な患者、肥満者、呼吸器疾患を有する患者では特に注意し、異常が認められた際には、適切な処置を行うこと。
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8.3注射針が適切に位置していないなどにより、神経障害が生じることがあるので、穿刺に際し異常を認めた場合には本剤の注入を行わないこと。
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8.4本剤の投与により、誤嚥・口腔内咬傷の危険性を増加させるおそれがあるので注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
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9.1.1次の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。これらの症状が悪化するおそれがある。
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(1)高血圧のある患者
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(2)動脈硬化のある患者
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(3)心不全のある患者
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(4)甲状腺機能亢進のある患者
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(5)糖尿病のある患者
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(6)血管攣縮の既往のある患者
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9.1.2心刺激伝導障害のある患者
症状を悪化させることがある。
- 9.1.3全身状態が不良な患者
生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重症の腎機能障害のある患者
中毒症状が発現しやすくなる。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1重症の肝機能障害のある患者
中毒症状が発現しやすくなる。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の全身状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。また、本剤に含まれているアドレナリンの作用に対する感受性が高いことがある。
相互作用
- 本剤は、主として肝代謝酵素CYP1A2及びCYP3A4で代謝される。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| • ハロゲン含有吸入麻酔薬• ハロタン等 | 頻脈、不整脈、場合によっては心停止を起こすことがある。 | これらの薬剤は、心筋のアドレナリン受容体の感受性を亢進させる。 |
| • 三環系抗うつ薬• イミプラミン等 • MAO阻害薬 |
血圧上昇を起こすことがある。 | これらの薬剤は、アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを阻害し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させ、アドレナリン作動性神経刺激作用を増強させる。 |
| • 非選択性β遮断薬• プロプラノロール等 | 血管収縮、血圧上昇、徐脈を起こすことがある。 | これらの薬剤のβ受容体遮断作用により、アドレナリンのα受容体刺激作用が優位になり、血管抵抗性を上昇させる。 |
| • 抗精神病薬(ブチロフェノン系、フェノチアジン系等)• ハロペリドール • クロルプロマジン等 • α遮断薬 |
過度の血圧低下を起こすことがある。 | これらの薬剤のα受容体遮断作用により、アドレナリンのβ受容体刺激作用が優位になり、血圧低下があらわれる。 |
| • 分娩促進薬• オキシトシン等 • 麦角アルカロイド類• エルゴメトリン等 |
血圧上昇を起こすことがある。 | 併用により血管収縮作用が増強される。 |
| • クラスIII抗不整脈薬• アミオダロン等 | 心機能抑制作用が増強するおそれがある。 | 作用が増強することが考えられる。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| 不安 | 頻度不明 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 壊死等 | 頻度不明 |
| 悪心・嘔吐等 | 頻度不明 |
| 浮腫等 | 頻度不明 |
| 潰瘍 | 頻度不明 |
| 眠気 | 頻度不明 |
| 眩暈 | 頻度不明 |
| 興奮 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹等の皮膚症状 | 頻度不明 |
| 血圧上昇等 | 頻度不明 |
| 霧視 | 頻度不明 |
| 頭痛等 | 頻度不明 |
| 頻脈 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
リドカイン塩酸塩は、知覚受容器及び第一次ニューロンでの神経インパルスの伝達を遮断することにより局所麻酔作用を現す1)。主な作用点は細胞膜である2)。浸潤、伝達麻酔の強さはプロカインの2~4倍である3)。 アドレナリンは、血管を収縮させることによりリドカイン塩酸塩の局所からの吸収を抑制し、局所麻酔の作用時間を延長させる4),5)。
18.2 局所麻酔効果
健康成人10名にオーラ注歯科用カートリッジ1.0mLと歯科用キシロカインカートリッジを上顎中切歯の根尖相当部の可動粘膜に傍骨膜注射を行い、電気歯髄診断器を用いて刺激度数を測定し比較した。その結果、両製剤とも同様の局所麻酔効果を示し、両製剤の間に有意な差は認められなかった6)。