Clinical snapshot

オーキシス9µgタービュヘイラー28吸入

ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入剤

添付文書改訂 2024年01月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解

用法・用量

通常、成人には1回1吸入(ホルモテロールフマル酸塩水和物として9µg)を1日2回吸入投与する。

使用上の注意

  1. 8.1用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、本剤が適当ではないと考えられるので、漫然と投与を継続せず中止すること。

  2. 8.2過度に本剤の使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあるので、用法・用量を超えて投与しないよう注意すること。また、患者に対し、本剤の過度の使用による危険性について理解させ、用法・用量を超えて使用しないよう注意を与えること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1甲状腺機能亢進症の患者

甲状腺機能亢進症の症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.2高血圧の患者

血圧を上昇させるおそれがある。

  1. 9.1.3心疾患のある患者

β1作用により症状を増悪させるおそれがある。

  1. 9.1.4糖尿病の患者

グリコーゲン分解作用により症状を増悪させるおそれがある。

  1. 9.1.5低カリウム血症の患者

Na+/K+ ATPaseを活性化し細胞外カリウムを細胞内へ移動させることにより低カリウム血症を増悪させるおそれがある。

  1. 9.1.6気管支喘息を合併した患者

気管支喘息の管理が十分行われるよう注意すること。

  1. 9.1.7低酸素血症の患者

血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重度な肝機能障害のある患者

本剤は主に肝臓で代謝されるため血中濃度が上昇する可能性がある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 ホルモテロール3mg/kg/日あるいは15mg/kg/日の経口投与により、ラット母動物では、着床数の減少及び吸収胚数並びに出生児損失の増加がみられ、同腹児数及び同腹児重量が低下したことが報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。 ホルモテロールのヒト乳汁への移行は不明であるが、ラット乳汁への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等に対する臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カテコールアミン
• アドレナリン
• イソプレナリン等
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。 併用により、アドレナリン作動性神経刺激の増大が起きる。
そのため、不整脈を起こすことがある。
キサンチン誘導体
• テオフィリン
• アミノフィリン等
低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。血清カリウム値のモニターを行うことが望ましい。 キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下を増強することがある。
全身性ステロイド剤
• プレドニゾロン
• ベタメタゾン等
低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。血清カリウム値のモニターを行うことが望ましい。 全身性ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強することが考えられる。
利尿剤
• フロセミド等
低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。血清カリウム値のモニターを行うことが望ましい。 全身性ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強することが考えられる。
β遮断剤
• アテノロール等
本剤の作用を減弱する可能性がある。 β受容体において競合的に拮抗する。
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
• 抗不整脈剤
三環系抗うつ剤等
QT間隔が延長され心室性不整脈等のリスクが増大するおそれがある。 いずれもQT間隔を延長させる可能性がある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
めまい 頻度不明
上室性頻脈 1%未満
不整脈(心房細動 1%未満
動悸 1%未満
味覚障害 頻度不明
悪心 頻度不明
情緒不安 頻度不明
振戦 頻度不明
接触性皮膚炎等の過敏症状 1%未満
期外収縮等) 1%未満
気管支痙攣注2) 頻度不明
激越 頻度不明
狭心症 1%未満
発疹 1%未満
睡眠障害 1%未満
筋痙攣 頻度不明
蕁麻疹 1%未満
血圧上昇 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻脈 頻度不明
高血糖 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ホルモテロールは長時間作用型のβ2刺激剤である8)。

18.2 気管支拡張作用

本薬は迅速かつ持続的な気道平滑筋弛緩作用を示した8)。また、モルモット喘息モデルにおいて、本薬は、吸入投与によって経口投与よりも低い用量で抗喘息作用を示し、経口、皮下及び吸入投与のいずれにおいてもサルブタモールより強力な抗喘息作用を示した9)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人(15例)に本剤54µg注3)を活性炭の経口併用投与下で単回吸入投与したとき、ホルモテロールは速やかに吸収され、投与後10分以内に最高血漿中濃度(幾何平均266pmol/L)に達した。終末相の半減期は8.5時間であった。また、ホルモテロール27µg注3)を単回静脈内投与した時の定常状態分布容積は約5L/kgであった1)(外国人データ)。

図1 単回吸入投与後の血漿中ホルモテロール濃度(15例の平均値±標準偏差)

16.3 分布

健康成人(15例)に本剤54µg注3)を単回吸入投与したときの肺内到達率は43%であった1)(外国人データ)。 ヒト血漿蛋白質との結合率は約50%であった2)(in vitro試験)。

16.4 代謝

ヒト血漿及び尿中の主代謝物はホルモテロールのグルクロン酸抱合体であった。尿中にはO-脱メチル化体のグルクロン酸抱合体も認められた3)。ホルモテロールのO-脱メチル化反応には、主としてCYP2D6及びCYP2C分子種が関与する4)(in vitro試験)。

16.5 排泄

健康成人(15例)に3H標識ホルモテロール37µg注3)を経口投与後直ちに3H標識ホルモテロール16µgを静脈内持続注入(30分)したとき、投与後168時間までに投与放射能の62%が尿中に、24%が糞中に排泄された3)(外国人データ)。 健康成人男性(8例)に本剤4.5~36µg注3)を単回吸入投与したときの投与後24時間までの尿中ホルモテロール排泄率は、吸入量の約10%であった5)。

注3)ホルモテロールフマル酸塩水和物の承認用法用量は、1回9µgを1日2回吸入投与である。