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オランザピン錠2.5mg「日新」

オランザピン

添付文書改訂 2024年11月01日

【警告】

  1. 1.1著しい血糖値の上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の重大な副作用が発現し、死亡に至る場合があるので、本剤投与中は、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

  2. 1.2投与にあたっては、あらかじめ上記副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、口渇、多飲、多尿、頻尿等の異常に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]

  2. 2.2バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される。]

  3. 2.3本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  4. 2.4アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)

  5. 2.5糖尿病の患者、糖尿病の既往歴のある患者

効能・効果

○統合失調症 ○双極性障害における躁症状及びうつ症状の改善 ○抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)

用法・用量

  • 〈統合失調症〉

通常、成人にはオランザピンとして5~10mgを1日1回経口投与により開始する。維持量として1日1回10mg経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1日量は20mgを超えないこと。

  • 〈双極性障害における躁症状の改善〉

通常、成人にはオランザピンとして10mgを1日1回経口投与により開始する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は20mgを超えないこと。

  • 〈双極性障害におけるうつ症状の改善〉

通常、成人にはオランザピンとして5mgを1日1回経口投与により開始し、その後1日1回10mgに増量する。なお、いずれも就寝前に投与することとし、年齢、症状に応じ適宜増減するが、1日量は20mgを超えないこと。

  • 〈抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)〉

他の制吐剤との併用において、通常、成人にはオランザピンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜増量するが、1日量は10mgを超えないこと。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1本剤の投与により、著しい血糖値の上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の致命的な経過をたどることがあるので、本剤投与中は、血糖値の測定や口渇、多飲、多尿、頻尿等の観察を十分に行うこと。特に、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者では、血糖値が上昇し、代謝状態を急激に悪化させるおそれがある。

  2. 8.2低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

  3. 8.3本剤の投与に際し、あらかじめ上記8.1及び8.2の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。

  4. 8.4本剤の投与により体重増加を来すことがあるので、肥満に注意し、肥満の徴候があらわれた場合は、食事療法、運動療法等の適切な処置を行うこと。

  5. 8.5本剤は制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕在化することがあるので注意すること。

  6. 8.6傾眠、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には高所での作業あるいは自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  • 〈双極性障害における躁症状及びうつ症状の改善〉
  1. 8.7躁症状及びうつ症状が改善した場合には、本剤の投与継続の要否について検討し、本剤を漫然と投与しないよう注意すること。双極性障害の維持療法における日本人での本剤の有効性及び安全性は確立していない。
  • 〈双極性障害におけるうつ症状の改善〉
  1. 8.8双極性障害におけるうつ症状を有する患者に本剤を投与する場合、以下の点に注意すること。

  2. 8.8.1大うつ病性障害等の精神疾患(双極性障害におけるうつ症状を含む)を有する患者への抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図の発現のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。

  3. 8.8.2うつ症状を有する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期並びに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。

  4. 8.8.3不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  5. 8.8.4自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。

  6. 8.8.5家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患の悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  • 〈効能共通〉
  1. 9.1.1糖尿病の家族歴、高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者

  2. 9.1.2尿閉、麻痺性イレウス、閉塞隅角緑内障のある患者

抗コリン作用により症状を悪化させることがある。

  1. 9.1.3てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者

痙攣閾値を低下させることがある。

  1. 9.1.4本剤のクリアランスを低下させる要因(非喫煙者、女性、高齢者)を併せ持つ患者

本剤の血漿中濃度が増加することがある。

  1. 9.1.5心・血管疾患(心筋梗塞あるいは心筋虚血の既往、心不全、伝導異常等)、脳血管疾患及び低血圧が起こりやすい状態(脱水、血液量減少、血圧降下剤投与による治療等)を有する患者

治療初期に、めまい、頻脈、起立性低血圧等があらわれることがある。

  1. 9.1.6不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者
  • 〈双極性障害におけるうつ症状の改善〉
  1. 9.1.7自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者

自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。

  1. 9.1.8脳の器質的障害のある患者

他の抗うつ剤で精神症状の悪化が認められたとの報告がある2) 。

  1. 9.1.9衝動性が高い併存障害を有する患者

他の抗うつ剤で精神症状の悪化が認められたとの報告がある2) 。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1肝障害のある患者又は肝毒性のある薬剤による治療を受けている患者

肝障害を悪化させることがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

本剤のクリアランスを低下させる要因(非喫煙者、女性等)を併せ持つ高齢者では、2.5~5mgの少量から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者は一般的に生理機能が低下しており、本剤のクリアランスが低下していることがある。

相互作用

  • 本剤の代謝には肝薬物代謝酵素CYP1A2が関与している。また、CYP2D6も関与していると考えられている。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• アドレナリン
• (アナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)• (ボスミン)
アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧降下を起こすことがある。 アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用によりβ-受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 中枢神経抑制剤• バルビツール酸誘導体等 減量するなど注意すること。 本剤及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する。
• アルコール 相互に作用を増強することがある。 アルコールは中枢神経抑制作用を有する。
• 抗コリン作用を有する薬剤• 抗コリン性抗パーキンソン剤
• フェノチアジン系化合物
• 三環系抗うつ剤等
腸管麻痺等の重篤な抗コリン性の毒性が強くあらわれることがある。 本剤及びこれらの薬剤は抗コリン作用を有する。
• ドパミン作動薬
• レボドパ製剤
これらの薬剤のドパミン作動性の作用が減弱することがある。 ドパミン作動性神経において、本剤がこれらの薬剤の作用に拮抗することによる。
• フルボキサミン 本剤の血漿中濃度を増加させるので、本剤を減量するなど注意すること。 これらの薬剤は肝薬物代謝酵素(CYP1A2)阻害作用を有するため本剤のクリアランスを低下させる。
• シプロフロキサシン 本剤の血漿中濃度を増加させる可能性がある。 これらの薬剤は肝薬物代謝酵素(CYP1A2)阻害作用を有するため本剤のクリアランスを低下させる。
• カルバマゼピン 本剤の血漿中濃度を低下させる。 これらの薬剤は肝薬物代謝酵素(CYP1A2)を誘導するため本剤のクリアランスを増加させる。
• オメプラゾール
• リファンピシン
本剤の血漿中濃度を低下させる可能性がある。 これらの薬剤は肝薬物代謝酵素(CYP1A2)を誘導するため本剤のクリアランスを増加させる。
• 喫煙 本剤の血漿中濃度を低下させる。 喫煙は肝薬物代謝酵素(CYP1A2)を誘導するため本剤のクリアランスを増加させる。
• アドレナリン含有歯科麻酔剤• リドカイン・アドレナリン 重篤な血圧降下を起こすことがある。 アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用によりβ-受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されるおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
A/G比異常 頻度不明
Al-P上昇 頻度不明
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
BUN上昇 頻度不明
BUN低下 頻度不明
CK上昇 1%未満
LDH上昇 1%未満
γ-GTP上昇 1%未満
アカシジア(静坐不能) 頻度不明
アルブミン低下 頻度不明
ウロビリノーゲン陽性 頻度不明
カリウム上昇 1%未満
カリウム低下 1%未満
クレアチニン低下 頻度不明
クロール上昇 頻度不明
クロール低下 頻度不明
グロブリン上昇 頻度不明
コレステロール上昇 頻度不明
ジスキネジア 頻度不明
ジストニア 頻度不明
しびれ感 頻度不明
そう痒症 頻度不明
トリグリセリド上昇 頻度不明
トリグリセリド低下 1%未満
ナトリウム上昇 頻度不明
ナトリウム低下 1%未満
パーキンソン病徴候 1%未満
ブラジキネジア(動作緩慢) 頻度不明
プロラクチン上昇 1%未満
プロラクチン低下 頻度不明
ヘマトクリット値減少 頻度不明
ヘモグロビン減少 頻度不明
ほてり 1%未満
めまい・ふらつき 頻度不明
もうろう状態 1%未満
リンパ球減少 1%未満
下痢 1%未満
下肢静止不能症候群 1%未満
不安 頻度不明
不眠(10.3%) 頻度不明
乳房肥大 1%未満
乳汁分泌 1%未満
会話障害 1%未満
低体温 1%未満
体重増加(20.1%) 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
健忘 頻度不明
傾眠(22.3%) 頻度不明
光線過敏症 頻度不明
動悸 頻度不明
単球増多 頻度不明
単球減少 頻度不明
口渇 頻度不明
口角炎 1%未満
吃音 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嘔吐) 頻度不明
嘔気 頻度不明
嘔気 頻度不明
嚥下性肺炎 頻度不明
嚥下障害 1%未満
好中球増多 頻度不明
好中球減少 1%未満
好酸球増多 頻度不明
好酸球減少 頻度不明
妄想 1%未満
小丘疹 1%未満
尿失禁 1%未満
尿沈渣異常 頻度不明
尿糖 1%未満
尿閉 1%未満
幻覚 1%未満
徐脈 1%未満
心室性期外収縮 1%未満
心房細動 1%未満
心電図QT延長 1%未満
性欲亢進 1%未満
意識喪失 1%未満
感覚鈍麻 1%未満
抑うつ状態 頻度不明
持続勃起 頻度不明
振戦 頻度不明
排尿障害 頻度不明
易刺激性 1%未満
月経異常 頻度不明
構音障害 頻度不明
歩行異常 頻度不明
死亡 1%未満
水中毒 1%未満
流涎過多 頻度不明
浮腫 頻度不明
焦燥 1%未満
独語 1%未満
甲状腺機能亢進症 1%未満
痔出血 1%未満
発汗 1%未満
発熱 頻度不明
発疹 1%未満
白血球増多 頻度不明
白血球減少 1%未満
眼のチカチカ 1%未満
眼球挙上 1%未満
知覚過敏 1%未満
空笑 1%未満
立ちくらみ 頻度不明
筋強剛 頻度不明
糖尿病 頻度不明
総ビリルビン上昇 頻度不明
総ビリルビン低下 頻度不明
総蛋白低下 頻度不明
肝炎 頻度不明
肩こり 1%未満
胃不快感 頻度不明
胃潰瘍 1%未満
胃炎 1%未満
胸痛 1%未満
脱力感 頻度不明
脱抑制 1%未満
脱毛症 1%未満
脱水症 1%未満
腎盂炎 1%未満
腰痛 1%未満
腹痛 1%未満
腹部膨満 1%未満
膵炎 頻度不明
自殺企図 1%未満
興奮 頻度不明
舌の運動障害 1%未満
蕁麻疹 1%未満
蛋白尿 1%未満
血圧上昇 1%未満
血圧低下 頻度不明
血小板増多 頻度不明
血小板減少 頻度不明
血栓 頻度不明
血管浮腫 頻度不明
記憶障害 1%未満
貧血 1%未満
赤血球増多 頻度不明
赤血球減少 頻度不明
起立性低血圧 1%未満
躁状態 1%未満
転倒 1%未満
運動減少 1%未満
違和感 1%未満
関節痛 頻度不明
離脱反応(発汗 頻度不明
霧視感 1%未満
頭痛・頭重 頻度不明
頻尿 1%未満
頻脈 頻度不明
顔面浮腫 1%未満
食欲不振 頻度不明
食欲亢進 頻度不明
骨折 1%未満
高尿酸血症 1%未満
高脂血症 1%未満
黒色便 1%未満
鼻出血 頻度不明
鼻閉 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

オランザピンは非定型抗精神病薬である。多数の受容体に作用するが、抗精神病の特質はDA(ドパミン)と5-HT(セロトニン)に対する拮抗作用によるものであると考えられる14) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1生物学的同等性試験
  • 〈オランザピン錠5mg「日新」〉

オランザピン錠5mg「日新」とジプレキサ錠5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(オランザピンとして5mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された5) 。

  • 判定パラメータ 参考パラメータ
    AUC0-96
    (ng・hr/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (hr)
    T1/2
    (hr)
    オランザピン錠5mg「日新」 318.7±44.1 12.4±2.2 3.1±1.2 28.7±4.0
    ジプレキサ錠5mg 289.8±30.5 11.2±2.3 3.4±1.2 30.4±5.7

(Mean±S.D., n=15)

  • 血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

  • 〈オランザピン錠10mg「日新」〉

オランザピン錠10mg「日新」とジプレキサ錠10mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(オランザピンとして10mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された6) 。

  • 判定パラメータ 参考パラメータ
    AUC0-96
    (ng・hr/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (hr)
    T1/2
    (hr)
    オランザピン錠10mg「日新」 774.0±245.0 28.9±9.4 3.1±1.7 33.0±6.2
    ジプレキサ錠10mg 720.3±181.8 25.4±6.2 4.0±1.2 31.2±4.3

(Mean±S.D., n=14)

  • 血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.4 代謝

  1. 16.4.1主な代謝産物及び代謝経路

オランザピンの代謝に関与する酵素はグルクロン酸転移酵素、フラビン含有モノオキシゲナーゼ、チトクロームP450(CYP)である。オランザピンの代謝物10-N-グルクロン酸抱合体及び4'-N-グルクロン酸抱合体は、直接グルクロン酸抱合される7) 。10-N-グルクロン酸抱合体が血漿中及び尿中における主要代謝物である。4'-N-オキシド体代謝物の生成はフラビン含有モノオキシゲナーゼが関与している。主な酸化代謝物である4'-N-デスメチル体はCYP1A2を介して生成される。比較的少ない代謝物である2-ヒドロキシメチル体はCYP2D6を介して生成されるが、オランザピンの全般的なクリアランスに大きく影響することはない8) 。in vivoの動物試験において、4'-N-デスメチル体及び2-ヒドロキシメチル体の薬理活性はないか、又はオランザピンと比較して極めて低く、薬理活性の本体はオランザピンであることが確認されている9) 。定常状態における未変化体、10-N-グルクロン酸抱合体及び4'-N-デスメチル体の血漿中濃度比は100:44:31であった8) 。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1フルボキサミン

オランザピン錠(普通錠)とフルボキサミンとの併用により、オランザピンの血漿中濃度は高値を示した。相互作用は男性(すべて喫煙者)で大きく、Cmaxの増加率は男性(喫煙)で75%、女性(すべて非喫煙者)で52%であった。AUC0-24の増加率は男性(喫煙)で108%、女性(非喫煙)で52%であった。また、クリアランス(CLp/F)は男性(喫煙)で52%、女性(非喫煙)で37%低下した。これはフルボキサミンがCYP1A2の阻害作用を有するためと推定された10) (外国人データ)。

  1. 16.7.2カルバマゼピン

オランザピンカプセル注1) とカルバマゼピンとの併用により、オランザピンの血漿中濃度は低値を示した。併用によりCmaxは24%、AUC0-∞は34%低下した。これはカルバマゼピンがCYP1A2の誘導作用を有するためと推定された11) (外国人データ)。

注1)オランザピンカプセルは開発途中に用いた製剤で、オランザピンカプセル5mgとオランザピン錠(普通錠)5mgは生物学的に同等であることが確認されている12) 。

16.8 その他

  • 〈オランザピン錠2.5mg「日新」〉

オランザピン錠2.5mg「日新」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号)」に基づき、オランザピン錠5mg「日新」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた13) 。