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切除不能な再発・進行性で、がん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺癌
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EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な再発・進行性で、がん化学療法未治療の非小細胞肺癌
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治癒切除不能な膵癌
【警告】
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1.1本剤は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、電子添文を参照して、適切と判断される症例についてのみ投与すること。適応患者の選択にあたっては、本剤及び併用薬剤の電子添文を参照して十分に注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性(特に、間質性肺疾患の初期症状、服用中の注意事項、死亡に至った症例があること等に関する情報)、非小細胞肺癌、膵癌の治療法等について十分に説明し、同意を得てから投与すること。
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1.2本剤の投与により間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、国内臨床試験において、間質性肺疾患により死亡に至った症例があることから、治療初期は入院又はそれに準ずる管理の下で、間質性肺疾患等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと。
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1.3膵癌を対象とした本剤とゲムシタビンとの併用療法の国内臨床試験における間質性肺疾患の発現率(8.5%)、特定使用成績調査における間質性肺疾患の発現率(6.2%)は、海外第Ⅲ相試験(3.5%)や、非小細胞肺癌を対象とした本剤単独療法の国内臨床試験(5.3%)及び二次治療以降の特定使用成績調査(全例調査)(4.3%)と比べて高いこと等から、膵癌に使用する場合には、「17.臨床成績」の項の国内臨床試験における対象患者を参照して、本剤の有効性及び危険性を十分に理解した上で、投与の可否を慎重に判断するとともに、以下の点も注意すること。
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1.3.1本剤投与開始前に、胸部CT検査及び問診を実施し、間質性肺疾患の合併又は既往歴がないことを確認した上で、投与の可否を慎重に判断すること。
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1.3.2本剤投与開始後は、胸部CT検査及び胸部X線検査をそれぞれ定期的に実施し、肺の異常所見の有無を十分に観察すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
- 〈非小細胞肺癌〉
通常、成人にはエルロチニブとして150mgを食事の1時間以上前又は食後2時間以降に1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
- 〈治癒切除不能な膵癌〉
ゲムシタビンとの併用において、通常、成人にはエルロチニブとして100mgを食事の1時間以上前又は食後2時間以降に1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
使用上の注意
- 〈効能共通〉
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8.1本剤を投与するにあたっては、本剤の副作用について患者に十分に説明すること。
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8.2本剤の投与により、間質性肺疾患、発疹、下痢、角膜穿孔、角膜潰瘍等の副作用があらわれることがある。これらの発現又は症状の増悪が疑われた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
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8.3本剤の投与により間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等の有無)を十分に観察し、胸部X線検査を行うこと。また、必要に応じて胸部CT検査、動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLCO)等の検査を行うこと。
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8.4本剤の投与により重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、患者の状態に応じて本剤投与中は定期的に肝機能検査を実施することが望ましい。
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8.5重度の皮膚障害があらわれることがあるので、必要に応じて皮膚科を受診するよう患者に指導すること。
- 〈治癒切除不能な膵癌〉
- 8.6ゲムシタビンとの併用により、骨髄抑制等の副作用が高頻度に発現するため、投与中は定期的に臨床検査を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1消化管潰瘍、腸管憩室のある患者又はその既往歴のある患者
消化管穿孔があらわれることがある。
- 9.1.2肺感染症等のある患者又はその既往歴のある患者
間質性肺疾患等が増悪し、死亡に至る可能性がある。
- 9.1.3間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者
非小細胞肺癌患者で、間質性肺疾患等が増悪し、死亡に至る可能性がある。
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害が増悪することがある。 エルロチニブの血中濃度が上昇する可能性がある。
9.4 生殖能を有する者
*妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。やむを得ず投与する場合は、本剤投与による胎児へのリスク、妊娠中断の危険性について患者に十分説明すること。妊婦における使用経験はない。また、動物実験では、流産(ウサギ)、胚致死及び生存胎児数減少(ウサギ、ラット)が報告されている。また、胎児中(ラット)に移行することが報告されている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
相互作用
- エルロチニブは、肝チトクロームP450(主にCYP3A4、CYP1A2)によって代謝される。また、in vitro試験においてUDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)1A1の阻害が認められたため、消失過程で主にUGT1A1によるグルクロン酸抱合を受ける薬物との相互作用の可能性がある。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| CYP3A4阻害剤 • ケトコナゾール イトラコナゾール クラリスロマイシン テリスロマイシン インジナビル ネルフィナビル リトナビル サキナビル 等グレープフルーツジュース |
ケトコナゾールと本剤を併用すると、エルロチニブのAUC(中央値)が86%、Cmax(中央値)が69%上昇した。 | CYP3A4阻害剤との併用により、エルロチニブの代謝が阻害され血漿中濃度が増加する可能性がある。 |
| CYP3A4誘導剤 • リファンピシン フェニトイン カルバマゼピン フェノバルビタール セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 等 |
リファンピシンと本剤を併用すると、エルロチニブのAUC(中央値)が69%低下した。 | CYP3A4誘導剤等との併用により、エルロチニブの代謝が亢進し血漿中濃度が低下する可能性がある。 |
| 塩酸シプロフロキサシン | 塩酸シプロフロキサシンと本剤を併用すると、エルロチニブのAUC(幾何平均値)が39%、Cmax(幾何平均値)が17%上昇した。 | CYP1A2及びCYP3A4を阻害する薬剤との併用により、エルロチニブの代謝が阻害され血漿中濃度が増加する可能性がある。 |
| プロトンポンプ阻害剤 • オメプラゾール 等 |
オメプラゾールと本剤を併用すると、エルロチニブのAUC(幾何平均値)が46%低下した。 | 持続的な胃内pHの上昇により、本剤の溶解度が低下し吸収が低下する可能性がある。 |
| H2受容体拮抗剤 • ラニチジン 等 |
ラニチジンと本剤を併用すると、エルロチニブのAUC(幾何平均値)が33%低下した。 | 胃内pHの上昇により、本剤の溶解度が低下し吸収が低下する可能性がある。 |
| 抗凝血薬 • ワルファリン 等 |
INR増加や胃腸出血等があらわれたとの報告がある。本剤とワルファリンを併用中の患者では、定期的に血液凝固能検査(プロトロンビン時間又はINR等)を行うこと。 | 機序不明 |
| タバコ(喫煙) | 喫煙によりエルロチニブのAUC(平均値)が64%低下した。 | 喫煙によるCYP1A2の誘導により、エルロチニブの代謝が亢進し血漿中濃度が低下する可能性がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P上昇 | 1%未満 |
| ALT上昇 | 頻度不明 |
| AST上昇 | 頻度不明 |
| BUN上昇 | 1%未満 |
| CRP上昇 | 1%未満 |
| INR上昇 | 1%未満 |
| LDH上昇 | 1%未満 |
| γ-GTP上昇 | 1%未満 |
| アミラーゼ増加 | 1%未満 |
| クレアチニン上昇 | 1%未満 |
| ざ瘡様皮疹等の発疹(61.6%) | 5%以上 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| ビリルビン上昇 | 頻度不明 |
| ぶどう膜炎 | 1%未満 |
| リンパ球減少 | 1%未満 |
| 上気道感染等) | 頻度不明 |
| 下痢(22.8%) | 5%以上 |
| 不眠症 | 1%未満 |
| 体重減少 | 1%未満 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 光線過敏症 | 1%未満 |
| 口内乾燥 | 1%未満 |
| 口内炎(9.6%) | 5%以上 |
| 口唇炎 | 頻度不明 |
| 口腔咽頭痛 | 1%未満 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 呼吸困難 | 1%未満 |
| 咳嗽 | 1%未満 |
| 喀血 | 1%未満 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 好中球増加 | 1%未満 |
| 好中球減少 | 1%未満 |
| 尿沈渣異常 | 1%未満 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 意識障害 | 1%未満 |
| 感染症(皮膚感染 | 頻度不明 |
| 末梢性ニューロパチー | 1%未満 |
| 流涙増加 | 1%未満 |
| 浮動性めまい | 1%未満 |
| 浮腫 | 1%未満 |
| 消化不良 | 1%未満 |
| 爪囲炎等の爪の障害(8.8%) | 5%以上 |
| 男性型多毛症 | 頻度不明 |
| 疲労 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 白血球増加 | 1%未満 |
| 白血球減少 | 1%未満 |
| 皮下出血 | 1%未満 |
| 皮膚乾燥・皮膚亀裂(9.3%) | 5%以上 |
| 皮膚剥脱 | 1%未満 |
| 皮膚潰瘍 | 1%未満 |
| 皮膚色素沈着 | 1%未満 |
| 皮膚血管炎(IgA血管炎等) | 1%未満 |
| 眼そう痒症 | 1%未満 |
| 眼乾燥 | 1%未満 |
| 眼瞼炎 | 1%未満 |
| 眼脂 | 1%未満 |
| 睫毛/眉毛の異常 | 1%未満 |
| 筋痙縮・筋痙攣 | 1%未満 |
| 筋肉痛 | 1%未満 |
| 紅斑 | 頻度不明 |
| 結膜炎 | 頻度不明 |
| 総蛋白減少 | 1%未満 |
| 肺感染 | 頻度不明 |
| 胃炎 | 1%未満 |
| 脱毛 | 1%未満 |
| 脱水 | 1%未満 |
| 腸炎 | 1%未満 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 血中アルブミン減少 | 1%未満 |
| 血圧上昇 | 1%未満 |
| 血小板減少 | 1%未満 |
| 血尿 | 1%未満 |
| 血栓・塞栓 | 1%未満 |
| 血糖値上昇 | 1%未満 |
| 角膜びらん | 1%未満 |
| 角膜炎 | 1%未満 |
| 貧血 | 頻度不明 |
| 電解質異常 | 1%未満 |
| 霧視 | 1%未満 |
| 頭痛 | 1%未満 |
| 食欲不振(7.0%) | 5%以上 |
| 食道炎 | 1%未満 |
| 鼻出血 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
エルロチニブは上皮増殖因子受容体チロシンキナーゼ(EGFR-TK)を選択的に阻害した。IC50は精製全長型EGFR-TKに対し2nMであり、組換え型EGFR細胞内ドメインのチロシンキナーゼに対し1nMであった。一方、他のチロシンキナーゼ、c-src及びv-ablに対する阻害活性は全長型EGFR-TKの1/1000以下であり、ヒトインスリン受容体及びI型インスリン様増殖因子受容体の細胞内ドメインのキナーゼに対する阻害活性は細胞内EGFR-TKの1/10000以下であった。また、エルロチニブによる細胞周期のG1期停止及びアポトーシス誘導作用が確認された22) 。 エルロチニブはEGFRチロシンリン酸化の阻害を介し、細胞増殖の抑制及びアポトーシスの誘導に基づき腫瘍増殖を抑制すると推察される。
18.2 抗腫瘍効果
In vitro系において、エルロチニブはヒト由来大腸癌細胞株DiFi及び頭頸部癌細胞株HN5の増殖を阻害した[DiFi細胞株でのIC50:100nM、HN5での100%阻害:250nM]22) 。 ヒト由来頭頸部癌細胞株HN5、外陰部癌細胞株A431、膵癌細胞株HPAC及び非小細胞肺癌細胞株(H460a、A549)を用いたヒト悪性腫瘍移植ヌードマウス系において、エルロチニブは腫瘍増殖抑制作用を示した23),24),25) 。また、膵癌細胞株HPACを用いたヒト悪性腫瘍移植ヌードマウス系ではエルロチニブにゲムシタビンを併用することにより、腫瘍増殖抑制作用の増強が認められた25) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与及び反復投与
固形癌患者15例にエルロチニブとして50、100又は150mg注4) を単回経口投与し、引き続き3日目から23日目まで50、100又は150mg注4) を1日1回の用量で反復経口投与を実施した時の薬物動態パラメータを単回投与の結果と併せて表に示した。単回投与時の薬物動態パラメータから、エルロチニブの体内動態には線形性が認められた1) 。
| AUC0-24h (hr・ng/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
||
|---|---|---|---|---|---|
| 50mg/日注4) | 1日目注1) | 3266(54) | 194(44) | 5.0(72) | 14.8(71) |
| 23日目注1) | 15844(50) | 820(42) | 4.3(114) | 23.6(67) | |
| 100mg/日 | 1日目注2) | 7705(46) | 571(47) | 6.0(150) | 18.0(62) |
| 23日目注3) | 14623(48) | 1023(31) | 3.0(67) | 15.6(56) | |
| 150mg/日 | 1日目注2) | 12845(29) | 958(48) | 6.0(149) | 25.9(36) |
| 23日目注2) | 42679(48) | 2384(39) | 1.8(22) | 27.2(33) |
平均値(CV%)
注1)n=3
注2)n=6
注3)n=5
- 16.1.2母集団薬物動態解析の成績
海外において512例固形癌患者にエルロチニブを投与したときの母集団薬物動態解析の結果では、クリアランスについて人種、性別は影響を及ぼす因子ではなかった2) (外国人データ)。
- 16.1.3生物学的同等性試験
健康成人男性15名にエルロチニブ錠25mg「NK」とタルセバ錠25mgを、2剤2期クロスオーバー試験法によりそれぞれ1錠(エルロチニブとして25mg)空腹時単回経口投与して血漿中濃度を測定した。多重性を調整した中間解析を行った結果、AUCt、Cmaxから算出した検定統計量が、中間解析時の有意水準に対応する棄却限界値を上回ったことから、両剤の生物学的同等性が確認された3) 。
| 判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
|---|---|---|---|---|
| AUCt (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
|
| エルロチニブ錠25mg「NK」 | 4110±1320 | 329±90 | 2.53±1.06 | 9.54±4.76 |
| タルセバ錠25mg | 4190±1310 | 354±87 | 2.80±1.01 | 9.76±5.69 |
(Mean±S.D., n=15)
血漿中濃度並びにAUCt、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
- 16.2.1バイオアベイラビリティ
健康成人18例にエルロチニブを経口投与後のバイオアベイラビリティは約59%と推定された4) (外国人データ)。
- 16.2.2食事の影響
健康成人18例にエルロチニブとして150mgを食後(高脂肪、高カロリー食)単回経口投与した時、空腹時投与に比べ、エルロチニブのAUCinfはほぼ2倍に増加した5) (外国人データ)。
16.3 分布
エルロチニブは血漿中のアルブミン及びα1-酸性糖蛋白と結合する。ヒトにおける血漿蛋白結合率は、3.8μg/mLの濃度において約95%であった。また、ワルファリン及びプロプラノロールの共存によっても結合率の変化は認められなかった6) (in vitro)。 エルロチニブの血球移行率の計算値は、ヘマトクリットが0.48の時34.2%であった6) (in vitro)。 白色系ラットにおける、14C-エルロチニブ経口投与後の放射能は、各組織に比較的速やかに分布したが、脳への移行は少なかった。最高濃度到達後の組織中の放射能は速やかに消失し、投与後72時間ではほとんどの組織において定量限界以下となった。有色系ラットにおける14C-エルロチニブ経口投与後の放射能分布は白色系ラットに類似したが、メラニン色素を含む組織(ブドウ膜系、有色皮膚)において放射能が高かった7) 。
16.4 代謝
エルロチニブの代謝には主として肝臓中のCYP3A4が寄与することが示唆され、CYP1A2の関与も認められた8) (in vitro)。エルロチニブの代謝経路は主に3経路であり、キナゾリン環側鎖のO-脱メチル化とそれに続くカルボン酸への酸化、アセチレン側鎖の酸化とそれに続くアリルカルボン酸への加水分解、及びフェニルアセチレン部分の芳香族水酸化等が推定された9) (外国人データ)。主代謝経路のO-脱メチル化による代謝物の体内動態はエルロチニブと類似し、その血漿中濃度はエルロチニブの10%以下で推移した10) (外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人4人に14C-エルロチニブ100mg注4) を単回経口投与後264時間(11日間)で、投与放射能のうち約91%が回収され、尿中に8%、糞中に83%の放射能が排泄された。また、尿及び糞中に排泄されたエルロチニブは投与量の2%未満であった9) (外国人データ)。
注4)承認された用法・用量は、非小細胞肺癌ではエルロチニブとして150mgを1日1回、膵癌では100mgを1日1回である。
16.8 その他
エルロチニブ錠100mg「NK」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(令和2年3月19日薬食審査発0319第1号 別紙2)」に基づき、エルロチニブ錠150mg「NK」注5) を標準製剤とした溶出試験の結果、溶出挙動は同等と判定され、生物学的に同等とみなされた11) 。
注5)生物学的同等性試験でタルセバ錠150mgとの同等性が確認された。