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エリスロマイシン錠200mg「サワイ」

エリスロマイシン

添付文書改訂 2024年07月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. **2.2エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、ピモジド、ロミタピドメシル酸塩、クリンダマイシン(注射剤、経口剤)、リンコマイシン塩酸塩水和物を投与中の患者

効能・効果

〈適応菌種〉 本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、髄膜炎菌、ジフテリア菌、赤痢菌、軟性下疳菌、百日咳菌、破傷風菌、ガス壊疽菌群、梅毒トレポネーマ、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)、マイコプラズマ属、赤痢アメーバ

〈適応症〉 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、淋菌感染症、軟性下疳、梅毒、性病性(鼠径)リンパ肉芽腫、感染性腸炎、子宮内感染、子宮付属器炎、涙嚢炎、麦粒腫、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯冠周囲炎、猩紅熱、ジフテリア、百日咳、破傷風、ガス壊疽、アメーバ赤痢

用法・用量

通常、成人にはエリスロマイシンとして1日800~1200mg(力価)を4~6回に分割経口投与する。 小児には1日体重1kgあたり25~50mg(力価)を4~6回に分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、小児用量は成人量を上限とする。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

  2. 8.2急性腎障害(急性間質性腎炎)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心疾患のある患者

QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)を起こすことがある。

9.3 肝機能障害患者

血中濃度が上昇するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

嘔吐等の症状に注意すること。新生児、乳児で、肥厚性幽門狭窄があらわれたとの報告がある。

9.8 高齢者

用量に留意するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

  • 本剤はCYP3Aで代謝される。また、本剤はCYP3A、P-糖蛋白質を阻害する。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン
• (クリアミン)ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩
四肢の虚血、血管攣縮等が報告されている。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
ピモジド QT延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)等が発現するおそれがある。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
**ロミタピドメシル酸塩
• (ジャクスタピッド)
ロミタピドメシル酸塩の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
**クリンダマイシン(注射剤、経口剤)
• (ダラシンS注射液、ダラシンカプセル)リンコマイシン塩酸塩水和物
• (リンコシン)
併用してもこれらの薬剤の効果があらわれないと考えられる。 本剤の細菌のリボゾーム50S Subunitへの親和性がこれらの薬剤より高いと考えられる。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジソピラミド
キニジン硫酸塩水和物
QT延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
テオフィリン
アミノフィリン水和物
悪心・嘔吐、不整脈、痙攣等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
シクロスポリン
タクロリムス水和物
腎障害等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
ワルファリンカリウム 出血傾向、プロトロンビン時間延長等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
イリノテカン塩酸塩水和物 骨髄機能抑制、下痢等の副作用を増強するおそれがあるため、減量するなど慎重に投与すること。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
**ビンカアルカロイド
• ビンブラスチン硫酸塩
• ビノレルビン酒石酸塩等
好中球減少、筋肉痛等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
バルプロ酸ナトリウム 傾眠、運動失調等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
フェロジピン 降圧作用の増強が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
ベラパミル塩酸塩 血圧低下、徐脈性不整脈、乳酸アシドーシス等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
ミダゾラム
トリアゾラム
鎮静作用の増強が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
カルバマゼピン めまい、運動失調等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
コルヒチン 下痢、腹痛、発熱、筋肉痛、汎血球減少、呼吸困難等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
シンバスタチン
アトルバスタチンカルシウム水和物
シンバスタチン、アトルバスタチンカルシウム水和物との併用により、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中および尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれたとの報告がある。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
ピタバスタチンカルシウム水和物 シンバスタチン、アトルバスタチンカルシウム水和物との併用により、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中および尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれたとの報告がある。 本剤がピタバスタチンの肝臓への取り込みを阻害するためと考えられる。
ブロモクリプチンメシル酸塩
ドセタキセル水和物
パクリタキセル
セレギリン塩酸塩
シルデナフィルクエン酸塩
バルデナフィル塩酸塩水和物
タダラフィル
シロスタゾール
減量するなど慎重に投与すること。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
**ブロナンセリン
クロザピン
ゾピクロン
アルプラゾラム
エプレレノン
エレトリプタン臭化水素酸塩
エベロリムス
サキナビルメシル酸塩
これらの薬剤の作用が増強するおそれがある。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
**ドンペリドン ドンペリドンの血中濃度が上昇する。また、ドンペリドンとの併用により、QT延長が報告されている。 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。
副腎皮質ホルモン剤
• メチルプレドニゾロン等
これらの薬剤の消失半減期が延長するとの報告があるので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制することがある。
エバスチン エバスチンの代謝物カレバスチンの血中濃度が上昇するとの報告がある。 本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制することがある。
エドキサバントシル酸塩水和物 出血のリスクを増大させるおそれがある。併用する場合、エドキサバントシル酸塩水和物の用量は、エドキサバントシル酸塩水和物の電子添文を参照すること。 本剤がP-糖蛋白質を阻害し、エドキサバンの血中濃度を上昇させるためと考えられる。
ジゴキシン ジゴキシンの作用増強による嘔気、嘔吐、不整脈等の中毒症状が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤の腸内細菌叢への影響により、ジゴキシンの代謝が抑制される。
ザフィルルカスト ザフィルルカストの血中濃度が低下するとの報告がある。 機序は不明である。
シメチジン 難聴が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が抑制され、血中濃度が上昇すると考えられる。
リトナビル 本剤のAUCが上昇することが予想される。 これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が抑制され、血中濃度が上昇すると考えられる。
**クリンダマイシン(外用剤) 併用してもクリンダマイシンの効果があらわれないと考えられる。 本剤の細菌のリボゾーム50S Subunitへの親和性がクリンダマイシンより高いと考えられる。
**リバーロキサバン リバーロキサバンの血中濃度が上昇したとの報告がある。 本剤がCYP3A4及びP-糖蛋白質を阻害することによりリバーロキサバンのクリアランスが減少する。
**フェキソフェナジン塩酸塩 フェキソフェナジンの血漿中濃度を上昇させるとの報告がある。 P-糖蛋白質の阻害によるフェキソフェナジンのクリアランスの低下及び吸収率の増加に起因するものと推定される。
**CYP3A4誘導作用を有する薬剤
• リファンピシン、リファブチン、フェニトイン、フェノバルビタール等セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort, セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の作用が減弱するおそれがある。 これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝を促進し、本剤の血中濃度を低下させる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
下痢 頻度不明
便秘 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
発疹 頻度不明
胃痛 頻度不明
胃部不快感 頻度不明
腹部痙攣 頻度不明
血管性浮腫 頻度不明
視力低下 頻度不明
霧視 頻度不明
食欲不振 頻度不明
鼓腸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

細菌のタンパク質合成阻害であり、70S系リボソームの50Sサブユニットに結合し作用する12)。

18.2 抗菌作用

グラム陽性菌、グラム陰性球菌、マイコプラズマ、梅毒トレポネーマ、クラミジアに対して強く作用し、作用は静菌的であるが、高濃度では殺菌的に作用する場合がある12)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人に、エリスロマイシン錠300mg(力価)を経口投与したとき、血中濃度は2時間後に最高血中濃度1.1μg/mLを示し、6時間後には0.2μg/mLを示した2)。

  1. 16.1.2生物学的同等性試験

エリスロマイシン錠200mg「サワイ」とアイロタイシン錠(200mg)を健康成人男子にそれぞれ2錠[エリスロマイシンとして400mg(力価)]空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血清中エリスロマイシン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された3)。

Cmax
[μg(力価)/mL]
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-9hr
[μg(力価)・hr/mL]
エリスロマイシン錠200mg「サワイ」 1.29±0.31 3.8±0.6 2.0±0.7 4.44±0.80
アイロタイシン錠(200mg) 1.27±0.28 3.7±0.6 2.8±1.6 4.36±1.10

(Mean±S.D.)

血清中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.3 分布

透析法にて測定された血清蛋白結合率は11%であった4)(in vitro)。 経口投与後喀痰5)、肺気管支分泌液6)に移行が認められた(外国人データ6))。

16.4 代謝

エリスロマイシンの肝代謝には、CYP3Aが関与するとされている7),8)。 イヌにおいて、エリスロマイシンは、肝臓で代謝を受け、脱メチル化されてデス-N-メチル-エリスロマイシンとなることが確認されている9)。

16.5 排泄

主に胆汁中へ排泄されるが、一部尿中にも排泄される。 胆のう炎患者(1例)に200mg(力価)単回投与時の胆汁中濃度、尿中濃度の最高値は各々10.76μg/mL(投与8時間後)、32.68μg/mL(投与5時間後)であった10)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1肝機能障害患者

エリスロマイシン500mg(力価)注1)を肝障害患者及び健康成人に空腹時単回経口投与したとき、健康成人に比べて、肝障害患者はTmaxが短く、Cmaxも高値を示した11)(外国人データ)。

注1)本剤の承認された用法及び用量は「1日800~1200mg(力価)を4~6回に分割経口投与する。」である。

対象 n 年齢(歳) Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
AUC0-24hr
(μg・hr/mL)
T1/2α
(hr)
T1/2β
(hr)
肝障害患者注2) 8 57.2 2.04 4.1 11.6[6] 1.6[4] 4.5[6]
健康成人 6 30.0 1.50 6.3 9.0 1.3[5] 6.6

(測定法:bioassay)(mean) []内は症例数

注2)肝機能検査値(mean):GOT 67.3(U/L)、GPT 36.9(U/L)、直接ビリルビン 3.45(mg/dL)、総ビリルビン 5.73(mg/dL)