肺動脈性肺高血圧症
エポプロステノール静注用0.5mg「ヤンセン」
エポプロステノールナトリウム
【警告】
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1.1過度の血圧低下、低血圧性ショック、徐脈、意識喪失・意識障害等の重大な副作用が認められているので、本剤の投与は患者の状態を十分観察しながら行うこと。
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1.2本剤の使用にあたっては、6.用法及び用量、7.用法及び用量に関連する注意を遵守すること。
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**1.2.1本剤は常に生理食塩液のみで溶解し、他の注射剤等と配合しないこと。また、他の注射剤、輸液等を併用投与する場合は、混合せず別の静脈ラインから投与すること。pHが低下し、安定性が損なわれ、本剤の有効成分の含量低下により投与量が不足する可能性がある。投与量の不足により十分な臨床効果が得られず、肺高血圧症状の悪化又は再発を来すおそれがある。
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1.2.2外国で長期投与後の急激な中止により死亡に至った症例が報告されているので、本剤を休薬又は投与中止する場合は、徐々に減量すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2右心不全の急性増悪時の患者[本剤の血管拡張作用によりその病態をさらに悪化させるので、カテコールアミンの投与等の処置を行い、状態が安定するまでは投与しないこと。]
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2.3重篤な左心機能障害のある患者[本剤の血管拡張作用により、その病態をさらに悪化させるおそれがある。]
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2.4重篤な低血圧の患者[本剤の血管拡張作用により、その病態をさらに悪化させるおそれがある。]
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2.5用量設定期(投与開始時)に肺水腫が増悪した患者
効能・効果
用法・用量
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**〈成人〉用量設定(投与開始時) 本剤は生理食塩液を用いて溶解し、通常、成人にはエポプロステノールとして1分間当り2ng/kgの投与速度で精密持続点滴装置(シリンジポンプ又は輸液ポンプ)により、持続静脈内投与を開始する。患者の状態(症状、血圧、心拍数、血行動態等)を十分観察しながら15分以上の間隔をおいて1~2ng/kg/分ずつ増量し、10ng/kg/分までの範囲で最適投与速度を決定する。 最適投与速度の決定にあたっては、増量時における潮紅(軽微なものを除く)、頭痛、嘔気等の副作用の発現が重要な指標となる。このような症状が軽度でも認められた場合にはその後の増量を中止し、それらの症状が消失しない場合には15分以上の間隔をおいて2ng/kg/分ずつ減量すること。 継続投与 その後は最適投与速度で維持し、定期的に患者を観察し症状に応じて投与速度を適宜調節するが、その場合も患者の状態(症状、血圧、心拍数、血行動態等)を観察しながら15分以上の間隔をおいて1~2ng/kg/分ずつ増減する。
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**〈小児〉用量設定(投与開始時) 本剤は生理食塩液を用いて溶解し、通常、小児にはエポプロステノールとして1分間当り0.5~2ng/kgの投与速度で精密持続点滴装置(シリンジポンプ又は輸液ポンプ)により、持続静脈内投与を開始する。患者の状態(症状、血圧、心拍数、血行動態等)を十分観察しながら、原則として1~4週の間隔をおいて0.5~2ng/kg/分ずつ増量し、20~40ng/kg/分を目安として最適投与速度を決定する。増量時に潮紅(軽微なものを除く)、頭痛、嘔気等の症状が軽度でも認められた場合にはその後の増量を中止し、それらの症状が消失しない場合には0.5~2ng/kg/分ずつ緩徐に減量する。 継続投与 その後は最適投与速度で維持し、定期的に患者を観察し症状に応じて投与速度を適宜調節するが、その場合も患者の状態(症状、血圧、心拍数、血行動態等)を観察しながら0.5~2ng/kg/分ずつ増減する。
使用上の注意
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**8.1本剤は、生理食塩液のみで溶解すること。他の注射用エポプロステノールナトリウムの専用溶解用液は生理食塩液と組成が異なる。
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8.2本剤の投与に際しては、病状の変化への適切な対応が重要であるため、緊急時に十分措置できる医療施設並びに肺高血圧症及び心不全の治療に十分な知識と経験を有する医師(特に小児については、小児肺動脈性肺高血圧症の治療に十分な知識と経験を有する医師)のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例にのみ行うこと。
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8.3長期間にわたって持続注入する際には注射部位からの感染、敗血症があらわれることがあるので、注射部位を常に清潔に保つこと。
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8.4甲状腺機能亢進症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
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8.5血小板減少があらわれることがあるので、定期的に臨床検査を行うなど観察を十分に行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1高度に全肺血管抵抗が上昇(40mmHg・分/L以上)している患者
全肺血管抵抗が40mmHg・分/L以上を示し特発性又は遺伝性肺動脈性肺高血圧症の末期と考えられる症例で、重大な副作用(血圧低下及び徐脈)を発現し死亡に至った報告がある。
- 9.1.2低血圧(収縮期血圧100mmHg以下)の患者
本剤の血管拡張作用により、血圧をさらに低下させるおそれがある。
- 9.1.3肺静脈閉塞を有する患者
特に用量設定期(投与開始時)に肺静脈閉塞に由来する肺水腫を増悪させることがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。類薬の動物試験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に、生理機能が低下していることが多い。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 降圧作用を有する薬剤 • カルシウム拮抗剤 アンジオテンシン変換酵素阻害剤 利尿剤 プロスタグランジンE1、E2、I2誘導体製剤等 |
過度の血圧低下が起こることがある。併用薬若しくは本剤を増量する場合は血圧を十分観察すること。 | 相互に降圧作用を増強することが考えられる。 |
| 抗凝血剤 • ワルファリン等血栓溶解剤 • ウロキナーゼ等血小板凝集抑制作用を有する薬剤 • アスピリン チクロピジン プロスタグランジンE1、E2、I2誘導体製剤 非ステロイド性抗炎症剤等 |
出血の危険性を増大させるおそれがある。定期的にプロトロンビン時間等の血液検査を行い、必要に応じてこれらの併用薬を減量又は投与を中止すること。 | 相互に抗凝血作用を増強することが考えられる。 |
| ジゴキシン | 一過性であるが、ジゴキシンの血中濃度が上昇することが報告されているので注意すること。 | 機序不明 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| インフルエンザ様症状 | 頻度不明 |
| めまい | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 不安 | 頻度不明 |
| 低血圧 | 頻度不明 |
| 全身倦怠感 | 頻度不明 |
| 出血(肺出血 | 頻度不明 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 口内乾燥 | 頻度不明 |
| 呼吸困難 | 頻度不明 |
| 徐脈 | 頻度不明 |
| 心窩部不快感 | 頻度不明 |
| 悪寒 | 頻度不明 |
| 悪心・嘔吐 | 頻度不明 |
| 感覚過敏 | 頻度不明 |
| 感覚鈍麻 | 頻度不明 |
| 手のしびれ | 頻度不明 |
| 振戦 | 頻度不明 |
| 消化不良 | 頻度不明 |
| 消化管出血 | 頻度不明 |
| 潮紅(45.7%) | 頻度不明 |
| 激越 | 頻度不明 |
| 異常感覚 | 頻度不明 |
| 疼痛 | 頻度不明 |
| 発汗 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 神経過敏 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 背痛 | 頻度不明 |
| 胸痛 | 頻度不明 |
| 胸部絞扼感 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 蒼白 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 頭痛(40%) | 頻度不明 |
| 頻脈 | 頻度不明 |
| 顎痛 | 頻度不明 |
| 骨痛 | 頻度不明 |
| 鼻出血等) | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
PGI2は血管平滑筋及び血小板の特異的受容体に結合し、細胞内のcAMP産生を促進することにより血管拡張作用及び血小板凝集抑制作用を発現する13),14)。
18.2 血管拡張作用
血圧低下作用を指標として麻酔ウサギ及びラットにおいて血管拡張作用を検討した結果、用量依存的に血圧を低下させる15)。
18.3 血小板凝集抑制作用
ヒト血小板のADP誘発凝集を抑制(50%抑制濃度:0.5±0.1ng/mL)する(in vitro)16)。
18.4 病態モデルに対する作用
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18.4.1トロンビンにより誘発したヒツジ肺高血圧症モデルにおいて、肺血管抵抗及び平均肺動脈圧の上昇を抑制する17)。
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18.4.2ガラスビーズ(静脈内注入)により誘発したブタ肺高血圧症モデルにおいて、肺動脈圧及び肺血管抵抗を低下させ、心拍出量を増加させる18)。
薬物動態
16.1 血中濃度
ウサギに3H‐PGI2(107ng/kg)を急速静脈内投与した場合、血漿中未変化体濃度は二相性の消失を示し、消失半減期はα相0.49分、β相2.7分であった2)。また3H‐PGI2を4.2ng/kg/分で持続静脈内投与した場合、血漿中未変化体濃度は15分以内に定常状態に到達し、定常状態における血漿中濃度は投与量に比例して増加した。
16.3 分布
ラットに3H‐PGI2(48μg)を静脈内投与した場合、投与15分後の臓器・組織内分布は肝で最も高く(投与量の31.3%)、小腸、腎でも比較的高く、それぞれ8.9%、3.9%であり、その他の臓器では1%以下であった3)。
16.4 代謝
健康成人より採取した静脈血の全血及び血漿に3H-PGI2(最終濃度:約4ng/mL)を添加したin vitro試験で、未変化体の消失半減期はそれぞれ6.3、10.7分であった4)(外国人データ)。 イヌに3H‐PGI2(5.1μg/kg)を静脈内投与した場合、7種の血漿中代謝物が認められ、投与直後では血漿中放射能の約60%は6‐keto‐PGF1αであった5)。
16.5 排泄
健康成人男子3例に3H-PGI2(約4ng/kg/分)を24時間静脈内持続投与した場合、標識体投与後7日間の累積尿中排泄率は投与量の81.7%、累積糞中排泄率は3.7%で、尿中排泄の97%は投与開始後2日以内にみられた6)(外国人データ)。