Clinical snapshot

エバステルOD錠10mg

エバスチン

添付文書改訂 2025年01月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 蕁麻疹

  • 湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚瘙痒症

  • アレルギー性鼻炎

用法・用量

通常、成人には、エバスチンとして1回5~10mgを1日1回経口投与する。 なお、年齢・症状により適宜増減する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に注意させること。
  • 〈アレルギー性鼻炎〉
  1. 8.2季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1長期ステロイド療法を受けている患者

本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は、十分な管理下で徐々に行うこと。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1肝機能障害又はその既往歴のある患者

肝機能異常があらわれるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を十分に観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

  • 本剤は、主として代謝酵素CYP2J2及びCYP3A4で代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エリスロマイシン 本剤の代謝物カレバスチンの血漿中濃度が約2倍に上昇することが報告されている。 カレバスチンの代謝が抑制されると考えられる。
イトラコナゾール 本剤の代謝物カレバスチンの血漿中濃度が上昇することが報告されている。 カレバスチンの代謝が抑制されると考えられる。
リファンピシン 本剤の代謝物カレバスチンの血漿中濃度が低下することが報告されている。 カレバスチンの代謝が促進されると考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP 頻度不明
ALT 頻度不明
AST 頻度不明
BUNの上昇 頻度不明
LDH 頻度不明
γ-GTP 頻度不明
しびれ感 1%未満
じん麻疹 頻度不明
ビリルビンの上昇 頻度不明
ほてり 1%未満
めまい 1%未満
下痢 1%未満
不眠 頻度不明
体重増加 頻度不明
倦怠感 頻度不明
動悸 1%未満
口渇 頻度不明
味覚異常 頻度不明
嘔気・嘔吐 頻度不明
好酸球増多 頻度不明
尿糖 頻度不明
排尿障害 頻度不明
月経異常 頻度不明
浮腫 頻度不明
発疹 頻度不明
眠気 頻度不明
胃部不快感 1%未満
胸部圧迫感 1%未満
脱毛 頻度不明
腹痛 頻度不明
舌炎 1%未満
血圧上昇 頻度不明
頭痛 1%未満
頻尿 頻度不明
鼻・口腔内乾燥 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤のアレルギー反応に対する抑制作用は、主代謝物であるカレバスチンによる末梢性のヒスタミンH1受容体拮抗作用を主体とする。また、高濃度でヒスタミン遊離抑制作用も認められる(in vitro)。

18.2 抗アレルギー作用

エバスチンは、経口投与により、ヒスタミン誘発皮膚反応(ラット)、受動皮膚アナフィラキシー(PCA)反応(モルモット)、実験的アレルギー性鼻炎(ラット)を抑制し、そのPCA反応抑制作用は長時間持続した19)。

18.3 ヒスタミンH1受容体拮抗作用

エバスチンの活性代謝物であるカレバスチンは、モルモット摘出気管標本及び回腸標本におけるヒスタミン誘発収縮を濃度依存的に抑制し、ヒスタミンH1受容体拮抗作用を示した。エバスチンは、モルモット摘出気管標本で作用を示さなかった19)(in vitro)。

18.4 ヒスタミン遊離抑制作用

カレバスチンは、高濃度で感作ラットの腹腔肥満細胞からの抗原誘発ヒスタミン遊離及びヒト末梢血好塩基球からの抗ヒトIgE抗体誘発ヒスタミン遊離を抑制した19)(in vitro)。

18.5 ヒスタミン誘発皮内反応試験

健康成人を対象としたヒスタミン誘発皮内反応試験において、エバスチン5、10mgの経口投与で、膨疹及び紅斑を用量依存的に抑制し、投与後24時間においてもプラセボに比し有意に抑制した20)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

エバスチンは、経口投与後、初回通過効果を強く受け、ほとんどがカレバスチンに代謝される。健康成人にエバステル錠(普通錠)5mg(5例)、10、20注1)、40mg注1)(各6例)を空腹時1回経口投与後、未変化体であるエバスチンは、40mg注1)投与1時間後にのみ14ng/mLが検出された1)。

注1)本剤の承認された1日通常用量は5~10mgである。

  1. 16.1.2生物学的同等性試験

エバステル錠5mg、錠10mg(普通錠)及びエバステルOD錠5mg、OD錠10mg(口腔内崩壊錠)のクロスオーバー法による同等性試験において、それぞれ生物学的に同等であることが確認されている2),3)。

投与製剤 投与例数
(例)
Tmax
(h)
Cmax
(ng/mL)
t1/2
(h)
AUC0~72
(ng・h/mL)
錠5mg(水で服用) 47 4.9±1.2 55.6±13.1 18.3±2.7 1,405±330
錠10mg(水で服用) 48 5.2±1.1 93.7±20.0 18.5±2.6 2,492±571
OD錠10mg
(水で服用)
24 4.9±1.0 103.9±21.1 18.8±3.0 2,817±639
OD錠10mg
(水なしで服用)
24 5.3±1.3 97.7±26.5 17.6±1.7 2,630±632

平均値±標準偏差

16.2 吸収

  1. 16.2.1吸収率

約90%(ラット)4)

16.3 分布

  1. 16.3.1血漿・血清蛋白結合率

エバスチン:99.9%以上(in vitro、ヒト血清、平衡透析法)4) カレバスチン:97.4~97.7%(in vitro、ヒト血漿、限外ろ過法)1)

16.4 代謝

  1. 16.4.1主な代謝産物

カレバスチン(活性あり)

  1. 16.4.2代謝経路

エバスチンはtert-ブチル基の逐次酸化でカルボン酸体であるカレバスチンに代謝され、さらに、フェニル基の4位の水酸化とそれに続く3位のメトキシ化、酸化的N-脱アルキル化、エーテル結合の切断及び抱合を受けることが認められている(外国人データ)。

  1. 16.4.3代謝酵素

カレバスチンへの代謝には主としてCYP2J2、CYP3A4が、また未変化体の酸化的N-脱アルキル化にはCYP3A4が関与する5),6)。

16.5 排泄

投与量
(mg)
試料採取時間
(h)
尿中排泄率(投与量に対する%)
エバスチン カレバスチン
5 0~72 0.1 1.7
10 0~72 0.0 1.8

また、エバスチン(methoxy-14C)10mgを1回経口投与後、放射能は72時間までの尿中に投与量の63%、48時間までの糞便中に投与量の16%が排泄された(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1エリスロマイシン
測定日 カレバスチン
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(h)
t1/2
(h)
AUC0~24
(ng・h/mL)
試験7日目
(単独投与最終日)
244±15 5±1 17.2±0.4 4,092±181
試験14日目
(併用投与最終日)
514±27 5±1 21.6±0.9 9,492±581

平均値±標準誤差