脳梗塞急性期に伴う神経症候、日常生活動作障害、機能障害の改善
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
-
2.1重篤な腎機能障害のある患者
-
2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人に1回1袋(エダラボンとして30mg)を、30分かけて1日朝夕2回の点滴静注を行う。 発症後24時間以内に投与を開始し、投与期間は14日以内とする。
使用上の注意
-
8.1本剤の投与は、本剤に関する十分な知識及び脳梗塞の治療経験を持つ医師との連携のもとで行うこと。
-
8.2投与に際しては、患者又はそれに代わり得る適切な者に対して、本剤の副作用等について十分な説明を行うこと。
-
8.3急性腎障害又は腎機能障害の増悪、重篤な肝障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれ、致命的な経過をたどることがある。これらの症例では、腎機能障害、肝機能障害、血液障害等を同時に発現する重篤な症例が報告されている。
-
8.3.1検査値の急激な悪化は、投与開始初期に発現することが多いので、投与前又は投与開始後速やかにBUN、クレアチニン、AST、ALT、LDH、CK、赤血球、血小板等の腎機能検査、肝機能検査及び血液検査を実施すること。本剤投与中も、腎機能検査、肝機能検査及び血液検査を頻回に実施し、投与後も継続して十分な観察を行うこと。
-
8.3.2投与中に感染症等の合併症を発症し、抗生物質を併用した場合には、投与継続の可否を慎重に検討し、投与を継続する場合は特に頻回に検査を実施すること。また、投与終了後も頻回の検査を実施して観察を十分に行うこと。
-
8.4症状に応じてより短期間で投与を終了することも考慮すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1脱水のある患者
投与に際し全身管理を徹底すること。急性腎障害や腎機能障害の悪化を来すことがある。BUN/クレアチニン比が高いなど脱水状態が認められた患者では致命的な経過をたどる例が多く報告されている。
- 9.1.2感染症のある患者
投与に際してはリスクとベネフィットを十分考慮すること。致命的な経過をたどる例が多く報告されている。全身状態の悪化により急性腎障害や腎機能障害の悪化を来すことがある。
- 9.1.3心疾患のある患者
心疾患が悪化するおそれがある。また、腎機能障害があらわれるおそれがある。
- 9.1.4高度な意識障害(Japan Coma Scale 100以上:刺激しても覚醒しない)のある患者
投与に際してはリスクとベネフィットを十分考慮すること。致命的な経過をたどる例が多く報告されている。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重篤な腎機能障害のある患者
投与しないこと。腎機能障害が悪化するおそれがある。
- 9.2.2腎機能障害のある患者(重篤な腎機能障害のある患者を除く)
投与に際し全身管理を徹底すること。急性腎障害や腎機能障害の悪化を来すことがある。特に投与前のBUN/クレアチニン比が高い患者では致命的な経過をたどる例が多く報告されている。
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
投与しないことが望ましい。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において本剤の乳汁移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用があらわれた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。一般に高齢者では生理機能が低下しており、致命的な経過をたどる例が多く報告されている。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 抗生物質 (セファゾリンナトリウム、セフォチアム塩酸塩、ピペラシリンナトリウム等) |
腎機能障害が増悪するおそれがあるので、併用する場合には頻回に腎機能検査を実施するなど観察を十分に行うこと。 | 機序は不明であるが、本剤は主として腎臓から排泄されるため、腎排泄型の抗生物質との併用により、腎臓への負担が増強する可能性が考えられる。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALP上昇 | 1〜5%未満 |
| ALT上昇 | 5%以上 |
| AST上昇 | 1〜5%未満 |
| BUN上昇 | 1〜5%未満 |
| CK上昇 | 1〜5%未満 |
| CK低下 | 1〜5%未満 |
| LDH上昇 | 1〜5%未満 |
| γ-GTP上昇 | 1〜5%未満 |
| ウロビリノーゲン陽性 | 頻度不明 |
| クレアチニン上昇 | 頻度不明 |
| そう痒感 | 頻度不明 |
| トリグリセライド上昇 | 1〜5%未満 |
| ビリルビン尿 | 1〜5%未満 |
| ヘマトクリット値減少 | 1〜5%未満 |
| ヘモグロビン減少 | 1〜5%未満 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 嘔気 | 1〜5%未満 |
| 多尿 | 頻度不明 |
| 尿中ブドウ糖陽性 | 1〜5%未満 |
| 注射部発疹 | 1〜5%未満 |
| 注射部発赤腫脹 | 1〜5%未満 |
| 熱感 | 1〜5%未満 |
| 発熱 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 発赤 | 頻度不明 |
| 白血球増多 | 1〜5%未満 |
| 白血球減少 | 1〜5%未満 |
| 紅斑(多形滲出性紅斑等) | 1〜5%未満 |
| 総ビリルビン値上昇 | 1〜5%未満 |
| 腫脹 | 1〜5%未満 |
| 膨疹 | 頻度不明 |
| 蛋白尿 | 1〜5%未満 |
| 血圧上昇 | 1〜5%未満 |
| 血小板増加 | 1〜5%未満 |
| 血小板減少 | 1〜5%未満 |
| 血尿 | 1〜5%未満 |
| 血清カリウム上昇 | 頻度不明 |
| 血清カリウム低下 | 1〜5%未満 |
| 血清カルシウム低下 | 1〜5%未満 |
| 血清コレステロール上昇 | 1〜5%未満 |
| 血清コレステロール低下 | 1〜5%未満 |
| 血清尿酸上昇 | 1〜5%未満 |
| 血清尿酸低下 | 1〜5%未満 |
| 血清総蛋白減少 | 1〜5%未満 |
| 赤血球減少 | 1〜5%未満 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
エダラボンは、脳保護薬である。フリーラジカル除去により、細胞膜脂質過酸化を抑制して奏功する。脳梗塞急性期に使用される3)。
薬物動態
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害者
軽度腎機能障害者(6例)、中等度腎機能障害者(8例)又は腎機能正常者(8例)にエダラボン30mgを60分かけて単回点滴静脈内投与したときの血漿中未変化体濃度の推移から求めたパラメータは次のとおりである1)。腎機能障害の程度に伴い、t1/2の平均値は延長する傾向が認められた。腎機能正常者に対するCmax、AUC0-∞の幾何平均値の比(90%信頼区間)はそれぞれ軽度腎機能障害患者で1.150(0.967-1.366)、1.202(0.991-1.457)、中等度腎機能障害者で1.247(1.063-1.463)、1.294(1.083-1.547)であった。
| 薬物動態パラメータ | 軽度腎機能障害 | 中等度腎機能障害 | 腎機能正常 |
|---|---|---|---|
| Cmax(ng/mL) | 545.4±92.59 | 593.2±115.4 | 475.9±95.32 |
| AUC0-∞(ng・h/mL) | 771.0±153.6 | 826.4±149.4 | 644.9±153.1 |
| t1/2(h) | 5.38±6.04 | 7.31±5.83 | 2.87±0.38 |
(mean±S.D.)
軽度:eGFRが60~89mL/分/1.73m2、中等度:eGFRが30~59mL/分/1.73m2、正常:eGFR≧90mL/分/1.73m2
-
16.6.2肝機能障害者
-
(1)重度肝機能障害者(6例)又は肝機能正常者(6例)にエダラボン30mgを60分かけて単回点滴静脈内投与したときの血漿中未変化体濃度の推移から求めたパラメータは次のとおりである2)。Cmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比(90%信頼区間)はそれぞれ1.203(0.819-1.766)及び1.190(0.835-1.696)であった。
| 薬物動態パラメータ | 重度肝機能障害 | 肝機能正常 |
|---|---|---|
| Cmax(ng/mL) | 347.6±146.8 | 280.3±101.0 |
| AUC0-∞(ng・h/mL) | 497.0±183.8 | 416.3±165.0 |
| t1/2(h) | 3.88±1.12 | 9.51±6.62 |
(mean±S.D.)
重度:Child-Pugh分類C
- (2)軽度肝機能障害者(8例)、中等度肝機能障害者(6例)又は肝機能正常者(8例)にエダラボン30mgを60分かけて単回点滴静脈内投与したときの血漿中未変化体濃度の推移から求めたパラメータは次のとおりである2)。肝機能正常者に対するCmax、AUC0-∞の幾何平均値の比(90%信頼区間)はそれぞれ軽度肝機能障害患者で1.203(0.992-1.458)、1.065(0.860-1.320)、中等度肝機能障害者で1.235(1.003-1.521)、1.142(0.906-1.440)であった。
| 薬物動態パラメータ | 軽度肝機能障害 | 中等度肝機能障害 | 肝機能正常 |
|---|---|---|---|
| Cmax(ng/mL) | 538.1±182.3 | 533.4±88.57 | 429.0±44.36 |
| AUC0-∞(ng・h/mL) | 727.6±262.0 | 751.5±148.3 | 654.3±107.2 |
| t1/2(h) | 3.14±0.58 | 4.37±1.90 | 4.70±6.92 |
(mean±S.D.)
軽度:Child-Pugh分類A、中等度:Child-Pugh分類B