寒冷凝集素症
【警告】
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1.1本剤は古典的補体経路を阻害するため、髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等の莢膜形成細菌による重篤な感染症を発症することがあり、特に髄膜炎菌感染症は急激に重症化し、死亡に至るおそれもあるため、以下の点に十分注意すること。
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1.1.1本剤の投与に際しては、髄膜炎菌等による感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直等)に注意して観察を十分に行い、髄膜炎菌等の感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。
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1.1.2原則、本剤投与前に髄膜炎菌及び肺炎球菌に対するワクチンを接種すること。必要に応じてワクチンの追加接種を考慮すること。
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1.1.3髄膜炎菌感染症は致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで、あるいは髄膜炎菌感染症の診断及び治療が可能な医療施設との連携下で投与すること。
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1.1.4髄膜炎菌等の感染症のリスクについて患者に説明し、感染症の初期徴候を確実に理解させ、感染症に関連する症状が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。
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1.2本剤は、寒冷凝集素症に十分な知識を持つ医師のもとで、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことを含め、本剤の有効性及び危険性を患者又はその家族に十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1髄膜炎菌感染症に罹患している患者[症状を悪化させるおそれがある]
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2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはスチムリマブ(遺伝子組換え)として、1回6.5g又は7.5gを点滴静注する。初回投与後は、1週後に投与し、以後2週間の間隔で投与する。
使用上の注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1髄膜炎菌感染症の既往のある患者
髄膜炎菌感染症に罹患しやすくなるおそれがある。
- 9.1.2感染症の患者又は感染症が疑われる患者
特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。IgGモノクローナル抗体は胎盤関門を通過することが知られている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ヘルペス感染 | 頻度不明 |
| レイノー現象 | 頻度不明 |
| 上咽頭炎 | 頻度不明 |
| 先端チアノーゼ | 頻度不明 |
| 尿路感染 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 気道感染 | 頻度不明 |
| 注入に伴う反応 | 頻度不明 |
| 胃腸炎 | 頻度不明 |
| 腱炎 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部膨満 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 高血圧 | 頻度不明 |
| 鼻漏 | 頻度不明 |
| 鼻炎 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
スチムリマブはヒト古典的補体経路C1sに対する遺伝子組換えヒト化IgG4モノクローナル抗体であり、C1sのC4への開裂を阻害することで、寒冷凝集素症患者における古典的補体経路を介した溶血を抑制する14) 。なお、レクチン経路及び代替経路には作用しない。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与(第I相)
健康日本人被験者にスチムリマブ30mg/kg、60mg/kg又は100mg/kgを単回静脈内投与した注1) 。血漿中スチムリマブ濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示した5) 。
注1)本剤の承認用量は、1回6.5gあるいは7.5gである。
図:健康日本人被験者にスチムリマブ30mg/kg、60mg/kg又は100mg/kgを単回静脈内投与したときの血漿中濃度推移(平均値±SE)
| 投与量 (mg/kg) |
例数 | Cmax (μg/mL) |
tmax注2) (h) |
t1/2 (h) |
AUC (μg・h/mL) |
CL (mL/h) |
Vss (mL) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 30 | 6 | 804.13±166 | 4.00 | 84.5±51.7 | 93400±36425 | 21.47±5.16 | 2287.86±795 |
| 60 | 6 | 1783.47±351 | 1.18 | 74.9±15.8 | 212607±39051 | 20.24±3.43 | 2258.63±301 |
| 100 | 6 | 2590.75±450 | 1.17 | 172.5±52.9 | 583164±184143 | 13.27±3.06 | 3021.63±275 |
平均値±SD
注2)中央値
- 16.1.2反復投与(第I相)
健康日本人被験者を体重で層別化し、1日目、8日目及び22日目にスチムリマブ6.5g(体重75kg未満の被験者)又は7.5g(体重75kg以上の被験者)を静脈内投与した。薬物動態パラメータを以下に示した6) 。
| 投与量(g) | Cmax (μg/mL) |
t1/2 (h) |
AUC (μg・h/mL) |
CL (mL/h) |
Vss (mL) |
|
|---|---|---|---|---|---|---|
| 6.5 | 1日目 | 2383 | 137.37 | 408207 | 16.23 | 3137 |
| 22日目 | 3823 | 234.80 | 1146864 | 6.46 | 1931 | |
| 7.5 | 1日目 | 2540 | 98.68 | 322679 | 24.8 | 3267 |
| 22日目 | 3378 | 162.36 | 693302 | 11.3 | 2645 |
平均値
- 16.1.3患者における血中濃度(国際共同第III相)
寒冷凝集素症患者にスチムリマブ6.5g(体重75kg未満の被験者)又は7.5g(体重75kg以上の被験者)を初回、1週後、以降2週間の間隔で26週間静脈内投与した。2つの国際共同第III相試験(BIVV009-03[CARDINAL]及びBIVV009-04[CADENZA])における定常状態の総暴露量を以下に示した7) 。
| 投与量(g) | Cmin(μg/mL) | AUCss(μg・h/mL) |
|---|---|---|
| 6.5(51例) | 1397±721 | 697449±256234 |
| 7.5(15例) | 1107±661 | 576017±253776 |
平均値±SD、Cmin:定常状態におけるトラフ濃度(次回投与の1時間前時点と定義)、AUCss:定常状態に達した後の投与間の曲線下面積
スチムリマブ投与開始後7週目で定常状態に達し、蓄積比は2未満であった。
16.3 分布
母集団薬物動態解析により本剤の寒冷凝集素症患者での定常状態における分布容積は約5.8Lであった8) 。
16.4 代謝
本剤は抗体であるため、タンパク質分解によって小さなペプチド及び各アミノ酸に分解される。
16.5 排泄
スチムリマブの半減期は血漿中濃度に依存する。総クリアランス(線形クリアランス及び非線形クリアランス)に基づく定常状態におけるスチムリマブの消失半減期は16日であった。