イホスファミド投与又はシクロホスファミド(造血幹細胞移植の前治療)投与に伴う泌尿器系障害(出血性膀胱炎、排尿障害等)の発現抑制
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分又は他のチオール化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
- (1)イホスファミド投与
通常、メスナとして、イホスファミド1日量の20%相当量を1回量とし、1日3回(イホスファミド投与時、4時間後、8時間後)静脈内注射するが、メスナ1日量としてイホスファミド1日量の最大100%相当量まで投与することができる。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
- (2)シクロホスファミド(造血幹細胞移植の前治療)投与
通常、成人にはメスナとして、シクロホスファミド1日量の40%相当量を1回量とし、1日3回(シクロホスファミド投与時、4時間後、8時間後)30分かけて点滴静注する。
使用上の注意
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8.1本剤は泌尿器系障害を発現させるイホスファミド又はシクロホスファミド投与の場合に限り使用すること。
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8.2本剤は必ず抗悪性腫瘍剤(イホスファミドあるいはシクロホスファミド等)と併用されるため、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで使用すること。 また、適応患者の選択にあたっては、各併用抗悪性腫瘍剤の電子添文を参照して十分注意すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物試験(ラット)で本剤の胎児毒性及び催奇形作用は認められない。しかし、本剤はイホスファミド又はシクロホスファミドと併用され、イホスファミドあるいはシクロホスファミドでは動物試験(ラット)で催奇形作用が報告されている。
9.6 授乳婦
本剤、イホスファミド又はシクロホスファミドの投与中は授乳を避けさせること。動物試験(ラット)で本剤及びイホスファミドの乳汁移行が認められ1),2)、ヒトにおけるシクロホスファミドの乳汁移行が報告されている3)。
9.8 高齢者
イホスファミド又はシクロホスファミドの減量に応じて、本剤を減量し投与すること。一般に生理機能が低下している。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| • イホスファミド | 併用により脳症があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。 | 機序は不明である。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT上昇 | 頻度不明 |
| AST上昇 | 頻度不明 |
| そう痒 | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 四肢疼痛 | 頻度不明 |
| 悪心・嘔吐 | 頻度不明 |
| 水疱 | 頻度不明 |
| 注射部疼痛 | 頻度不明 |
| 注射部腫脹 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 白血球減少 | 頻度不明 |
| 粘膜疹 | 頻度不明 |
| 紅斑 | 頻度不明 |
| 脱力感 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 血圧低下 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 頻脈 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ラットにおけるイホスファミド及びシクロホスファミドによる膀胱障害は、これらの尿中代謝物が膀胱粘膜と接触して発現する局所障害であり、血行を介する全身性の毒性ではない。この膀胱障害のメスナによる抑制機構としては、次の経路が推定されている8),9)。
-
18.1.1イホスファミド及びシクロホスファミドの尿中代謝物アクロレインが膀胱障害を誘発するが、アクロレインの二重結合にメスナが付加し、無障害性の付加体を形成する。
-
18.1.2イホスファミド及びシクロホスファミドの抗腫瘍活性物質4-ヒドロキシ体がメスナと縮合して、無障害性のメスナ縮合体を形成することにより、アクロレインの生成が抑制される。
18.2 イホスファミド誘発膀胱障害に対する抑制効果
イホスファミド100mg/kg投与で誘発されるラットの膀胱障害は、メスナの同時投与により投与量に依存して抑制され、10mg/kg投与で効果があらわれ始め、75mg/kg以上の投与で完全に抑制された10)。
18.3 シクロホスファミド誘発膀胱障害に対する抑制効果
シクロホスファミド100mg/kg投与で誘発されるラットの膀胱障害は、メスナの同時投与により投与量に依存して抑制され、10mg/kg投与で効果があらわれ始め、75mg/kg以上の投与で完全に抑制された11)。
18.4 イホスファミドの抗腫瘍作用に及ぼすメスナの影響
ラットの吉田肉腫、マウスのEhrlich癌、Sarcoma180及びLewis肺癌等の実験腫瘍に対するイホスファミドの抗腫瘍作用は、イホスファミド投与量の60又は200%量のメスナを併用投与しても何ら影響を受けなかった12),13)。
18.5 シクロホスファミドの抗腫瘍作用に及ぼすメスナの影響
ヌードマウス移植腫瘍株LM-2-JCK(T細胞リンパ腫)、Lu-99(非小細胞肺癌)に対するシクロホスファミドの抗腫瘍作用は、シクロホスファミド投与量の60又は200%量のメスナを併用投与しても何ら影響を受けなかった14)。
薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人男性4例にメスナ400mgを単回静脈内投与及び1回400mgを1日3回(4時間ごと)、3日間反復静脈内投与した4),5)。
- 16.1.1単回投与
血漿中濃度を図16-1、薬物動態パラメータを表16-1に示す。
| 投与量 (mg) |
例数 | AUC0-2 (μg・hr/mL) |
T1/2 (min) |
V (L) |
CL (mL/min) |
|---|---|---|---|---|---|
| 400 | 4 | 5.01±0.21 | 12.3±6.8 | 18.7±11.3 | 1194±267 |
V:分布容積 CL:トータルクリアランス
(測定法:比色定量法)(平均値±標準偏差)
メスナは生体内で容易に酸化されて二量体であるジメスナを形成する。
メスナの血漿中濃度は速やかに消失し、投与1時間以降ではほぼ定量限界(1μg/mL)以下になった。代謝物ジメスナは投与直後から検出され、約20分以降ではメスナより高濃度に推移したが、1.5時間以降では定量限界以下となった。 メスナの消失半減期は約10分と短く、メスナとしての腎排泄に加え、ジメスナへの二量化によるものと考えられる。
- 16.1.2反復投与
メスナの消失半減期は約10分であり、メスナ、ジメスナ共に血漿中の蓄積は認められなかった。
16.3 分布
- 16.3.1組織内移行性
ラットに14C-標識メスナ30mg/kgを単回静脈内投与したときの体内分布は、排泄経路にあたる腎臓、膀胱が最も高い濃度を示したが、他の組織ではいずれも血漿中濃度、全血中濃度より低かった。その中では動脈壁、皮膚、肺、肝臓の濃度は比較的高く、全血中濃度の約1/2程度であった。これらの組織内放射活性は時間と共に速やかに消失し、24時間後に極めて低くなり、120時間後には定量限界以下となった2)。
- 16.3.2蛋白結合率
限外ろ過法にて測定したヒト血清蛋白結合率は約50%であった5)。
16.4 代謝
- 16.4.1代謝物
ラットに14C-標識メスナ30mg/kgを単回静脈内投与した場合、5分後の血漿中メスナ濃度は45.60μg/mL、ジメスナ濃度は20.33μg/mLであり、血漿中総放射活性に占める割合は、それぞれ約62%及び28%に相当した。時間と共にメスナ、ジメスナ以外の未知の代謝物あるいは分解物の割合が増加し、メスナとジメスナの血漿中からの消失は速かった2)。
- 16.4.2代謝物の活性の有無
イホスファミド68.1mg/kg投与で誘発されるラットの膀胱障害は、ジメスナの同時投与により投与量に依存して抑制されるが、メスナの同時投与に比べてやや弱い6)。
16.5 排泄
メスナの主要排泄経路は尿中排泄であり、単回投与時の12時間までにメスナ投与量の82.5%がメスナ、ジメスナとして尿中に回収された。また、反復投与時の72時間累積尿中排泄率は93.1%であった4)。