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手術後及び神経因性膀胱などの低緊張性膀胱による排尿困難
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重症筋無力症
【警告】
本剤の投与により意識障害を伴う重篤なコリン作動性クリーゼを発現し、致命的な転帰をたどる例が報告されているので、投与に際しては下記の点に注意し、医師の厳重な監督下、患者の状態を十分観察すること。
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1.1本剤投与中にコリン作動性クリーゼの徴候(初期症状:悪心・嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、気道分泌過多、発汗、徐脈、縮瞳、呼吸困難等、臨床検査:血清コリンエステラーゼ低下)が認められた場合には、直ちに投与を中止すること。
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1.2コリン作動性クリーゼがあらわれた場合は、アトロピン硫酸塩水和物0.5~1mg(患者の症状に合わせて適宜増量)を静脈内投与する。また、呼吸不全に至ることもあるので、その場合は気道を確保し、人工換気を考慮すること。
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1.3本剤の投与に際しては、副作用の発現の可能性について患者又はそれに代わる適切な者に十分理解させ、下記のコリン作動性クリーゼの初期症状が認められた場合には服用を中止するとともに直ちに医師に連絡し、指示を仰ぐよう注意を与えること。 悪心・嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、気道分泌過多、発汗、徐脈、縮瞳、呼吸困難
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1消化管又は尿路の器質的閉塞のある患者 [消化管機能を亢進させ、症状を悪化させるおそれがある。また、尿の逆流を引き起こすおそれがある。]
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2.2迷走神経緊張症のある患者 [迷走神経の緊張を増強させるおそれがある。]
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2.3脱分極性筋弛緩剤(スキサメトニウム)を投与中の患者
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2.4本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
- 〈手術後及び神経因性膀胱などの低緊張性膀胱による排尿困難〉
ジスチグミン臭化物として、成人1日5mgを経口投与する。
- 〈重症筋無力症〉
ジスチグミン臭化物として、通常成人1日5~20mgを1~4回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
使用上の注意
- 〈効能共通〉
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8.1本剤の投与により意識障害を伴うコリン作動性クリーゼがあらわれることがあるので、以下の点に注意すること。
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8.1.1投与開始2週間以内での発現が多く報告されていることから、特に投与開始2週間以内はコリン作動性クリーゼの徴候(初期症状:悪心・嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、気道分泌過多、発汗、徐脈、縮瞳、呼吸困難等、臨床検査:血清コリンエステラーゼ低下)に注意すること。
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8.1.2継続服用中においても発現が報告されていることから、コリン作動性クリーゼの徴候に注意すること。
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8.1.3本剤によるコリン作動性クリーゼの徴候があらわれた場合は、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
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8.2本剤の使用により効果が認められない場合には、漫然と投与せず他の治療法を検討すること。
- 〈重症筋無力症〉
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8.3ときに筋無力症状の重篤な悪化、呼吸困難、嚥下障害(クリーゼ)をみることがあるので、このような場合には、臨床症状でクリーゼを鑑別し、困難な場合には、エドロホニウム塩化物2mgを静脈内投与し、クリーゼを鑑別し、次の処置を行うこと。
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8.3.1コリン作動性クリーゼ
悪心・嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、気道分泌過多、発汗、徐脈、縮瞳、呼吸困難等の症状や、血清コリンエステラーゼの低下が認められた場合、又はエドロホニウム塩化物を投与したとき、症状が増悪又は不変の場合には、直ちに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 8.3.2筋無力性クリーゼ
呼吸困難、唾液排出困難、チアノーゼ、全身の脱力等の症状が認められた場合、又はエドロホニウム塩化物を投与したとき、症状の改善が認められた場合は本剤の投与量を増加する。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1コリン作動薬やコリンエステラーゼ阻害薬を投与中の患者
相互に作用を増強し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。
- 9.1.2気管支喘息の患者
気管支喘息の症状を悪化させるおそれがある。
- 9.1.3甲状腺機能亢進症の患者
甲状腺機能亢進症の症状を悪化させるおそれがある。
- 9.1.4徐脈・心疾患(冠動脈疾患、不整脈)のある患者
心拍数低下、冠動脈の収縮、冠れん縮による狭心症、不整脈の増悪、心拍出量低下を起こすおそれがある。
- 9.1.5消化性潰瘍の患者
消化管機能を亢進させ潰瘍の症状を悪化させるおそれがある。
- 9.1.6てんかんの患者
てんかんの症状を悪化させるおそれがある。
- 9.1.7パーキンソン症候群の患者
パーキンソン症候群の症状を悪化させるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
本剤は腎臓から排泄されるため、血中濃度が上昇するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
コリン作動性クリーゼの徴候(初期症状:悪心・嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、気道分泌過多、発汗、徐脈、縮瞳、呼吸困難等、臨床検査:血清コリンエステラーゼ低下)に注意し、慎重に投与すること。高齢者では、肝・腎機能が低下していることが多く、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい。
相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| • 脱分極性筋弛緩剤• スキサメトニウム塩化物水和物• スキサメトニウム注、 レラキシン注 |
脱分極性筋弛緩剤の作用を増強する。 | 1)脱分極性筋弛緩剤はコリンエステラーゼにより代謝されるため、本剤により代謝が阻害されることが考えられる。 2)本剤による直接ニコチン様作用には脱分極性筋弛緩作用がある。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| • 副交感神経抑制剤• アトロピン硫酸塩水和物等 | 相互に作用を拮抗する。 | 本剤のムスカリン様作用と拮抗することが考えられる。 |
| • コリン作動薬• ベタネコール塩化物等 | 相互に作用を増強する。 | 本剤のコリン作用と相加・相乗作用があらわれることが考えられる。 |
| • コリンエステラーゼ阻害薬• ドネペジル塩酸塩 ネオスチグミン臭化物 ピリドスチグミン臭化物 アンベノニウム塩化物等 |
相互に作用を増強する可能性がある。 | 本剤のコリン作用と相加・相乗作用があらわれることが考えられる。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| AST・ALTの上昇 | 頻度不明 |
| ざ瘡 | 頻度不明 |
| テネスムス(しぶり腹) | 頻度不明 |
| めまい | 1%未満 |
| 下痢 | 5%以上 |
| 便失禁 | 頻度不明 |
| 全身倦怠感 | 頻度不明 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 口渇 | 頻度不明 |
| 嘔気・嘔吐 | 1%未満 |
| 尿失禁 | 1〜5%未満 |
| 尿道痛 | 頻度不明 |
| 心窩部不快感 | 頻度不明 |
| 悪心・不快感 | 1〜5%未満 |
| 流唾 | 頻度不明 |
| 流涙 | 頻度不明 |
| 発汗 | 1〜5%未満 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 睡眠障害 | 頻度不明 |
| 神経痛悪化 | 頻度不明 |
| 筋力低下 | 頻度不明 |
| 筋痙攣 | 頻度不明 |
| 線維性ちく搦(ちくでき=クローヌス) | 頻度不明 |
| 線維束れん縮 | 頻度不明 |
| 耳鳴 | 頻度不明 |
| 胃腸症状 | 1%未満 |
| 胸部圧迫感 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 1〜5%未満 |
| 腹鳴 | 1%未満 |
| 自律神経失調 | 頻度不明 |
| 舌のしびれ | 頻度不明 |
| 血清コリンエステラーゼ値低下 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 1%未満 |
| 頻尿 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ジスチグミン臭化物は、可逆的にコリンエステラーゼを阻害しアセチルコリンの分解を抑制することにより、間接的にアセチルコリンの作用を増強、持続させ、副交感神経支配臓器でムスカリン様作用を、また、骨格筋接合部でニコチン様作用を示す。
18.2 コリンエステラーゼ阻害作用
本品100μg/kg及びネオスチグミン100~400μg/kgをラットに1回腹腔内投与したとき、血中コリンエステラーゼ活性はそれぞれ約80%及び30~60%阻害された6) 。
18.3 アセチルコリン作用の増強
ラットの血涙反応では、対照値のアセチルコリンED50値を1/5に減ずるに要する用量は、本品で8.6μg/kg、ネオスチグミンで16.6μg/kgであった。また本品の作用は、投与後2時間で最大となり、少なくとも48時間以上持続した6) 。
18.4 抗クラーレ作用
抗クラーレ作用を知る目的で、非処理でのd-ツボクラリンのED50値を100%増加せしめる量をラット腹腔内投与で求めたところ、本品では30.5μg/kg、ネオスチグミンでは88.5μg/kgであった。また、本品の作用は24時間後にも認められた6),7) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人に14Cジスチグミン臭化物5mgを単回経口投与した結果、血漿中濃度は投与後1.58時間で最高値4.40ng/mLとなり、その後、二相性に漸減した。半減期はα相で4.47±2.03時間、β相で69.5±5.1時間であった4) (外国人データ)。
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
イヌにジスチグミン臭化物(0.02%w/v水溶液)として1.0mg/kgを、絶食時又は給餌後に単回経口投与し、血漿中濃度を測定した際、絶食群は給餌群に比し、Cmaxが約9.4倍、AUC0-24が約6.6倍高値であった5) 。
| 例数 | Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
T1/2 (hr) |
AUC0-24 (ng/mL・hr) |
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|---|---|---|---|---|---|
| 絶食群 | 5 | 166±75 | 0.8±0.3 | 2.6±1.8 | 539±187 |
| 給餌群 | 5 | 17.6±8.4 | 0.9±0.2 | 4.1±2.0 | 82.0±23.8 |
平均±標準偏差 2週間以上の休薬期間を置いたクロスオーバー比較試験
16.5 排泄
健康成人に14Cジスチグミン臭化物5mgを単回経口投与した結果、投与216時間後までの尿及び糞中への累積排泄率は、それぞれ6.5%及び88.0%であった。0.5mgを単回静脈内投与した結果、尿及び糞中への累積排泄率は、それぞれ85.3%及び3.9%であった。 これらのことから、主な排泄部位は腎である4) (外国人データ)。