Clinical snapshot

ウトロゲスタン腟用カプセル200mg

プロゲステロン

添付文書改訂 2025年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2診断未確定の性器出血のある患者[病因を見のがすおそれがある。]

  3. 2.3稽留流産又は子宮外妊娠の患者[妊娠維持作用により死亡している胎児の排出が困難になるおそれがある。]

  4. 2.4重度の肝機能障害のある患者

  5. 2.5乳癌又は生殖器癌の既往歴又は疑いがある患者[症状が悪化するおそれがある。]

  6. 2.6動脈又は静脈の血栓塞栓症あるいは重度の血栓性静脈炎の患者又は既往歴のある患者

  7. 2.7ポルフィリン症の患者[症状が悪化するおそれがある。]

効能・効果

生殖補助医療における黄体補充

用法・用量

プロゲステロンとして1回200mgを1日3回、胚移植2~7日前より経腟投与する。妊娠が確認できた場合は、胚移植後9週(妊娠11週)まで投与を継続する。

使用上の注意

  1. 8.1投与の中止により、不安、気分変化、発作感受性の増大を引き起こす可能性があるので、投与中止の際には注意するよう患者に十分説明すること。

  2. 8.2傾眠状態や浮動性めまいを引き起こすことがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分説明すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1てんかん又はその既往歴のある患者

副腎皮質ホルモン様作用により病態に影響を及ぼすおそれがある。

  1. 9.1.2うつ病又はその既往歴のある患者

注意深く観察し、症状の悪化を認めた場合は投与を中止するなど注意すること。副腎皮質ホルモン様作用により病態に影響を及ぼすおそれがある。

  1. 9.1.3片頭痛、喘息又はその既往歴のある患者

病態に影響を及ぼすおそれがある。

  1. 9.1.4心機能障害のある患者

体液貯留を引き起こすおそれがある。

  1. 9.1.5糖尿病の患者

糖尿病が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

体液貯留を引き起こすおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重度の肝機能障害のある患者

投与しないこと。作用が増強されるおそれがある。

  1. 9.3.2中等度以下の肝機能障害のある患者

作用が増強されるおそれがある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中に移行することがある。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
他の腟剤(抗真菌剤など) 本剤の作用が増強又は減弱する可能性がある。 本剤からのプロゲステロン放出及び吸収を変化させる可能性がある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT増加 1%未満
WPW症候群 1%未満
下痢 頻度不明
不正子宮出血 1〜5%未満
卵巣過剰刺激症候群 1〜5%未満
外陰腟そう痒症 1〜5%未満
外陰部炎 頻度不明
多胎妊娠 1%未満
子宮頸管ポリープ 1%未満
心電図異常 1%未満
性器出血 1〜5%未満
悪心・嘔吐 頻度不明
感覚鈍麻 頻度不明
浮動性めまい 1〜5%未満
灼熱感 頻度不明
生化学的妊娠 1〜5%未満
発疹 1%未満
白血球数増加 1%未満
紅斑 頻度不明
腟びらん 頻度不明
腟分泌物 頻度不明
腟感染 1%未満
腹痛 1%未満
腹部膨満感 頻度不明
血中トリグリセリド減少 1%未満
頭痛 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

プロゲステロンは発情行動、子宮内膜分泌期変化、着床準備、妊娠維持、体温上昇、排卵抑制、性周期調節及び乳腺発達作用等に重要な役割を果たす。 プロゲステロンは生体内では排卵後の卵巣黄体や妊娠中には胎盤からも分泌される。プロゲステロンは卵胞ホルモンにより増殖した子宮内膜を分泌型に変えて、胚が着床しやすい状態にし、更に、胚が子宮内膜に着床すると内膜に脱落膜を形成させ、出産まで妊娠を維持させる生体内ホルモンである。

18.2 子宮内膜細胞増殖作用

未成熟ウサギにエストラジオール0.25μg/動物/日を6日間皮下投与した後、プロゲステロンを5日間皮下投与した。プロゲステロンは0.1mg/動物/日以上で子宮内膜細胞を増殖させ、胚が着床しやすい状態にした7)。

18.3 脱落膜腫形成作用

卵巣摘出ラットにエストラジオール1μg/動物/日を4日間皮下投与した後、プロゲステロンを8日間皮下投与した。プロゲステロンは2.0mg/動物/日で子宮内膜の障害後の脱落膜腫を形成させ、薬理作用が確認された8)。

18.4 妊娠維持作用

ウサギの受胎直後に、その卵巣を摘出すると、その受精卵は胚盤胞以後の発育はできなく、着床も妨げられ変性する。しかし、受胎後に卵巣を摘出してもプロゲステロンを投与しておけば妊娠は維持される。ヒトの場合にも妊娠2~3ヵ月以内に卵巣を摘出すると、プロゲステロンの分泌が中断されて流産を起こす。プロゲステロンは妊娠全経過を通じて妊娠の維持に大きな役割を果たしている9)。

薬物動態

16.1 血中濃度

月経開始から4~8日目に月経が終了した日本人健康成人女性10例に、プロゲステロン200mgを、朝昼晩1日3回、投与開始から5日目の朝まで反復経腟投与したときの血清中濃度及び薬物動態パラメータを図1・表1に示した。また、投与2~5日目の投与前最低血中濃度は8.43±3.70ng/mLであった。

図1 血清中プロゲステロン濃度(平均±標準偏差)

AUC
(ng・h/mL)
Cmax
(ng/mL)
tmax注1)
(h)
399.00±134.64 12.56±5.62 107.6±16.7

注1)初回投与からの時間

16.3 分布

in vitro 試験において、ヒト血清蛋白への結合率は約97%と報告されている2)。

16.4 代謝

主に肝臓において代謝される。代表的な代謝産物はプレグナノロン及びプレグナンジオールであり、これらはさらにグルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体に代謝される3)。

16.5 排泄

14C-標識プロゲステロンをヒトに静脈内投与した際、尿中に投与した放射能の約50%、胆汁中に約30%、糞中に約13%が排泄された(外国人データ)4)。