Clinical snapshot

インヴェガ錠3mg

パリペリドン

添付文書改訂 2024年10月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]

  2. 2.2バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強されることがある。]

  3. 2.3*アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)

  4. 2.4本剤の成分及びリスペリドンに対し過敏症の既往歴のある患者

  5. 2.5中等度から重度の腎機能障害患者(クレアチニン・クリアランス50mL/分未満)

効能・効果

統合失調症

用法・用量

通常、成人にはパリペリドンとして6mgを1日1回朝食後に経口投与する。なお、年齢、症状により1日12mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は5日間以上の間隔をあけて1日量として3mgずつ行うこと。

使用上の注意

  1. 8.1投与初期、再投与時、増量時にα交感神経遮断作用に基づく起立性低血圧があらわれることがあるので、低血圧があらわれた場合は減量等、適切な処置を行うこと。

  2. 8.2眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  3. 8.3興奮、誇大性、敵意等の陽性症状を悪化させる可能性があるので観察を十分に行い、悪化がみられた場合には他の治療法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。

  4. 8.4本剤の投与により、高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意するとともに、特に糖尿病又はその既往歴あるいはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

  5. 8.5低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

  6. 8.6本剤の投与に際し、あらかじめ上記8.4及び8.5の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう指導すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心・血管系疾患、低血圧、又はそれらの疑いのある患者

一過性の血圧降下があらわれることがある。

  1. 9.1.2不整脈の既往歴のある患者、先天性QT延長症候群の患者

QTが延長する可能性がある。

  1. 9.1.3パーキンソン病又はレビー小体型認知症のある患者

悪性症候群が起こりやすくなる。また、錐体外路症状の悪化に加えて、錯乱、意識レベルの低下、転倒を伴う体位不安定等の症状が発現するおそれがある。

  1. 9.1.4てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者

痙攣閾値を低下させるおそれがある。

  1. 9.1.5自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者

症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.6糖尿病又はその既往歴のある患者、あるいは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者

血糖値が上昇することがある。

  1. 9.1.7脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者

悪性症候群が起こりやすい。

  1. 9.1.8不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の患者

抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。

  1. 9.1.9高度な消化管狭窄のある患者

本剤は消化管内でほとんど変形しない錠剤であり、他のOROS製剤の投与により、まれに閉塞症状が報告されている。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1中等度から重度の腎機能障害患者

クレアチニン・クリアランス50mL/分未満の腎機能障害患者には投与しないこと。本剤の排泄が遅延し血中濃度が上昇するおそれがある。

  1. 9.2.2軽度の腎機能障害患者

本剤の排泄が遅延し血中濃度が上昇するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

肝障害を悪化させるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで乳汁移行が認められている1)。

9.7 小児等

12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

1日量として3mgから開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では腎機能が低下している可能性がある。また、腎機能障害を有する患者では最高血漿中濃度が上昇し、半減期が延長することがある。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
*アドレナリン
(アナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)
• ボスミン
アドレナリンの作用を逆転させ、血圧降下を起こすことがある。 アドレナリンはアドレナリン作動性α、β受容体の刺激剤であり、本剤のα受容体遮断作用によりβ受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体等) 相互に作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤及びこれらの薬剤の中枢神経抑制作用による。
ドパミン作動薬 相互に作用を減弱することがある。 本剤はドパミン遮断作用を有していることから、ドパミン作動性神経において作用が拮抗する可能性がある。
降圧薬 降圧作用が増強することがある。 本剤及びこれらの薬剤の降圧作用による。
アルコール 相互に作用を増強することがある。 アルコールは中枢神経抑制作用を有する。
カルバマゼピン2) 本剤の血中濃度が低下することがある。 本剤の排泄、代謝を促進し、吸収を低下させる可能性がある。
バルプロ酸3) 本剤の血中濃度が上昇することがある。 機序不明
QT延長を起こすことが知られている薬剤 QT延長があらわれるおそれがある。 QT延長作用が増強するおそれがある。
*アドレナリン含有歯科麻酔剤
• リドカイン・アドレナリン
血圧降下を起こすことがある。 アドレナリンはアドレナリン作動性α、β受容体の刺激剤であり、本剤のα受容体遮断作用によりβ受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されるおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP増加 1〜5%未満
ALT増加 1〜5%未満
AST増加 1〜5%未満
CK増加 5%以上
LDH増加 1〜5%未満
γ-GTP増加 1〜5%未満
アカシジア 1〜5%未満
アナフィラキシー反応 頻度不明
インスリンCペプチド増加 1%未満
グリコヘモグロビン増加 1%未満
ざ瘡 1%未満
ジスキネジア 1〜5%未満
ジストニー 1〜5%未満
セルフケア障害 1%未満
そう痒症 1〜5%未満
てんかん 1%未満
トリグリセリド増加 5%以上
パーキンソニズム 1〜5%未満
パーキンソン歩行 1%未満
ヘマトクリット減少 1%未満
ヘモグロビン減少 1%未満
リビドー減退 1%未満
リンパ球数増加 1%未満
上室性期外収縮 頻度不明
上腹部痛 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
下腹部痛 1%未満
不安 1%未満
不快感 1%未満
不眠症 5%以上
不規則月経 1%未満
乳房分泌 頻度不明
乳房痛 1%未満
乳汁漏出症 1%未満
会話障害(舌の麻痺等) 頻度不明
低ナトリウム血症 1%未満
低体温 1%未満
低蛋白血症 1%未満
低血圧 頻度不明
体位性めまい 1〜5%未満
体温上昇 1%未満
体温低下 1%未満
体重増加 5%以上
体重減少 1〜5%未満
便秘 5%以上
倦怠感 1〜5%未満
健忘 1%未満
傾眠 1〜5%未満
全身性蕁麻疹 1%未満
初期不眠症 1%未満
前立腺炎 1%未満
勃起不全 頻度不明
動悸 1%未満
口内乾燥 頻度不明
口内炎 1%未満
口唇炎 1%未満
口渇 1〜5%未満
右脚ブロック 頻度不明
咳嗽 頻度不明
咽喉頭疼痛 頻度不明
咽頭炎 1%未満
嗜眠 頻度不明
嘔吐 1〜5%未満
嚥下性肺炎 1%未満
嚥下障害 頻度不明
四肢痛 1%未満
回転性めまい 1%未満
多飲症 1〜5%未満
大発作痙攣 頻度不明
失神 頻度不明
女性化乳房 頻度不明
好中球百分率増加 1%未満
好塩基球数増加 1〜5%未満
好酸球数増加 1〜5%未満
好酸球百分率増加 1%未満
妄想 頻度不明
季節性アレルギー 1%未満
寝汗 1%未満
射精障害 1%未満
尿中ウロビリン陽性 1%未満
尿失禁 頻度不明
尿潜血 1〜5%未満
尿糖陽性 1〜5%未満
尿閉 1%未満
左脚ブロック 頻度不明
幻聴 頻度不明
幻覚 1%未満
後弓反張 頻度不明
徐脈 1%未満
心拍数増加 1%未満
心電図QT延長 1%未満
心電図QT補正間隔延長 1〜5%未満
心電図異常 1%未満
性機能不全 頻度不明
悪夢 頻度不明
悪心 1%未満
感覚鈍麻 1〜5%未満
房室ブロック 頻度不明
抑うつ症状 1%未満
振戦 1〜5%未満
排尿困難 1〜5%未満
攻撃性 1%未満
斜頚 頻度不明
易刺激性 1%未満
月経困難症 1%未満
末梢性ニューロパシー 1%未満
末梢性浮腫 1%未満
椎間板突出 1%未満
構語障害 1%未満
構音障害 1%未満
歯痛 1%未満
歯肉炎 1%未満
気道感染 頻度不明
注視麻痺 1〜5%未満
洞性不整脈 頻度不明
洞性徐脈 1%未満
洞性頻脈 1%未満
流涎過多 1〜5%未満
浮動性めまい 1〜5%未満
浮腫 頻度不明
湿疹 1〜5%未満
激越 1%未満
無力症 頻度不明
無月経 1%未満
疲労 頻度不明
痔核 1%未満
痙攣 1%未満
発熱 1〜5%未満
発疹 1%未満
白癬感染 1%未満
白血球数増加 1〜5%未満
皮膚乾燥 1%未満
皮膚剥脱 1%未満
皮膚炎 1%未満
皮膚真菌感染 1%未満
眼球回転運動 頻度不明
眼精疲労 1%未満
眼部不快感 1%未満
睡眠時遊行症 頻度不明
睡眠障害 1%未満
神経因性膀胱 頻度不明
筋固縮 頻度不明
筋拘縮 頻度不明
筋痙縮 頻度不明
筋痛 1%未満
筋緊張亢進 頻度不明
筋骨格痛 頻度不明
筋骨格硬直 1〜5%未満
精神症状 1%未満
精神的機能障害 1%未満
糖尿病 頻度不明
紅色汗疹 1%未満
結膜炎 1%未満
統合失調症の悪化 5%以上
総蛋白減少 1%未満
耳痛 1%未満
耳管障害 1%未満
耳鳴 1%未満
肝機能検査異常 1〜5%未満
肺炎 1%未満
胃不快感 1〜5%未満
胃潰瘍 1%未満
胃炎 1%未満
胃腸障害 1%未満
背部痛 1%未満
胸部不快感 1%未満
脂漏性皮膚炎 1%未満
脂肪肝 1%未満
脂肪腫 1%未満
脾腫 1%未満
腟感染 1%未満
腸管虚血 1%未満
腹痛 1%未満
腹部不快感 頻度不明
自傷行動 1%未満
自殺企図 1%未満
自殺念慮 頻度不明
自殺既遂 頻度不明
舌痛 1%未満
舌腫脹 頻度不明
落ち着きのなさ 1%未満
薬剤離脱症候群 1%未満
虚血 頻度不明
蛋白尿 1〜5%未満
血中インスリン増加 1%未満
血中クレアチニン増加 1%未満
血中コレステロール増加 1〜5%未満
血中ビリルビン増加 1%未満
血中ブドウ糖増加 1〜5%未満
血中プロラクチン増加(35.3%) 5%以上
血中尿素減少 1%未満
血中尿酸増加 1〜5%未満
血中鉄減少 1%未満
血中電解質異常 1%未満
血圧上昇 1〜5%未満
血圧低下 1%未満
血小板数増加 1〜5%未満
血管浮腫 1%未満
被害妄想 頻度不明
誤嚥 1%未満
貧血 1%未満
起立性低血圧 頻度不明
身体妄想 頻度不明
転倒 1%未満
逆むけ 1%未満
逆流性食道炎 1%未満
運動緩慢 1%未満
運動過多 頻度不明
過敏症 頻度不明
過食 1〜5%未満
錐体外路障害 5%以上
鎮静 1%未満
間質性肺疾患 1%未満
関節周囲炎 1%未満
関節痛 1%未満
電解質失調 1%未満
霧視 頻度不明
頚部痛 頻度不明
頭痛 1〜5%未満
頭部動揺 頻度不明
頻尿 頻度不明
頻脈 1〜5%未満
顔面感覚鈍麻 1%未満
食欲不振 1%未満
食欲亢進 1%未満
食欲減退 1%未満
高コレステロール血症 1%未満
高プロラクチン血症 1〜5%未満
高脂血症 1%未満
高血圧 1〜5%未満
鼓腸 頻度不明
鼻出血 頻度不明
鼻咽頭炎 1〜5%未満
鼻炎 1%未満
鼻閉 頻度不明
齲歯 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

主としてドパミンD2受容体拮抗作用及びセロトニン5-HT2A受容体拮抗作用に基づく、中枢神経系の調節によるものと考えられる。

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1抗ドパミン作用

ドパミンD2受容体拮抗作用を有し、ラットでアポモルヒネ又はアンフェタミンにより誘発される興奮や常同行動等の行動変化を用量依存的に抑制した22),23)。

  1. 18.2.2抗セロトニン作用

セロトニン5-HT2A受容体拮抗作用を有し、ラットでトリプタミン又はメスカリンにより誘発される振戦や首振り運動等の行動変化を抑制した22),24),25)。

  1. 18.2.3カタレプシー惹起作用

ラットでのカタレプシー惹起作用は、リスペリドンと同等であった。また、ラットの中脳辺縁系(側坐核)でのドパミンD2受容体に対する占有率は、錐体外路症状との関連が深いとされている線条体での占有率より高い。しかしハロペリドールでは側坐核と線条体で同程度であった。なお、セロトニン5-HT2A受容体拮抗作用が線条体におけるドパミン伝達の遮断を緩和している可能性がある。23),26)

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1健康成人における薬物動態

健康成人に本剤3及び6mgを単回経口投与したときの血漿中パリペリドン濃度は、投与後、内部充填された薬物が浸透圧変化で徐々に放出されることにより緩やかに上昇し、約24時間後にCmaxを示し、20~23時間のt1/2で消失した6)。

健康成人に本剤3及び6mgを単回経口投与したときの血漿中パリペリドン濃度推移[平均値+S.D.]

健康成人に本剤3mgを1日1回7日間反復経口投与したとき、投与開始5日までには定常状態に達した。反復経口投与7日目のAUCτと単回経口投与時のAUC∞とに差がなかったことから、反復投与による薬物動態への影響がないことが示唆された。6)

投与法 Cmax
(ng/mL)
tmaxb)
(hr)
AUC∞
(ng・hr/mL)
t1/2
(hr)
3mg単回投与 6.60±2.19 24.0
(9.0-27.2)
241±84.2 19.6±3.5 e)
6mg単回投与 13.8±8.22 24.0
(6.0-24.1)
565±368 c) 22.9±6.5
3mg反復投与a) 11.8±3.95 12.0
(2.0-24.0)
230±78.2 d) 25.4±3.5

a):反復経口投与7日目、b):中央値(範囲)、c):N=22、d):AUCτ、e):N=24

健康成人において、本剤を単回経口投与したとき、3、6、9及び12mgの範囲で用量比例性が示された。本剤の絶対的生物学的利用率は約28%であり、吸収率も同程度であると考えられた(外国人データ)。7),8)

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事による影響

健康成人を対象に、本剤3mgを空腹時及び食後に単回経口投与したとき、空腹時投与と比較して食後投与ではCmax及びAUC∞が、それぞれ36%及び37%増加した。なお、tmax及びt1/2に食事の影響は認められなかった。9)

16.3 分布

ヒト血漿蛋白結合率:パリペリドン 73.2%(in vitro、平衡透析法、50~250ng/mL)10)

16.4 代謝

ヒト肝試料を用いたin vitro試験成績より、肝での代謝率は低いと推定された11)。 代謝酵素(チトクロームP450)の分子種:CYP3A4及びCYP2D6でわずかに代謝される12)。

16.5 排泄

日本人及び白人健康成人に本剤3及び6mgを単回経口投与したとき、投与後48時間までに尿中に排泄された未変化体は投与量の約9%であった6)。 なお、健康成人に14C-パリペリドン1mg経口液剤を単回投与したとき、投与後7日までに投与放射能の約80%が尿中に、約11%が糞便中に排泄された。また、尿中に排泄された未変化体は投与量の約59%であった(外国人データ)。13)

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害による影響

種々の程度の腎機能障害患者に本剤3mgを単回経口投与したとき、腎機能の低下に伴い、健康成人と比較してCmax及びAUC∞の増加、t1/2の延長、CLRの低下、並びに尿中排泄率の減少が認められた。なお、tmaxに差は認められなかった(外国人データ)。14)

腎機能注) Cmax
(ng/mL)
tmaxa)
(hr)
AUC∞
(ng・hr/mL)
t1/2
(hr)
CL/F
(mL/分)
CLR
(mL/分)
正常
(N=12)
2.63±1.61 20.5
(12.0-26.0)
114±74.0 23.2± 7.8 561±225 70.5±26.8
軽度障害
(N=11)
4.29±2.39 24.0
(12.0-26.0)
169±83.1 23.6± 4.9 433±400 49.2±16.8
中等度障害
(N=12)
6.65±5.46 24.0
(12.0-28.0)
416±444 40.2±18.3 271±253 21.9±11.9 b)
重度障害
(N=10)
5.55±2.81 24.0
(16.0-26.0)
429±247 51.0±15.4 217±261 12.9±9.64

a):中央値(範囲)、b):N=11 注)クレアチニン・クリアランスを腎機能の指標とした軽度[50mL/分以上80mL/分未満]、中等度[30mL/分以上50mL/分未満]及び重度[10mL/分以上30mL/分未満]の腎機能障害患者

  1. 16.6.2肝機能障害による影響

中等度肝機能障害患者(Child-Pughスコア7~9)に本薬1mg(液剤)を単回経口投与したとき、肝機能の低下に伴い、健康成人と比較してCmax及びAUC∞はそれぞれ35%及び27%低下したが、非結合型濃度は同程度であった。なお、重度の肝機能障害患者における検討はなされていない(外国人データ)。15)

  1. 16.6.3高齢者における薬物動態

健康成人及び健康高齢者を対象に、本剤3mgを単回経口投与及び1日1回7日間反復経口投与したとき、健康成人と比較して、健康高齢者ではCmax及びAUCがそれぞれ9~20%及び24~34%増加し、t1/2は27~58%延長した16)(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1カルバマゼピン

統合失調症又は双極Ⅰ型障害患者64例にCYP3A4及びP糖蛋白誘導作用を有するカルバマゼピン(400mg/日反復投与)と本剤(6mg/日反復投与)を21日間併用したとき、パリペリドンのCmax,ss及びAUCτはそれぞれ37.5%及び36.6%減少した2)(外国人データ)。

  1. 16.7.2パロキセチン

健康成人男性60例にCYP2D6阻害作用を有するパロキセチン(20mg/日反復投与)と本剤(3mg単回投与)を併用したとき、パリペリドンのAUC∞は16.48%増加した17)(外国人データ)。

  1. 16.7.3バルプロ酸

健康成人男性24例にバルプロ酸(徐放性製剤として1000mg/日反復投与)と本剤(12mg単回投与)を併用したとき、パリペリドンのCmax及びAUC∞はそれぞれ51.5%及び51.8%増加した3)。また、統合失調症、双極Ⅰ型障害又は統合失調感情障害患者17例にバルプロ酸(徐放性製剤として500~2000mg/日反復投与)と本剤(12mg反復投与)を併用したとき、バルプロ酸の薬物動態に併用の影響は認められなかった18)(外国人データ)。

  1. 16.7.4トリメトプリム

健康成人男性30例に有機カチオントランスポーター阻害作用を有するトリメトプリム(400mg/日反復投与)と本剤(6mg単回投与)を併用したとき、それぞれの薬剤の薬物動態に併用の影響は認められなかった19)(外国人データ)。