Clinical snapshot

イムノブラダー膀注用40mg

乾燥BCG膀胱内用(日本株)

添付文書改訂 2024年04月01日

【警告】

  1. 1.1本剤の臨床試験において、カテーテル挿入等により外傷を生じた後のBCG投与による播種性BCG感染に起因したと考えられる死亡例が認められており、米国においても同様の症例が報告されている。したがって、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)、生検及びカテーテル挿入により外傷を生じた直後には本剤を投与すべきではなく、外傷の治癒の状態を観察しながら、7日から14日間間隔をあけて投与すること。また、本剤の投与は緊急時に十分措置できる医療施設及び膀胱癌の治療に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。

  2. 1.2本剤の臨床試験において、咳嗽及び皮疹等を伴ったアナフィラキシーに起因したと考えられる死亡例が認められているので、このような症状があらわれた場合は本剤の投与を中止し、直ちに抗ヒスタミン剤又はステロイド剤の投与とともに抗結核剤による治療が必要である。

  3. 1.3本剤は生菌製剤であり、米国において院内感染の報告があるので、十分に注意し適切に取扱うこと。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1AIDS、白血病、悪性リンパ腫等併発疾患により免疫抑制状態にある患者及び先天性又は後天性免疫不全の患者[本剤に対する免疫応答が低下するばかりでなく播種性BCG感染を招くおそれがある。]

  2. 2.2HIVキャリアの患者[本剤に対する免疫応答が低下するばかりでなく播種性BCG感染を招くおそれがある。]

  3. 2.3活動性の結核症が明白である患者[重篤な副作用を招くおそれがある。]

  4. 2.4熱性疾患、尿路感染症又は肉眼的血尿が存在している患者[重篤な副作用を招くおそれがある。]

  5. 2.5妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  6. 2.6BCG全身性過敏症反応の既往がある患者[重篤な副作用を招くおそれがある。]

  7. 2.7免疫抑制剤及び免疫抑制量の副腎皮質ステロイド剤を投与中の患者

  8. 2.8抗癌療法(例えば細胞傷害性薬剤療法、放射線照射)中の患者

効能・効果

  • 表在性膀胱癌

  • 膀胱上皮内癌

用法・用量

  • (1)薬剤の調製

  • 〈イムノブラダー膀注用80mg〉

通常、本品1本(80mg)に添付の溶剤(日本薬局方生理食塩液)2mLを加え40mg/mLの懸濁液とする。これに日本薬局方生理食塩液39mLを更に加え均等なBCG希釈液を調製する。

  • 〈イムノブラダー膀注用40mg〉

通常、本品1本(40mg)に添付の溶剤(日本薬局方生理食塩液)1mLを加え40mg/mLの懸濁液とする。これに日本薬局方生理食塩液19.5mLを更に加え均等なBCG希釈液を調製する。

  • (2)投与方法

尿道カテーテルを膀胱内に無菌条件下で挿入し、残尿を排出した後、通常80mgのBCGを含有している希釈液を同カテーテルより膀胱内にできるだけゆっくりと注入し、原則として2時間膀胱内に保持するようにつとめる。これを通常週1回8週間繰り返す。 なお、用量及び回数は症状に応じ適宜増減し、また、投与間隔も必要に応じ延長できることとする。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の使用に際しては、患者又はそれに代わる適切なものに、病状、使用方法及び投与期間、予想される副作用の内容並びに問題ある副作用発生時の担当医師への報告の必要性等についてよく説明し、理解させた後に使用すること。

  2. 8.2本剤の投与に際しては、尿路粘膜を損傷しないように、また、泌尿器系統を汚染しないように注意すること。

  3. 8.3毎回の本剤注入後、副作用による自他覚症状の有無及びその程度について患者を監視しなければならない。

  4. 8.4患者に対し副作用、例えば発熱、悪寒、倦怠感、インフルエンザ様症状、疲労の増強に注意し、もしこれらの症状及び重篤な泌尿器における副作用、例えば灼熱感、排尿痛、尿意ひっ迫、頻尿又は関節痛、咳嗽、皮疹等があらわれた場合には直ちに医師に報告するよう指導すること。

  5. 8.5本剤の使用開始に先立ちツベルクリン反応検査を実施しておくことが望ましい。

  6. 8.6本剤注入後の最初の排尿にあたっては、十分に排尿ができるように座位で排尿させるようにし、また立ちくらみによる事故を避けるため、急激に立ち上がらないようにすることが望ましい。また、本剤注入後の最初の排尿は、適当な容器(蓄尿容器等)に採り、BCG感染のおそれがないよう消毒した後、廃棄すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1結核既往歴のある患者又はツベルクリン反応強陽性の患者

本剤に対する応答が激しくあらわれるおそれがある。

  1. 9.1.2薬剤アレルギーを起こしたことのある患者

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には本剤による治療中は避妊させること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。本剤の動物(ラット)における生殖・発生試験については、妊娠前及び妊娠初期投与試験のみ実施し、特に異常は認められていないが1)、妊婦に対する本剤の膀胱内注入は妊娠の維持にも問題があり好ましくない。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤が母乳中に排泄されるかどうかは知られていないが、多くの薬剤が母乳へ排泄されており、授乳中の乳児が本剤により重篤な副作用を受ける可能性がある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
免疫抑制剤
• シクロスポリン• サンディミュン
• ネオーラル
• タクロリムス• プログラフ
• アザチオプリン• イムラン
• 等免疫抑制量の副腎皮質ステロイド剤
抗癌療法
• (例えば細胞傷害性薬剤療法、放射線照射)
播種性BCG感染を招くおそれがある。本剤の効果が減弱するおそれがある。 免疫抑制的治療により、患者の本剤に対する免疫応答を低下させるばかりでなく、播種性BCG感染を招くおそれがある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗菌性物質製剤 本剤の効果が減弱するおそれがある。他の疾患のため抗菌性物質製剤療法を行っている場合、その療法が終わるまで本剤の投与は延期すべきである。 BCGに対し抗菌作用を示す薬剤との併用は、本剤の作用に影響を及ぼすおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT 頻度不明
AST 頻度不明
BUN上昇 頻度不明
Cl] 頻度不明
K 頻度不明
LDHの上昇] 頻度不明
γ-GTP 頻度不明
ストレス性胃潰瘍による出血 頻度不明
ヘマトクリット減少 頻度不明
下痢 頻度不明
下腹部痛 頻度不明
下腹部重圧感 頻度不明
体熱感 頻度不明
倦怠感 頻度不明
切迫性尿失禁 頻度不明
口内炎 頻度不明
咳嗽 頻度不明
嘔吐 頻度不明
尿沈渣〔白血球〕(59.1%)尿沈渣〔赤血球〕(38.1%)尿蛋白(29.8%)尿潜血(28.7%)尿糖(10.1%) 頻度不明
尿道狭窄 頻度不明
尿道痛 頻度不明
悪寒戦慄 頻度不明
悪心 頻度不明
排尿痛(57.6%)頻尿(56.6%)肉眼的血尿(29.3%)尿混濁(21.2%)膀胱容量減少(18.7%)排尿困難(15.2%) 頻度不明
残尿感 頻度不明
消耗 頻度不明
減少 頻度不明
減少(17.5%)赤血球沈降速度の異常(14.1%) 頻度不明
発熱(33.8%) 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球数の増加 頻度不明
皮疹 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
結膜炎 頻度不明
肝機能検査値異常[Al-P 頻度不明
肝機能障害 頻度不明
肺炎 頻度不明
腰痛 頻度不明
膀胱タンポナーデ(膀胱内血腫による) 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血小板数減少 頻度不明
血清クレアチニン上昇 頻度不明
血清総蛋白低下 頻度不明
血清電解質異常[Na 頻度不明
血色素量減少 頻度不明
衰弱 頻度不明
赤血球数の増加 頻度不明
関節痛 頻度不明
陰茎浮腫 頻度不明
頭痛 頻度不明
頭重感 頻度不明
食欲不振 頻度不明
鼠径部リンパ節腫脹 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

明確な作用機序は未解明であるが、BCGはフィブロネクチンを介して腫瘍細胞内に取り込まれ7)(in vitro)、BCGを取り込んだ腫瘍細胞は直接的に抗原提示細胞として、あるいは間接的にマクロファージに貪食されることにより、BCG抗原及び/又は腫瘍特異抗原をTリンパ球に提示し、Tリンパ球の感作が成立する。細胞傷害性Tリンパ球は標的腫瘍細胞を直接に傷害し、Tリンパ球の産生する種々のサイトカインもまた、腫瘍細胞に傷害的に作用する。また、サイトカインの一部はマクロファージを活性化し、腫瘍細胞の貪食、破壊を効果的に行うようになると考えられる。8)

18.2 抗腫瘍性

各濃度のBCGはMBT-2細胞(マウス膀胱移行上皮癌細胞)と混合移植することによってマウス皮下でのMBT-2細胞の増殖を用量依存的に抑制し、実験終了時に行った組織学的検査で移植局所周囲にマクロファージやリンパ球の浸潤がみられた。9)

薬物動態

16.3 分布

BCGは膀胱内注入の場合、正常な膀胱にはほとんど付着しないが2)(イヌ)、膀胱腫瘍により、あるいは、生検又はカテーテル挿入により損傷を受けた場合は、その損傷の場所に付着し3)(マウス)、そこである程度増殖し、リンパ流を介して所属リンパ節に運ばれ、ある程度増殖し、さらに遠隔リンパ節や臓器に分布すると考えられるが、その間BCGはマクロファージに貪食され、その結果Tリンパ球のBCG抗原特異感作が成立し、リンフォカインを産生放出する。これによって活性化されたマクロファージがBCGを貪食・溶菌・分解するものと考えられる。

16.5 排泄

表在性膀胱癌患者の膀胱内にBCG80mgを注入したとき、大部分は2時間後の尿中に排出されたが、24時間後でもなお排泄が認められた。4)(n=2)