Clinical snapshot

イブリーフ静注20mg

イブプロフェン L-リシン

添付文書改訂 2025年06月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1動脈管依存性の先天性心疾患(肺動脈閉鎖、ファロー四徴症、大動脈縮窄症等)のある患者[これらの患者では、十分な肺又は全身血流確保のために、動脈管の開存が必要であり、本剤による動脈管の閉鎖はこれらの症状を悪化させるおそれがある。]

  2. 2.2重篤な腎機能障害のある患者

  3. 2.3高度の黄疸のある患者[ビリルビンの血中濃度が上昇し、黄疸が悪化するおそれがある。]

  4. 2.4消化管出血のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくとされる胃粘膜防御能の低下により、消化管出血が悪化するおそれがある。]

  5. 2.5壊死性腸炎又はその疑いのある患者[壊死性腸炎が悪化するおそれがある。]

  6. 2.6頭蓋内出血のある患者[頭蓋内出血が悪化するおそれがある。]

  7. 2.7血小板減少症の患者[血小板減少症が悪化するおそれがある。]

  8. 2.8血液凝固障害のある患者[血小板凝集能を抑制するため、血液凝固障害が悪化するおそれがある。]

効能・効果

下記疾患で保存療法(水分制限、利尿剤投与等)が無効の場合

  • 未熟児動脈管開存症

用法・用量

通常3回、イブプロフェンとして初回は10mg/kg、2回目及び3回目は5mg/kgを15分以上かけて24時間間隔で静脈内投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の使用にあたっては、最新の治療ガイドラインを参考にすること。

  2. 8.2新生児医療及び未熟児動脈管開存症患者の管理に習熟した医師が使用するか、又はそれら医師の監督下で使用すること。

  3. 8.3腎障害、尿量減少、重篤な無尿を起こすことがあるので、定期的に腎機能に関する検査を行うこと。

  4. 8.4頭蓋内出血を起こすことがあるので、頭部超音波検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  5. 8.5他のプロスタグランジン合成阻害剤と同時に投与しないこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1総ビリルビンの上昇がみられる患者

黄疸の発現に注意し、慎重に投与すること。イブプロフェンはアルブミン結合部位からビリルビンを置換させることがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎機能障害のある患者

投与しないこと。血管拡張性のプロスタグランジンによって腎血流が維持されている患者では、本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎機能障害が悪化するおそれがある。

相互作用

  • 本剤は主に肝代謝酵素CYP2C9によって代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
利尿剤
• フロセミド、ヒドロクロロチアジド等
利尿作用を減弱させるおそれがある。 本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、水・ナトリウムの体内貯留が生じるためと考えられる。
副腎皮質ステロイド剤
• プレドニゾロン等
消化管出血の発現が高まるおそれがある。 プロスタグランジン合成阻害作用を増強するためと考えられる。
ジギタリス ジギタリスの作用を増強することがある。 本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、ジギタリスの腎排泄が減少するためと考えられる。
抗凝血剤
• ワルファリン等抗血小板剤
• アスピリン等
出血の危険性が増大するおそれがある。 本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、血小板凝集抑制が生じ、相互に作用を増強するためと考えられる。
アミノグリコシド系抗生物質
• ゲンタマイシン等
アミノグリコシド系抗生物質の作用を増強することがある。 本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、アミノグリコシド系抗生物質の腎排泄が減少するためと考えられる。
一酸化窒素 出血の危険性が増大するおそれがある。 本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、血小板凝集抑制が生じ、相互に作用を増強するためと考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
CRP増加 頻度不明
乏尿 頻度不明
代謝性アシドーシス 5%以上
低ナトリウム血症 頻度不明
低血圧 頻度不明
低血糖 5%以上
低酸素症 頻度不明
便潜血陽性 頻度不明
全身性炎症反応症候群 頻度不明
呼吸不全 頻度不明
呼吸窮迫 頻度不明
哺乳障害 頻度不明
好中球減少 頻度不明
尿中血陽性 頻度不明
尿路感染症 頻度不明
尿量減少 5%以上
徐脈 頻度不明
心雑音 頻度不明
抱合ビリルビン増加 頻度不明
敗血症 5%以上
気胸 頻度不明
水頭症 頻度不明
無呼吸 5%以上
甲状腺機能低下症 頻度不明
白血球減少 頻度不明
胃炎 頻度不明
胃食道逆流症 頻度不明
胆汁うっ滞 頻度不明
腎機能障害 5%以上
腹部膨満 頻度不明
血中カルシウム減少 頻度不明
血中クレアチニン増加 5%以上
血中尿素増加 5%以上
血中重炭酸塩減少 頻度不明
血圧上昇 頻度不明
貧血 頻度不明
酸素飽和度低下 頻度不明
頻脈 頻度不明
高ナトリウム血症 頻度不明
高ビリルビン血症 頻度不明
高炭酸ガス血症 頻度不明
高血圧 頻度不明
高血糖 頻度不明
黄疸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤の動脈管閉鎖作用に関する詳細な作用機序は明らかにされていないが、その効果はプロスタグランジンの合成酵素阻害作用によるものであると考えられている。

18.2 早産ヒヒ未熟児動脈管開存症モデルに対する作用

ヒトの未熟児動脈管開存症に類似するとされている早産ヒヒ未熟児動脈管開存症モデルのin vivo試験において、本剤は開存動脈管を閉鎖することが報告されている8)。また、同モデルにおいて、イブプロフェンは全身血圧の上昇、肺体血流量比及び左室拡張末期径の低下を示したことが報告されている9)。

薬物動態

16.1 血中濃度

日本人未熟児動脈管開存症患者に本剤を用法及び用量どおりに投与(イブプロフェンとして初回10mg/kg、2回目及び3回目5mg/kgを24時間間隔で静脈内投与)したとき、1回目投与後1時間における血漿中イブプロフェン濃度は37.0±6.54μg/mL(18例)、2回目及び3回目投与直前における血漿中イブプロフェン濃度はそれぞれ24.3±6.06μg/mL(17例)及び25.5±10.6μg/mL(15例)であった1)。 本剤をイブプロフェンとして初回10mg/kg、2回目及び3回目5mg/kgを24時間間隔で静脈内投与された外国人未熟児動脈管開存症患者54例から得た血漿中イブプロフェン濃度データを用いて、母集団薬物動態解析により薬物動態パラメータを推定した。出生後1日目の患者におけるイブプロフェンのクリアランスは2.96mL/h/kg、分布容積は320mL/kgと推定された。出生後日数はイブプロフェンの薬物動態に有意な影響を及ぼすと推定され、出生後日数を経るに従いクリアランスは増加すると予測された2)。

16.3 分布

新生児血漿を用いたin vitroにおけるイブプロフェンの血漿蛋白結合率は95.0%であった3)。

16.5 排泄

外国人健康成人にイブプロフェンとして200mgを1日3回経口投与したとき、24時間までに尿中に約60%が代謝物(側鎖イソブチル基が酸化されたもの2種、及びそれらの抱合体)として排泄され、未変化体は認められなかった4)。