ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
【警告】
-
1.1本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
-
1.2本剤の投与により間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った例が報告されているので、初期症状(息切れ、咳嗽、発熱等の有無)の確認及び胸部CT検査等の実施など、十分に観察すること。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、治療初期は入院又はそれに準じる管理の下で、間質性肺疾患等の重大な副作用発現に関する観察を十分に行うこと。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはタレトレクチニブとして1日1回600mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
使用上の注意
-
8.1肝不全、肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。
-
8.2間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、咳嗽、発熱等の有無)の確認及び胸部CT検査等の実施など、十分に観察すること。また、患者に対して、初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること。
-
8.3QT間隔延長があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に心電図及び電解質検査(カリウム、マグネシウム、カルシウム等)を行い、患者の状態を十分に確認すること。また、必要に応じて、電解質を補正すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者
間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。
- 9.1.2QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者
QT間隔延長が発現又は悪化するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1中等度以上の肝機能障害のある患者
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。中等度以上(総ビリルビン値が基準値上限の1.5倍超)の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.4 生殖能を有する者
-
9.4.1妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
-
9.4.2男性には、本剤投与中及び最終投与後3週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で臨床曝露量(600mg1日1回)の約0.9倍に相当する量で胎児の骨格異常(骨盤の骨化異常)が認められている。また、動物実験(ウサギ)において臨床曝露量(600mg1日1回)の約0.03倍に相当する量で母動物の死亡及び流産が認められている1) 。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行は不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
- 本剤は、主にCYP3Aによって代謝される。また、CYP1A2に対して誘導作用を示し、CYP2D6、BCRP、MATE1及びMATE2-Kに対して阻害作用を示す。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| • 強い又は中程度のCYP3A阻害剤• イトラコナゾール • エリスロマイシン • フルコナゾール等 • グレープフルーツジュース |
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、やむを得ず併用する場合には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | これらの薬剤等がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| • CYP3A誘導剤• リファンピシン • フェニトイン • カルバマゼピン等 |
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。 | これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
| • プロトンポンプ阻害剤• オメプラゾール • ランソプラゾール • ラベプラゾールナトリウム等 • H2受容体拮抗剤• ファモチジン • シメチジン等 |
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。 | これらの薬剤による胃内pHの上昇により本剤の吸収が低下し、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
| • 制酸剤• 炭酸カルシウム • 水酸化マグネシウム • 水酸化アルミニウム等 |
本剤の有効性が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、本剤との投与間隔を2時間以上あけて投与すること。 | これらの薬剤による胃内pHの上昇により本剤の吸収が低下し、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
| • CYP1A2の基質となる薬剤• カフェイン • テオフィリン • チザニジン等 |
これらの薬剤の有効性が減弱するおそれがある。 | 本剤がCYP1A2誘導作用を有するため、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
| • CYP2D6の基質となる薬剤• デキストロメトルファン • イミプラミン • アミトリプチリン等 |
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤がCYP2D6阻害作用を有するため、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| • BCRPの基質となる薬剤• ロスバスタチン • サラゾスルファピリジン • イマチニブ等 |
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤がBCRP阻害作用を有するため、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| • MATE1及びMATE2-Kの基質となる薬剤• メトホルミン • プロカインアミド • シメチジン等 |
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤がMATE1及びMATE2-K阻害作用を有するため、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| • QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤• クラリスロマイシン • ハロペリドール • メサドン等 |
QT間隔延長作用を増強するおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察すること。 | 本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT増加(66.6%) | 頻度不明 |
| AST増加(69.6%) | 頻度不明 |
| γ-GTP上昇 | 頻度不明 |
| アルブミン尿 | 頻度不明 |
| インフルエンザ様疾患 | 1%未満 |
| ざ瘡様皮膚炎 | 頻度不明 |
| しゃっくり | 1%未満 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| めまい | 頻度不明 |
| リンパ球数減少 | 頻度不明 |
| 上室性期外収縮 | 頻度不明 |
| 上気道感染 | 1%未満 |
| 下痢(60.8%) | 頻度不明 |
| 不眠症 | 頻度不明 |
| 低アルブミン血症 | 頻度不明 |
| 低カリウム血症 | 頻度不明 |
| 低カルシウム血症 | 頻度不明 |
| 低ナトリウム血症 | 頻度不明 |
| 低血圧 | 頻度不明 |
| 体重増加 | 頻度不明 |
| 体重減少 | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 光線過敏性反応 | 頻度不明 |
| 動悸 | 1%未満 |
| 口内乾燥 | 頻度不明 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 口腔咽頭不快感 | 1%未満 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 呼吸困難 | 頻度不明 |
| 咳嗽 | 頻度不明 |
| 咽頭炎 | 1%未満 |
| 喀血 | 1%未満 |
| 喘鳴 | 1%未満 |
| 嘔吐(41.9%) | 頻度不明 |
| 嚥下障害 | 頻度不明 |
| 四肢痛 | 頻度不明 |
| 多汗症 | 1%未満 |
| 好中球数増加 | 頻度不明 |
| 好中球数減少 | 頻度不明 |
| 尿中白血球陽性 | 頻度不明 |
| 尿中蛋白陽性 | 頻度不明 |
| 尿路感染 | 頻度不明 |
| 徐脈 | 頻度不明 |
| 心室性期外収縮 | 1%未満 |
| 心房頻脈 | 1%未満 |
| 悪心(44.4%) | 頻度不明 |
| 手掌・足底発赤知覚不全症候群 | 頻度不明 |
| 排尿困難 | 1%未満 |
| 斑状出血 | 1%未満 |
| 末梢性ニューロパチー | 頻度不明 |
| 注意力障害 | 1%未満 |
| 洞性不整脈 | 1%未満 |
| 洞性頻脈 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 消化不良 | 頻度不明 |
| 消化管運動障害 | 1%未満 |
| 爪の障害 | 1%未満 |
| 疲労 | 頻度不明 |
| 疼痛 | 頻度不明 |
| 発声障害 | 1%未満 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 白内障 | 1%未満 |
| 白血球数増加 | 頻度不明 |
| 白血球数減少 | 頻度不明 |
| 皮膚乾燥 | 頻度不明 |
| 皮膚亀裂 | 1%未満 |
| 皮膚剥脱 | 1%未満 |
| 皮膚炎 | 頻度不明 |
| 皮膚疼痛 | 頻度不明 |
| 皮膚色素過剰 | 頻度不明 |
| 眼球乾燥症 | 1%未満 |
| 神経毒性 | 1%未満 |
| 第一度房室ブロック | 1%未満 |
| 筋力低下 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 筋骨格硬直 | 1%未満 |
| 紅斑 | 1%未満 |
| 耳鳴 | 頻度不明 |
| 肝損傷 | 1%未満 |
| 肺炎 | 頻度不明 |
| 胃炎 | 1%未満 |
| 胃腸障害 | 頻度不明 |
| 胃食道逆流性疾患 | 頻度不明 |
| 胆嚢炎 | 1%未満 |
| 背部痛 | 頻度不明 |
| 胸水 | 1%未満 |
| 胸痛 | 1%未満 |
| 胸部不快感 | 頻度不明 |
| 脱毛症 | 頻度不明 |
| 腋窩痛 | 1%未満 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部膨満 | 頻度不明 |
| 色素沈着障害 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹 | 1%未満 |
| 薬疹 | 1%未満 |
| 蛋白尿 | 頻度不明 |
| 血中ALP増加 | 頻度不明 |
| 血中CPK増加 | 頻度不明 |
| 血中LDH増加 | 頻度不明 |
| 血中クレアチニン増加 | 頻度不明 |
| 血中ビリルビン増加 | 頻度不明 |
| 血中尿素増加 | 頻度不明 |
| 血小板数増加 | 頻度不明 |
| 血小板数減少 | 頻度不明 |
| 血尿 | 頻度不明 |
| 貧血(32.2%) | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 霧視 | 頻度不明 |
| 非心臓性胸痛 | 1%未満 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 食欲減退 | 頻度不明 |
| 高コレステロール血症 | 頻度不明 |
| 高トリグリセリド血症 | 頻度不明 |
| 高尿酸血症 | 頻度不明 |
| 高脂血症 | 頻度不明 |
| 高血圧 | 頻度不明 |
| 高血糖 | 頻度不明 |
| 鼓腸 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
タレトレクチニブは、ROS1等に対するチロシンキナーゼ阻害剤であり、ROS1融合タンパク等のリン酸化を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている18) 。
18.2 抗腫瘍作用
- 18.2.1In vitro
タレトレクチニブは、他のROS1 TKIに耐性となったG2032R、L2026M、L1951R等の変異を有する又は有しないROS1融合タンパクを発現させたマウスpro-B細胞由来Ba/F3細胞株等に対して増殖抑制作用を示した18) 。
- 18.2.2In vivo
タレトレクチニブは、CD74-ROS1融合遺伝子を有する非小細胞肺癌患者由来CTG-0848腫瘍組織片を皮下移植したヌードマウスに対して、腫瘍増殖抑制作用を示した18) 。また、タレトレクチニブは、SDC4-ROS1融合遺伝子を有する非小細胞肺癌患者由来LU-01-0414腫瘍細胞を頭蓋内に移植したヌードマウスにおいて、生存期間の延長を示した18) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回及び反復投与
ROS1融合遺伝子を有する日本人非小細胞肺癌患者に本剤を空腹時1日1回連日21日間反復投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す3) 。
血漿中濃度推移(21日反復投与の1日目)血漿中濃度推移(21日反復投与の15日目)
| 投与量 | Cmax (ng/mL) |
AUCtau (ng・h/mL) |
Tmax(h) | |
|---|---|---|---|---|
| 400mg注2) | 1日目(n=6) | 274±63.1 | 3190±600 | 3.48 (2.15, 5.05) |
| 15日目(n=6) | 481±113 | 9000±2310 | 3.48 (2.02, 5.00) |
|
| 600mg | 1日目(n=6) | 234±114 | 2900±1390 | 2.89 (1.93, 8.00) |
| 15日目(n=6) | 668±105 | 13100±2870 | 5.93 (3.88, 8.00) |
CmaxおよびAUCtauはMean±S.D.、Tmaxは中央値(最小値, 最大値)で示した。
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
健康成人32例に本剤400mg注2)を空腹時及び食後(高脂肪、高カロリー食)に単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与におけるタレトレクチニブのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ1.47及び1.49であった4) (外国人データ)。 進行固形癌患者11例に本剤400mg注2)を空腹時及び食後(低脂肪、低カロリー標準食)に単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与におけるタレトレクチニブのCmax及びAUC0-24hの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ1.45及び1.23であった4) (外国人データ)。
16.3 分布
- 16.3.1分布容積
母集団薬物動態解析により、タレトレクチニブの定常状態での見かけの分布容積(Vss/F)は9820Lと推定された5) 。
- 16.3.2タンパク結合率
タレトレクチニブのヒト血漿タンパク結合率は92.6~96.5%であった5) (in vitro)。
16.4 代謝
CYP3Aがタレトレクチニブの代謝に関与する主要な酵素である(in vitro)。健康成人8例に14C標識-タレトレクチニブ200mg注2)を単回経口投与したとき、血漿中には主にM348(N-脱アルキル化、O-脱アルキル化体のN-アセチル化硫酸抱合体)、未変化体及びM306(N-脱アルキル化、O-脱アルキル化体の硫酸抱合体)が検出された(血漿中総放射能のAUC0-336hに対する割合は、それぞれ40.7、23.2及び16.4%)6) (外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人8例に14C標識-タレトレクチニブ200mg注2)を単回経口投与したとき、糞中には75.1%、尿中には11.1%の放射能が排泄された。糞中に排泄されたM421(水酸化体)及び未変化体の割合は、投与量のそれぞれ30.7及び15.3%であり、尿中に排泄された未変化体の割合は投与量の2.88%であった。また、タレトレクチニブの終末相の半減期は97.9時間であった7) (外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害患者
母集団薬物動態解析により、腎機能が正常な患者(305例)、軽度の腎機能障害患者(84例)及び中等度の腎機能障害患者注3)(16例)の定常状態におけるタレトレクチニブの平均血漿中濃度(幾何平均値)は、それぞれ495、472及び378ng/mLと推定された8) 。
注3)eGFR(mL/min/1.73m2)が90以上では正常、60以上90未満では軽度、30以上60未満では中等度と分類
- 16.6.2肝機能障害患者
母集団薬物動態解析により、肝機能が正常な患者(319例)及び軽度の肝機能障害患者注4)(86例)の定常状態におけるタレトレクチニブの平均血漿中濃度(幾何平均値)は、それぞれ482及び494ng/mLと推定された9) 。
注4)NCI-ODWG(National Cancer Institute-Organ Dysfunction Working Group)基準による分類
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1イトラコナゾール
健康成人27例に、強いCYP3A阻害剤であるイトラコナゾール200mgを1日1回反復投与し、本剤200mg注2)を単回投与したとき、タレトレクチニブのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)[90%信頼区間(CI)]は、それぞれ1.76[1.62, 1.91]及び3.28[2.97, 3.63]であった10) (外国人データ)。
- 16.7.2リファンピシン
健康成人27例に、強いCYP3A誘導剤であるリファンピシン600mgを1日1回反復投与し、本剤200mg注2)を単回投与したとき、タレトレクチニブのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)[90%CI]は、それぞれ0.58[0.50, 0.67]及び0.14[0.13, 0.15]であった11) (外国人データ)。
- 16.7.3オメプラゾール
健康成人22例に、プロトンポンプ阻害剤であるオメプラゾール40mgを1日1回反復投与し、本剤400mg注2)を単回投与したとき、タレトレクチニブのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)[90%CI]は、それぞれ0.35[0.29, 0.42]及び0.60[0.53, 0.67]であった12) (外国人データ)。
-
16.7.4生理学的薬物速度論モデルによるシミュレーション
-
(1)フルコナゾール、ベラパミル
中程度のCYP3A阻害剤であるフルコナゾール又はベラパミルの併用が本剤600mg単回投与の薬物動態に及ぼす影響について、タレトレクチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)は、それぞれフルコナゾール併用で1.24及び1.91、ベラパミル併用で1.51及び2.64と推定された13) 。
- (2)エファビレンツ
中程度のCYP3A誘導剤であるエファビレンツの併用が本剤600mg単回投与の薬物動態に及ぼす影響について、タレトレクチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)は、それぞれ0.60及び0.34と推定された13) 。
- (3)デキサメタゾン
弱いCYP3A誘導剤であるデキサメタゾンの併用が本剤600mg単回投与の薬物動態に及ぼす影響について、タレトレクチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)は、それぞれ0.83及び0.64と推定された13) 。
- (4)カフェイン
本剤600mgをCYP1A2基質であるカフェインと併用投与したとき、単独投与時と比較して本剤併用投与時にカフェインの血中濃度が低下する可能性が示唆された13) 。
- (5)デキストロメトルファン、ロスバスタチン、メトホルミン
本剤600mgをCYP2D6基質であるデキストロメトルファン、BCRP基質であるロスバスタチン、又はMATE1及びMATE2-K基質であるメトホルミンと併用投与したとき、単独投与時と比較して本剤併用投与時にデキストロメトルファン、ロスバスタチン又はメトホルミンの血中濃度が上昇する可能性が示唆された13) 。
-
16.7.5その他
-
(1)健康成人13例に本剤600mgを単回投与(11日目)し、P-gp基質であるジゴキシン0.25mgを単回投与(1及び11日目)したとき、ジゴキシンのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)[90%CI]は、それぞれ1.18[0.98, 1.43]及び1.12[1.04, 1.22]であった14) (外国人データ)。
-
(2)タレトレクチニブはP-gpの基質である15) (in vitro)。
注2)本剤の承認用法用量は600mgを1日1回経口投与である。
薬価情報
YJコードに紐付く薬価基準収載データを年度別に表示します。
| 年度 | 品名 | 規格 | 単位 | 薬価 | 後発品 | 適用日 | 製造販売会社 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026年度 |
イブトロジーカプセル200mg
本剤
4291095M1024
|
200mg1カプセル | 200mg1カプセル | ¥9711.20 | — | — | — |