-
うつ病・うつ状態
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**全般不安症
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者
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2.3重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者
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2.4重度の腎機能障害(糸球体ろ過量15mL/min未満)のある患者又は透析中の患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはベンラファキシンとして1日37.5mgを初期用量とし、1週後より1日75mgを1日1回食後に経口投与する。なお、年齢、症状に応じ1日225mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として75mgずつ行うこと。
使用上の注意
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8.1うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期並びに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。
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8.2不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。
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8.3自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。
-
8.4家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患の悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うように指導すること。
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8.5心拍数増加、血圧上昇、高血圧クリーゼがあらわれることがあるので、本剤投与中は、適宜血圧・脈拍数等を測定し、異常が認められた場合には、減量、休薬又は中止するなど適切な処置を行うこと。
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8.6眠気、めまい等が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。また、患者に、これらの症状を自覚した場合は自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないよう、指導すること。
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8.7投与中止(突然の中止)又は減量により、攻撃性、軽躁、不安、激越、神経過敏、錯乱、睡眠障害、疲労、傾眠、錯感覚、めまい、痙攣、頭痛、感冒様症状、耳鳴、協調運動障害、振戦、発汗、口内乾燥、食欲減退、下痢、悪心、嘔吐、視覚障害等があらわれることが報告されている。投与を中止する場合には、突然の中止を避け、患者の状態を観察しながら徐々に減量すること。
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8.8血清コレステロールの上昇が報告されているので、本剤を長期に投与する場合はコレステロール値の測定を考慮し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1双極性障害患者
躁転、自殺企図があらわれることがある。
- 9.1.2自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者
自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。
- 9.1.3脳の器質的障害又は統合失調症の素因のある患者
精神症状が増悪することがある。
- 9.1.4衝動性が高い併存障害を有する患者
精神症状が増悪することがある。
- 9.1.5てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
痙攣発作を起こすことがある。
- 9.1.6緑内障又は眼内圧亢進のある患者
症状が増悪することがある。
- 9.1.7高血圧又は心疾患のある患者
本剤投与前に適切にコントロールし、定期的に血圧・脈拍数等を測定すること。 心拍数増加、血圧上昇、高血圧クリーゼがあらわれ、症状を悪化させるおそれがある。
- 9.1.8QT延長又はその既往歴のある患者、著明な徐脈や低カリウム血症等がある患者
*QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こす可能性がある。
- 9.1.9出血の危険性を高める薬剤を併用している患者、出血傾向又は出血性素因のある患者
皮膚や粘膜の出血、消化管出血等が報告されており、出血傾向が増強することがある。
- 9.1.10前立腺肥大等排尿困難のある患者
ノルアドレナリン再取り込み阻害作用により症状が悪化することがある。
9.2 腎機能障害患者
本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある。
- 9.2.1重度の腎機能障害(糸球体ろ過量15mL/min未満)のある患者又は透析中の患者
投与しないこと。また、本剤は透析ではほとんど除去されない。
- 9.2.2軽度から中等度の腎機能障害のある患者
9.3 肝機能障害患者
本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある。
- 9.3.1重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者
投与しないこと。
- 9.3.2軽度から中等度の肝機能障害のある患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
-
9.5.1妊娠末期に本剤あるいは他のSSRI、SNRIが投与された女性が出産した新生児において、入院期間の延長、呼吸補助、経管栄養を必要とする、離脱症状と同様の症状が出産直後にあらわれたとの報告がある。
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9.5.2妊娠ラットにベンラファキシン30mg/kg/日(AUCに基づく曝露量比較で臨床曝露量の約0.4倍)を経口投与したとき、胎児の生存率低下及び体重抑制が認められた1)。
-
9.5.3妊娠ラットに活性代謝物であるO-脱メチルベンラファキシン100mg/kg/日(AUCに基づく曝露量比較で臨床曝露量の約1.7倍)を経口投与したとき、受胎能の低下が認められた1)。
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9.5.4妊娠ウサギにベンラファキシンを経口投与した実験で、胎児への移行が認められた2)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラット及びヒトで乳汁中に移行することが報告されている3),4)。
9.7 小児等
-
9.7.1小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。
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9.7.2海外で実施した7~17歳の大うつ病性障害(DSM-Ⅳ注)における分類)患者を対象としたプラセボ対照臨床試験において本剤の有効性が確認できなかったとの報告がある5)。 注)DSM-Ⅳ:American Psychiatric Association(米国精神医学会)のDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th edition(DSM-Ⅳ精神疾患の診断・統計マニュアル)
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9.7.318歳未満の精神疾患を対象としたプラセボ対照試験における、プラセボに対する本剤の自殺行動・自殺念慮のリスク比と95%信頼区間は4.97[1.09, 22.72]であり、本剤投与時に自殺行動・自殺念慮のリスクが増加したとの報告がある6)。
9.8 高齢者
肝機能、腎機能の低下を考慮し、用量等に注意して投与すること。一般的に高齢者では生理機能が低下していることが多い。また、高齢者において低ナトリウム血症及び抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の危険性が高くなることがある。
相互作用
- 本剤は、主として肝代謝酵素CYP2D6及び一部CYP3A4で代謝される。
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤 • セレギリン塩酸塩(エフピー) ラサギリンメシル酸塩(アジレクト) • サフィナミドメシル酸塩(エクフィナ) |
本剤又は他の抗うつ剤で、併用により発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等の症状があらわれることがある。なお、MAO阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合は14日間以上、本剤投与後にMAO阻害剤を投与する場合は7日間以上の間隔をおくこと。 | 主にMAO阻害剤による神経外アミン総量の増加及び抗うつ剤によるモノアミン作動性神経終末におけるアミン再取り込み阻害によると考えられる。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| *アルコール(飲酒) | 本剤投与中は、飲酒を避けることが望ましい。 | 相互に中枢神経抑制作用を増強させる可能性がある。 |
| メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー) | セロトニン症候群があらわれるおそれがある。 | 左記薬剤のMAO阻害作用によりセロトニン作用が増強されると考えられる。 |
| セロトニン作用薬 • 炭酸リチウム、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)及び選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、トラマドール塩酸塩含有製剤、メサドン塩酸塩、ペンタゾシン含有製剤、ペチジン塩酸塩含有製剤、タペンタドール塩酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物含有製剤、フェンタニル含有製剤、トリプタン系薬剤、L-トリプトファン含有製剤、リネゾリド等 |
相互にセロトニン作用を増強することにより、セロトニン症候群等があらわれるおそれがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。 | 本剤はセロトニン再取り込み阻害作用を有するため、併用により、相互にセロトニン作用が増強することがある。 |
| セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等 | 相互にセロトニン作用を増強することにより、セロトニン症候群等があらわれるおそれがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。 | 本剤はセロトニン再取り込み阻害作用を有するため、併用により、相互にセロトニン作用が増強することがある。 |
| セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等 | 本剤及びO-脱メチル体の血中濃度が低下するおそれがあるので注意して投与すること。 | セイヨウオトギリソウが本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導すると考えられる。 |
| アドレナリン、ノルアドレナリン | これらの薬剤(特に注射剤)との併用により、心血管作用(血圧上昇等)が増強することがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。 | 本剤はノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有するため、併用により、アドレナリン作用が増強することがある。 |
| 出血傾向が増強する薬剤 • アスピリン等の非ステロイド系抗炎症剤、ワルファリン等の抗凝固剤 |
出血傾向が増強するおそれがあるので、注意して投与すること。 | SNRIの投与により血小板凝集能が阻害され、これらの薬剤との併用により出血傾向が増強することがある。 |
| ハロペリドール | ハロペリドールの血中濃度が上昇するおそれがあるので、注意して投与すること。 | 機序不明 |
| イミプラミン塩酸塩 | イミプラミンの活性代謝物の血中濃度が上昇するおそれがあるので、注意して投与すること。 | 機序不明 |
| シメチジン | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、注意して投与すること。 | シメチジンの薬物代謝酵素(CYP3A4、CYP2D6)阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇すると考えられる。 |
| CYP3A4阻害剤 • ケトコナゾール、エリスロマイシン、リトナビル等 |
本剤及びO-脱メチル体の血中濃度が上昇するおそれがあるので注意して投与すること。 | CYP3A4阻害剤であるケトコナゾール(経口剤)の併用による本剤の副代謝経路の阻害が報告されている。 |
| メトプロロール酒石酸塩 | メトプロロールの血中濃度が上昇するおそれがあるので注意して投与すること。 | 機序不明 |
| メトプロロール酒石酸塩 | メトプロロールの降圧作用が減弱するおそれがあるので注意して投与すること。 | 本剤のノルアドレナリン再取り込み阻害作用によると考えられる。 |
| インジナビル硫酸塩エタノール付加物 | インジナビルの血中濃度が低下するおそれがあるので注意して投与すること。 | 機序不明 |
| リスペリドン | リスペリドンの血中濃度が上昇するおそれがあるので注意して投与すること。 | 本剤の薬物代謝酵素(CYP2D6)の阻害作用により、リスペリドンの代謝が阻害され、血中濃度が上昇すると考えられる。 |
| QT延長を起こすことが知られている薬剤 | QT延長を起こすおそれがある。 | 併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| アカシジア | 1%未満 |
| あくび | 1%未満 |
| オルガズム障害 | 頻度不明 |
| ジスキネジー | 1%未満 |
| じん麻疹 | 1%未満 |
| せん妄 | 1%未満 |
| そう痒症 | 1%未満 |
| ほてり | 1〜5%未満 |
| ミオクローヌス | 1%未満 |
| リビドー減退 | 1%未満 |
| 下痢 | 1〜5%未満 |
| 不眠症(14.3%) | 5%以上 |
| 低ナトリウム血症 | 1%未満 |
| 体重増加 | 1〜5%未満 |
| 体重減少 | 1〜5%未満 |
| 便秘等)(23.5%) | 5%以上 |
| 倦怠感等) | 5%以上 |
| 傾眠(24.1%) | 5%以上 |
| 光線過敏性反応 | 頻度不明 |
| 出血時間延長 | 頻度不明 |
| 勃起不全 | 1%未満 |
| 動悸(10.8%) | 5%以上 |
| 協調運動障害 | 頻度不明 |
| 口内乾燥(20.3%) | 5%以上 |
| 味覚異常 | 1%未満 |
| 呼吸困難 | 1%未満 |
| 嘔吐 | 5%以上 |
| 失神 | 1%未満 |
| 射精障害 | 1%未満 |
| 尿失禁 | 頻度不明 |
| 平衡障害 | 頻度不明 |
| 幻覚 | 1%未満 |
| 悪寒 | 1%未満 |
| 悪心(28.7%) | 5%以上 |
| 感覚鈍麻等) | 1〜5%未満 |
| 振戦 | 1〜5%未満 |
| 排尿困難 | 5%以上 |
| 散瞳 | 頻度不明 |
| 易刺激性 | 1〜5%未満 |
| 月経障害 | 1%未満 |
| 歯ぎしり | 1%未満 |
| 浮動性めまい(20.1%) | 5%以上 |
| 激越 | 1%未満 |
| 無オルガズム症 | 頻度不明 |
| 無力症(疲労 | 5%以上 |
| 無感情 | 1%未満 |
| 異常な夢(悪夢等) | 1%未満 |
| 異常出血(斑状出血 | 1%未満 |
| 異常感覚(錯感覚 | 1〜5%未満 |
| 発汗(寝汗等) | 5%以上 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 神経過敏 | 頻度不明 |
| 筋痙縮等) | 1〜5%未満 |
| 筋緊張亢進(筋骨格硬直 | 1〜5%未満 |
| 粘膜出血 | 1%未満 |
| 耳鳴 | 1〜5%未満 |
| 肝機能検査値異常(ALT・AST・γ-GTP・LDH・Al-P・血中ビリルビンの上昇等) | 5%以上 |
| 肝炎 | 頻度不明 |
| 胃腸出血等) | 1%未満 |
| 脱毛症 | 1%未満 |
| 腹部不快感(腹痛 | 5%以上 |
| 膨満 | 5%以上 |
| 膵炎 | 頻度不明 |
| 落ち着きのなさ | 1%未満 |
| 血中コレステロール増加 | 1〜5%未満 |
| 血中プロラクチン増加 | 頻度不明 |
| 血圧上昇 | 1〜5%未満 |
| 血圧低下 | 1%未満 |
| 血管性浮腫 | 頻度不明 |
| 視覚障害 | 1%未満 |
| 調節障害 | 5%以上 |
| 起立性低血圧 | 1%未満 |
| 躁病 | 1%未満 |
| 錐体外路障害(ジストニーを含む) | 頻度不明 |
| 錯乱状態 | 頻度不明 |
| 鎮静 | 頻度不明 |
| 閉塞隅角緑内障 | 頻度不明 |
| 離人症 | 頻度不明 |
| 頭痛(15.9%) | 5%以上 |
| 頻尿 | 1〜5%未満 |
| 頻脈 | 1〜5%未満 |
| 食欲減退 | 1〜5%未満 |
| 骨折 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
-
18.1.1本薬及び活性代謝物であるO-脱メチルベンラファキシン(ODV)はin vitroにおいてラット脳シナプトソーム分画におけるセロトニン及びノルアドレナリンの取り込み阻害作用を示し、ドパミンの取り込みに対し弱い阻害作用を示した34)。in vivoにおいてもセロトニン及びノルアドレナリンの取り込み阻害作用を示した35)。
-
18.1.2ラット前頭葉皮質における細胞外セロトニン及びノルアドレナリンの濃度を共に増加させたが、セロトニンの増加は一過性かつ軽度であった35)。
18.2 抗うつ作用
-
18.2.1マウス尾懸垂試験において無動時間を短縮した36)。
-
18.2.2マウス強制水泳試験において無動時間を短縮した37)。
-
18.2.3ラット学習性無力モデルにおいて回避学習改善効果を示した38)。
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18.2.4ラット居住者・侵入者モデルにおいて抗うつ薬様作用を示した39)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人男性に本剤を空腹時単回経口投与したとき、ベンラファキシン未変化体の血漿中濃度は投与6時間後に最高値に達した。本剤の主代謝物であり薬理活性を有するO-脱メチルベンラファキシン(ODV)の血漿中濃度は投与8~10時間後に最高値に達した。未変化体の最高血漿中濃度(Cmax)及び血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC0-∞)は用量比例性を示さなかった10)。
| 投与量 (mg) |
測定物質 | Cmax (ng/mL) |
t1/2 (h) |
AUC0-∞ (ng・h/mL) |
|---|---|---|---|---|
| 37.5 | 未変化体 | 12±7 | 9.3±3.3 | 206±178 |
| ODVa) | 54±6 | 11.8±3.2 | 1316±311 | |
| 75 | 未変化体 | 33±15 | 7.9±2.3 | 505±257 |
| ODVa) | 98±19 | 12.3±2.1 | 2462±391 | |
| 150 | 未変化体 | 89±65 | 9.7±2.5 | 1830±1753 |
| ODVa) | 176±42 | 11.1±2.7 | 4598±995 | |
| 225 | 未変化体 | 101±20 | 7.6±1.6 | 1471±238 |
| ODVa) | 322±22 | 11.7±1.1 | 8254±547 |
a)ベンラファキシン換算 平均値±標準偏差、例数:各用量6例
- 16.1.2反復投与
健康成人男性に本剤を1日1回7日間反復経口投与したとき、未変化体及びODVのいずれも反復投与開始3日目には定常状態に到達した11)。
| 投与量 (mg) |
測定物質 | Cmax(ng/mL) | AUC0-24h(ng・h/mL) | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 1日目 | 7日目 | 1日目 | 7日目 | ||
| 75 | 未変化体 | 38±20 | 46±24 | 485±321 | 630±403 |
| ODVb) | 104±20 | 149±26 | 1732±272 | 2697±430 | |
| 150 | 未変化体 | 108±58 | 143±90 | 1521±1021 | 2186±1680 |
| ODVb) | 196±64 | 276±87 | 3316±1056 | 5237±1728 |
b)ベンラファキシン換算 平均値±標準偏差、例数:各用量6例
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
健康成人男性6例に本剤75mgを空腹時及び食後に単回経口投与し、食事の影響を検討した結果、未変化体及びODVのCmax及びAUCに空腹時投与時と食後投与時の差は認められなかった12)。
16.3 分布
- 16.3.1蛋白結合
ヒト血漿又は血清を用いて平衡透析法により測定したベンラファキシン及びODVの蛋白結合率は、いずれも約30%であった13)。
- 16.3.2乳汁中移行
ベンラファキシン(非徐放化製剤)を服薬中(平均投与量244mg/日)の授乳婦6例の定常状態におけるベンラファキシンとODVの乳汁中濃度は血漿中濃度のそれぞれ2.5倍と2.7倍であった4)(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人男性9例に14C標識ベンラファキシン50mg(非徐放化製剤)を単回経口投与したとき、投与後48時間で総放射能の87%が尿中に排泄され、その内訳は未変化体(4.7%)、ODV(29.4%)、ODVのグルクロン酸抱合体(26.4%)、その他の代謝物(26.5%)であった14)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害患者
腎機能障害患者にベンラファキシン(非徐放化製剤)50mgを単回経口投与したとき、未変化体及びODVのAUC0-∞は腎機能の低下に伴い増大する傾向がみられた15)(外国人データ)。
| 対象 | 例数 | 測定物質 | AUC0-∞ (ng・h/mL) |
CL/Fc) (L/h/kg) |
CLr (mL/h/kg) |
|---|---|---|---|---|---|
| 健康成人 | 18 | 未変化体 | 494±483 | 2.1±1.4 | 73±37 |
| ODV | 2044±880 | 0.36±0.15 | 96±36 | ||
| 軽度腎障害 | 6 | 未変化体 | 458±244 | 2.1±1.8 | 36±12 |
| ODV | 2821±886 | 0.26±0.07 | 65±26 | ||
| 中等度腎障害 | 5 | 未変化体 | 844±839 | 1.3±0.6 | 37±16 |
| ODV | 2047±1045 | 0.46±0.25 | 46±17 |
c)ODVではCL/F/fm 平均値±標準偏差
- 16.6.2肝機能障害患者
Child-PughA又はBの肝機能障害患者にベンラファキシン(非徐放化製剤)を単回経口投与したとき、肝機能がより低い集団で未変化体のAUC0-∞は高い値を示したが、ODVのAUC0-∞には一定の傾向はみられなかった16)(外国人データ)。
| 対象 | 例数 | 投与量 (mg) |
測定物質 | AUC0-∞ (ng・h/mL) |
CL/Fd) (L/h/kg) |
|---|---|---|---|---|---|
| 健康成人 | 20 | 75 | 未変化体 | 769±763 | 2.25±1.75 |
| ODV | 2861±1039 | 0.46±0.53 | |||
| Child-PughA | 8 | 37.5 | 未変化体 | 1823±1265e) | 0.90±0.83 |
| ODV | 4231±2289e) | 0.28±0.09 | |||
| Child-PughB | 11 | 37.5 | 未変化体 | 2407±1874e) | 0.62±0.55 |
| ODV | 2651±977e) | 0.94±2.10 |
d)ODVではCL/F/fm e)投与量を75mgとした場合の換算値として表記 平均値±標準偏差
- 16.6.3CYP2D6遺伝子多型別の薬物動態
CYP2D6の遺伝子型より高代謝型(EM)と低代謝型(PM)に分類された健康成人にそれぞれ本剤75mgを空腹時単回経口投与したとき、未変化体とODVの血漿中濃度はCYP2D6表現型の影響を受けることが示唆された17)(外国人データ)。
| CYP2D6表現型 | 例数 | 測定物質 | Cmax (ng/mL) |
t1/2 (h) |
AUC0-∞ (ng・h/mL) |
|---|---|---|---|---|---|
| EM | 7 | 未変化体 | 40±14 | 10.9±2.4 | 591±246 |
| ODV | 104±27 | 13.6±3.2 | 3078±838 | ||
| PM | 6 | 未変化体 | 99±11 | 12.7±1.8 | 2548±451 |
| ODV | 23±12 | 14.4±3.6 | 844±329 |
平均値±標準偏差
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1ハロペリドール
健康成人25例にベンラファキシン(非徐放化製剤)75mgの1日2回反復経口投与下において、ハロペリドール2mgを併用単回投与し薬物動態を検討した。併用によりハロペリドールのAUCは約70%増加した18)(外国人データ)。
- 16.7.2アルプラゾラム
健康成人16例にベンラファキシン(非徐放化製剤)75mgの1日2回反復経口投与下において、アルプラゾラム2mgを併用単回経口投与し薬物動態を検討した。併用によりベンラファキシンの薬物動態にほとんど影響はみられなかったが、アルプラゾラムのAUCは約30%減少した19)(外国人データ)。
- 16.7.3イミプラミン
デキストロメトルファン(主消失経路はCYP2D6による代謝)及びメフェニトイン(主消失経路はCYP2Cによる代謝)の代謝能が高い健康成人男性27例を2投与群に無作為に割り付け、ベンラファキシン(非徐放化製剤)反復経口投与下において、イミプラミンを併用反復経口投与し薬物動態を検討した。併用によりイミプラミンの薬物動態に影響はみられなかったが、イミプラミンの活性代謝物であるデシプラミンのAUCは35%増加した20)(外国人データ)。
- 16.7.4ケトコナゾール(経口剤は国内未発売)
健康成人(CYP2D6高代謝能群[EM]14例、CYP2D6低代謝能群[PM]7例)にケトコナゾール100mgを12時間毎に4回経口投与し、その3回目にベンラファキシン(非徐放化製剤)をEMには50mg、PMには25mgを併用単回投与し薬物動態を検討した。併用により、EMではベンラファキシン及びODVのAUCが平均でそれぞれ21%、23%増加した。PMでは併用によるベンラファキシンのAUC及びCmaxの変化率の範囲は単独投与時と比較して、それぞれ-1.9%~+206%、-4.8%~+119%であり影響が一貫していなかった21)(外国人データ)。
- 16.7.5シメチジン
健康成人18例にベンラファキシン(非徐放化製剤)50mgを1日3回、シメチジン800mgを1日1回併用反復経口投与し薬物動態を検討した。併用により、ベンラファキシンのAUCは約62%増加したが、ODVには影響を与えず、ベンラファキシンとODVのAUCの合算値としては約13%の増加であった22)(外国人データ)。
- 16.7.6メトプロロール
健康成人18例にベンラファキシン(非徐放化製剤)50mgを1日3回及びメトプロロール100mgを1日1回併用反復経口投与し薬物動態を検討した。併用により、ベンラファキシンの薬物動態にほとんど影響はみられなかったが、メトプロロールのCmaxとAUCはそれぞれ39%と33%増加した23)(外国人データ)。
- 16.7.7リスペリドン
健康成人30例にベンラファキシン(非徐放化製剤)75mgの1日2回反復経口投与下において、リスペリドン1mgを併用単回経口投与し薬物動態を検討した。ベンラファキシンの薬物動態にほとんど影響はみられなかった。併用によりリスペリドンのCmaxは29%増加し、AUCは32%増加したが、リスペリドンの主活性代謝物(9-ヒドロキシリスペリドン)及び総活性体(リスペリドンと9-ヒドロキシリスペリドンの合計)としての影響はわずかであった24)(外国人データ)。
- 16.7.8インジナビル
健康成人9例にベンラファキシン(非徐放化製剤)50mgの1日3回反復経口投与下において、インジナビル800mgを併用単回経口投与し薬物動態を検討した。併用によりベンラファキシンの薬物動態にほとんど影響はみられなかったが、インジナビルのCmaxは36%減少し、AUCは28%減少した。しかし、健康成人12例に本剤75mgを1日1回反復経口投与下において、インジナビル800mgを併用単回経口投与したときの薬物動態に関する報告では、ベンラファキシン及びインジナビルの薬物動態にほとんど影響はみられなかった25),26)(外国人データ)。
- 16.7.9リチウム
健康成人12例にベンラファキシン(非徐放化製剤)50mgを1日3回7日間経口投与後、リチウム600mgを併用単回経口投与し薬物動態を検討した。併用により、リチウムの薬物動態には、ほとんど影響はみられなかった27)(外国人データ)。
- 16.7.10カルバマゼピン
健康成人16例にカルバマゼピン200mgを1日2回単独反復経口投与あるいはベンラファキシン(非徐放化製剤)50mgを1日3回併用反復経口投与し薬物動態を検討した。ベンラファキシンとカルバマゼピンの薬物動態にほとんど影響はみられなかった28)(外国人データ)。
- 16.7.11ジアゼパム
健康成人男性18例にベンラファキシン(非徐放化製剤)50mgを1日3回反復経口投与後、ジアゼパム10mgを併用単回経口投与し薬物動態を検討した。併用により、ベンラファキシンとジアゼパムの薬物動態にほとんど影響はみられなかった29)(外国人データ)。
- 16.7.12トルブタミド
健康成人12例にベンラファキシン(非徐放化製剤)37.5mg又は75mgを1日2回反復経口投与後、トルブタミド500mgを併用単回経口投与し薬物動態を検討した。併用により、ベンラファキシン及びトルブタミドの薬物動態にほとんど影響はみられなかった30)(外国人データ)。