Clinical snapshot

イコサペント酸エチル粒状カプセル900mg「TC」

イコサペント酸エチル

添付文書改訂 2025年09月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1出血している患者(血友病、毛細血管脆弱症、消化管潰瘍、尿路出血、喀血、硝子体出血等)[止血が困難となるおそれがある。]

  2. 2.2ミフェプリストン・ミソプロストールを投与中の患者

効能・効果

  • 閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛および冷感の改善

  • 高脂血症

用法・用量

  • 〈閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛および冷感の改善〉

イコサペント酸エチルとして、通常、成人1回600mgを1日3回、毎食直後に経口投与する。 なお、年齢、症状により、適宜増減する。

  • 〈高脂血症〉

イコサペント酸エチルとして、通常、成人1回900mgを1日2回又は1回600mgを1日3回、食直後に経口投与する。 ただし、トリグリセリドの異常を呈する場合には、その程度により、1回900mg、1日3回まで増量できる。

使用上の注意

  • 〈閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛および冷感の改善〉
  1. 8.1治療にあたっては経過を十分に観察し、本剤で効果がみられない場合には、投与を中止し、他の療法に切り替えること。また、本剤投与中は定期的に血液検査を行うことが望ましい。
  • 〈高脂血症〉
  1. 8.2あらかじめ高脂血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分に考慮すること。

  2. 8.3投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1出血を助長するおそれのある患者

  2. (1)月経期間中の患者

  3. (2)出血傾向のある患者

  4. (3)手術を予定している患者

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• ミフェプリストン・ミソプロストール• メフィーゴパック ミフェプリストン・ミソプロストールによる子宮出血の程度が悪化するおそれがある。 イコサペント酸エチルの抗血小板作用により出血が増強するおそれがある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 抗凝固剤• ワルファリンカリウム 等
• 血小板凝集を抑制する薬剤• アスピリン
• インドメタシン
• チクロピジン塩酸塩
• シロスタゾール 等
出血傾向をきたすおそれがある。 イコサペント酸エチルは抗血小板作用を有するので、抗凝固剤、血小板凝集を抑制する薬剤との併用により相加的に出血傾向が増大すると考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
AST・ALT・Al-P・γ-GTP・LDH・ビリルビンの上昇等の肝機能障害 1〜5%未満
BUN・クレアチニンの上昇 1〜5%未満
CKの上昇 1〜5%未満
ざ瘡 頻度不明
しびれ 1〜5%未満
そう痒感等 1〜5%未満
ふらつき 1〜5%未満
ほてり 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢 1〜5%未満
不眠 頻度不明
便秘 1〜5%未満
全身倦怠感 頻度不明
動悸 1〜5%未満
口内炎 頻度不明
口渇 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
嘔吐 頻度不明
四肢痛 頻度不明
女性化乳房 頻度不明
尿酸上昇 1〜5%未満
悪心 1〜5%未満
歯肉出血 頻度不明
浮腫 1〜5%未満
消化管出血等 頻度不明
発汗 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 1〜5%未満
皮下出血 1〜5%未満
眠気 頻度不明
眼底出血 頻度不明
筋痙攣(こむら返り等) 頻度不明
筋肉痛 頻度不明
耳鳴 頻度不明
胸やけ 1〜5%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部不快感 1〜5%未満
腹部膨満感 1〜5%未満
血圧上昇 頻度不明
血尿 頻度不明
貧血等 頻度不明
関節痛 頻度不明
頭痛・頭重感 1〜5%未満
頻尿 頻度不明
顔面潮紅 頻度不明
食欲不振 頻度不明
鼓腸等 頻度不明
鼻出血 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

EPA-Eは小腸で脱エチル化を受けてEPAに代謝された後、以下の作用を示す10),11),12)。

  • リポ蛋白に取り込まれ、リポ蛋白の代謝を促進する。

  • 肝ミクロソームに取り込まれ、脂質の生合成・分泌を抑制する。

18.2 抗血小板作用

  1. 18.2.1各種血栓性、動脈硬化性疾患患者において、種々の凝集惹起剤による血小板凝集を抑制し、血小板粘着能も同様に抑制する13)。

  2. 18.2.2主として血小板膜リン脂質中のEPA含量を増加させ、血小板膜からのアラキドン酸代謝を競合的に阻害することによりトロンボキサンA2産生を抑制し、血小板凝集を抑制すると考えられる14)。

  3. 18.2.3コラーゲンによる血小板凝集を抑制する14)(ウサギ、ex vivo)。

  4. 18.2.4ウサギにおいて、コラーゲン、ADP、アラキドン酸による血小板凝集を抑制する14)(in vitro)。

  5. 18.2.5ラット胸部大動脈血管壁でのプロスタサイクリン様物質産生の不変ないし増加が認められている15)。

18.3 動脈の伸展性保持作用

  1. 18.3.1高コレステロール食飼育ウサギにおける摘出大動脈の伸展性の低下に対して抑制作用を示し、普通食飼育ウサギの大動脈と同等の伸展性を保つ16)。

  2. 18.3.2高コレステロール食飼育ウサギの胸部大動脈及び大腿動脈の脈波速度(PWV)の増大を抑制し、そのPWV値は普通食飼育ウサギとほぼ同程度である17)。

  3. 18.3.3高コレステロール食飼育ウサギ大動脈の中膜平滑筋細胞密度及びエラスチン含量の低下、並びに平滑筋中の遊離コレステロールの蓄積を抑制する17)。

18.4 各種動脈閉塞性病態モデルに及ぼす作用

経口投与により、アラキドン酸静注による血栓形成に基づく突然死18)(ラット)を抑制し、動静脈シャントの血栓性閉塞18)(ラット)、エラジン酸誘発血栓19)(ウサギ)に対し、血栓形成を抑制する。また、ラウリン酸誘発末梢壊疽19)(ラット)の進行を抑制する。

18.5 血清脂質低下作用

  1. 18.5.1高脂血症患者の血清総コレステロール及び血清トリグリセリドを有意に低下させる13),20),21),22),23),24),25)。

  2. 18.5.2高コレステロール飼料飼育誘発高脂血症動物(ラット、ウサギ)、カゼイン含有飼料誘発あるいはトライトン誘発高脂血症ラット、更には、普通食飼育動物(ラット、ハムスター)において血中脂質低下作用を示す26),27),28)。

  3. 18.5.3ラットに経口投与すると、リポ蛋白中EPA含量が増加し、また、リポ蛋白の血中からの消失が促進される11),12)。

  4. 18.5.4コレステロールの腸管からの吸収抑制、肝での生合成活性抑制、胆汁中への異化排泄促進などの作用を示す11)(ラット)。

  5. 18.5.5トリグリセリドの腸管からの吸収抑制や肝での生合成活性抑制及び肝からの分泌抑制、更には、血漿リポ蛋白リパーゼ(LPL)活性亢進などの作用を示す12),29)(ラット)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1反復投与

健康成人男性各群8例にイコサペント酸エチルカプセルを1回900mg、1日2回(朝・夕)又は1回600mg、1日3回(朝・昼・夕)、食直後に8日間反復経口投与注2)したときの薬物動態は類似しており、血漿中EPAの濃度は投与日数に従い徐々に上昇し、いずれの群においても投与5~6日目に定常状態に達した4)。

  1. 16.1.2生物学的同等性試験

イコサペント酸エチル粒状カプセル900mg「TC」とエパデールS900を、クロスオーバー法によりそれぞれ2包(イコサペント酸エチルとして1,800mg注3))健康成人男子に食後単回経口投与して血漿中イコサペント酸濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された5)。

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-48hr
(μg・hr/mL)
Cmax
(μg/mL)
Tmax(hr) T1/2(hr)
α相 β相
イコサペント酸エチル粒状カプセル900mg「TC」 2458.8±870.2 102.4±36.7 6.5±3.5 12.3±21.5 282.2±1109.8
エパデールS900 2342.9±1020.4 97.8±41.3 7.5±3.5 13.7±33.4 325.7±830.1

(Mean±S.D., n=40)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.3 分布

  1. 16.3.1組織分布

雌雄ラットに14C標識EPA-Eを単回経口投与したときの組織内分布率は、観察期間を通じて肝、白色脂肪、筋肉及び皮膚で高値であった6)。

  1. 16.3.2血漿蛋白結合率

雄ラット及び雄イヌに14C標識EPA-Eを単回経口投与したときの血漿蛋白結合率は、86.7~98.8%及び96.7~98.7%であった6)。

16.5 排泄

雄ラットに14C標識EPA-Eを経口投与したところ、投与168時間までの尿中への排泄は2.7%、糞中へは16.7%であった。なお、呼気中へ放射活性の44.4%が排泄された6)。

注2)閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛および冷感の改善において本剤の承認された用法は、1日3回、毎食直後に経口投与である。

注3)高脂血症において本剤の承認された1回用量は、900mgまでである。