Clinical snapshot

アンヒバ坐剤小児用200mg

アセトアミノフェン

添付文書改訂 2024年07月01日

【警告】

  1. 1.1本剤により重篤な肝機能障害が発現するおそれがあるので注意すること。

  2. 1.2本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するおそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1重篤な肝機能障害のある患者

  2. 2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

小児科領域における解熱・鎮痛

用法・用量

通常、乳児、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10~15mgを直腸内に挿入する。投与間隔は4~6時間以上とし、1日総量として60mg/kgを限度とする。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、成人の用量を超えない。

使用上の注意

  1. 8.1解熱鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。

  2. 8.2急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。

  • 発熱、疼痛の程度を考慮し投与すること。

  • 原因療法があればこれを行うこと。

  1. 8.3過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う高齢者及び小児等又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。

  2. 8.4本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するおそれがあることから、アセトアミノフェンを含む他の薬剤と併用しないよう患者に指導すること。

  3. 8.5アセトアミノフェンの高用量投与により副作用として腹痛・下痢がみられることがある。本剤においても同様の副作用があらわれるおそれがあり、上気道炎等に伴う消化器症状と区別できないおそれがあるので、観察を十分行い慎重に投与すること。

  4. 8.6重篤な肝機能障害が発現するおそれがあるので、長期投与する場合にあっては定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。

  5. 8.7慢性疾患に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外の療法も考慮すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1*血液の異常又はその既往歴のある患者

症状が悪化又は再発を促すおそれがある。

  1. 9.1.2出血傾向のある患者

血小板機能異常が起こることがある。

  1. 9.1.3*心機能異常のある患者

症状が悪化又は心不全が増悪するおそれがある。

  1. 9.1.4*気管支喘息のある患者

症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.5*アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者

アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられ、症状が悪化又は再発を促すおそれがある。

  1. 9.1.6アルコール多量常飲者

肝機能障害があらわれやすくなる。 注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。

  1. 9.1.7絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、脱水症状のある患者

肝機能障害があらわれやすくなる。

  1. 9.1.8感染症を合併している患者

必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。感染症を不顕性化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1*腎機能障害又はその既往歴のある患者

投与量の減量、投与間隔の延長を考慮すること。症状が悪化又は再発を促すおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝機能障害患者

投与しないこと。重篤な転帰をとるおそれがある。

  1. 9.3.2肝機能障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝機能障害のある患者を除く)

肝機能が悪化するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、次のリスクを考慮し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  • 妊娠後期の女性への投与により胎児に動脈管収縮を起こすことがある。

  • 妊娠後期のラットに投与した実験で、弱い胎仔の動脈管収縮が報告されている1)。

注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。 注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。

9.7 小児等

  1. 9.7.1低出生体重児、新生児及び3ヵ月未満の乳児を対象とした有効性・安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

  2. 9.7.2副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。副作用があらわれやすい。

  2. 9.8.2副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。

注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リチウム製剤
• 炭酸リチウム
他の非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン、イブプロフェン等)で、リチウム中毒を呈したとの報告がある。 非ステロイド性消炎鎮痛剤は腎のプロスタグランジン合成を抑制することにより、炭酸リチウムの排泄が減少し、血中濃度が上昇すると考えられている。
チアジド系利尿剤
• ヒドロクロロチアジド等
他の非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)で、チアジド系利尿剤の作用を減弱することが報告されている。 非ステロイド性消炎鎮痛剤は腎のプロスタグランジン合成を抑制して水、塩類貯留が生じ、チアジド系利尿剤の排泄作用に拮抗すると考えられている。
アルコール(飲酒) アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。
注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
アルコール常飲によるCYP2E1の誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
クマリン系抗凝血剤
• ワルファリンカリウム
クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤が血漿蛋白結合部位において競合することで、抗凝血剤を遊離させ、その抗凝血作用を増強させる。
カルバマゼピン
フェノバルビタール
フェニトイン
プリミドン
リファンピシン
イソニアジド
これらの薬剤の長期連用者は、肝機能障害を生じやすくなるとの報告がある。 これらの薬剤の代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
抗生物質、抗菌剤 過度の体温下降を起こす頻度が高くなることから、併用する場合には観察を十分に行い、慎重に投与すること。 機序は不明である。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
チアノーゼ 頻度不明
下痢 頻度不明
便意 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
発疹 頻度不明
血小板減少 頻度不明
軟便 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

シクロオキシゲナーゼ阻害作用はほとんどなく、視床下部の体温調節中枢に作用して皮膚血管を拡張させて体温を下げる。鎮痛作用は視床と大脳皮質の痛覚閾値を高めることによると推定される3)。

18.2 解熱作用

  1. 18.2.138.0℃以上の発熱患児に本剤を投与し体温変化を検討した結果、体温は投与後30分以内に下降し始め、1~2時間後にピークに達し4時間後まで効果が持続した6)。解熱曲線注)本剤の承認された用量は1回10~15mg/kgである。

  2. 18.2.2腸チフス・パラチフスワクチンあるいはリポポリサッカライド発熱ウサギにおいて本剤(200mg)はスルピリン坐剤(200mg)、アスピリン坐剤(200mg)及びインドメタシン坐剤(50mg)とほぼ同等の解熱効果を示した。なお、本剤(200mg)は正常体温に影響を及ぼさなかった7)。

  3. 18.2.3腸チフス・パラチフスワクチン発熱ウサギに対し、本剤32日間連続投与後の解熱効果は単回投与時と変わらなかった7)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人10例に本剤(アセトアミノフェンとして400mg)を直腸内単回投与したときの血漿中未変化体濃度は以下のとおりであった。

直腸内単回投与時の血漿中未変化体濃度推移(平均値±標準誤差)

Cmax(μg/mL) Tmax(hr) AUC0~∞(μg・hr/mL) T1/2(hr)
4.18±0.31 1.60±0.16 20.36±1.75 2.72±0.26

(平均値±標準誤差、n=10)

16.3 分布

  1. 16.3.1ヒト9例にアセトアミノフェン1gを経口投与し、45分後に血液中及び血漿中のアセトアミノフェン濃度を測定したところ、血液/血漿の濃度比は全例でほぼ1(0.95~1.17)であった2)。

  2. 16.3.2イヌにアセトアミノフェン300mg/kgを経口投与したとき、投与2時間後におけるアセトアミノフェンの組織/血漿中濃度比は、ほとんどの組織でほぼ1であった。また、脂肪においては他の組織より低い値であった2)。

  3. 16.3.3血漿蛋白結合率は25~30%であった3)。

16.4 代謝

グルクロン酸抱合及び硫酸抱合により代謝される。

16.5 排泄

8ヵ月~6歳4ヵ月の健康な乳児、幼児及び小児に、本剤(アセトアミノフェンとして1歳未満には50mg、1歳以上には100mg)を直腸内投与し、12時間尿中代謝パターンを検討したところ、未変化体の排泄率は0.9~2.7%であった。代謝物としてグルクロン酸抱合体が3.7~22.4%、硫酸抱合体が16.6~37.8%排泄され、それらを含めた総アセトアミノフェン排泄量は尿全量が採取できた1歳以上の小児で63.5~68.1%であった。