Clinical snapshot

アロキシ静注0.75mg

パロノセトロン塩酸塩

添付文書改訂 2021年05月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)(遅発期を含む)

用法・用量

*通常、パロノセトロンとして0.75mgを1日1回静注又は点滴静注する。 ただし、18歳以下の患者には、通常、パロノセトロンとして20μg/kgを1日1回静注又は点滴静注することとし、投与量の上限は1.5mgとする。

使用上の注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1消化管障害のある患者

本剤投与後観察を十分に行うこと。消化管運動の低下があらわれることがある。

  1. 9.1.2心臓、循環器系機能障害のある患者
  • 〈バッグ〉(生理食塩液に関する注意)

循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  • 〈バッグ〉(生理食塩液に関する注意)

水分、塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

*低出生体重児及び新生児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に生理機能が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP上昇 1%未満
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
LDH上昇 1%未満
QT延長 頻度不明
γ-GTP上昇 頻度不明
アレルギー性皮膚炎 頻度不明
インフルエンザ様症状 頻度不明
しゃっくり 頻度不明
めまい 1%未満
上室性期外収縮 頻度不明
上腹部痛 1%未満
下痢 1%未満
不安 頻度不明
不眠症 頻度不明
乗り物酔い 頻度不明
低カリウム血症 頻度不明
低カルシウム血症 頻度不明
低血圧 1%未満
便秘(17.6%) 頻度不明
倦怠感 1%未満
傾眠 頻度不明
口内乾燥 1%未満
多幸感 頻度不明
尿閉 頻度不明
弱視 頻度不明
徐脈 頻度不明
心筋虚血 頻度不明
悪寒 頻度不明
末梢感覚性ニューロパシー 頻度不明
注射部位反応(疼痛 頻度不明
洞性不整脈 頻度不明
洞性頻脈 頻度不明
消化不良 頻度不明
潮紅 1%未満
無力症 頻度不明
熱感 頻度不明
異常感覚 頻度不明
疲労 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 1%未満
眼刺激 頻度不明
糖尿 1%未満
紅斑) 頻度不明
耳鳴 1%未満
肝機能検査値異常 1%未満
腹痛 頻度不明
腹部膨満 頻度不明
血管痛 頻度不明
過眠症 頻度不明
関節痛 頻度不明
電解質変動 頻度不明
静脈拡張 頻度不明
静脈炎 1%未満
静脈退色 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻脈 頻度不明
食欲不振 頻度不明
食欲減退 頻度不明
高カリウム血症 頻度不明
高ビリルビン血症 頻度不明
高血圧 頻度不明
高血糖 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

5-HT3受容体において選択的な拮抗作用を示す。

18.2 各種受容体との親和性

ヒト5-HT3受容体に対するパロノセトロンのpKi値は10.01であった7)(in vitro)。

18.3 制吐作用

  1. 18.3.1パロノセトロン0.01mg/kgを静脈内投与すると、ダカルバジン、アクチノマイシンD又はメクロレタミン投与により誘発されたイヌの嘔吐を抑制した。また、イヌのシスプラチン誘発性嘔吐を抑制した。その最小有効用量は、0.001mg/kgであった8)。

  2. 18.3.2シスプラチンが誘発するフェレットの嘔吐を、0.001mg/kgから有意に抑制し、0.003mg/kg以上の静脈内投与においてほぼ完全に抑制した8)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1日本人健康成人に静脈内投与したときのパロノセトロンの薬物動態は3~90µg/kg注1)の用量範囲で線形性を示した。
用量 AUC0-inf
(ng・hr/mL)
t1/2
(hr)
CLtot
(mL/min)
Vdβ
(L)
10µg/kg 51.2±9.4 34.1±3.8 214±56 621±126

(平均値±標準偏差, n=6)

  1. 16.1.2日本人成人患者にシスプラチン及びデキサメタゾンの併用下でパロノセトロンを0.75mgの用量で30秒間かけて静脈内投与したとき、血漿中未変化体濃度はほぼ2相性で消失し、最終相の消失半減期は約40時間であった2)。図1 日本人成人患者における静脈内投与後の血漿中パロノセトロン濃度推移 (平均値±標準偏差)
用量 AUC0-inf
(ng・hr/mL)
t1/2
(hr)
CLtot
(mL/min)
Vdβ
(L)
0.75mg 66.4±19.3 41.6±13.1 203±56 695±191

(平均値±標準偏差, n=9)

  1. 16.1.3*18歳以下の日本人患者にデキサメタゾンの併用下でパロノセトロンを20μg/kg の用量で約30秒かけて静脈内投与したとき、薬物動態に年齢層間で顕著な違いはみられなかった。
年齢 AUC0-inf
(ng·hr/mL)
t1/2
(hr)
CLtot
(mL/min/kg)
Vdβ
(L/kg)
生後28日以上2歳未満 93.1±41.3 37.9±8.6 4.37±2.45 14.14±9.07
2~6歳未満 107.7±45.1 32.2±7.7 3.52±1.40 9.24±2.67
6~12歳未満 140.7±30.4 44.7±26.6 2.44±0.50 7.06±1.06
12~18歳 135.4±27.8 33.2±4.2 2.55±0.59 7.27±1.49

(平均値±標準偏差, n=5又は6)

  1. 16.1.4外国人健康成人にパロノセトロン0.25mg注1)を15分間かけて点滴静注したとき、同用量を30秒間かけて静注したときと比べて、Cmaxは約60%に低下したが、AUC0-infは同等であった3)。図2 外国人健康成人に0.25mgの用量で点滴静注又は静注したときの血漿中パロノセトロン濃度推移 (平均値±標準偏差)
投与 Tmax※1
(min)
Cmax※2
(ng/mL)
AUC0-inf※2
(ng・hr/mL)
t1/2※3
(hr)
CLtot※3
(mL/min)
Vdss※3
(L)
点滴静注
(15分間)
15 0.851
(44%)
20.1
(25%)
37.0
(24%)
214
(26%)
611
(24%)
静注
(30秒間)
3 1.38
(60%)
20.3
(21%)
33.3
(30%)
209
(21%)
554
(30%)

(※1中央値、※2幾何平均値又は※3平均値(変動係数)、n=11)

  1. 16.1.5外国人健康成人にパロノセトロン0.25mg注1)を3日間連日で静脈内投与したとき、投与3日目のAUC0-24hrは投与初日に比べて約2.1倍上昇した4)。

  2. 16.1.6外国の臨床試験において、パロノセトロン0.75mgを静脈内投与したとき、軽度、中等度の腎機能障害では薬物動態への明らかな影響は認められなかったが、重度の腎機能障害者では腎機能正常者に比べAUC0-infが1.3倍程度増加した。また、パロノセトロン0.75mgを静脈内投与したとき、肝機能障害はパロノセトロンのAUCに顕著な影響を及ぼさなかった。

16.3 分布

パロノセトロンの血漿蛋白結合率は約62%であった(in vitro)。 有色ラットにおいてパロノセトロン又は代謝物のメラニン含有組織(眼球・皮膚有色部)への高い親和性が認められた。

16.4 代謝

外国の臨床試験において、投与されたパロノセトロンの50%程度は代謝を受け、主代謝物としてN-オキシド体と6-S-ヒドロキシ体を生成した5)。これらの代謝物の5-HT3受容体拮抗作用はパロノセトロンの1%未満であった。この代謝には主にCYP2D6が関与しており、一部はCYP3A4及びCYP1A2も関与していることが示された。外国人健康成人においてCYP2D6活性が欠損又は低い者(PM)と正常な者(EM)との間でパロノセトロンの薬物動態に顕著な違いは見られなかった。

16.5 排泄

外国人健康成人に10µg/kg注1)の14C標識パロノセトロンを静脈内投与したとき、投与後144時間までに投与放射能の約80%が尿中に排泄され、未変化体としての尿中排泄率は約40%であった。また、全身クリアランス160mL/hr/kgに対し、腎クリアランスは66.5mL/hr/kgであった5)。

注1)パロノセトロンの承認用量は0.75mgである。