Clinical snapshot

アラベル内用剤1.5g

アミノレブリン酸塩酸塩

添付文書改訂 2025年08月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤又はポルフィリンに対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2ポルフィリン症の患者[症状を増悪させるおそれがある。]

  3. 2.3妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

悪性神経膠腫の腫瘍摘出術中における腫瘍組織の可視化

用法・用量

通常、成人には、アミノレブリン酸塩酸塩として20mg/kgを、手術時の麻酔導入前3時間(範囲:2〜4時間)に、水に溶解して経口投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤投与後少なくとも48時間は、強い光(手術室の照明、直射日光又は明るい集中的な屋内光等)への眼及び皮膚の曝露を避け、照度500ルクス以下注1)の室内で過ごさせること。

注1)日本産業規格の照明基準総則(JIS Z 9110:2010)では、病院の照度について、病室100ルクス、食堂300ルクス、一般検査室・診察室・薬局500ルクスと規定している。

  1. 8.2肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

  2. 8.3脳の機能的構造に関する深い知識があり、本剤の使用についての十分な知識と悪性神経膠腫の手術の豊富な経験を持つ医師の管理のもとに使用すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心血管系疾患のある患者

収縮期及び拡張期血圧、肺動脈圧並びに肺血管抵抗が低下するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

腎機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.3 肝機能障害患者

肝機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠ラットに投与した場合、胎児の発育遅延が、また、マウス、ラットの妊娠子宮及び胎児に直接光照射した場合、胎児毒性が生じるとの報告がある。

9.6 授乳婦

診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 光線過敏症を起こすことが知られている薬剤:• テトラサイクリン系抗生物質
• スルフォンアミド系製剤
• ニューキノロン系抗菌剤等
光線過敏症を起こすおそれがあるので注意すること。
特に本剤投与後48時間は、左記薬剤の投与又は食品の摂取を可能な限り避けることが望ましい。
本剤は体内で光感受性物質に代謝されるので、左記薬剤との併用又は食品の摂取により光線過敏症が増強されることが考えられる。
• セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 光線過敏症を起こすおそれがあるので注意すること。
特に本剤投与後48時間は、左記薬剤の投与又は食品の摂取を可能な限り避けることが望ましい。
本剤は体内で光感受性物質に代謝されるので、左記薬剤との併用又は食品の摂取により光線過敏症が増強されることが考えられる。
• バルビツール酸系全身麻酔剤:• チオペンタール ポルフィリン合成が促進され、肝障害があらわれるおそれがある。 アミノレブリン酸(5-ALA)合成酵素を誘導し、ヘム生合成を増強する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
LDH増加 頻度不明
リンパ球数減少 頻度不明
下痢 頻度不明
光線性皮膚症 頻度不明
光線過敏性反応 頻度不明
半盲 頻度不明
呼吸不全 頻度不明
嘔吐 頻度不明
失語症 頻度不明
悪寒 頻度不明
悪心 頻度不明
感覚鈍麻 頻度不明
深部静脈血栓症 頻度不明
片麻痺 頻度不明
痙攣 頻度不明
発熱 頻度不明
白血球数増加 頻度不明
紅斑 頻度不明
脳浮腫 頻度不明
血中アミラーゼ増加 頻度不明
血中ビリルビン増加 頻度不明
血小板数減少 頻度不明
血尿 頻度不明
血栓塞栓症 頻度不明
貧血 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 測定法

本剤投与後に体内で代謝されて生成したPPIXが腫瘍組織に集積し、青色光線(400〜410nm)により励起されPPIXが赤色蛍光を発することを利用して、腫瘍組織を可視化する。腫瘍細胞では正常細胞に比べてPPIX生成までの酵素活性が高いこと及びPPIXからヘムを触媒する酵素活性が低いことから、腫瘍細胞では正常細胞に比べてより多くのPPIXが蓄積すると考えられている4),5)。

18.2 腫瘍細胞への蓄積性

  1. 18.2.1悪性腫瘍細胞及び正常細胞を用いた5-ALA添加時のPPIX生成量は、正常細胞に比べて悪性腫瘍細胞では顕著に増加し、高い蓄積が認められている6)(in vitro)。

  2. 18.2.2担癌ウサギに5-ALAを耳静脈内投与した時のPPIXの脳内分布を検討した試験では、白質、灰白質より腫瘍部で多く認められている7)。

薬物動態

16.1 血中濃度

日本人患者6例に本剤20mg/kgを経口投与したときの血漿中未変化体濃度は、投与後0.83時間に最高濃度34.0mg/Lを示し、消失半減期は2.27時間であった。薬物動態パラメータを表1に示した1)。

Cmax
(mg/L)
AUC∞
(mg・h/L)
tmax
(h)
t1/2
(h)
34.0±12.7 77.1±40.7 0.83±0.26 2.27±2.35

(n=6、平均値±標準偏差)

16.3 分布

  1. 16.3.1血漿蛋白結合率

限外ろ過法により測定した5-ALAのヒト血漿蛋白結合率は、500〜5,000μg/Lの濃度で12%であった2)(in vitro)。

16.4 代謝

本剤の投与後、体内でPPIXに代謝される。日本人患者6例に本剤20mg/kgを経口投与したときの血漿中PPIX濃度は本剤投与後6.17時間に最高濃度351μg/Lを示し、消失半減期は4.91時間であった1)。

16.5 排泄

外国健康成人において、本剤投与後12時間までに投与量の30.6%が尿中に排泄された3)。