再発又は難治性の下記疾患
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T細胞急性リンパ性白血病
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T細胞リンパ芽球性リンパ腫
1.1本剤の投与は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して、十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
1.2本剤投与後に、傾眠あるいはより重度の意識レベルの変化、痙攣などの中枢神経障害、しびれ感、錯感覚、脱力及び麻痺などの末梢性ニューロパシー、脱髄、ギラン・バレー症候群に類似する上行性末梢性ニューロパシー等の重度の神経系障害が報告されている。 これらの症状は、本剤の投与を中止しても完全に回復しない場合がある。神経系障害に対しては特に注意深く観察し、神経系障害の徴候が認められた場合には重篤化するおそれがあるので、直ちに投与を中止するなど、適切な対応を行うこと。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
再発又は難治性の下記疾患
T細胞急性リンパ性白血病
T細胞リンパ芽球性リンパ腫
通常、成人には、ネララビンとして1500mg/m2(体表面積)を1日1回2時間以上かけて点滴静注する。これを1、3、5日目に投与し、その後16日間休薬する。21日間を1クールとして、繰り返す。 通常、小児には、ネララビンとして650mg/m2(体表面積)を1日1回1時間以上かけて点滴静注する。これを5日間連日投与し、その後16日間休薬する。21日間を1クールとして、繰り返す。
8.1免疫機能が抑制された患者への生ワクチン接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、本剤投与中に生ワクチンを接種しないこと。
8.2傾眠が発現することがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。
8.3血液障害があらわれることがあるので、血小板を含む全血算を定期的にモニタリングすること。
8.4劇症肝炎、肝機能障害及び黄疸があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと。
神経系障害のリスクが高まるおそれがある。
神経系障害のリスクが高まるおそれがある。
本剤及び本剤の活性代謝物である9-β-D-アラビノフラノシルグアニン(ara-G)は一部腎から排泄されるため、腎機能障害のある患者では血中濃度が上昇するおそれがある。
本剤は主に肝臓で代謝されるため、肝機能障害のある患者では血中濃度が上昇するおそれがある。
9.4.1妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後⼀定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
9.4.2パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後⼀定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。マウスリンパ腫細胞を⽤いたin vitro遺伝⼦突然変異試験において遺伝毒性が報告されている。
9.4.3小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中に本剤を使用するか、本剤を使用中の患者が妊娠した場合は、胎児に異常が⽣じる可能性があることを患者に十分説明すること。動物実験において、妊娠7~19日のウサギに本剤を8時間静脈内持続投与した結果、354mg/m2/日(成人用量の約24%)以上の投与量において、胆嚢無発生、肺分葉異常、胸骨分節の癒合又は過剰及び骨化遅延などの胎児の奇形及び変異の発現が対照群に比べて高い頻度で観察された。また、1180mg/m2/日以上(成人用量の約79%)の投与量においては欠指(第1指)、3540mg/m2/日(成人用量の約2倍)の投与量においては口蓋裂、母動物の体重増加量減少及び胎児体重の低値がみられた。
授乳しないことが望ましい。本剤又は本剤の活性代謝物であるara-Gがヒトの乳汁中に移行するかどうかは不明である。
低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。十分な症例数ではないものの海外臨床試験での探索的な分析の結果、65歳以上で神経系障害の発現率が高い傾向がみられている。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| アデノシンデアミナーゼ阻害剤 • ペントスタチン |
本剤の作用が減弱するおそれがある。なお、併用した場合の安全性は確認されていない。アデノシンデアミナーゼ阻害剤との併用は避けることが望ましい。 | In vitroにおいて併用によりネララビンからara-Gへの変換が阻害されることが示されている。 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| めまい | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 低カリウム血症注1) | 頻度不明 |
| 低カルシウム血症 | 頻度不明 |
| 低マグネシウム血症 | 頻度不明 |
| 低血圧 | 頻度不明 |
| 低血糖症注2) | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 健忘 | 頻度不明 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 呼吸困難 | 頻度不明 |
| 咳嗽 | 頻度不明 |
| 喘鳴 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 四肢痛 | 頻度不明 |
| 平衡障害 | 頻度不明 |
| 心室頻拍 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 振戦 | 頻度不明 |
| 末梢性浮腫 | 頻度不明 |
| 歩行異常 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 無力症 | 頻度不明 |
| 疲労 | 頻度不明 |
| 疼痛 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 筋力低下 | 頻度不明 |
| 筋痛 | 頻度不明 |
| 紅斑 | 頻度不明 |
| 背部痛 | 頻度不明 |
| 胸水 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 血中クレアチニン増加 | 頻度不明 |
| 運動失調 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 霧視 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
ネララビンはアデノシンデアミナーゼによって速やかにara-Gに脱メチル化された後、デオキシグアノシンキナーゼ及びデオキシシチジンキナーゼによって細胞内で5’-一リン酸化体にリン酸化される。5’-一リン酸化体はさらに細胞内で活性5’-三リン酸化体のara-GTPにリン酸化される3)。白血病芽球内にara-GTPが蓄積すると、デオキシリボ核酸(DNA)にara-GTPが優先的に取り込まれ、そのためにDNA合成が阻害されて、最終的に細胞死が誘導される4)。
ネララビンはin vitroの培養系において、ヒトT細胞性白血病細胞株に対して強い細胞障害活性を示した。一方、ヒトB細胞株に対する細胞障害活性は弱かった。ヒトT細胞性白血病細胞株を用いたマウス皮下異種移植モデルにおいて、ネララビンは反復投与により用量依存的な抗腫瘍活性を示した。
| 投与量 | 測定対象 | 評価日 | AUC0-∞ (μM・hr) |
Cmax (μM) |
t1/2 (hr) |
CLa) (L/hr) |
Vssa) (L) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1500mg/m2 | ネララビン | 1日目 | 33 (18-62) |
26 (14-49) |
0.23 (0.16-0.34) |
244 (134-446) |
82 (57-117) |
| 5日目 | 46 (29-71) |
38 (25-57) |
0.22 (0.13-0.38) |
176 (112-278) |
56 (33-98) |
||
| ara-G | 1日目 | 623 (391-992) |
132 (109-160) |
3.0 (2.1-4.2) |
12.9 (8.2-20.3) |
55 (42-73) |
|
| 5日目 | 572 (368-890) |
124 (101-153) |
2.9 (2.0-4.0) |
14.1 (9.3-21.3) |
58 (52-65) |
||
| 1000mg/m2 | ネララビン | 1日目 | 36 (8-156) |
28 (7-118) |
0.30 (0.16-0.59) |
148 (38-582) |
65 (31-138) |
| 5日目 | 30 (9-95) |
23 (8-69) |
0.29 (0.15-0.54) |
180 (60-542) |
75 (32-171) |
||
| ara-G | 1日目 | 441 (263-739) |
87 (65-116) |
3.5 (2.8-4.5) |
12.2 (7.7-19.3) |
62 (31-124) |
|
| 5日目 | 399 (235-677) |
83 (56-123) |
3.4 (1.9-6.2) |
13.5 (8.3-21.9) |
67 (23-197) |
a)ara-GはCL/F及びVss/F
注)本剤の承認用量は1日1回1500mg/m2である。
| 投与量 | 測定対象 | 評価日 | AUC0-∞ (μM・hr) |
Cmax (μM) |
t1/2 (hr) |
CLa) (L/hr) |
Vssa) (L) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 650mg/m2 | ネララビン | 1日目 | 25 (6-104) |
31 (7-131) |
0.25 (0.13-0.47) |
91 (23-360) |
33 (7-151) |
| ara-G | 192 (114-325) |
64 (52-77) |
1.7 (1.3-2.1) |
12.1 (7.9-18.5) |
28.9 (16.6-50.5) |
||
| 400mg/m2b) | ネララビン | 1日目 | 19,-c) | 8.4,23.7 | 0.21,-c) | 86.5,-c) | 26.5,-c) |
| ara-G | 78,140 | 36,45 | 1.9,2.0 | 15.9,11.6 | 43.4,32.9 |
a)ara-GはCL/F及びVss/F,b)n=2のため、個体値を記載,c)Cmaxしか算出できず
注)本剤の承認用量は1日1回650mg/m2である。
図-1 成人における血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)図-2 小児における血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
1500mg/m2の投与1日目における白血病芽球内のara-Gの活性5’-三リン酸化体(細胞内ara-GTP)のCmaxは、投与後3~25時間の間に認められ、細胞内ara-GTPのAUC0-tは2214μM・hrで血漿中ネララビンのAUCよりも124倍高く、血漿中ara-GのAUCよりも4倍高かった。 白血病芽球の細胞内ara-GTP濃度は、長時間にわたって定量可能であった。ネララビンの反復投与により細胞内ara-GTPが蓄積し、1、3、5日目の隔日投与試験における試験3日目の細胞内ara-GTPのCmax及びAUC0-tは、試験1日目の値よりも各々約50%及び約30%高かった。 ネララビン及びara-Gのin vitroでのヒト血漿中蛋白結合率は低く(25%未満)、600μM以下の濃度ではネララビン又はara-Gの濃度に依存しなかった(外国人のデータ)。
ネララビン及びara-Gは、in vitroで、主なヒト肝チトクロームP450(CYP)酵素であるCYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4をいずれも100μMまでの濃度で阻害しなかった。 ネララビンの主要代謝経路はara-Gを生成するアデノシンデアミナーゼによるO-脱メチル化であり、ara-Gは加水分解されてグアニンに代謝される。また、ネララビンの一部は加水分解されてメチルグアニンとなり、さらにO-脱メチル化によってグアニンに代謝される。グアニンはN-脱アミノ化によってキサンチンとなり、さらに酸化されて尿酸に代謝される(外国人のデータ)。
ネララビン及びara-Gの一部は腎を経由して排泄された。成人患者における試験1日目のネララビン投与後24時間のネララビン及びara-Gの尿中排泄率は各々投与量の約5%及び約23%であり、ネララビン及びara-Gの腎クリアランスは各々16.4L/hr及び4.9L/hrであった(外国人のデータ)。
ネララビン及びara-Gの薬物動態に関して性差は認められなかった(外国人のデータ)。
ネララビン及びara-Gの薬物動態に及ぼす年齢の影響は認められなかったが、高齢者では腎機能の低下している場合が多いためara-Gのクリアランスが減少する可能性がある(外国人のデータ)。
腎機能障害患者又は血液透析患者を対象としたネララビン及びara-Gの薬物動態試験は実施されていない。ネララビンの腎からの排泄率は低く(投与量の約5%)、ara-Gとしての腎からの排泄率はこれより高い(ネララビン投与量の約23%)。なお、第Ⅰ相臨床試験で薬物動態を検討した成人及び小児患者をクレアチニンクリアランス(CLcr)概算値に基づいて、腎機能正常の患者(CLcr>80mL/分、n=55)、軽度のCLcr低下患者(CLcr=50~80mL/分、n=11)及び中等度のCLcr低下患者(CLcr<50mL/分、n=2)に三区分すると、腎機能正常の患者と比べて、ara-Gの見かけのクリアランスが、軽度のCLcr低下患者では約7%低く、中等度のCLcr低下患者では約20~40%低かった。なお、CLcrが50mL/分未満の腎機能障害患者への推奨用量のデータは十分に得られていない(外国人のデータ)。
難治性の白血病患者を対象として、ネララビン1200mg/m2投与の4時間前にフルダラビン30mg/m2を30分間持続静注した試験では、12例の白血病患者(解析例)における血漿中ネララビン及びara-G又は白血病細胞内ara-GTPの薬物動態にフルダラビンの影響は認められなかった(外国人のデータ)。