Clinical snapshot

アラセナ−A点滴静注用300mg

ビダラビン

添付文書改訂 2020年05月01日

【警告】

ペントスタチンとの併用により、腎不全、肝不全、神経毒性等の重篤な副作用が発現したとの報告があるので1)、併用しないこと。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2ペントスタチンを投与中の患者

効能・効果

  • 単純ヘルペス脳炎

  • 免疫抑制患者における帯状疱疹

用法・用量

本剤は、通常、5%ブドウ糖注射液または生理食塩液を用いて用時溶解し、輸液500mLあたり2~4時間かけて点滴静注する。

  • 〈単純ヘルペス脳炎〉

ビダラビンとして、通常1日10~15mg/kg、10日間点滴静注する。なお、症状・腎障害の程度により適宜増減する。

  • 〈免疫抑制患者における帯状疱疹〉

ビダラビンとして、通常1日5~10mg/kg、5日間点滴静注する。なお、症状・腎障害の程度により適宜増減する。

(薬液の調製法)

通常、輸液(5%ブドウ糖注射液または生理食塩液)500mLあたり本品1バイアルを溶かして用いる。なお、薬液の調製は次の操作で行う。

(1)輸液用容器より輸液約10mLを取り、本品1バイアルに注入し、約15秒間よく振り混ぜ、本品の懸濁液を調製する。

(2)本品の懸濁液を輸液用容器に戻し、よく振り混ぜ本品の溶解液を調製する。

使用上の注意

骨髄機能抑制等の副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1骨髄機能抑制のある患者

骨髄機能抑制を助長するおそれがある。

  1. 9.1.2膠原病の患者

副作用があらわれやすいとの報告がある。

9.2 腎機能障害患者

排泄能の低下により、本剤の作用が増強することがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形作用が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

  1. 9.7.1低出生体重児、新生児

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

  1. 9.7.2乳児、幼児、小児

必要最小限の使用にとどめるなど、慎重に投与すること。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• ペントスタチン• コホリン 腎不全、肝不全、神経毒性等の重篤な副作用が発現することがある1)。 ペントスタチンが、ビダラビンの代謝に関与するADA(アデノシンデアミナーゼ)酵素の阻害作用を有するため、ビダラビンの血中濃度が高まることによると考えられる2)。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• キサンチンオキシダーゼ阻害作用を有する薬剤• アロプリノール
• フェブキソスタット
精神神経障害、骨髄機能抑制等のビダラビンの副作用を増強するおそれがある。 これらの薬剤が、ビダラビンの主代謝物であるAra-Hxの代謝に関与するキサンチンオキシダーゼの阻害作用を有するため、Ara-Hxの血中濃度が高まることによると考えられる3)。
• エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え) エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)がビダラビンの作用に影響を及ぼすおそれがある。 エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)のADA活性により、ビダラビンが代謝される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-Pの上昇等 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
AST 1〜5%未満
BUN 頻度不明
クレアチニンの上昇等 頻度不明
そう痒感 頻度不明
めまい等 頻度不明
下痢等 1〜5%未満
不眠 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
全身倦怠感 頻度不明
性欲減退 頻度不明
悪心・嘔吐 1〜5%未満
注射部位の疼痛 頻度不明
疼痛 頻度不明
発熱 1〜5%未満
発疹等 1〜5%未満
筋肉痛 頻度不明
頭痛・頭重感 1〜5%未満
食欲不振 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ウイルスのDNA依存DNAポリメラーゼを強力に阻害することにより抗ウイルス作用が発現するものと推察されている8)。

18.2 抗ウイルス作用

  1. 18.2.1In vitroの実験で、ビダラビンは単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、アデノウイルス、ワクチニアウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス等のDNAウイルスに対して強い増殖抑制作用を有するが、インフルエンザウイルス等のRNAウイルスに対する増殖抑制作用は認められていない9),10)。

  2. 18.2.2実験的に感染させた単純ヘルペス脳炎動物(ウサギ、ハムスター)の20日間生存率は無処置群20~40%、ビダラビン投与群90~100%で、ビダラビン投与により生存率が著明に増大した11),12)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男性にビダラビン10mg/kgを3時間で点滴静注したところ、ビダラビンの血漿中濃度は0.2µg/mLであった。また、主代謝物であるAra-Hx(9-β-D-Arabinofuranosyl Hypoxanthine)は点滴開始2時間後に最高(7.2µg/mL)となり、以後漸減して投与終了5時間後には血中から消失した。

16.5 排泄

健康成人男性にビダラビン10mg/kgを点滴静注した結果、投与後24時間までの尿中排泄は未変化体として1.7%、主代謝物であるAra-Hxとして47.5%であった。