Clinical snapshot

アムロジン錠2.5mg

アムロジピンベシル酸塩

添付文書改訂 2026年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

ジヒドロピリジン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 高血圧症

  • 狭心症

用法・用量

  • 〈錠2.5mg、錠5mg、OD錠2.5mg、OD錠5mg〉

  • 高血圧症

通常、成人にはアムロジピンとして2.5~5mgを1日1回経口投与する。 なお、症状に応じ適宜増減するが、効果不十分な場合には1日1回10mgまで増量することができる。 通常、6歳以上の小児には、アムロジピンとして2.5mgを1日1回経口投与する。 なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

  • 狭心症

通常、成人にはアムロジピンとして5mgを1日1回経口投与する。 なお、症状に応じ適宜増減する。

  • 〈錠10mg、OD錠10mg〉

  • 高血圧症

通常、成人にはアムロジピンとして2.5~5mgを1日1回経口投与する。 なお、症状に応じ適宜増減するが、効果不十分な場合には1日1回10mgまで増量することができる。

  • 狭心症

通常、成人にはアムロジピンとして5mgを1日1回経口投与する。 なお、症状に応じ適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

  2. 8.2本剤は血中濃度半減期が長く投与中止後も緩徐な降圧効果が認められるので、本剤投与中止後に他の降圧剤を使用するときは、用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1過度に血圧の低い患者

さらに血圧が低下するおそれがある。

  1. 9.1.2* 心不全のある患者

非虚血性心筋症による重度心不全患者注1) を対象とした海外臨床試験において、プラセボ群と比較して本剤投与群で肺水腫の発現頻度が高かったとの報告がある1)。

注1)本剤の承認された効能又は効果は「高血圧症」及び「狭心症」である。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎機能障害のある患者

降圧に伴い腎機能が低下することがある。

9.3 肝機能障害患者

増量時には慎重に投与すること。高用量(10mg)において副作用の発現頻度が高くなる可能性がある。本剤は主として肝臓で代謝されるため、血中濃度半減期の延長及び血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増大することがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で妊娠末期に投与すると妊娠期間及び分娩時間が延長することが認められている2)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている3)。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

低用量(2.5mg/日)から投与を開始するなど慎重に投与すること。一般に過度の降圧は好ましくないとされている。体内動態試験で血中濃度が高く、血中濃度半減期が長くなる傾向が認められている4)。

相互作用

  • 本剤の代謝には主として薬物代謝酵素CYP3A4が関与していると考えられている。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
降圧作用を有する薬剤 降圧作用が増強されるおそれがある。 相互に作用を増強するおそれがある。
• CYP3A4阻害剤• エリスロマイシン
ジルチアゼム
リトナビル
イトラコナゾール 等
エリスロマイシン及びジルチアゼムとの併用により、本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。 本剤の代謝が競合的に阻害される可能性が考えられる。
• CYP3A4誘導剤• リファンピシン等 本剤の血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の代謝が促進される可能性が考えられる。
グレープフルーツジュース 本剤の降圧作用が増強されるおそれがある。 グレープフルーツに含まれる成分が本剤の代謝を阻害し、本剤の血中濃度が上昇する可能性が考えられる。
シンバスタチン シンバスタチン80mg(国内未承認の高用量)との併用により、シンバスタチンのAUCが77%上昇したとの報告がある。 機序は不明である。
タクロリムス 併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇し、腎障害等のタクロリムスの副作用が発現するおそれがある。併用時にはタクロリムスの血中濃度をモニターし、必要に応じてタクロリムスの用量を調整すること。 本剤とタクロリムスは、主としてCYP3A4により代謝されるため、併用によりタクロリムスの代謝が阻害される可能性が考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
(連用により)歯肉肥厚 1%未満
ALP 1%未満
ALT 1%未満
ASTの上昇 1%未満
BUN上昇 1%未満
CK上昇 1%未満
LDHの上昇 1%未満
γ-GTP上昇 1%未満
クレアチニン上昇 1%未満
しびれ 1%未満
じん麻疹 1%未満
そう痒 1%未満
ヘモグロビン 1%未満
ほてり(熱感 1%未満
めまい・ふらつき 1%未満
下痢・軟便 1%未満
不眠 頻度不明
体重増加 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 1%未満
光線過敏症 1%未満
全身倦怠感 1%未満
勃起障害 頻度不明
動悸 1%未満
口内炎 1%未満
口渇 1%未満
味覚異常 1%未満
呼吸困難 1%未満
1%未満
嘔気・嘔吐 1%未満
多形紅斑 頻度不明
多汗 1%未満
失神 1%未満
女性化乳房 頻度不明
尿中ブドウ糖陽性 1%未満
尿中蛋白陽性 1%未満
尿潜血陽性 1%未満
尿管結石 1%未満
徐脈 頻度不明
心房細動 1%未満
心窩部痛 1%未満
房室ブロック 1%未満
振戦 1%未満
排便回数増加 1%未満
排尿障害 頻度不明
期外収縮 1%未満
末梢神経障害 1%未満
気分動揺 頻度不明
洞停止 1%未満
洞房 1%未満
浮腫注2) 1%未満
消化不良 1%未満
異常感覚 1%未満
疲労 1%未満
疼痛 頻度不明
発熱 1%未満
発疹 1%未満
白血球の減少 1%未満
白血球増加 1%未満
皮膚変色 頻度不明
眠気 1%未満
筋痙攣 1%未満
筋緊張亢進 1%未満
筋肉痛 頻度不明
糖尿病 1%未満
紫斑 1%未満
耳鳴 1%未満
肝機能障害 1%未満
胃腸炎 1%未満
背痛 1%未満
胸痛 1%未満
脱力感 1%未満
脱毛 頻度不明
腹水 頻度不明
腹部膨満 1%未満
膵炎 頻度不明
血中カリウム減少 1%未満
血圧低下 1%未満
血小板減少 頻度不明
血清コレステロール上昇 1%未満
血管性浮腫 頻度不明
血管炎 頻度不明
視力異常 1%未満
赤血球 1%未満
錐体外路症状 頻度不明
関節痛 頻度不明
頭痛・頭重 1%未満
頻尿・夜間頻尿 1%未満
頻脈 1%未満
顔面潮紅等) 1%未満
高血糖 1%未満
黄疸 1%未満
鼻出血 1%未満
鼻炎 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

細胞膜の電位依存性カルシウムチャネルに選択的に結合し、細胞内へのCa2+の流入を減少させて冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩させる。そのカルシウム拮抗作用は緩徐に発現するとともに持続性を示し、また心抑制作用が弱く血管選択性を示すことが認められている26)。

18.2 降圧作用

各種高血圧病態モデル(高血圧自然発症ラット、腎性高血圧イヌ)において、単回投与で血圧下降の発現が緩徐で作用持続時間が長いことが認められており、連続投与でも耐性の発現しないことが認められている27)。また、麻酔又は無麻酔イヌで大腿動脈、冠動脈及び椎骨動脈の血流量を持続的に増加させるとともに、持続的に全末梢血管抵抗を減少させ血圧を下降させることが認められている。

18.3 高血圧に伴う心血管障害への作用

食塩感受性Dahlラットにアムロジピンを10週間以上連続投与することにより、加齢に伴う血圧上昇及び腸間膜動脈の石灰沈着、フィブリン沈着等の血管病変が抑制された28)。 脳卒中易発症高血圧ラットにアムロジピン3mg/kg/日を連続投与することにより、血圧上昇の抑制及び延命効果が認められた。また、心筋の線維化、腎の増殖性動脈炎、糸球基底膜肥厚、尿細管萎縮等の病変の発生も明らかに抑制された29) 。

18.4 抗狭心症作用

麻酔モルモットにおいて、セファデックス冠動脈塞栓による心筋虚血性心電図変化を改善(ST上昇を抑制)することが認められている。また、ラット摘出虚血後再灌流心臓において、収縮力の回復を改善し、組織内Ca2+量の増加を抑制するとともに、組織内ATP量及びクレアチンリン酸量の回復を促進するなどの心筋保護作用が認められている30)。 ネコ血液灌流摘出心臓において、左室dp/dt及び左室収縮期圧は低下し、心筋酸素消費量も減少した31)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人にアムロジン錠又はOD錠をクロスオーバー法にてアムロジピンとして2.5mg又は5mgを単回経口投与した場合の薬物動態は図及び表のとおりであった。血清中アムロジピン濃度は用量に比例して推移し、いずれの投与量においても投与後約6時間で最高血清中濃度に達し、血清中濃度半減期は長かった。また、アムロジンOD錠とアムロジン錠は生物学的に同等であることが確認された。

剤形 アムロジピンとしての投与量
(mg)
Tmax
(hr)
Cmax
(ng/mL)
AUC0~72hr
(ng・hr/mL)
T1/2
(hr)
アムロジンOD錠2.5mg
(24例)
2.5 6.0±0.8 1.13±0.25 37.1±10.2 37.8±6.8
アムロジン錠2.5mg
(24例)
2.5 5.8±1.0 1.23±0.26 38.0±10.1 36.5±4.2
アムロジンOD錠5mg
(23例)
5 5.6±1.0 2.51±0.66 84.3±20.8 36.2±5.0
アムロジン錠5mg
(23例)
5 5.5±1.4 2.81±0.40 84.8±15.0 35.4±7.4

平均値±標準偏差、Tmax:最高血清中濃度到達時間 Cmax:最高血清中濃度、AUC:血清中濃度-時間曲線下面積 T1/2:血清中濃度半減期

健康成人20例(平均年齢32.1歳)にアムロジピンとして10mgを単回経口投与した時の血漿中濃度のTmax、Cmax、AUC0-∞及びT1/2は、それぞれ9.3時間、5.84ng/mL、298ng・hr/mL及び35.1時間であり、外国人と比較した結果、同様であった6)。

  1. 16.1.2反復投与

健康成人6例(平均年齢33.5歳)にアムロジピンとして2.5mgを反復経口投与(1日1回14日間)した場合の血清中アムロジピン濃度は、投与6~8日後に定常状態に達し、以後の蓄積は認められなかった。最終投与日(14日目)のCmax及びAUC0~24hrはそれぞれ3.5ng/mL及び61.8ng・hr/mLであり、初回投与時(1.4ng/mL及び19.3ng・hr/mL)の約3倍であった。投与中止後、血清中濃度は漸減し、投与中止5日目には0.24ng/mLとなった7)。

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人にアムロジピンとして5mgをクロスオーバー法により空腹時又は食後に単回経口投与した場合の薬物動態パラメータに有意差は認められず、アムロジピンの吸収に及ぼす食事の影響は少ないものと考えられる8)。

16.3 分布

  1. 16.3.1血漿蛋白結合率

ヒト血漿蛋白との結合率は97.1%であった(in vitro、平衡透析法)。

16.4 代謝

健康成人16例にアムロジピン5mgを単回経口投与した場合、24時間までに認められた主たる尿中代謝体はジヒドロピリジン環の酸化したピリジン環体及びその酸化的脱アミノ体であった。

16.5 排泄

  1. 16.5.1尿中排泄

健康成人6例にアムロジピンとして2.5mg又は5mgを単回経口投与した場合、尿中に未変化体として排泄される割合は小さく、いずれの投与量においても尿中未変化体排泄率は投与後24時間までに投与量の約3%、144時間までに約8%であった7)。また2.5mgを1日1回14日間連続投与した場合の尿中排泄率は投与開始6日目でほぼ定常状態に達し、6日目以降の1日当たりの未変化体の尿中排泄率は6.3~7.4%であった。 また、健康成人2例に14C-アムロジピン15mgを単回経口投与した場合、投与後12日までに投与放射能の59.3%が尿中に23.4%が糞中に排泄され、投与後72時間までの尿中放射能の9%が未変化体であった。その他に9種の代謝物が認められた9)(外国人データ)。 なお、これら代謝物にはアムロジピンをしのぐ薬理作用は認められていない。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1肝機能障害患者

成人肝硬変患者(Child A、Bクラス)5例にアムロジピンとして2.5mgを単回経口投与した場合の薬物動態は図及び表のとおりであった。健康成人に比較して、投与72時間後の血中濃度が有意に上昇し、T1/2、AUCはやや高値を示したが有意差は認められなかった10)。

Tmax
(hr)
Cmax
(ng/mL)
AUC0~∞
(ng・hr/mL)
T1/2
(hr)
肝機能障害患者 7.2±1.2 1.9±0.2 104.0±15.5 43.0±8.0
健康成人7) 7.3±0.4 1.64±0.07 68.1±5.4 33.3±2.2

平均値±標準誤差 有意差検定:n. s.

  1. 16.6.2小児

高血圧症患者にアムロジピンとして1日1.25~20mg注4) を連続投与した母集団薬物動態試験の結果、クリアランス(平均値)は、6~12歳(34例)で24.9L/hr、13~17歳(28例)で27.9L/hrと推定され、成人における値と同様であった11)(外国人データ)。

注4)小児患者において本剤の承認された1日通常用量は2.5mgである。

  1. 16.6.3高齢者

老年高血圧症患者(男2、女4、平均年齢79.7歳)6例にアムロジピンとして5mgを単回、及び8日間反復経口投与した場合の薬物動態は図及び表のとおりであった。単回投与した場合、若年健康成人(男6、平均年齢22.3歳)に比較してCmax及びAUCは有意に高値を示したが、T1/2に有意差は認められなかった。反復投与時には老年者の血清中アムロジピン濃度は若年者よりも高く推移したが、そのパターンは若年者に類似しており、老年者でその蓄積が増大する傾向は認められなかった4)。

老年高血圧症患者 若年健康成人
単回投与時 反復投与時 単回投与時 反復投与時
Cmax(ng/mL) 4.24±0.08注6) 14.9±2.2注5) 2.63±0.35 7.51±0.32
Tmax(hr) 7.2±0.49 8.0±1.8 6.7±0.42 8.0±0.7
T1/2(hr) 37.5±6.0 47.4±11.3 27.7±4.6 34.7±2.7
AUC0~48hr
(ng・hr/mL)
116.9±8.4注6) 63.2±5.5

平均値±標準誤差

注5)p<0.05(vs 健康成人)

注6)p<0.01(vs 健康成人)