Clinical snapshot

アミティーザカプセル24μg

ルビプロストン

添付文書改訂 2025年10月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1腫瘍、ヘルニア等による腸閉塞が確認されている又は疑われる患者[腸閉塞を悪化させるおそれがある。]

  2. 2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  3. 2.3妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)

用法・用量

通常、成人にはルビプロストンとして1回24μgを1日2回、朝食後及び夕食後に経口投与する。なお、症状により適宜減量する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤による治療により継続的な症状の改善が得られた場合、又は副作用が認められた場合には、症状に応じて減量、休薬又は中止を考慮し、本剤を漫然と継続投与することのないよう注意すること。

  2. 8.2動物実験で胎児喪失が報告されているので、妊娠する可能性のある女性に投与する場合には妊娠検査を行うなど妊娠中でないことを確認すること。また、本剤の妊娠に及ぼす危険性について患者に十分に説明し、服薬中は避妊させること。なお、本剤投与中に妊娠が確認された場合又は疑われた場合には、直ちに医師に連絡するよう、指導すること。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重度の腎機能障害のある患者

本剤又は活性代謝物の血中濃度が上昇するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1中等度又は重度の肝機能障害のある患者

本剤又は活性代謝物の血中濃度が上昇するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[3H]で標識した本剤を用いた動物実験(ラット)で、放射能の胎児への移行が認められている。また、動物実験(モルモット)で胎児喪失が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。[3H]で標識した本剤を用いた動物実験(ラット)で、放射能の乳汁中への移行が報告されている1)。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に生理機能が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ヘモグロビン減少 1%未満
ほてり 1%未満
下痢(30%) 5%以上
不快感 1%未満
低血圧 頻度不明
体位性めまい 1%未満
体重増加 1%未満
倦怠感 1%未満
傾眠 1%未満
出血性胃炎 1%未満
動悸 1〜5%未満
口渇 1%未満
呼吸困難 1〜5%未満
咳嗽 頻度不明
嘔吐 1〜5%未満
四肢不快感 1%未満
回転性めまい 1%未満
失神 1%未満
尿中ブドウ糖陽性 1%未満
心窩部不快感 1%未満
悪心(23%) 5%以上
感覚鈍麻 1%未満
排便回数増加 1%未満
気道過敏症 1%未満
浮動性めまい 1%未満
浮腫 1%未満
消化不良 1%未満
湿疹 1%未満
異常感(気分不良) 1%未満
痔出血 1%未満
痔核 1%未満
発疹 頻度不明
白血球数増加 1%未満
筋骨格硬直 1%未満
紅斑 1%未満
背部痛 1%未満
胸痛 1%未満
胸部不快感(5%) 5%以上
腹痛(6%) 5%以上
腹部不快感 1〜5%未満
腹部膨満 1〜5%未満
血中γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加 1%未満
血中クレアチンホスホキナーゼ増加 1%未満
血中トリグリセリド増加 1%未満
血中ビリルビン増加 1%未満
血中ブドウ糖増加 1%未満
血中リン増加 1%未満
血中尿素増加 1%未満
血圧低下 頻度不明
貧血 1%未満
逆流性食道炎 1%未満
頭痛 1〜5%未満
頻脈 1%未満
食欲減退 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ルビプロストンは、小腸上皮頂端膜(腸管内腔側)に存在するClC-2クロライドチャネルを活性化し、腸管内への水分分泌を促進して便を軟らかくすることにより、腸管内の輸送を高めて排便を促進する。また、その作用は腸管局所にて発現し、吸収された後速やかに代謝される。

18.2 クロライドイオンチャネルに対する作用

ClC-2クロライドイオンチャネルを発現するヒト腸管上皮由来T84細胞株の単層培養標本において、頂端膜側のCl-輸送を促進し、短絡電流を濃度依存的に増加させた14)。

18.3 小腸内輸送改善作用

モルヒネ誘発腸管内輸送能低下マウスモデルにおいて、1μg/kg以上の投与量で小腸におけるグラファイトマーカーの通過時間を短縮した15)。

18.4 腸液分泌促進作用

ラットにおいて、本剤0.5μg/kg及び1μg/kgで小腸内液量が増加した16)。また、3H2Oを静脈内投与したラットにおいて、本剤10μg/kgで小腸内腸液中の放射能が増加したことから、粘膜側への水分移行が亢進したことが示唆された17)。

18.5 血清中電解質濃度に対する作用

ラットにて腸液分泌を十分に促進する投与量において、血清中のNa+、K+、Cl-濃度には影響が認められなかった18)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人に本剤24、48、72μgを単回経口投与したとき、血漿中の未変化体濃度はいずれも定量下限(10pg/mL)未満であった。また、活性代謝物である15-ヒドロキシ体のCmax及びAUCは以下の表のとおりであった2)。

投与群 例数 Cmax(pg/mL) AUCt(pg・h/mL)
24μg群 5 21.2±9.6 10.9±9.4
48μg群 8 38.6±19.4 35.6±17.4
72μg群 8 53.1±30.2 66.0±58.1

平均値±標準偏差

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

本剤の体内動態に及ぼす食事の影響について72μgの[3H]で標識した本剤を用いて健康成人で検討した。その結果、摂食時及び空腹時ともに血漿中に未変化体はほとんど認められなかった。[3H]で標識した本剤を高脂肪食とともに投与したときの放射能のCmaxは、空腹時投与と比較して55%低下したが、AUC∞には変化が見られなかった3)(外国人データ)。

16.3 分布

[3H]で標識した本剤をラットに経口投与したとき、消化管、肝、腎組織等へ分布し、投与後48時間ではいずれの組織においても低濃度であった4)。

16.4 代謝

ヒト及び動物(マウス、ラット、ウサギ、イヌ及びサル)の試験結果から、本剤は15位の還元、α鎖のβ酸化、ω鎖のω酸化によって速やか、かつ広範に代謝を受けることが示された。本剤と同様に薬理作用を有する代謝物(15-ヒドロキシ体)への代謝はカルボニル還元酵素が関与している可能性が示唆され、また、動物実験から、血液中に未変化体は検出されず、検出されるほとんどが非活性の代謝物であることが示された。マスバランス試験(外国人データ)の結果から、ヒトでは主にM3(15-ヒドロキシ体)及びM14(19-カルボキシ-15-ヒドロキシ-2,3,4,5,20-ペンタノル体)が代謝物として認められた。なお、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験の結果から、CYP2A6を阻害する可能性が示された5),6)。

16.5 排泄

健康成人に72μgの[3H]で標識した本剤を単回経口投与したとき、総投与放射能の60.7%が投与後24時間後までに尿中に排泄され、投与後168時間までに62.9%が尿中に、31.9%が便中に排泄され、合わせて94.8%が回収された7)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

血液透析を必要とする重度の腎機能障害のある患者に対して本剤24μgを単回経口投与し、健康成人と薬物動態パラメータを比較した。その結果、いずれの群ともに血中未変化体濃度は定量下限(10pg/mL)未満であった。また、重度の腎機能障害のある患者ではM3のCmax、及びAUCtは健康成人に比し、それぞれ25%及び12%高かった8)(外国人データ)。

  1. 16.6.2肝機能障害患者

中等度又は重度(Child-Pugh分類クラスB又はC)の肝機能障害患者に本剤24μgを単回経口投与し、健康成人と薬物動態パラメータを比較した。その結果、未変化体はほとんどの患者において定量下限(10pg/mL)未満であった。また、M3のCmax、AUCtは、健康成人に比し、中等度肝機能障害患者ではそれぞれ66%及び119%、重度肝機能障害患者では、それぞれ183%及び521%高かった9)(外国人データ)。