-
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
-
神経内分泌腫瘍
-
手術不能又は再発乳癌
-
結節性硬化症
【警告】
-
1.1本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性(特に、間質性肺疾患の初期症状、服用中の注意事項、死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
-
1.2本剤の投与により、間質性肺疾患が認められており、死亡に至った例が報告されている。投与に際しては咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状に注意するとともに、投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施すること。また、異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに、投与継続の可否について慎重に検討すること。
-
1.3肝炎ウイルスキャリアの患者で、本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り、死亡した例が報告されている。本剤投与期間中又は治療終了後は、劇症肝炎又は肝炎の増悪、肝不全が発現するおそれがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。
-
1.4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので、切り換えに際しては、血中濃度を測定すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
-
2.1本剤の成分、シロリムス又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者
-
2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性
-
2.3生ワクチンを接種しないこと
効能・効果
用法・用量
- 〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、神経内分泌腫瘍〉
通常、成人にはエベロリムスとして1日1回10mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
- 〈手術不能又は再発乳癌〉
内分泌療法剤との併用において、通常、成人にはエベロリムスとして1日1回10mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
- 〈結節性硬化症〉
成人の結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合 通常、エベロリムスとして1日1回10mgを経口投与する。なお、患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する。 上記以外の場合 通常、エベロリムスとして3.0mg/m2を1日1回経口投与する。なお、患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する。
使用上の注意
- 8.1間質性肺疾患があらわれることがあるので、投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意すること。また、患者に対し、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には、直ちに連絡するよう指導すること。
-
投与開始前 胸部CT検査を実施し、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状の有無と併せて、投与開始の可否を慎重に判断すること。
-
投与開始後 定期的に胸部CT検査を実施し、肺の異常所見の有無を慎重に観察すること。 なお、小児に対する胸部CT検査の実施に際しては、診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること。
-
8.2本剤投与により、肝炎ウイルス、結核等が再活性化することがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス、結核等の感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置をしておくこと。本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること。
-
8.3重篤な腎障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン、BUN等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと。
-
8.4高血糖があらわれることがあるので、投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うこと。また、本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと。
-
8.5ヘモグロビン減少、リンパ球減少、好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと。
-
8.6心嚢液貯留があらわれることがあるので、使用に際しては心電図、心エコー、胸部X線検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1肺に間質性陰影を認める患者
間質性肺疾患が発症、重症化するおそれがある。
- 9.1.2感染症を合併している患者
免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある。
- 9.1.3肝炎ウイルス、結核等の感染又は既往を有する患者
免疫抑制により肝炎ウイルス、結核等が再活性化することがある。また、B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。
9.3 肝機能障害患者
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。また、結節性硬化症患者では、本剤の血中トラフ濃度に基づいて投与量を調節すること。本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性には、本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット及びウサギ)で胚・胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
- 〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、神経内分泌腫瘍、手術不能又は再発乳癌〉
- 9.7.1小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 〈結節性硬化症〉
- 9.7.2低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
相互作用
- 本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され、腸管に存在するCYP3A4によっても代謝される。また、本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため、本剤経口投与後の吸収と消失は、CYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられる。 CYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については、他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮し、CYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けること。また、結節性硬化症患者では、当該薬剤を併用したり中止する場合は、必ず本剤の血中トラフ濃度を測定し、投与量を調節すること。
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等) | 免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと。 | 免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわす可能性がある。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| リファンピシン リファブチン |
本剤の血中濃度が低下することがあるので、併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用すること。やむを得ず併用する場合には、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。 | これらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。 |
| 抗てんかん剤 • フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 • エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 • デキサメタゾン プレドニゾロン等 |
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。併用する場合には、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。 | これらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。 |
| アゾール系抗真菌剤 • イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等 |
本剤の血中濃度が上昇することがあるので、併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用すること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 | 代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。 |
| マクロライド系抗生物質 • エリスロマイシン クラリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 • ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 • ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等 |
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 | 代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。 |
| オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル | 本剤のAUCが27倍、Cmaxが4.7倍に上昇したとの報告がある。やむを得ない場合を除き併用は避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 | リトナビルのCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。 |
| 不活化ワクチン • 不活化インフルエンザワクチン等 |
ワクチンの効果が得られないおそれがある。 | 免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある。 |
| セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 | セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。 |
| グレープフルーツジュース | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤服用時は飲食を避けること。 | グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる。 |
| シクロスポリン | 本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある。併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 | 代謝酵素(CYP3A4等)の競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。 |
| ミダゾラム(経口剤:国内未販売)等 | ミダゾラム(経口剤:国内未販売)との併用により、ミダゾラムのCmax が25%、AUCが30%上昇したとの報告がある。 | 本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ― | 頻度不明 |
| ― | 1%未満 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 1%未満 |
| ALPの増加 | 頻度不明 |
| ALT | 頻度不明 |
| APTT延長 | 1%未満 |
| AST | 頻度不明 |
| LDH増加 | 頻度不明 |
| γ-GTP | 頻度不明 |
| うっ血性心不全 | 1%未満 |
| ざ瘡 | 頻度不明 |
| ざ瘡様皮膚炎 | 頻度不明 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| メレナ | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 不眠症 | 頻度不明 |
| 不規則月経 | 頻度不明 |
| 丘疹 | 頻度不明 |
| 低カリウム血症 | 頻度不明 |
| 低リン酸血症 | 頻度不明 |
| 低比重リポ蛋白(LDL)増加 | 頻度不明 |
| 低血糖症 | 1%未満 |
| 体重減少 | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 全身性皮疹 | 頻度不明 |
| 出血(膣出血 | 頻度不明 |
| 卵巣嚢胞 | 1%未満 |
| 卵胞刺激ホルモン増加) | 1%未満 |
| 口内乾燥 | 頻度不明 |
| 味覚消失 | 1%未満 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 呼吸困難 | 頻度不明 |
| 咳嗽 | 頻度不明 |
| 咽頭の炎症 | 1%未満 |
| 喀血 | 1%未満 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 嚥下障害 | 1%未満 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 手足症候群 | 頻度不明 |
| 攻撃性 | 1%未満 |
| 斑状丘疹状皮疹 | 頻度不明 |
| 斑状皮疹) | 頻度不明 |
| 易刺激性 | 1%未満 |
| 昼間頻尿 | 1%未満 |
| 月経遅延 | 1%未満 |
| 月経過多 | 1%未満 |
| 歩行障害 | 1%未満 |
| 歯肉炎 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 消化不良 | 頻度不明 |
| 激越 | 1%未満 |
| 無力症 | 頻度不明 |
| 無月経 | 頻度不明 |
| 無精子症 | 1%未満 |
| 爪の障害 | 頻度不明 |
| 男性性腺機能低下(テストステロン減少 | 1%未満 |
| 疲労 | 頻度不明 |
| 痙攣 | 1%未満 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹(紅斑 | 頻度不明 |
| 白血球破砕性血管炎 | 頻度不明 |
| 皮膚乾燥 | 頻度不明 |
| 粘膜の炎症 | 頻度不明 |
| 結膜炎 | 頻度不明 |
| 網膜出血 | 頻度不明 |
| 胃炎 | 1%未満 |
| 胃腸潰瘍 | 1%未満 |
| 胸痛 | 1%未満 |
| 脱水 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 蛋白尿 | 頻度不明 |
| 血中IgG減少 | 頻度不明 |
| 血中アルブミン減少 | 1%未満 |
| 血中カリウム増加 | 頻度不明 |
| 血中クレアチニン増加 | 頻度不明 |
| 血中ビリルビン増加 | 1%未満 |
| 血中フィブリノーゲン減少 | 1%未満 |
| 血尿等)注) | 頻度不明 |
| 血管浮腫 | 1%未満 |
| 鉄欠乏 | 1%未満 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 食欲減退 | 頻度不明 |
| 高クレアチン血症 | 1%未満 |
| 高コレステロール血症 | 頻度不明 |
| 高トリグリセリド血症 | 頻度不明 |
| 高脂血症 | 頻度不明 |
| 高血圧 | 頻度不明 |
| 黄体形成ホルモン増加 | 1%未満 |
| 鼓腸 | 頻度不明 |
| 鼻出血 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
エベロリムスは、細胞内イムノフィリンであるFKBP(FK506 binding protein)12に結合した19)。エベロリムスとFKBP12の複合体がセリン・スレオニンキナーゼであるmTORを選択的に阻害すると考えられている。mTORは、p70S6キナーゼ及び4E-BP1をリン酸化することによって蛋白質合成を調節し、細胞の成長、増殖及び生存に関与する。 エベロリムスを投与された担癌マウス20)及び担癌ラット21)の腫瘍においてp70S6キナーゼが阻害され、エベロリムスを投与された担癌ラットの腫瘍において4E-BP1のリン酸化が阻害された21)。
18.2 抗腫瘍作用
In vitro試験において、エベロリムスはヒト及びげっ歯類由来腫瘍細胞株の増殖を抑制した22),23),24),25),26),27)。また、in vivo試験において、エベロリムスはヒト腫瘍細胞株を異種移植したマウス28),29),30),31),32),33),34),35),36),37),38),39),40)、同系腫瘍移植マウス41)及び同系腫瘍移植ラット21),42)の腫瘍増殖を抑制した。
18.3 血管新生阻害作用
In vitro試験において、エベロリムスは血管内皮増殖因子(VEGF)及び塩基性線維芽細胞増殖因子によるヒト臍帯静脈内皮細胞の増殖を阻害した43)。また、エベロリムスは腫瘍細胞からのVEGF産生を阻害した41)。In vivo試験において、エベロリムスはマウスに皮下移植したVEGF含有チャンバー内の血管新生を阻害した44)。B16/BL6メラノーマ細胞を同所性移植したマウスにおいて、エベロリムスは移植部位及び転移部位の腫瘍血管密度を減少させた41)。
18.4 TSC遺伝子欠損マウスに対する作用
エベロリムスは、結節性硬化症の原因遺伝子と考えられているTuberous sclerosis(TSC)遺伝子のうち、TSC1遺伝子を神経細胞で欠損させたマウスの生存日数を延長し、脳内のリン酸化S6を低下させた45)。また、エベロリムスは、TSC2遺伝子をヘテロで欠損させたマウスでみられる腎腫瘍形成を抑制した46)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1反復投与
進行性固形癌患者に本剤2.5、5又は10mg注1)を1日1回反復経口投与したとき、血中濃度は投与後約1~2時間で最高濃度に達した。初回投与及び定常状態(投与開始15日目)におけるCmax及びAUC0-24hは用量に比例して増加した。初回投与及び定常状態のAUC0-24h比から計算した累積率は1.6~2.6であった1)。 注1)本剤の承認された用量は10mg又は3.0mg/m2を1日1回である。
進行性固形癌患者に本剤10mgを1日1回反復経口投与したときの血中濃度推移
| 投与量 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 薬物動態 パラメータ |
2.5mg(N=3) | 5mg(N=3) | 10mg(N=3) | |
| 投与初日 | Tmax(h) | 1.98 (0.98~2.00) |
1.00 (1.00~1.95) |
2.00 (1.92~2.00) |
| Cmax (ng/mL) |
15.1±2.48 | 31.5±3.40 | 49.4±14.8 | |
| AUC0-24h (ng・h/mL) |
85.2±18.7 | 211±50.0 | 401±51.6 | |
| 定常状態 (Day 15) |
Tmax(h) | 1.92 (1.00~1.98) |
1.98 (1.93~1.98) |
2.02 (2.00~2.20) |
| Cmax (ng/mL) |
16.8±1.33 | 57.6±17.6 | 65.9±1.40 | |
| AUC0-24h (ng・h/mL) |
134±24.1 | 543±189 | 711±113 |
Tmaxは中央値(最小値~最大値)、他は平均値±標準偏差
結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者に本剤10mgを1日1回反復経口投与したとき、2~48週における投与2時間後の血中濃度の中央値は29.1~41.5ng/mL、血中トラフ濃度の中央値は6.6~7.8ng/mLであった2)。
- 16.1.2本剤(アフィニトール錠)と分散錠の比較
外国人健康成人に本剤5mg又は分散錠5mg(国内における承認規格は2及び3mgである。)を単回経口投与した結果、AUC0-144hの幾何平均比の90%信頼区間は0.8~1.25の範囲内であったが、分散錠のAUC0-144hは10%低く、Cmaxは20%低かった3)。
外国人健康成人に本剤5mg又は分散錠5mgを単回経口投与したときの血中濃度推移
| 薬物動態 パラメータ |
アフィニトール錠 (N=53) |
分散錠 (N=53) |
幾何平均比※ (90%信頼区間) |
|---|---|---|---|
| Cmax(ng/mL) AUC0-144h(ng・h/mL) |
32.0 238.3 |
25.8 214.3 |
0.80(0.75,0.86) 0.90(0.85,0.95) |
数値は幾何平均値 ※アフィニトール錠に対する分散錠の幾何平均比
- 16.1.3臨床試験錠1mgと本剤の比較
外国人健康成人に臨床試験錠1mg又は本剤5mgを単回経口投与した結果、臨床試験錠のAUC0-144hは8%高く、Cmaxは48%高かった4)。
| 薬物動態 パラメータ |
臨床試験錠 (N=22) |
本剤 (N=22) |
幾何平均比※ (90%信頼区間) |
|---|---|---|---|
| Cmax(ng/mL) AUC0-144h(ng・h/mL) |
42.3 250 |
28.7 231 |
1.48(1.35,1.62) 1.08(1.01,1.16) |
数値は幾何平均値 ※本剤に対する臨床試験錠の幾何平均比
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
外国人健康成人に本剤を高脂肪食摂取後に投与したときのTmaxは、空腹時に比べて1.75時間遅延した。これに伴い、Cmaxは54%低下し、AUC0-infは22%低下した。低脂肪食摂取後に投与したときにも同様の結果が得られ、Tmaxは空腹時に比べて1時間遅延し、Cmaxは42%低下、AUC0-infは32%低下した。T1/2は空腹時、高脂肪食摂取後及び低脂肪食摂取後でそれぞれ35.6、40.5及び39.6時間であり、食事による差はみられなかった5)。
16.3 分布
エベロリムスの血球移行率は濃度に依存し、血中濃度が5ng/mLから5,000ng/mLに増加したとき、血球移行率は83%から27%に低下した(in vitro)6)。本剤10mg/日を投与したときの血中濃度に相当する濃度では、血球移行率は約80%であった。外国人健康成人及び中等度の肝機能障害を有する外国人被験者における血漿蛋白結合率は約74%であった7)。
16.4 代謝
エベロリムスは主としてCYP3A4によって代謝される(in vitro)8)。外国人腎移植患者に14C標識したエベロリムスを単回経口投与したとき、エベロリムスは主に未変化体として血液中に存在し、その他の主な代謝物として3種の水酸化体及び環状ラクトンの加水分解による2種の開環体及びフォスファチジルコリン抱合体が検出された9)。
16.5 排泄
外国人腎移植患者に14C標識したエベロリムスを単回経口投与したとき、投与した放射能の約80%は糞中に排泄され、尿中には約5%が排泄された。なお、尿及び糞中に未変化体は検出されなかった9)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害
外国人固形癌患者のデータを用いて母集団薬物動態解析を実施した結果、クレアチニンクリアランス(25~178mL/min)は本剤の見かけの全身クリアランス(CL/F)に対して有意な影響を及ぼさないことが示唆された10)。
- 16.6.2肝機能障害
外国人成人において、エベロリムスの血中濃度は肝機能障害により上昇し、軽度(Child-Pugh分類クラスA)、中等度(Child-Pugh分類クラスB)及び重度(Child-Pugh分類クラスC)の肝機能障害を有する被験者に本剤10mgを単回経口投与したときのAUC0-infは、肝機能の正常な被験者のそれぞれ1.6倍、3.3倍、3.6倍であった11)。 小児において、エベロリムスの薬物動態に対する肝機能障害の影響は検討されていない。
-
16.6.3小児での薬物動態
-
(1)外国人小児の結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者(3~17歳)に本剤を投与したとき、体表面積あたりの投与量(1.5~14.6mg/m2)と血中トラフ濃度(0.5~20.8ng/mL)の間に用量比例関係が認められたことから、小児におけるクリアランスは体表面積に比例して増加することが示唆された12)。
-
(2)小児を含む結節性硬化症に伴うてんかん部分発作患者(2~57歳)にアフィニトール分散錠を投与したとき、体表面積あたりの投与量で標準化した血中トラフ濃度は、高年齢層(12歳以上)の小児に比べて低年齢層(12歳未満)の方が低かったことから、体表面積あたりのクリアランスは低年齢層の方が高年齢層より高いことが示唆された13)。
-
16.6.4高齢者での薬物動態
外国人固形癌患者のデータを用いて母集団薬物動態解析を実施した結果、年齢(27~85歳)は本剤のCL/Fに対して有意な影響を及ぼさないことが示唆された10)。